中古マンションを購入し、楽しくリノベ暮らしをしているお宅へ訪問インタビューさせていただく「リノベ暮らしの先輩に聞く!」。
今回は、カウカモ編集部のメンバー、中山宇宴(うえん・34歳)の自宅を訪れました。


「リノベーション EXPO JAPAN TOKYO 2019」のカウカモブースに登場した “のぞき穴ボックス” にて披露された中山宅のムービー。

去年カウカモ編集部に入った中山さん、なかなかマニアな趣味人らしいですよ。去年リノベーションしたマンションにも、趣味が炸裂しているらしいとか・・・。

そんな噂を聞いて訪ねた、編集部・中山宇宴(うえん)の住まい。最寄り駅は、渋谷や池袋まで一本とアクセスがよく、駅前にはほどよい規模の商業施設や商店街が充実している石神井公園駅です。中山が購入したのは、駅から徒歩約15分の静かな住宅街に建つ築29年のマンションの一室。共用部の駐輪場には、中山の愛車のバイクが3台(!)並んでいました。

■子どもの頃からの興味が新しい趣味につながって

ドアを開けると、約48㎡の室内を奥まで見渡すことができる開放的なワンルーム。が、そんなことよりも注目してしまうのは、まずキッチン横に並ぶエアガンスペース

さらに、5.1chサラウンドスピーカーをしつらえたホームシアター

鉱物や電球の不思議なオブジェ

壁一面の造作棚にはCDやBlu-ray Discにオーディオ機器、プロジェクターがずらり!(ソファ上は愛猫のちゃまめちゃん)

空間はシンプルながら、随所に「これは何?」と聞きたくなるものが散りばめられ、趣味のモノが満載の家。多彩なジャンルが混在しているのがなんともユニークです。

本気の趣味はホームシアターにエアガン、カメラ、釣り、バイク。天体観測やスキューバダイビング、電気工作、鉱物採取も好きですが、その辺りはレジャー感覚ですね。

趣味を「本気」と「レジャー」で分けている時点でただならぬ気配。それぞれどんなきっかけでハマっていったのでしょう?

子どもの頃から、家にある電化製品や機械をバラして遊ぶのが好きだったんです。それが高じて電気工作が趣味になり、スピーカーを自作したりしていて。機械いじりをきっかけにバイクも趣味になって、ひとりでテントを積んでツーリングに出るうちにキャンプも好きになりました。小さい頃から銃のカッコよさにも憧れていて、「いつか自分でも撃ってみたい」という夢を大人になってエアガンで叶えた、という感覚ですね。

カウカモ編集部の中山。愛猫・ちゃまめちゃんは前の住まいからの付き合いです。

中学2年生の時からカメラにもハマり、大学では写真を専攻。卒業後は趣味を生かしてホームシアター専門誌の編集部に就職し、オーディオ・ビジュアルへの興味と知識を深めていったと振り返ります。

編集部時代は、ホームシアターのある住宅を取材する機会が多かったんです。さらにライフスタイルにフォーカスした新雑誌の立ち上げを担当する中でリノベーションへの興味が高まり、とあるリノベーション会社に転職しました。

そこでは広報を担当。さまざまな事例を目にする中で「自分もいつかはリノベした家で暮らしたい」という想いが大きくなっていきました。

■リノベ済みマンションを自分流にカスタマイズ

中古マンションを購入してリノベーションしようと決意したのは2017年。しかし「譲れない条件」があったため、物件探しには苦労したのだそう。

「近くに車を停められる」「バイクを置ける」「猫を飼える」が3大条件。さらに、自分好みの間取りや設備が整っている、ある程度リノベされた物件がいいなと思っていました。以前住んでいた方南町が暮らしやすかったので周辺で探したんですが、条件も予算もクリアする物件がなかなかなくて。不動産サイトで地道に探して、条件に合ったのはこの家を含めて2軒だけでしたね。

リフォーム会社のモデルルームとして使われていたこの部屋は、個性的にリノベーションされていたためかなかなか買い手がつかずに価格が下がり、なんと1LDKで1980万円(!)とかなりのお買い得物件でした。駅から少々遠くバス利用となるものの、通勤にバイクを使う中山は「駅近」という条件は潔くあきらめることに。

左:広い土間玄関はバイク整備スペースとしても活躍。正面のシューズクロークは場所を取るヘルメットや工具の収納に。グレーの壁の奥がキッチンにつながります。/右:玄関から直行できる土間キッチン。もともと入っていた新品のシステムキッチンに壁付けの棚を足して、コーヒー道具やお酒を見せながら収納。

