
リビングは、家族がいちばん長く過ごす場所ですよね。壁は部屋の中でも面積が広い分、どんなデザインを選ぶかで雰囲気がぐっと変わります。だからこそ、見た目の印象だけでなく、掃除のしやすさや耐久性など、使い勝手もあわせて考えたいところです。
この記事では、壁紙を選ぶときの考え方やおおまかな費用感、そしてDIYで貼る場合と業者に依頼する場合、それぞれで気をつけたいポイントを紹介します。
リビングの壁紙を選ぶ前に

まずは「どんな雰囲気にしたいか」を言葉にしてみる
ナチュラル、北欧モダン、インダストリアル、ミッドセンチュリー……思いつくままで大丈夫です。壁は部屋全体の“背景”になる部分なので、手持ちの家具や床の色との相性も一緒に想像してみてください。ここで方向性が見えてくると、このあとの選択がぐっと楽になります。
次に、日当たりをチェック
光が入りにくい部屋で濃い色を使うと、どうしても暗さが目立ちやすくなります。そんなときは白や淡いトーンを選ぶと、室内に入る光をやわらかく反射してくれます。反対に、直射日光がしっかり入る明るい部屋で真っ白な壁紙を貼ると、反射でまぶしく感じることもあります。少し黄みを帯びたベージュや、落ち着いたグレージュを選ぶと、照り返しがやわらぎ、目にも優しい印象になります。
まずは好みに偏りにくい基調色としてみる
リビングは家族みんなの空間です。色や柄は、できれば話し合いながら決めたいところ。まずは好みに偏りにくい基調色として、白やベージュ、淡いグレーをベースにしてみましょう。変化をつけたいときは、一面だけ色や柄を変える「アクセントクロス」がおすすめです。部屋全体の統一感を保ちながら、ほどよく個性を加えられます。
イメージが曖昧な場合は、SNSやインテリア誌で気に入った写真を集める
もしまだイメージが曖昧な場合は、SNSやインテリア誌で気に入った写真を数枚集めてみてください。色味や素材感、柄の大きさ(スケール感)など、惹かれた理由を簡単にメモしておくと、ショールームで比べるときやサンプルを取り寄せるときに迷いにくくなります。
リビングの壁紙を選ぶポイント
.jpg)
汚れに強い素材を選ぶ
人の出入りが多いリビングは、手垢やこすれ汚れがつきやすい環境です。ふだんの手入れを軽くしたいなら、表面に防汚・撥水などの機能加工が施されたタイプや、汚れが目立ちにくいマットな質感を検討すると扱いやすくなります。
小さなお子さんがいる家庭では、こうした機能を優先するケースがよくあります。ペットと暮らしているなら、消臭機能をうたう製品を候補に入れるのも一案です。
家具や照明との調和を考える
壁は部屋の“背景”になります。ソファやテーブルの色味、フローリングのトーン、照明の光(電球色・昼白色など)と並べて見たときに無理がないかを確かめておくと、仕上がりのちぐはぐ感を避けやすくなります。
ダイニングやキッチンと空間がつながっている間取りなら、隣り合うスペースの配色も含めてイメージを揃えておくと選択がしやすくなります。将来の模様替えを考えている場合は、幅広い家具に合わせやすいベースカラーを軸にすると運用が楽です。
部屋の広さと明るさを考慮する
色は体感の広さに影響します。一般に、明るい色は広く見えやすく、暗い色は引き締まって見えやすい傾向があります。日照が弱い部屋なら白~淡いトーンに寄せると明るさを取り込みやすく、濃色を使う場合でも天井を明るめにすると圧迫感を抑えやすくなります。
アクセントクロスは使う場所を厳選する
アクセントクロスは、他の面と色や柄を変えて貼る方法です。テレビ背面やワークコーナー、出入り口まわりなど、目が留まりやすい位置に一面だけ取り入れると、程よい変化をつけやすくなります。
安全な素材のものを使用する
小さなお子さんがいる家庭では、素材の安全性にも目を配りたいところです。メーカーの品質表示(機能・素材・注意事項)や、接着剤の取り扱い説明を確認し、成分情報が明記された製品を選ぶと判断材料が増えます。ネット上の画像だけで決めず、可能であれば実物サンプルで手触りやにおいの有無を確かめてから検討すると安心につながります。
リビングの壁紙の費用相場

