
六本木エリアの現状と課題

六本木五丁目西地区では、外苑東通りや鳥居坂、芋洗坂などに囲まれたエリアで、大規模な再開発計画が進められています。都市計画上の地区面積は約10.3ヘクタール、第一種市街地再開発事業としての区域面積は約9.2ヘクタールとされており、六本木駅周辺の都市機能を大きく更新するプロジェクトです。
六本木は、2003年の「六本木ヒルズ」、2007年の「東京ミッドタウン」の開業を機に、国際的なビジネス・文化・商業の拠点として発展してきました。六本木五丁目西地区についても、東京の国際競争力を高める都市拠点としての役割が期待されており、国際性豊かな交流ゾーンの形成が目指されています。
六本木エリアの再開発の背景

六本木には、以前からいくつかの都市課題が指摘されてきました。例えば、六本木交差点周辺には十分な滞留空間が少なく、駅周辺ではバスやタクシー乗り場が分散しているため、乗り換えの利便性に課題があります。
また、地下鉄駅構内の混雑や、東京メトロ日比谷線と都営大江戸線をつなぐ連絡通路がバリアフリーに十分対応していない点も課題とされています。こうした問題の解決と、国際競争力のある都市拠点づくりを目指し、六本木五丁目西地区の再開発事業が進められています。
六本木五丁目西地区計画・5つの街区で進む再開発
エリアの概要
再開発の配置予定図
麻布十番駅方面にかけての高低差のあるエリアには、外国の大使館や私立学校、国際文化会館など、歴史や国際性を感じさせる施設が立ち並んでいます。一方、六本木駅周辺には中小規模のビルが集積し、外苑東通り沿いには、かつて六本木のランドマークとして知られたロアビルなどもありました。
今回の計画では、このエリアを複数の街区に分けて再整備する予定です。当初計画では、建物の整備は2025年度~2030年度、六本木駅接続通路などの整備は2025年度~2035年度とされています。ただし、建築費の高騰や工期長期化の影響もあり、2026年時点では2030年度竣工は難しい状況にあるとの見方も示されています。そのため、今後スケジュールが変更される可能性があります。
A街区
A街区とB街区に建設予定の高層ビル
今回の計画で最大規模となるA-1街区の超高層ビルは、高さ約327メートル、地上66階・地下8階の構造で、主にオフィス、ホテル、店舗、文化・交流施設などが入る予定です。延べ面積は約79.4万㎡におよび、実現すれば国内でも有数の高さを誇る超高層ビルとなる見込みです。
東京駅前で建設中の「Torch Tower」は高さ約385メートルとされており、A-1街区のビルはこれに次ぐ規模の超高層ビルとして注目されています。
また、エリア内には約2,000㎡のイベントホールが整備される予定です。大規模イベントの分科会会場や控室として活用できる中小規模のホールも同じフロアに配置される計画で、六本木の文化性や国際性を活かしたMICE機能の強化が期待されています。MICEとは、Meetings、Incentives、Conferences、Exhibitionsの略で、会議、研修旅行、国際会議、展示会などを指します。
さらに、A-1街区の高層部にはホテル機能も整備される予定です。2026年には、森ビルと住友不動産が、六本木五丁目西地区第一種市街地再開発事業のホテル運営会社として「ローズウッド」を選定したことを発表しました。ローズウッド東京は、高さ約330mのメインタワー最上層部に位置し、約200室の客室、レストラン、宴会場、スパなどを備える計画です。
B街区
B街区の超高層住宅棟は、高さ約288メートル、地上70階・地下5階の構造で、主に共同住宅、店舗、事務所などが整備される予定です。住宅については、外国人就業者・居住者にも対応する国際水準の都心型住宅として計画されています。
住戸は、都心で働く高度人材や国際的な居住ニーズにも対応できるよう、ゆとりのある住空間を想定しているとされています。また、コンシェルジュ機能、24時間対応のバイリンガルフロント、ドアマン、フィットネスジムなど、国際水準の居住環境を支える機能の整備も計画されています。
国際的なビジネス拠点としての六本木にふさわしい住環境を整えることで、海外からの高度人材やその家族にとっても暮らしやすい都市機能の強化が期待されています。
C街区~E街区
再整備が予定されているエリアには、私立学校や国際文化会館、国際文化会館庭園などがあります。今回の計画では、こうした周辺環境の特徴を活かしながら、街区ごとに異なる機能を配置する方針です。
C街区には地上6階建ての学校が設置され、E街区には地上9階・地下3階の店舗兼共同住宅が建設される予定です。東京都都市整備局の計画内容では、C街区の延べ面積は約16,900㎡、E街区の延べ面積は約29,200㎡とされています。
国際文化会館を含むD街区では、約16,000㎡の人工地盤上の「都心の森」の創出が計画されています。森ビルと住友不動産の発表でも、ローズウッド東京がこの「都心の森」と調和するホテルとして位置づけられており、都心にありながら緑と文化を感じられる空間づくりが目指されています。
また、自立分散型エネルギーシステムの導入や、約5,000㎡の帰宅困難者一時滞在施設の確保など、防災機能の強化にも取り組む方針です。災害時にも都市機能を維持しやすい街づくりを進めることで、六本木駅周辺の安全性向上にもつながることが期待されています。
交通の利便性向上と歩行者ネットワークの整備
公共交通の交通結節点としての機能向上・強化
交通機能の強化として、駅まち広場や交通結節広場の整備、道路ネットワークの再編が計画されています。具体的には、地下鉄駅から再開発エリアへのアクセス動線を整えるほか、六本木交差点の地下に、日比谷線・大江戸線と新たに整備される交通結節広場をつなぐ、バリアフリー対応の地下通路が設置される予定です。
駅まち広場は約4,600㎡の広さが確保され、地下鉄利用客を迎える玄関口としての役割を担うとされています。また、バスやタクシー乗り場を集約した交通結節広場が1階と地下2階に整備される計画で、青山・新橋方面は1階、浜松町・品川・羽田方面は地下2階の乗り場が利用される予定です。どちらも駅まち広場からアクセスしやすい設計となる見込みです。
これにより、これまで分散していたバス・タクシー乗り場の集約や、地下鉄との乗り換え利便性の向上が期待されています。六本木駅周辺の混雑緩和や、来街者にとって分かりやすい交通動線の形成も、今回の再開発における重要なポイントです。
快適で安全な歩行者ネットワークの整備
当エリアには高低差があるため、歩行者にとって移動しにくい場所もあります。今回の計画では、こうした地形上のバリアを解消するため、安全で快適な東西・南北の歩行者ネットワークの整備が予定されています。
適切な位置にエレベーターやエスカレーターを設置し、バリアフリーに配慮した動線を確保することで、高齢者やベビーカー利用者、車いす利用者、観光客など、さまざまな来街者が移動しやすい環境を目指します。
また、外苑東通りや地区幹線道路沿いには商業施設を配置し、歩行者が楽しめる賑わいのある空間をつくる予定です。さらに、新たに東西・南北の2つの貫通通路を整備し、木々に囲まれた緑豊かな歩行者空間を創出するほか、周辺道路との接続性の改善も目指しています。
まとめ:再開発がもたらす六本木の未来と新たな街づくり

