マイナスイオン 足りてますか?

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今回ご紹介する物件の所在地は "等々力" です。この街の気持ちよさを物語っているのは……何と言っても、東京23区で唯一の渓谷であり、パワースポットとも言われている「等々力渓谷」の存在。散策すると、都会とは思えないフレッシュな空気に包まれます。取材時はあいにくのお天気でしたが、晴れた日にはこんな光景が!(600m 徒歩8分)

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左上・こちらが物件最寄りの「等々力」駅。改札に入るために踏切を渡る、ちょっと懐かしい雰囲気の駅です。(徒歩6分)/右上・古民家をリノベーションしたカフェ「Moutain Hut(マウンテン ハット)」。山小屋のような休憩所をコンセプトにしているそう。(550m 徒歩7分)/左下・商店街で発見した、気になる「八百屋ジャズ」の文字。こちらは全国を訪ね歩いて厳選したオーガニック野菜が並ぶ青果店。店名の由来は、なんとご主人がプロのジャズピアニストとしての顔も持っているからなのだとか!(1km 徒歩13分)/右下・マンションから徒歩6分の場所にある「スーパーバリュー 等々力店」(450m)。頼もしい品揃えで、日々のお買い物に困ることはなさそうです。

ほそ道の奥に

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さて、こちらが今回ご紹介するマンション。2015年に建てられたばかりの、デザイナーズ・コーポラティブハウスです。総戸数6戸というプライベート感のある規模で、共用ロビーなどを挟まずに各住戸へアクセスします。なんだか戸建てライクな空気ですね。

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コーポラティブハウスとは、入居者の方々が組合を設立して、共同で集合住宅を建設するもの。それぞれの住戸内はライフスタイルに合わせた自由な設計が可能なため、オリジナリティが光る住戸が多いことが特徴なのです!

売主さま

お互いに “顔が見えるご近所さん” として、安心感を持ってお住まいいただけるのも、コーポラティブハウスならではの魅力ですね。住民の方同士で屋上でバーベキューをしたり、一緒に植栽のお手入れをしたりされているそうで、豊かな交流が生まれています。

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左・道路から住戸の玄関までは、豊かな植栽に囲まれたアプローチが続いています。敷地外からは建物の姿がほとんど見えないくらいです。路地裏のような空間が子どもゴコロをくすぐるようで、小さな住民たちの遊び場にもなっているのだとか。/右・写真左手が、ご紹介する住戸の玄関扉です。

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ペットは小型(体長70cm以内)のものでしたら2匹まで飼育可能です。また、住居兼事務所としても利用可能だそうですよ。妄想が膨らみますね〜。

1階〜地下1階の メゾネットタイプ

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左・足を踏み入れると、コンクリート打放しの玄関がお出迎え。そして視線の先には、いきなりテラスが! さっそく明るさと開放感が溢れています!/右・手前の木の戸の中はシューズボックスになっており、白いドアの先には洋室が。こちらは後ほどチェックすることにして、まずは階段を降りて地下へ向かいましょう。

堂々たるLDK

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その広さ、約23.4帖! 天井高は約2750mm! 東・北の二面にドライエリアへつながる大きな掃き出し窓があり、地下ということを忘れそう。

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反対側からもう1枚。倉庫のような “今っぽい” 空間に鎮座する、このダイニングテーブル、いいなぁ♡

売主さま

光や風をふんだんに取り込み、開放感ある住まいを目指して設計された物件です。このLDKは『圧倒的に広いリビングダイニングで、みんなが集まれる大きなキッチンスペース』をコンセプトにしております。

窓の向こうの ドライエリアへ

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室内に光と風を届けてくれるドライエリアは、住戸の北東角をぐるりと囲むように、L字型に広がっています。ペットと遊んだり、夏にはプールを出したり、のびのびくつろげそう。塀で囲まれているので、しっかりプライバシーが守れるのがうれしい!

売主さま

視線が気になるとすれば、たまに通りがかる猫くらいかなと思います(笑)

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それはイヤンですね♡

LDKに戻って

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コンクリート打放しのハンサムなテイストと、天然木の温かいテイストが、美しくバランスを取っています。……あれ、唐突に気が付いてしまったんですが、もしかして、天井からプロジェクターが下がっていませんか?

そうなんです

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おもむろにリモコンを手渡してくれる、売主さま。ああ、電動スクリーンがスーッと下りてきて……迫力のホームシアターの出来上がりです! こちらのプロジェクター&スクリーンも込みであなたのものに。ソファをここに置いて、シネマに明け暮れてくださいね。

主役級存在感

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ダイニングテーブルと一体になった大きなアイランドキッチンは、『人が集まる楽しいキッチンに』という思いを込めて造作されたもの。水栓はドイツ “GROHE社” 製で、コンロは4口搭載。もちろん食洗機も完備していますよ。

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ゆったりしたアイランドキッチンって憧れです♡ ただ、家電や食器の置き場所をどうしたらいいかが気になります……

売主さま

ご安心ください。キッチンの後ろには、こちらの物件の大きな特徴、壁面収納がついております。

ジャジャン!

