不動産査定書とは?詳細版の入手方法やチェックポイントを解説

上手に売るコツ

不動産売却を検討している方の中には、不動産の価格を知りたいものの査定書の入手方法や、査定書で確認すべき内容がわからないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

不動産査定書は、不動産の正確な価値を知るための重要な書類です。

本記事では、そもそも不動産査定書とは何か、入手する方法、査定書のチェックポイントを解説します。

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不動産査定書とは?

不動産査定書とは、現在の不動産の価格や根拠が記載されている書類です。

具体的には、査定対象の不動産の概要や、近隣不動産の取引事例、価格の算出方法などが記載されています。

不動産査定書の主な利用方法は以下のとおりです。

不動産査定書の利用方法
  • 所有している不動産の現在の資産価値を把握する
  • 不動産を売却するにあたり、適正価格を把握する
  • 財産分与や相続、贈与の際の基準にする

目的に応じて不動産査定書を活用しましょう。

不動産査定書には2種類ある


不動産査定書には2種類あり、それぞれ役割が異なるため注意しましょう。

不動産査定書の種類
  • 不動産会社が作成する不動産査定書
  • 不動産鑑定士が作成する不動産鑑定書

各役割を解説します。

不動産会社が作成する不動産査定書

不動産会社が作成する不動産査定書は、不動産を売却する際の目安となる金額が記載されています。

不動産会社に査定を依頼すると無料で作成してもらうことができ、所要時間は不動産会社によっても異なりますが1〜3日程度で受け取れるでしょう。

なお、不動産査定書に記載されている金額は、あくまでも売却時の目安であり、必ずその価格で売れるわけではないため注意してください。

実際に不動産を売却する際の価格は、売主が自由に決められます。

しかし、明らかに相場よりも高く設定するといつまでも売れないリスクがあります。一方で相場よりも安くしすぎると高値成約の機会損失に繋がってしまうため、査定書の金額を参考にして決めましょう。

不動産鑑定士が作成する不動産鑑定書

不動産鑑定士が作成する不動産査定書は、正確には「不動産鑑定書」と言います。

不動産鑑定書は国家資格である不動産鑑定士しか作成できない独占業務です。

不動産鑑定書は、国土交通省が定める不動産鑑定評価基準に基づいて評価が行われ、裁判など公的な証明書にも利用可能です。

受け取れるまでに一週間以上の時間がかかると考えましょう。

不動産鑑定書が必要になるのは主に以下のようなケースです。

不動産鑑定書が必要になるケース
  • 相続で適正な価格が必要な場合
  • 不動産を担保にする場合
  • 共同ビルの権利調整や再開発関連の場合

一般的な不動産売却の場合は、不動産鑑定書ではなく、不動産会社が作成する不動産査定書を用いて売却計画を立てます。

不動産査定書の作成依頼に必要な書類

不動産の売却時には不動産査定書が必要なことがわかりましたが、不動産会社に査定書作成を依頼する際には必要な書類があります。

不動産査定書作成時の必要書類
  • 本人確認書類
  • 不動産に関する書類

ただし、必要な書類の詳細については不動産会社によって異なるため、査定を依頼する際に確認しましょう。

各必要書類を解説します。

本人確認書類

不動産の査定価格は個人情報に該当するため、原則として本人以外には開示しない情報なので、査定時には運転免許証などの本人確認書類の提示を求められる場合があります。

不動産会社は本人確認書類と登記簿謄本の名義が一致しているかを確認します。仮に親の不動産や配偶者の不動産を代わりに査定依頼する際には、不動産所有者との関係性を明確に伝えます。

不動産に関する書類

不動産査定時に必要となる主な書類は以下のとおりです。

不動産査定時の必要書類
  • 登記簿謄本
  • 公図
  • 土地の測量図
  • 建物図面

上記の書類は、査定依頼者が用意する場合もあれば、不動産会社が取得する場合もあるため、査定依頼をする際に、準備の必要があるかを確認しましょう。

また、以下のような書類があることで、より精度の高い査定書を作成できます。

あるとよい書類
  • 購入時の契約書
  • リフォーム履歴
  • 既存住宅の建設住宅性能評価書
  • 建物状況調査の結果報告書

不動産所有者しか持っていない書類のため、不動産会社は独自に取得できません。

より正確な査定価格を知るためにも、書類を準備しておきましょう。

不動産査定書を入手する方法


不動産査定書は、不動産会社に査定を依頼して入手が可能です。

しかし、査定の依頼方法によって不動産査定書の精度が異なるため注意が必要です。

不動産査定書を入手するふたつの方法を解説します。

不動産査定書の入手方法
  • 簡易的な査定書を入手する
  • より詳細な査定書を入手する

各入手法を解説します。
関連記事:不動産売却の必要書類とは?リストを使ってわかりやすく解説!

