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ヴィンテージな部屋のつくり方|コーディネートのポイントを解説

2025/11/26

 

 

使い込まれた質感や、経年変化による風合いを楽しむ「ヴィンテージインテリア」。ただ古いものを並べるだけだと、どうしても雑多に見えてしまいがちですよね。

 

おしゃれにまとめるコツは、素材感や状態の良いものを基準に選ぶこと。それだけで、ぐっと落ち着いた雰囲気に整います。

 

今回は、よく似ている「アンティーク」や「レトロ」との違いを整理しつつ、ヴィンテージテイストの部屋づくりの進め方や、失敗しないコーディネートのコツをご紹介します。

 

 

ヴィンテージスタイルってそもそも何?

 

 

まずは、よく混同されがちな言葉の違いを少し整理しておきましょう。ここを知っておくと、アイテム選びがスムーズになりますよ。

 

アンティークとの違い

 

アンティークは一般的に、作られてから100年以上が経過し、骨董的な価値があるものを指します(美術品や工芸品も含まれます)。

 

ただ、市場や分野によって基準があいまいで、希少性や歴史的背景が重視されることもあります。「アンティーク風」と書かれているだけの現行品もあるので、購入時はショップの説明や、いつ作られたものなのかを確認しておくと安心です。

 

ヴィンテージとは

 

ヴィンテージは、アンティークほど古くはないけれど、品質やデザインに価値があるものを指します。ファッションや家具の世界では、だいたい1950年代~1970年代前後のアイテムを指すことが多いですね。

 

もともとはワインの収穫年(ヴィンテージ)を表す言葉。そこから転じて、「特定の年代に作られた良質なもの」という意味で使われています。

 

レトロとの違い

 

レトロは「懐かしさ」や「古めかしさ」を感じさせるデザイン全般のこと。実際にいつ作られたかは問いません。

 

たとえば、最近作られた新品でも、70年代や80年代風のデザインなら「レトロテイスト」と呼ばれます。「大正レトロ」や「昭和レトロ」のように、特定の時代の雰囲気を指す言葉としても使われますね。部屋のテーマを決めるときは、「どんな時代の雰囲気にしたいか」をイメージするとわかりやすいでしょう。

 

 

ヴィンテージな部屋をつくる5つのポイント

 

 

ヴィンテージといっても、「モダン」「インダストリアル」「北欧」「アメリカン」など、実はいろいろなテイストがあります。

 

あちこちに手を出すとまとまりがなくなってしまうので、まずは方向性をひとつに絞りましょう。そのうえで、色・素材・フォルムの基準を決めてアイテムを足していくのが正解です。ここでは、すぐに実践できる5つのポイントを紹介します。

 

床と壁は落ち着いた色で

 

部屋のベースとなる床や壁は、家具を引き立てるための背景です。ベージュやアイボリーなどの中間色を選ぶと、ヴィンテージ家具の素材感がきれいに映えますよ。

 

床は無垢材や木目調だと雰囲気が出ますし、壁は白やグレーで整えると小物が合わせやすくなります。アクセントとして部分的にレンガ調や木目調を取り入れたり、インダストリアルな雰囲気が好きならモルタルやコンクリート風にするのもかっこいいですね。

 

賃貸でリフォームが難しい場合でも、貼って剥がせる壁紙を使ったり、建具の取っ手を付け替えたりするだけで、ガラリと印象が変わります。

 

家具は「経年の表情」が出る素材を

 

家具選びでは、使い込むほどに味が出る素材を選びましょう。

チークやウォールナットなどの木材、艶が増していく本革、真鍮やアイアンなどの金属は相性抜群です。色はダークトーンからミディアムトーンで揃えると、全体が引き締まります。

 

もしテーブルの天板と脚の素材が違うものを置くなら、「木の種類は2つまで、金属は1種類」のように自分なりのルールを決めておくと、ごちゃごちゃしません。お手入れは基本的に乾拭きで十分ですが、年に1回くらいオイルやワックスを塗ってあげると、美しい質感を長く楽しめます。

 

照明は「電球色」でムードをつくる

 

部屋の雰囲気は照明で決まるといっても過言ではありません。おすすめは、オレンジっぽい温かみのある「電球色」。

 

部屋全体を一つの照明で照らすのではなく、ペンダントライト、フロアライト、テーブルランプなどを組み合わせてみてください。光と影のグラデーションが生まれて、家具の表情がより魅力的に見えます。

 

ガラスや金属、布など、シェードの素材によって光の広がり方が違うので、ペンダントライトをメインにしつつ、間接照明で明るさを補うのがポイント。時間帯に合わせて明るさを調整できると、夜のリラックスタイムも快適に過ごせます。

 

グリーンで無機質さを和らげる

 

ヴィンテージ家具や金属のアイテムばかりだと、少し空間が重たく無機質になりがちです。そこに植物(グリーン)をプラスしてみましょう。

 

背の高い観葉植物や、吊るすタイプのハンギンググリーンを混ぜると、部屋に立体感が出ます。鉢はピカピカしたものより、素焼きやブリキなど素朴な素材が馴染みますよ。

 