六本木五丁目西地区の再開発は、六本木駅周辺の大規模な都市機能更新プロジェクトです。第一種市街地再開発事業としては約9.2ヘクタールの区域に、超高層ビル、住宅、学校、商業施設、文化施設、ホテル、イベントホール、緑地空間などを整備する計画です。
同時に、駅周辺の歩行者ネットワークの強化、バリアフリー化、交通結節機能の向上も進められます。これにより、六本木交差点周辺の混雑緩和や、地下鉄・バス・タクシーの乗り換え利便性向上が期待されています。
六本木は、六本木ヒルズや東京ミッドタウンの開業を経て、ビジネス、文化、商業、居住が融合する街として発展してきました。六本木五丁目西地区の再開発は、その流れをさらに進め、国際競争力のある都市空間を形成する大きな転換点になると考えられます。
ただし、建築費の高騰や工期長期化の影響により、当初想定されていた2030年度竣工からスケジュールが変わる可能性もあります。今後も事業の進捗や正式な発表を確認しながら、六本木の新たな街づくりの行方に注目していく必要があります。
「カウカモ」では六本木エリアの、中古・リノベーションマンションをご紹介しています。 物件情報だけでなく、その街の暮らしがイメージできる写真や記事も充実しているので是非一度ご覧くださいね。


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