造作建具・造作家具とは?
造作建具・造作家具とは、既製品ではなく、特定の空間や住む人のライフスタイルに合わせて設計・製作する建具や家具のことです。
例えばリビングとキッチンを仕切る引き戸や、ウォークインクローゼットの収納扉などを造作建具として空間に合わせて設計することで、全体のデザインに統一感を持たせることができます。
一方、造作家具は壁一面の本棚やベッド下収納、オーダーメイドのカウンターデスクなどが挙げられます。特に中古マンションのリノベーションでは、構造的に壁などが移動できない場合には限られたスペースが生まれることも。その際にはサイズが決まっている既製品ではなく、スペースに合わせて作られるオリジナルの造作家具が便利です。リビングの窓際にピッタリとはまる収納ベンチを設置することでスペースを有効的に活用しながら、見た目も美しく仕上げることもできます。
造作家具で空間を最大限に活かすアイディア
オーダーメイドの書棚+収納
造作家具の一番のメリットは、限られたスペースを有効活用できることです。例えば、リビングの壁面全体にオーダーメイドの書棚を設置して、下部には引き出し収納を追加すれば、リモコンや雑誌などの小物もすっきり収納できます。
キッチン周りのオーダーメイド収納
キッチンでは造作家具を使って、カウンター下に引き出し収納を設けたり、壁面に調理器具を収納することで、スペースを効率よく活用することも期待できます。
さらにカウンターに造作棚を作り、電子レンジやトースターを収納するスペースを確保すれば、キッチンがすっきりし、作業の効率アップにもなるでしょう。
DIYで作る造作建具・家具のアイデア
壁掛けシェルフ
DIY初心者でも挑戦しやすいのが、壁掛けシェルフです。シェルフ用の板材とブラケット(棚受け)を購入し、好きな場所に取り付けるだけで、部屋にアクセントを加えつつ、収納スペースを確保できます。
キッチンの調味料置き場としてシェルフを取り付けたり、リビングの壁に小物を飾るスペースとして活用したりできます。
造作デスク
デスクを自作するのも人気のDIYアイデアです。市販の脚と板材を組み合わせるだけで、シンプルかつ実用的なデスクが完成します。
自分のワークスペースにピッタリのサイズで作れるため、部屋のレイアウトに合わせた設計が可能です。
クローゼットの中に追加収納
クローゼットの中の収納スペースが足りない場合、棚や引き出しをDIYで追加するのも一つの方法です。既製品の収納ボックスではスペースにマッチしない場合には、自作をすることでクローゼットの形状に合わせた収納が可能です。
DIYとプロに依頼する違い:費用やクオリティ
DIYとプロに依頼する造作家具には、それぞれのメリットとデメリットがあります。DIYのメリットは、コストが安く材料費のみで完成することや、自分のペースで作業が進められることが挙げられますが、その代わりにクオリティや仕上がりの面ではどうしてもプロには劣ることがあります。
プロに依頼する造作家具や造作建具は、耐久性やデザインのクオリティが高く、本棚やキッチンなど長期間使用するものには向いています。DIYは手間がかかるし失敗しそうで心配、という方はプロにオーダーしても良いでしょう。ただしフルオーダーとなるため、ものによっては数十万円もの費用がかかる場合があります。
造作家具で叶える理想の空間づくり
オーダーメイドで作られた造作建具・家具は、空間やライフスタイルにぴったり合ったデザインや機能を実現できます。そのためにも、造作家具や建具をプロに依頼する際は、まず施工業者としっかりコミュニケーションを取っていくことが大切です。初期費用がかかることもありますが、長期的には、使い勝手やデザイン性の高さから、満足度の高い選択肢となるでしょう。
中古・リノベーションマンションの流通プラットフォームに関する知識をわかりやすく提供するため、カウカモ(cowcamo)で日々勉強中。築古マンションの魅力とリノベーションのメリット・デメリットについて深く学び、読者の皆様が最適な選択をできるようサポートしたいと考えています。最新の住宅トレンドや資産価値の維持に関する情報も発信していくので、ご期待ください。
琉球大学大学院理工学部卒。環境建設工学を専攻し、大学院卒業書、建築設計事務所に勤務し、住宅や公共施設など様々な建物の設計に携わる。現在は建築デザイナーとして不動産開発の企画・設計から運営まで行うコンサル会社にて、オフィス設計やリノベーションなどを中心に手がける。趣味は街歩きと珈琲焙煎。空き家を活用して設計事務所と珈琲屋さんを開くことが目標。