簡易的な査定書を入手する

簡易的な査定書を入手する際には、不動産会社へ机上査定を依頼します。

机上査定とは、不動産の住所や築年数などの概要や類似した物件の過去の取引事例などを参考に机上で査定を行う方法です。

机上査定では、不動産会社の担当者と実際に会い室内を見せる必要がないため、査定書を入手できます。

しかし、机上査定はあくまでも各種データを集めて算出する方法であるため、査定書の価格は参考程度に考えてください。机上査定は、現在のおおよその資産価値や相場を知りたい方におすすめの方法です。

昨今ではAI査定を導入している不動産会社も増えています。

AI査定とは不動産の住所や築年数などを入力すると、過去の成約事例などのデータをもとにAIが自動で価格を算出する査定方法です。

AI査定は匿名で利用できることが多いため、気軽に利用できます。

しかし、AI査定はサービスを提供している不動産会社や、査定対象不動産によって精度が異なります。また、一般的にAI査定では、机上査定のような不動産査定書は入手できません。

簡易的な査定書を入手したい場合は、机上査定を依頼するとよいでしょう。

より詳細な査定書を入手する

より詳細な査定書を入手したい場合は、不動産会社に訪問査定を依頼します。

訪問査定とは不動産会社の担当者に実際に不動産を見てもらい、机上査定よりも詳細な査定を行う方法です。

訪問査定を行うと、室内の状態や使用している設備などさまざまなことがわかるため、机上査定よりも正確な価格がわかります。

売却を具体的に考えている方は、訪問査定を依頼し売却価格の参考にしてください。

不動産査定書のチェックポイント

不動産査定書は不動産に関する専門的な内容が記載されているため、どういった部分を重点的にチェックすればいいかわからない方も多いでしょう。

不動産査定書のチェックポイントは大きく分けて3つあります。

不動産査定書のチェックポイント
  • 極端な価格に設定されていないか
  • 価格の根拠は明確か
  • 販売戦略が記載されているか

上記のポイントをチェックして、不明点があれば担当者に質問します。

各チェックポイントを詳しく解説します。

極端な価格に設定されていないか

不動産査定書では、査定価格が極端な価格に設定されていないか確認します。

不動産会社の中には、査定時に極端に高い価格を提示して、売却時に自社を選んでもらおうと考える会社もあります。

売主にとっては所有している不動産が少しでも高く売れた方がうれしいでしょう。また、ほかの会社よりも高く評価をしてくれる会社に依頼したいと感じる方も多いです。

しかし、極端に高い価格の場合は、売却を開始したあとにいつまでも売れない危険性があります。単純に査定価格で依頼する会社を決めるのではなく、価格の根拠や販売戦略にも目を向けましょう。

一方で、極端に安い査定価格の場合も注意が必要です。

不動産会社は売買が成立した際の仲介手数料が主な収入源であるため、すぐに契約が成立するようにあえて安い価格で査定価格を提示する会社もあります。

相場よりも安い価格で売却を開始するのは、より高値での成約の機会損失に繋がります。売却してから後悔しないためにも、相場を勉強しておきましょう。

不動産相場を知るためには、各種不動産ポータルサイトの売却情報を調べる、国土交通省の土地総合情報システムの不動産取引価格情報検索を利用するなどの方法があります。

適切に判断するためにも、売却を検討している方は相場を把握しておきましょう。
関連記事:不動産査定価格はどのように決まる?査定の種類やチェックポイントを解説

価格の根拠は明確か

不動産査定書では、価格の根拠が明確かをチェックします。

不動産査定書には、査定価格を算出するうえで参考にした取引事例や現在の市況などが記載されています。

価格設定や、取引事例などの根拠に納得できるかがポイントです。より根拠が明確な不動産査定書であれば、価格の信憑性も高く、信頼できる不動産会社であると判断できます。

不動産査定書の内容だけでは、わかりにくい場合は直接質問し、丁寧な対応をしてくれるかどうかも重要なポイントです。

販売戦略が記載されているか

不動産査定書では、価格だけでなく売却する際の販売戦力もチェックします。

不動産会社によって記載内容は異なりますが、売り出し推奨価格や予想成約価格、予想成約時期などが記載されているケースが多いです。

また、不動産会社独自で利用できるサービスなど、売却する不動産に合った提案が記載されているケースもあります。

販売戦略は不動産会社によって大きく異なる部分でもあるため、査定価格が似ている場合などは、販売戦力で依頼する会社を選ぶのもいいでしょう。
関連記事:不動産売却を売却するならどこがいい?依頼先を決める4つのポイントと選び方を紹介

まずは不動産会社に相談するのがおすすめ

本記事では、不動産査定書とは何か、入手する方法、査定書のチェックポイントを解説しました。

不動産査定書は、所有している不動産の価格を知るために重要な書類です。不動産会社が作成する不動産査定書は無料で作成してもらえるため、売却を検討している方は、まずは査定を依頼してみましょう。

複数社に査定を依頼する際には、各社の査定価格、価格の根拠、販売戦力をチェックするのが重要です。信頼できる不動産会社を選ぶためにも、極端な価格が設定されている不動産査定書には注意してください。

カウカモでは通常の査定に加えて、築年数や広さなど数字で表せる価値だけでなく、立地や眺望、内装も含めて多角的に査定。隠れた価値まで引き出せます。

また、売却される物件にプロのライターやカメラマンがお伺いして独自に取材した記事やCGイメージなど、独自のアピール手法を強みとしているため、各住まいに合わせた売却方法をご提案します。

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