
「もっとおしゃれな部屋にしたい」「自分好みの空間に作り変えたい」。そんな理由でリノベーションを検討している方は多いのではないでしょうか。 キッチンやお風呂といった設備の交換も重要ですが、部屋の印象をガラリと変えるなら、壁紙や「床」の貼り替えが効果的です。
でも、いざフローリングを選ぼうとしたとき、「貼り方」まで意識していますか? 実は、同じフローリング材を使っても、並べ方ひとつで部屋の雰囲気はまったく別物になります。
今回は、リノベーションの満足度を左右する「フローリングの貼り方」について、代表的な8つのパターンをご紹介します。それぞれの特徴を知って、理想の空間づくりに役立ててください。
フローリングの貼り方【全8パターン】
床は部屋の中でも大きな面積を占めるため、空間全体のイメージを決定づける重要な要素です。 ここでは、一般的によく見られる貼り方から、デザイン性の高い個性的な貼り方まで、8つのスタイルを解説します。
1. 定尺貼り(ていじゃくばり)
最もポピュラーな貼り方が「定尺貼り」です。同じ長さ・幅の板を、一定の規則性を持って並べていきます。住宅はもちろん、オフィスや店舗でもよく採用されています。
このとき、隣り合う列の継ぎ目を、板の長さの半分や3分の1ずらして貼る方法を「りゃんこ貼り」と呼びます。あえて継ぎ目をずらすことで、床全体に自然なリズムが生まれ、飽きのこない仕上がりになります。 施工が比較的簡単で、職人の腕による差が出にくいのもメリット。どんなインテリアにも馴染む、シンプルイズベストな貼り方です。
2. 乱貼り(らんばり)

長さの異なる板をランダムに組み合わせて貼る方法です。 規則性を持たせず、継ぎ目の位置をバラバラにすることで、無垢材などが持つ自然な風合いや木目の美しさを強調できます。
あらかじめ板を同じ長さに切り揃える必要がないため、材料を無駄なく使えるというメリットもあります。その分、全体のバランスを見ながら貼っていくセンスが必要になりますが、仕上がりはとてもナチュラル。温かみのあるリビングやダイニングにしたい方におすすめです。
3. 斜め貼り
その名の通り、壁に対して45度の角度をつけて床材を貼っていく工法です。 視線が部屋の対角線上に抜けていくため、実際の面積よりも空間を広く見せる効果があります。また、変形した間取りの部屋でも、違和感なくきれいに納めやすいという特徴もあります。
部屋の形に合わせて端をカットする作業が増えるため、通常の貼り方よりも材料費や手間賃が高くなる傾向にあります。しかし、他とは違う個性的でおしゃれな部屋を目指すなら、ぜひ検討したいスタイルです。
4. ヘリンボーン貼り

「ニシンの骨(Herringbone)」のように、短めの床材をV字型に組み合わせていく貼り方です。 クラシカルで高級感があり、ヨーロッパの邸宅や古いアパートメントのような雰囲気を演出できます。空間に奥行きとリズムが生まれ、シンプルな家具を置くだけでも絵になる空間になります。
一枚一枚組み合わせていくため、高い技術力と時間が必要です。そのため費用は高めになりますが、こだわり抜いた上質な空間を作りたい方には一番人気の貼り方です。
5. フレンチヘリンボーン貼り
ヘリンボーン貼りの一種ですが、よりシャープでモダンな印象になるのが「フレンチヘリンボーン貼り」です。 板の接合部分を45度にカットして突き合わせることで、一直線のラインが強調されます。リビングのほか、家の顔となる玄関ホールなどにもよく選ばれます。
ヘリンボーン貼り以上に加工の精度が求められるため、熟練の職人技が必要です。費用は高額になりますが、洗練されたデザイン性は唯一無二。海外インテリアのようなスタイリッシュな部屋に憧れる方におすすめです。
6. 市松貼り(いちまつばり)
正方形のパーツを組み合わせたり、短めの板を寄せ木細工のように並べたりして、格子状の模様(市松模様)を作る貼り方です。 「パーケットフローリング」とも呼ばれ、どこか懐かしく、レトロで可愛らしい雰囲気になります。規則正しいパターンは意外とどんな家具とも相性が良く、特にミッドセンチュリーやヴィンテージスタイルの部屋によく合います。
手間がかかるためコストは上がりますが、オリジナリティあふれる空間になります。
7. 朝鮮貼り(ちょうせんばり)
日本の伝統的な建築技法のひとつです。一定の間隔で並べた長い板の間に、別の種類の木材や細い板を直角に挟み込むようなデザインが特徴です。 整然としたラインが美しく、格式高い印象を与えます。和室や縁側、アジアンテイストな空間との相性が抜群です。
長い一枚板を使うことが多いため材料費が高くなりやすく、施工できる職人も限られています。本格的な和の空間を作りたい場合に検討してみましょう。
8. すだれ貼り
同じ長さの板を、継ぎ目の位置を揃えてまっすぐに並べる貼り方です。まるで「すだれ」のように見えることからこう呼ばれます。 縦横のラインが整然としているため、非常にすっきりとしたモダンな印象になります。和室の天井(竿縁天井)に合わせたデザインとして使われることもあります。
シンプルですが、継ぎ目が一直線に並ぶため、わずかなズレも目立ってしまいます。高い施工精度が求められる、職人泣かせの貼り方とも言えます。
フローリングの貼り方を選ぶポイント