壁の色やフローリングなど好みでない部分もあったのですが、職業柄リノベーションで十分変えられることは分かっていたので気にしませんでした。会社の設計担当の先輩にも下見してもらい、ロフトベッドなどのアイデアをもらいましたね。

希望に合わない部分は自ら図面を書いて施工を依頼し、プチリノベーションを実行。玄関からキッチンとリビングへ進むふたつの動線がある間取りは元のままですが、玄関からベランダまでコの字型の土間で囲まれているデザインは、使い勝手を考えて玄関とキッチンのみ土間に変更。ほかの部分は全面的にフローリングを貼り直しています。リノベーションを最低限に抑えた分、スピーカーなど趣味のアイテムに予算をかけることができました

■趣味空間で重視したのは「収納」と「防音」

趣味の道具が多い中山にとって、ネックになったのが収納スペースの不足。会社の先輩のアドバイスで、収納と一体のロフトベッドを新たに造作しました

寝室だった場所の間仕切り壁を壊してロフトベッドを造作し、ベッド下の高さ1mほどのスペースを丸ごと収納にしています。釣りやキャンプ、スキューバダイビングの道具、意外に量が多いスピーカーのケーブル類もここに納めています。

もうひとつ、どうしても実現したかったのが100インチシアター。以前の住まいでは100インチサイズのスクリーンを天井から吊り下げていたそうですが、今回はロフトベッドのリビング側の壁(約2.5m×1.7m)をホームシアターのスクリーンにして空間を有効活用することに。

壁全面を使えば100インチサイズ以上になり、カーテンを閉めれば本格的なシアター空間に。両脇に映画館でも使われるJBL社の本格スピーカーをレイアウトし、背後の造作棚にもスピーカーを設置して、360度サラウンドの迫力ある音世界を楽しめる設計です。

左手の造作収納は購入時からのもの。棚の中にプロジェクターを設置し、右手のロフトベッド壁面に投影させています。丸テーブルは以前ダイニングテーブルとしていたものの脚をカットしてリビング用に。窓辺に置いた天体望遠鏡を持って長野などへ星を観に出かけるそう。

ロフトベッド上部。天井はDIYで白く塗装しています。

映画好きなので、やっぱりテレビより迫力あるスクリーンがよくて。スピーカーやプロジェクターは、すべて自分で配線しました。オーディオ好きからすると、配線の作業が楽しくてしょうがないんです。マニアックな話ですが、使うケーブルによって音も変わるんですよ。家ではいつも「amazon prime」で好きな映画を選んで観ています。平日の夜もついつい一本観てしまって、寝不足になりがちで(笑)

左:スクリーン両側にはデザインも素敵なJBL社のスピーカー。中央のテーブルにもセンタースピーカーを置いています。「スピーカーはメーカーごとに設計思想が違うので、違うメーカー製品を組み合わせる楽しみ方もあります」。/右:脇の階段でロフトベッドに上る設計。下部は丸ごと収納スペースに。

迫力のサウンドを楽しむため、サッシの内側にもう一枚内窓を設置。近隣に音漏れで迷惑がかからないように配慮しています。もちろん断熱性もアップ。

ダイニングスペースは大胆にワークスペースに変更しました。PCモニターを置いたデスクの隣に高さを合わせてDIYでもう一つデスクを足し、エアガンの整備やDIYのためのコーナーに。

ワークスペースは、ツクルバのコワーキングスペース「co-ba(コーバ)」をイメージ。奥は小学生の時から愛用しているデスクで、高さを合わせて手前のデスクをDIY。右手には好きなビンテージ和家具を置いて趣味のディスプレイスペースに。

今は海外製のガスブローバックライフルを2丁持っています。構造が実銃に近くて、音や反動も本格的でかっこいい。屋外でサバイバルゲームを楽しむ人もいますが、僕は弾を入れずに室内で “空撃ち” して楽しむ派。日本のガスでも動くようにチューニングするのが楽しいんですよ。

バイク移動なこともあり、「外食や飲みに行くことも少なめ」と根っからのインドア派。時間やお金の使い方にメリハリをつけて趣味に没頭している中山にとって、自宅は趣味を楽しむ極上の空間です。これから、洗面室を写真用の暗室に改装することも計画しているそう。

この家に暮らし始めてから、本当に家が楽しいです。

住まいの優先順位は十人十色。「趣味を楽しむこと」を第一に理想を実現した中山の住まいは、家づくりの自由さを教えてくれます。


ーーーーー物件概要ーーーーー
〈所在地〉東京都練馬区
〈居住者構成〉ご本人
〈間取り〉ワンルーム
〈面積〉48㎡
〈築年〉築29年
〈設計〉居住者本人

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