マンション購入前に知っておきたい『リノベーションできない部分』とは? 【カウカモジャーナル】
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マンション購入前に知っておきたい『リノベーションできない部分』とは?

2025/04/27

 

「リノベーションできない共有部分」とは?

 

 

マンションをリノベーションする際には、まず「どこまでがリノベーションできるのか」を確認しておくことが大切です。マンションには「専有部分」と「共有部分」があり、それぞれに異なるルールが定められています。

 

専有部分

 

専有部分とは基本的に、住戸内の居住者が自由に改装やデザイン変更を行える範囲を指します。壁や天井、床といった内装部分が含まれ、たとえばフローリングの張り替えや壁紙の変更などが行えます。

※ただし、管理規約や建物の構造によって制限がある場合もあります

 

共有部分

 

共有部分とは、建物全体の居住者が共同で利用するスペースや構造部分を指し、階層や変更は管理規約により制限されることがほとんどです。エレベーターやエントランス、廊下といった共用スペースに加え、外壁や柱、床などの構造部も共有部分に含まれます。

 

また、窓サッシや玄関ドアなども共有部分に分類されることが多く、住民の判断だけで変更できないケースがほとんどです。そのため、リノベーションを検討する際には、管理規約を確認し、必要に応じて管理組合に相談することが大切です。たとえば、窓を断熱性能の高いものに交換したり、玄関ドアのデザインを変更したい場合には、事前に可能か確認をしましょう。

 

 

主な共有部分の例

 

 

マンションの共有部分を紹介し、代表的な部分について解説していきます。

 

建物のエントランス・廊下・階段まわりメインエントランス オートロック設備 宅配ボックス メールボックス 共用廊下(内廊下・外廊下) 階段・手すり エレベーター本体とホール部分
建物の構造・外装柱・梁・耐震壁 外壁(タイル・塗装など) 屋根・屋上部分 基礎構造(地盤、杭など)
設備・インフラ系給水・排水管(専有部以外) ガス管(共用部分にあたる配管) 電気の幹線設備 インターホンの共用機器 防犯カメラなどのセキュリティ設備 空調設備(共用廊下やロビーの空調など)
外構・周辺設備駐輪場・駐車場 ゴミ置き場 バルコニー(占有使用可能でも構造上は共有部分) ルーフバルコニー(専用使用権付きの共有部分) 専用庭(区分所有者に使用権がある共有部分)
開口部まわり窓サッシ(ガラス含む) 網戸 雨戸・シャッター 玄関ドア(ドア本体、外側、鍵部分)

 

 

エントランスや廊下

 

マンションのエントランスや廊下は、居住者全員が日常的に使用する共有スペースです。これらは管理組合が維持・管理を行っており、個人の判断でリノベーションや変更を加えることは原則としてできません。

 

たとえば「住戸前の廊下に花壇を設置したい」といった希望があっても、ほとんどの場合は不可とされます。共有部分は建物全体の資産として扱われるため、管理規約や管理組合のルールに従う必要があります。

 

建物の構造部分

 

柱や梁、耐震壁などの構造部分も、多くの場合は共有部分に含まれます。これらは建物の安全性に直結するため、改変には慎重な判断が求められます。

 

たとえば「間取りを広げたいので壁を撤去したい」と考えても、それが耐震壁であれば、変更は難しいです。事前に管理規約を確認し、建築士などの専門家と相談することで、変更の可否を明確にできるでしょう。

 

給排水管や配線

 

マンションの給排水管や電気配線は、共有インフラとして共有部分に含まれることが多いですが、専有部分内にある配管や配線については、一定の範囲で変更できることもあります。

 

たとえばキッチンや浴室の配置変更に伴う配管の移動は、建物全体に影響を及ぼさず、かつ管理規約に反していなければ認められる場合があります。電気コンセントの増設や位置の変更も、専有部分内であれば比較的自由に行えます。

 

ただし、工事内容によっては建物全体のシステムに影響を与える可能性があるため、事前に専門業者や管理組合と相談して進めることが望ましいです。

 

例外的にリノベーション可能な場合

 

共有部分であっても、マンションによっては管理組合の承認を得ることで、一定のリノベーションが認められることがあります。たとえば、玄関ドアの色やデザイン変更、バルコニーの設備(サンシェードや物干し金具など)の変更が許可されている例もあります。

 

また、給排水管や電気配線などの共用設備についても、大規模修繕のタイミングに合わせてリノベーション計画に組み込むケースがあります。こうした特例を活かすために、管理規約をしっかりと読み込み、管理組合に相談して方針を確認することが大切です。

 

 

業者や管理組合とリノベーション計画を相談する

 

 

業者との相談ポイント

 

リノベーションに詳しい業者であれば、共有部分に配慮したプランを提案してくれることがあります。

 

たとえば「耐震壁を活かしながら空間を広く見せるレイアウト」や「窓サッシはそのままにして内窓を設置する方法」など、制約を前提にした柔軟な提案も可能です。専有部分と共有部分の境界を正しく把握したうえで相談すると、よりスムーズに進められます。

 

管理組合との調整

 

リノベーション内容によっては、管理組合に事前の説明や書類提出が必要になることがあります。たとえば、工事期間や内容の申請書を提出したり、近隣住戸への説明が求められる場合もあります。

 

スムーズに許可を得るためには、リノベーション計画書を事前に整えておき、丁寧に相談を進めることが大切です。

 

確認不足がトラブルを招く恐れ

 

共有部分に関する確認が不十分なまま工事を進めてしまうと、予期せぬトラブルが発生する可能性があります。

 

たとえば、窓サッシの交換を予定していたものの、管理規約で制限されていた場合、元の状態に戻すための費用を自己負担することになるケースも考えられます。

 

また、誤って耐震壁に手を加えてしまった場合には、建物全体の安全性に関わる問題となり、責任を問われることもあります。こうしたリスクを避けるためにも、事前の確認と専門家のアドバイスは欠かせません。

 

 

マンションの「専有部分」「共有部分」を理解してリノベーション計画を立てよう

 

 

マンションを購入してリノベーションを行うには、「専有部分」と「共有部分」の違いや、それぞれにかかる制限を理解しておくと安心です。購入前に管理規約や修繕計画を確認しておくことで、どの範囲まで自由にリノベーションできるのかを把握でき、計画がスムーズに進みます。
(※修繕計画を確認することで、将来の修繕予定による影響も事前に考慮できます。)

 

また、共有部分をうまく活かす工夫や、専門業者・管理組合との連携を通じて、自分らしい住まいを形にしていくことも可能です。組合と丁寧に相談を重ねながら、理想の暮らしに向けたリノベーション計画を着実に進めていきましょう。

 

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初回投稿日
2025/04/27
執筆者
カウカモジャーナル編集部

中古・リノベーションマンションの流通プラットフォームに関する知識をわかりやすく提供するため、カウカモ(cowcamo)で日々勉強中。築古マンションの魅力とリノベーションのメリット・デメリットについて深く学び、読者の皆様が最適な選択をできるようサポートしたいと考えています。最新の住宅トレンドや資産価値の維持に関する情報も発信していくので、ご期待ください。

監修者
1級建築士、宅建士、FP2級Yang

琉球大学大学院理工学部卒。環境建設工学を専攻し、大学院卒業書、建築設計事務所に勤務し、住宅や公共施設など様々な建物の設計に携わる。現在は建築デザイナーとして不動産開発の企画・設計から運営まで行うコンサル会社にて、オフィス設計やリノベーションなどを中心に手がける。趣味は街歩きと珈琲焙煎。空き家を活用して設計事務所と珈琲屋さんを開くことが目標。

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