リノベ暮らしの先輩たちは、リモートワークの先輩でもあった!「 一点もの」の暮らしを叶えた彼らの、自宅でのお仕事の様子と素敵な仕事場を、過去の取材記事からピックアップ。楽しく住みこなし、仕事もしっかりこなす、先輩たちに再び会いに行こう!


皆さま、おうち時間をどのようにお過ごしでしょうか? 録り溜めていたドラマを一気見したり、新しい料理にチャレンジしたり、普段できなかった楽しみに触れることができる一方、家ではやりづらいこともちらほら出てきますよね。

中でもお悩みの声をよく聞くのが、自宅でのお仕事 “リモートワーク” について。家は好きな物(誘惑)に溢れているから集中できない、お子さまの面倒を見ながらだと大変……などなど、いざ自宅で仕事をしてみると意外と難しいものです。

そこで今回は、過去にカウカモマガジンで取材をさせていただいた「リノベ暮らしの先輩に聞く!」、「cowcamo graph《カウカモグラフ》」、「BEAMS living style」の記事の中から、ユニークなワークスペースがある住まいをピックアップ! それぞれのワークスペースを、以下の5つタイプに分けてご紹介していきます。

■室内窓でゆるく分かれるワークスペース
■LDKの一角に設けられたワークスペース
■ひとつづきの空間に設けられたワークスペース
■土足でそのままアクセス! 玄関横のワークスペース
■ほかにもこんなワークスペースが!

リノベやDIYでワークスペースを造ろうと考えている方、書斎(DEN)がある物件をお探しの方など、彼らの住まいをぜひ参考にしてみてくださいね。

それでは順番に見ていきましょう。

室内窓でゆるく分かれるワークスペース

書斎やワークスペースのイメージって、なんとなく “おこもり感” があるものを想像してしまいますが、彼らはひと味違います。

1. 奥さまお気に入りのキッチンを前に

写真左手の旦那さまがいるスペースが書斎、右手の奥さまがいるのがLDK。

こちらはカウカモで物件を購入されたご夫婦のお住まいです。元々3LDKだった間取りをリノベーションで1LDK+WICに変更し、個室として設けたのはベッドルームではなく書斎でした。

奥さまのお気に入りスペースであるキッチンが目の前にある造り。なので、コーヒーの差し入れもスムーズに。

書斎とLDKを分けるのは、木枠の室内窓。ほどよいおこもり感は保ったまま、空間に圧迫感を無くし、より開放的にお仕事ができる造りになっています。室内窓がおふたりの距離をゆるくつないでくれるという、素敵な役割も◎

旦那さま:書斎には床暖房を入れました。夜中でも快適に仕事ができるのでかなり活用しています。賃貸の時は食卓でやっていましたが、初めてゆっくり仕事ができる感じです。やりようによってはバーカウンターみたいになるので面白いですよ。

室内窓によって光と風を招き入れるだけでなく、床暖房も完備し、一年中気持ちよくお仕事ができそうな書斎ですね。奥さまが見守っていてくれる、ほどよい緊張感もいいのかもしれません。

また、デスクの手元は窓ではなく壁になっているのもポイント。心理的に、人は手元が隠れているだけで、安心感を感じるんだそうですよ。

▼記事はこちら(2019/05/23公開)
窓から遠くに望む富士山。愛着の湧く “テーマ” を設けて

2. 室内窓の前で、ふたり並んでお仕事

木の温もりを感じる、ログハウスような雰囲気のワークスペース。

続いてご紹介するのは、「BEAMS living style」で取材させていただいたご夫婦のお住まい。先ほどご紹介した住まいと同様、木枠の室内窓でLDKとゆるくつながるワークスペースを設けています。

ご夫婦並んで仕事ができるよう、カウンターデスクを広めに確保。手元の壁にコンセントプラグを設置しているのも◎ 使いやすい位置にコンセントプラグを配置するのは、ワークスペースを造る上でとても重要なポイントです。

左・カウンターデスクの手前で奥さまがイラストを描いたり、奥で旦那さまがミシンを使った作業をしたりと、それぞれが好きなことをして過ごしている。/右・ワークスペースのお向かいにあるソファでも、仲睦まじく並んでお話。

お子さまがいらっしゃる方は、デスクの片方を勉強スペースにするなど、家族構成に合わせて応用できそうですね。また、こちらの住まいのように、LDKなどでは目立ちがちな資料や仕事道具も、ワークスペースの壁に棚を設置して置けば、より一層 “作業場感” が増して創作意欲が湧いてくる、なんて効果もありそう。

▼記事はこちら(2020/01/21公開)
BEAMS living style 009 -合理性重視、一軒家のログハウス調の家-

『仕事に集中する上で、ある程度おこもり感は欲しい!』という方は多いでしょう。でも、閉ざされた空間で長時間仕事をしていると、少なからず孤立感を感じるもの。

室内窓があれば空間が開放的になるだけでなく、ご家族と付かず離れずの絶妙な距離が生まれ、適度な安心感と緊張感が、仕事の効率を高めてくれるでしょう。お子さまの勉強部屋とする場合は宿題の様子を見守れるので、親目線でもメリットがありますね。

