03
Chapter はじめに確認したいお金の話
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Chapter はじめに確認したいお金の話
住宅ローンの借入額を決めよう!
中古住宅を購入する際、すべてキャッシュで購入される方はごくわずか。ほとんどの方は住宅ローンを利用されると思います。
住宅ローンは他のローン商品(オートローンや教育ローンなど)と比べ、金利が低く設定されており、更に返済期間が長い(最長35年間)という特徴があります。これらは住宅を購入される方が無理なく返済ができ、無理なく生活を送れるようにするため。そう、“無理なく” というのがとても大切なキーワードなのです。
月々の支払い希望額から、ローンの借入額を逆算しよう
第1章で書いた「理想の住まい妄想シート」をお手元にご用意ください。質問の中に「毎月の支払い希望額は? 」という項目があったと思います。感覚が掴みやすいのは、現在支払われている家賃と比較することです。現状維持? もう少し頑張れる? むしろ下げたい? 考えてみてくださいね。
ここで、Aさんという架空の人物をモデルに、住宅ローンの適正な借入額について勉強していきましょう。
Aさんプロフィール
- 年収:500万円
- 月々の支払い希望額:12万円
- 返済期間:35年間
まず、マンションを購入する場合、住宅ローンの他に毎月管理費や修繕積立金など、共益費の支払い義務があります。選ばれる物件ごとに金額にばらつきはあるものの、カウカモの感覚では60㎡ほどの物件の場合、毎月の合計額は3万円前後であることが多いと捉えています。
よって、月々の支払い希望額から管理費や修繕積立金を引くと “毎月の住宅ローン返済希望額” が算出できます。具体的に検討したい物件が現れたら、そのマンションの共益費を合計して計算してみて下さいね。Aさんの場合は<12万円ー3万円=9万円>になったと仮定しましょう。
さあ、この「9万円」からAさんの理想の借入額を算出してみましょう。そのためには、以下の公式を使います。
9万円÷2,823円×100万円=約3,188万円
(35年返済・金利1%の場合)
よって「3,188万円」が、Aさんの “理想の借入額” となります。なお「2,823円」という数字は「返済額早見表」に記載された係数で、返済期間35年間、支払い金利1%で住宅ローンを組む場合の100万円あたりの支払い額です。試算する金利によって借入可能額が増減したり、借入年数を短くすることで借入可能額が減ったりします。こちらもあくまでひとつの目安としてお考えください。
ペンとメモのご用意を! ご自身のケースに当てはめて計算してみよう!
理想の借入額算出方法
公式①:月々の支払い希望額ー共益費=AAA万円
公式②:AAA万円÷2,823円×100万円=約BBB万円
AAA万円が「毎月の住宅ローン返済希望額」、BBB万円が「理想の借入額」です。
(35年返済・金利1%の場合)
年収から借入可能額を計算しよう
毎月の支払い希望額とは別に、もうひとつ試算していただきたいのが “年収から逆算したときの借入可能額” です。これは、万が一ご希望のお借入額では欲しい物件が見つからなかった場合、どこまで予算が伸ばせそうかを予め認識しておくためです。
さきほどのAさんのケースで考えてみましょう。以下の公式に当てはめます。
「0.4(=40%)」というのは、銀行が定める “返済比率” と呼ばれるもので、中には厳しめに35%や30%に設定しているところもあります。「12」というのは “1年間=12ヶ月” のこと。「4,428円」も計算に用いる係数で、返済期間35年間、銀行が定める審査金利4%で住宅ローンを組む場合の100万円あたりの支払い額です。この公式で出てきた「3,764万円」が、Aさんがひとりで組める住宅ローンの上限額ということになります。
しかし、これもあくまで目安。お客さまご自身のプロフィールなどによって、銀行がもっと融資してくれる場合もありますし、反対にこの金額に届かない場合もあります。
ご注目いただきたいのは、Aさんの場合、理想の借入額と借入可能額の間に「576万円」ほどの差があることです。この金額を物件検討時におけるゆとりとして見込んでおくとよいでしょう。
ペンとメモのご用意を! ご自身のケースに当てはめて計算してみよう!
理想の借入額算出方法
公式③:年収×0.4÷12÷4,428円×100万円=CCC万円
CCC万円が「住宅ローンの借入可能額」です。
(返済比率40%・35年返済・審査金利4%の場合)