日当たりが悪くて育てるのが難しい場所なら、リアルなフェイクグリーンでもOKです。お花を飾るなら、鮮やかすぎる色よりも、少しくすんだ色味の花をヴィンテージのガラス瓶に挿すと素敵です。ドライフラワーも落ち着いた雰囲気にぴったりですね。

 

小物とアートで「方向性」を決定づける

 

仕上げに、古地図やポスター、古書、味のある雑貨などを飾って、部屋の個性を出していきましょう。

このとき、「かっこいい系」「カフェ風」など、最初に決めたテーマに合うものだけを選ぶのがコツです。

 

あれもこれもと飾らず、壁に余白を残して厳選したアイテムだけを置くと、主役の家具やアートが引き立ちます。

 

 

失敗しないコーディネートのコツ

 

 

方向性は決まったけれど、実際に組み合わせるとなると迷ってしまう……。そんなときは、次の3つの視点で考えてみてください。

 

色のバランス:3色以内に絞る

 

ベースカラーは落ち着いたトーンで統一し、部屋全体で使うメインの色を3色以内に絞りましょう。

特に木の色味は部屋の印象を大きく左右します。「インダストリアル寄り」「北欧寄り」など理想のスタイルを決め、経年変化で色が濃くなったり艶が出たりすることも計算に入れて選ぶと、後から家具を買い足すときもスムーズです。

 

 

素材の組み合わせ:異素材ミックスのルール

 

木・革・金属をベースに、ざっくりとした手触りのファブリック(布)を足すと、質感にメリハリが出ます。

 

ここでもルール設定が有効です。「木の部分は2種類まで、金属パーツは1種類、革はソファだけ」といった具合に配分を決めると、統一感が生まれます。

 

ファブリックはコットンやリネンなど、天然素材の風合いがあるものがおすすめ。使い始めは乾拭きしつつ、定期的にメンテナンスをしてあげると、家具と一緒にいい味が出てきます。

 

空間のつくり方:視線の「留め場」をつくる

 

ヴィンテージアイテムをただ並べるのではなく、ソファの背面やテレビ周り、ダイニングの壁など、「ここを見てほしい」という場所(フォーカルポイント)を一箇所つくってみてください。余白との対比で、洗練された雰囲気になります。

 

生活感の出る配線やリモコンなどは、トレーやボックスを使って隠すのが鉄則。あえて雑多な雰囲気にしたい場合でも、「散らかっている」のではなく「計算して崩している」ように見せるのが腕の見せどころです。

 

 

 

まずはここから!おすすめのアイテム

 

 

何から買えばいいかわからないという方は、部屋の印象を決定づける以下のアイテムから探してみてはいかがでしょうか。

 

チェア(ミッドセンチュリー系など)

 

イームズやウェグナーなどの名作チェアは、置くだけで絵になります。曲線的なフォルムが空間にリズムを生んでくれます。

 

照明(工業系デザインやガラスシェード)

 

インダストリアルな金属製のライトや、気泡の入ったガラスシェードなど。電球色の光と相性が良く、夜の雰囲気を格上げしてくれます。

 

収納家具(古材のシェルフやチェスト)

 

取っ手が真鍮やアイアンになっているものや、古材を使った棚は存在感抜群。そこに置く小物まで素敵に見せてくれます。

 

小物(真鍮雑貨、古い時計、ポスター)

 

視線を集めるポイントになります。数は絞って、厳選したものだけを飾りましょう。

 

ファブリック(リネンやコットンの無地・小柄)

 

派手すぎない、落ち着いた色味を選びましょう。クッションなどで少しくすんだ差し色を入れると、地味になりすぎずおしゃれです。

 

 

まとめ

 

 

ヴィンテージインテリア成功の鍵は、最初に「どのテイストに寄せるか」を決めておくこと。そして、単に古いものではなく、質感や状態の良いものを厳選することです。

 

賃貸なら原状回復できる範囲で手を加えたり、予算に合わせて本物と現行品を使い分けたりと、無理のない計画を立ててみてください。自分だけのこだわりが詰まった空間は、きっと毎日の暮らしを豊かにしてくれるはずです。

 

カウカモ」では、一点ものの住まいを求める方に向けて、厳選した中古・リノベーション物件をご紹介しています。「味わいのあるヴィンテージテイストの部屋に住んでみたい」と考えている方は、ぜひ一度カウカモを覗いてみてくださいね。

 

 

 

初回投稿日
2025/11/26
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執筆者
カウカモジャーナル編集部

中古・リノベーションマンションの流通プラットフォームに関する知識をわかりやすく提供するため、カウカモ(cowcamo)で日々勉強中。築古マンションの魅力とリノベーションのメリット・デメリットについて深く学び、読者の皆様が最適な選択をできるようサポートしたいと考えています。最新の住宅トレンドや資産価値の維持に関する情報も発信していくので、ご期待ください。

監修者
1級建築士、宅建士、FP2級Yang

琉球大学大学院理工学部卒。環境建設工学を専攻し、大学院卒業書、建築設計事務所に勤務し、住宅や公共施設など様々な建物の設計に携わる。現在は建築デザイナーとして不動産開発の企画・設計から運営まで行うコンサル会社にて、オフィス設計やリノベーションなどを中心に手がける。趣味は街歩きと珈琲焙煎。空き家を活用して設計事務所と珈琲屋さんを開くことが目標。

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