たくさん種類があって迷ってしまいますよね。見た目の好みだけで決めるのではなく、以下の4つのポイントを意識すると失敗が少なくなります。
1. 部屋の広さと用途に合わせるる
「空間をどう見せたいか」を考えましょう。 リビングを広く開放的に見せたいなら、視線が遠くに抜ける「斜め貼り」や「フレンチヘリンボーン」が効果的です。逆に、寝室や書斎など落ち着きが欲しい場所には、規則的な「定尺貼り」や「すだれ貼り」が向いています。
2. インテリアのテイストと揃える
床はインテリアのベースです。 モダンでスタイリッシュにしたいなら「フレンチヘリンボーン」、ナチュラルで温かい雰囲気が好きなら「乱貼り」、ヴィンテージ家具を置くなら「ヘリンボーン」や「市松貼り」など、目指すテイストと相性の良い貼り方を選びましょう。
3. 予算と工期のバランスを見る
複雑な貼り方ほど、手間と時間がかかります。 「定尺貼り」や「乱貼り」は比較的安価で工期も短く済みますが、「ヘリンボーン貼り」などは材料費も施工費もアップします。予算オーバーにならないよう、リノベーション会社と相談しながら優先順位を決めることが大切です。
4. 将来のメンテナンスや補修も考える
長く住む家だからこそ、メンテナンス性も重要です。 特殊な貼り方をした場合、将来床の一部が傷ついたときの補修(貼り替え)が難しくなることがあります。一般的な「定尺貼り」や「乱貼り」は、部分的な補修もしやすく安心感があります。将来のリフォーム計画なども頭の片隅に入れておくとよいでしょう。
「板幅」を変えるだけでも印象は変わる

貼り方だけでなく、フローリングの「板の幅」にも注目してみましょう。同じ貼り方をしていても、幅が違うだけで受ける印象は大きく変わります。
幅広タイプ(ワイド)
特徴: 継ぎ目が少なく、木目がダイナミックに見える 印象: ゆったりとした開放感、高級感、ナチュラル おすすめの場所: 広いリビング、ダイニング
幅が広い板を使うと、床全体の継ぎ目(線)が減るため、視覚的なノイズが少なくなります。木の表情がしっかり楽しめるので、開放的でリラックスした空間を作りたい場合にぴったりです。
幅狭タイプ(スリム)
特徴: 継ぎ目が多く、細かいラインが入る 印象: 繊細、上品、クラシカル、シャープ おすすめの場所: 書斎、寝室、アンティーク家具のある部屋
幅が狭い板は、細かいピッチで線が入るため、空間が引き締まって見えます。繊細で上品な雰囲気になるので、落ち着いた空間や、クラシカルなインテリアとよく合います。
注意点:施工条件を確認しよう
一般的に、幅広の板の方が一度に貼れる面積が広いため施工効率が良いですが、無垢材の場合は注意が必要です。幅が広すぎると湿気による反りや割れが起きやすくなるため、使用できる環境が限られることがあります。 逆に幅が狭い板は、反りのリスクは分散されますが、貼る枚数が増えるため施工に時間がかかります。
どちらが良いかは、選ぶ木材の種類や部屋の環境によっても異なります。プロのアドバイスを聞きながら決めるのが安心です。
まとめ

フローリングは、単なる「床」ではなく、部屋のデザインを決める大きな要素です。 「定尺貼り」でシンプルにまとめるのも、「ヘリンボーン貼り」で主役級の床にするのも、あなたの自由です。
もしイメージが湧かないときは、好きなお店やカフェの床を観察してみてください。「あ、この貼り方いいな」という発見がきっとあるはずです。 デザイン性はもちろん、予算やメンテナンス性、そして板幅による違いまで考慮して、ぜひ納得のいく床選びを楽しんでくださいね。
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琉球大学大学院理工学部卒。環境建設工学を専攻し、大学院卒業書、建築設計事務所に勤務し、住宅や公共施設など様々な建物の設計に携わる。現在は建築デザイナーとして不動産開発の企画・設計から運営まで行うコンサル会社にて、オフィス設計やリノベーションなどを中心に手がける。趣味は街歩きと珈琲焙煎。空き家を活用して設計事務所と珈琲屋さんを開くことが目標。
