それでは、次のワークスペースを見てみましょう。

LDKの一角に設けられたワークスペース

次は、LDKの一角に設けられたオープンタイプのワークスペース! 移動性と自由度が高いワークスペースです。

1.カウンターでもデスクでも、気分や重要度に合わせて

ユニセックスなデザインと、生活動線が考えられた間取りに惚れ込んだのだそう。

カウカモでリノベーション済みの物件を購入された男性のお住まい。『淹れたてのコーヒーをいただきながら、朝のメールとタスクチェック』なんて情景が目に浮かぶキッチンカウンターはダイニングテーブルとしても使える上に、簡単なお仕事は済ますことができちゃいます。棚の奥に回り込むと……?

ワークスペースとリビングスペースを仕切るオープンシェルフは、背板がなく視線が抜ける造りになっています。置くモノの種類や量によって仕切り具合を調節できるのもメリットです。

現れたのは、ふたつのデスクが造作された本格的なワークスペース。可動式のウォールシェルフは、書類の収納などに活躍してくれそうですね。

じっとしているのは、逆に疲れてしまうもの。気分や仕事の重要度によって、作業環境を変えられるのはとてもいいことです。簡単な仕事はキッチンカウンターで、喉が渇いたらキッチンへ、リフレッシュしたい時はリビングスペースへ、という感じに、フレキシブルに移動できるのもオープンスタイルのいいところですね。

▼記事はこちら(2017/12/18公開)
人生にインパクトを

2.将来を見据えDIYもした、一番お気に入りのスペース

掃き出し窓が隣にあることで、開放感と採光性が抜群なワークスペース。造作のウォールシェルフに並べられたインテリアが、仕事のテンションを上げてくれそう。

こちらは、東横線沿いのリノベ済みの物件から、好きな飲み屋さんがある街「荻窪」に移り住んだご夫婦のお住まい。人生2回目だったというリノベーションで手に入れたのは、ご夫婦が並んでお仕事できるオープンなワークスペースでした。

旦那さま:普段から家で仕事することが多いのですが、将来的にさらにリモートワークが増えることを考えて造ったスペースです。前面の壁はDIYでペイントしました。『どこかに自分の手を入れると愛着が湧くよ』と設計士さんにアドバイスされたのもありましたが、やっぱり一番好きな場所になりましたね。

息抜きのタイミングもお互い自由に。

お互いを干渉しすぎない距離で、自由に仕事ができるオープンなワークスペース。ふたりの信頼関係が成り立っているからこそ、安心感を感じながら集中できるのかもしれません。

また、DIYで好みのデザインにできるというのも、自宅にワークスペースを持つメリット。丹精込めて造ったスペースでのお仕事は、より一層気合が入りそうですね。

▼記事はこちら(2018/05/31公開)
「一生に2回もリノベするなんて」。祐天寺から荻窪へ、結婚から始まった住み替えストーリー

3.DIYで大胆にキッチン前に! 趣味人のワークスペース兼工場

約48㎡のワンルームには、ホームシアターやエアガン、カメラ、釣り道具など、彼の趣味がぎっしりと詰め込まれています。

お次にご紹介するのは、カウカモ編集部のデスクを務める中山の自宅。趣味人でもあり、多忙な日々を送る仕事人でもある中山ですが、どんなワークスペースなのでしょうか。

愛するエアガンをメンテナンス中の中山。

中山はキッチンの背面にワークスペースを設けています。イメージしたのは、ツクルバが運営するコワーキングスペース「co-ba(コーバ)」だそう。

小学生の頃から愛用しているという机の高さに合わせて追加でデスクをDIYし、作業スペースをワイドに拡張。趣味が散りばめられたワンルームの中心にオープンな作業場を設けることで、仕事から愛する玩具のメンテナンスまで幅広くこなせる、まさに趣味人の “工場(こうば)” のような空間になっていますね。

▼記事はこちら(2019/04/30公開)
キッチン脇にエアガン、リビングに100インチシアター! 趣味満載のワンルームリノベ

自由度が高く開放感も強い、オープンタイプ。室内の凹凸を活かして造作のデスクやカウンターを設置すれば、最小限のスペースを書斎にすることが可能です。また、ご家族で共有のワークスペースが欲しい場合にもオープンタイプが向いているでしょう。

ただ、『LDKの一角に設けるとなると集中力が保てるか心配』という方もいるかもしれません。そういう場合は、壁に向かって座るプランにするのがおすすめ。確かに、個室に比べるとほかの物に目が移りやすくはなるので、メリハリをつけて作業ができる方が向いているかもしれません。

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