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なんとLDKの西側のオシャレな壁だと思っていたのは、ズラリと並んだ壁面収納でした! 木製の引き戸をガラガラッと左右に動かすと、ハンガーパイプ付きのクローゼットや、冷蔵庫置き場、可動棚たちが現れます。しかも、1枚だけ木目ではなく黒い戸板がありますよね。これ、チョークで描き込める “黒板” なんですって。

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た、ただ、床がモルタル仕上げなので、ちょっと寒そうかなぁ? と心配です……

売主さま

LDKには床暖房を完備しており、サッシにも断熱性の高いペアガラスが採用されています。地下にあるコンクリート造の物件という特徴を活かし、夏は涼しく冬は暖かく、快適に過ごしていただけますよ。打放しなので、多少の傷や汚れも目立たないのも利点です。

あぁ 参りました

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全体像を、もう一度パシャリ。広々としていて、無機質でいて、あったかい。窓辺のさわやかな光と、照明の生み出す色っぽい陰影が共存。このLDKに、のっぺりした場所はどこにもありません。それでは、奥のブラケットライトの手前を左に曲がり、水まわりへ進みましょう!

引き戸を開けて 水まわりへ

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左・白いタイル貼りの洗面化粧台は横幅たっぷりで使いやすそう。このアンティークなミラーに心を撃ち抜かれる方もいらっしゃるのでは? 奥にはバスルームと、サブのドライエリアへつながるドアが。/右・洗面化粧台の反対側には、洗濯機置き場とトイレがあります。

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左・打放しで男前な面持ちのトイレ。収納はありませんが、この空間に突っ張り棒は使いたくない、カモ。スタイリッシュなペーパーストック方法を考えたいですね。/右・水まわりにも専用のドライエリアがあります。コンパクトですが、楽に換気できるのはポイント高し。

そして バスルームへ

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余裕あるサイズ感のバスルームは、まるで温泉のようなウッドデッキ仕様! 大きな窓を開ければ、LDKに面したドライエリアのデッキにつながります。既存のものを活かしているので、使用感が気になる方は現地にてご確認くださいね。

売主さま

こちらの物件のもうひとつの大きな特徴、ドライエリアと一体になるバスルームです。浴室内・外のベンチともに、耐水性に優れたイペ材を採用しております。露天風呂のようなバスタイムをお楽しみいただけますよ。

回遊からの 上昇!

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左・水まわりの奥のドアから、LDKの反対側へ通り抜けることができました。動線に回遊性があると、家事効率がアップ◎/右・それでは、恐竜の背骨のようなオープン階段を上って、1階へ戻りましょう!

1階には 洋室がありましたね

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ベッドルームとして活躍してくれそうな、約8.5帖の洋室です。同じくコンクリート打ち放し×天然木の組み合わせですが、こちらの床面は無垢材のフローリングで、ぬくもり多めの仕上がり。東・北の二面採光なので、朝日でスッキリした目覚めが期待できそうです。

窓からの眺め

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東側の眺望はコチラ。お向かいの建物とは距離が取れており、向かい合うようなバルコニーも無いので安心です。ちなみにこの建物は「等々力地区会館」。児童館も併設していますが、児童館はこの反対側に位置しているため、賑やかさが気になることはなさそうです。下を覗き込むと、先ほどのLDKに面したドライエリアが見渡せます。

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こちらの洋室には、作り付けの収納が無いのがちょっと惜しいところ。写真右手の、戸棚のように見える部分をパカッと開けると……?

意外な展開

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階段上空につながっている、サッシなしの室内窓でした。玄関から丸見えになるのは困るけど、ゆるやかに階下のLDKとつながりたい、そんな時にいいかもしれません。それにしても、壁付けの燭台のような照明がまた味わい深い〜。

もうちょっとだけ クローズアップ

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左上・これを語らずには帰れない。ダイニングテーブル上の照明は、なんとベルギーから直輸入したこだわりのアンティークライトなのだそう。どうりで、いい味出してると思いました。/右上・LDK南側壁面のブラケットライトも素敵なので、ぜひご注目ください。/左下・壁面収納の木製引き戸を吊っている滑車&レール。個人的にものすごくときめいたポイントです。引き戸は見た目より軽いのでご安心くださいね。/右下・洗面化粧台の蛇口も、期待を裏切らないアンティークっぷり♡

売主さま

この物件の内装は、もともとは店舗の内装をメインとしているデザイナーに、特別に手がけてもらったものなんです。一般住宅ではなかなか見られない仕上がりを実感していただけるかと思います。

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へえー!