壁紙の費用は、グレード(量産品/ハイグレード)と貼る面積で変わります。おおよその予算感をつかむには、まず自宅リビングの壁面積を把握しておくと計算しやすくなります。
一般的な量産品(いわゆるスタンダードクロス)は、1㎡あたり約1,000~1,500円が目安です。デザインが豊富で、防汚や消臭などの機能を備えたハイグレード品は、1㎡あたり1,500円以上を想定します。種類や仕様によっては2,000円台になることもあります。
施工を業者に依頼する場合は、材料費に加えて施工費がかかります。たとえば6畳程度の空間なら、下地の状態や巾木・コンセント周りの処理によって差は出ますが、貼り替え一式で5万円前後になるケースが見られます。あくまで相場の目安なので、実際に依頼する際はトータル見積を取り、可能であれば複数社で比較すると状況に合った価格帯を把握しやすくなります。
リビングの壁紙を貼り替えるときの注意点

事前に壁の状態を確認しておく
貼り替えの目安はおおむね10年とされています。長く貼り替えていない場合は、下地(石こうボードや既存パテ)の傷みや段差が出ていることがあり、補修費が加算されることがあります。見積の前に現地確認を受け、必要な下地処理が含まれているかをチェックしておくと安心です。
施工前の家具の移動や養生が必要
作業にあたっては、家具の移動や床・建具の養生(保護)が必要になります。移動を業者に依頼すると別料金になる場合があるため、費用の有無と範囲(どこまで業者対応か)を事前に確認しておくと行き違いを避けられます。あわせて荷物を整理し、作業スペースを確保しておくと進行がスムーズです。
DIYで壁を貼り替える場合は事前に作業イメージを固めておく
DIYでの貼り替えも可能ですが、慣れていない場合、道具・手順・乾燥時間の目安などしっかり下調べしておきましょう。作業中は十分に換気し、接着剤のにおいがこもらないよう窓や換気扇を活用してください。糊が乾くまでは触れない・押さえすぎないなど、仕上げ時の扱いにも注意が必要です。
事前に見積や完成イメージをすり合わせておく
業者へ依頼する際は、見積内容(材料品番、平米数、下地補修の有無、養生・廃材処分の扱い)と、完成イメージ(色番・柄の方向・見切り処理)を事前に共有しておくと、追加費用や「思っていた仕上がりと違う」といったズレを抑えやすくなります。気になる点は見積段階で質問し、書面に残して行き違いがないようにしましょう。
まとめ

リビングの壁紙を替えるだけで、部屋の気配はぐっと変わります。まずは「どんな雰囲気にしたいか」を言葉にし、手持ちの家具や照明、床の色と並べてイメージを固めていきましょう。
選ぶときは、見た目と機能のつり合いが肝心です。汚れに強い加工や消臭などの機能、サンプルでの色味確認、予算とのバランスを一つずつ確かめると、あとから迷いにくくなります。施工を頼む場合は、下地の状態や養生の範囲まで含めて見積内容を確認し、気になる点は事前に共有しておくと進行がスムーズです。
仕上げの手触りや発色は、時間帯や照明で見え方が変わります。大きめサンプルを壁に当てて確かめ、当日の換気や乾燥時間も見込んで段取りを整えておくと、狙いどおりのリビングに近づきます。今回のポイントを道しるべに、自分のテイストにぴったりのリビングに仕上げてくださいね。
「カウカモ」では一点ものの住まいを求める方に向けて、厳選した中古・リノベーション物件を紹介しています。リビングの壁紙を好きなテイストに貼り替えたいと考えている方は、ぜひカウカモの利用を検討してみてください。


中古・リノベーションマンションの流通プラットフォームに関する知識をわかりやすく提供するため、カウカモ(cowcamo)で日々勉強中。築古マンションの魅力とリノベーションのメリット・デメリットについて深く学び、読者の皆様が最適な選択をできるようサポートしたいと考えています。最新の住宅トレンドや資産価値の維持に関する情報も発信していくので、ご期待ください。

琉球大学大学院理工学部卒。環境建設工学を専攻し、大学院卒業書、建築設計事務所に勤務し、住宅や公共施設など様々な建物の設計に携わる。現在は建築デザイナーとして不動産開発の企画・設計から運営まで行うコンサル会社にて、オフィス設計やリノベーションなどを中心に手がける。趣味は街歩きと珈琲焙煎。空き家を活用して設計事務所と珈琲屋さんを開くことが目標。
