散策すれば 運命的な近さに

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左上・こちらは「等々力渓谷」沿いというWOWなロケーションのイタリアン「OTTO(オット)」。お散歩の後のエナジーチャージにどうぞ。(1km 徒歩13分)/右上・『何のお店だろう?』足を止めてみると、週末限定でオープンするフローリスト「shop & atelier Iria(イリア)」でした。アーティスティックなアレンジメントにうっとり♡ 不定期にワークショップも開催しているそう。(270m 徒歩4分)/左下・等々力といえば、スイーツ好き垂涎の「PATISSERIE ASAKO IWAYANAGI(パティスリー アサコイワヤナギ)」は外せないスポット。お菓子屋さんらしからぬ、無機的かつ色気のある店内……ま、まさかここは!/右下・実はこちらの店舗、物件と同じデザイナーさんが手がけたのだそう! ご内見の際にはぜひ立ち寄ってみてください。同店の名物パフェは、味はもちろん美的センスも爆発の逸品。ケーキや焼き菓子も販売しているので、ご近所にあると手土産やおもてなしの機会にも重宝しそうですね。(500m 徒歩7分)

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最後のひと口まで、すっかりモダンでアンティークなテイストにやられてしまう取材でした。ごちそうさまです!

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カウカモ編集部より

倉庫のようなラフさと、ふくよかな味わいを併せ持った物件です。さすがコーポラティブハウス、思い切りやりたいようにやった、そんな清々しさに惹かれます。いわゆる “尖った”、“エッジの効いた” 物件に入るかと思いますが、お好みには合いましたでしょうか?(私は大好きです!)


改めてお伝えしますと、コーポラティブハウスとは、入居希望の数世帯が組合を結成して、建築家と一緒に作り上げる集合住宅のこと。自由度が高く、それぞれにとって思い入れのある住まいが生み出されます。こちらのマンションは総戸数6戸と、コーポラティブハウスの中でもかなり少人数で立ち上げられたもの。フレンドリーなご近所付合いができるというのも納得です。ちなみに売主さまファミリーは、海外赴任のために泣く泣く(?)手放されるのだそうですよ。


管理については、こちらのマンションでは清掃業務などの一部を外部委託していますが、基本的には自主管理となります。2015年竣工とまだまだ築年数が浅いのでキレイな状態ですが、今後の修繕計画等はしっかりと自主性を持って考えていく必要がありそうです。管理会社に “お任せ” していないぶん、月々の管理費は抑えられています。


舞台となる「等々力」は、「自由が丘」から2駅しか離れていないのに、本格的な渓谷を抱く自然豊かな街です。マイナスイオンとドーパミンの両方が溢れるのは、まさにここだと思います(個人的にとても住みたい街なのです)。穏やかで潤った環境を満喫するべく、光や風をたっぷり取り込み、開放的に作られた低層マンション。駐車場はありませんが、近隣に月極の駐車場があるそう。そしてマンションの駐輪場は、無料で利用可能です◎ ペットと一緒に、ワクワクする毎日が送れそうな予感がしませんか。


住戸は記事内でこってりレポートさせていただきましたが、様々な二項対立を鮮やかに超えているのが印象的でした。ゆとりある広さのドライエリアでは、開放感とプライベート感を。内装テイストで言えば、倉庫風の今っぽさと色気あるアンティーク感を。また、モルタル仕上げのフロアには床暖房が備わっており、しっかりとスタイリッシュさと居心地よさの共存を叶えています。


約23.4帖のLDKには、大きなアイランドキッチンに、ホームシアターとなるプロジェクター&スクリーン。この仕掛けはもう、家族だけで楽しむには勿体無いかも(笑)光と風を通しながら、ゲストとダイニングテーブルを囲む。『このケーキのお店、ここの内装と同じデザイナーさんなんだ』なんてウンチクを傾けながら、映画の準備もしたりなんかして。事務所利用がOKですので、お料理教室もぴったりハマりそうですね。


地下の住戸は暗くて湿っぽいのではないか……そうお考えの方でも、実際にご覧いただけばきっと不安は解消されるはず。取材日は小雨が降っていましたが、室内は思いのほか明るくサッパリしていましたよ。それよりもネックとなりそうなのは、1階の洋室に収納が無いことと、バスルームの若干の使用感でしょうか。その点をぜひ、工夫と情熱で乗り越えていただきたいです。


ここに住んだら楽しいだろうなあ。やりたいようにやっている物件はやっぱり魅力的です。きっとこの物件の新たな運命の方が現れるのでしょうが、できることならそれが、カウカモを見てくださった方だったらいいなあと思います。ぜひ改めて、素敵なお住まいぶりを取材させていただきたいものです!

writer / editor:小杉 美香