
今回は、リノベーションの人気キーワードのひとつ、「土間(どま)」についてのお話です。
「土間」と聞くと、昔の日本家屋にあるような、ひんやりとした薄暗い場所をイメージする方もいるかもしれません。でも、現代の土間はちょっと違います。 明るく開放的で、自転車を置いたり、趣味を楽しんだりと、暮らしの自由度をグッと高めてくれる「魔法のスペース」として再注目されています。
この記事では、そんな土間をリノベーションで取り入れる魅力や、知っておきたいメリットについて、現代のライフスタイルに合わせてわかりやすく紐解いていきます。
そもそも「土間」ってどんな場所?
土間を一言で表すなら、「靴を履いたまま過ごせる、家の中のフリースペース」です。 玄関とリビングをつなぐ中継地点のような場所で、外の気軽さと、中の快適さを兼ね備えているのが特徴です。
かつては近所の人と立ち話をするための場所でしたが、今はその使い勝手の良さが再評価されています。 たとえば、雨に濡れたベビーカーを畳まずにそのまま置いたり、泥のついたアウトドアグッズを保管したり。あるいは、お気に入りの自転車をディスプレイして、メンテナンスをする趣味部屋として使う方も増えています。
床材には、水や汚れに強い「モルタル」や「タイル」がよく使われます。無骨でクールな雰囲気が好きならモルタル、高級感や温かみを出したいならタイルや天然石など、インテリアの好みに合わせて選べるのも楽しいポイントです。
暮らしがもっと自由になる! 土間の3つのメリット

「ただ広い玄関でしょ?」と思ったら大間違い。土間があるだけで、日々のちょっとしたストレスが解消され、暮らしの楽しみが広がります。具体的な3つのメリットを見ていきましょう。
1. 「靴のまま」がとにかく便利
一番の魅力は、土足で動き回れることです。 「あ、マスク忘れた!」「鍵がない!」なんて時、わざわざ靴を脱いでリビングに戻るのは面倒ですよね。土間収納があれば、靴を履いたままサッと取りに行けるので、忙しい朝のバタバタが少し減ります。
また、汚れを気にしなくていいのも嬉しいところ。雨で濡れたコートや傘、泥だらけの靴を気兼ねなく置いておけるので、リビングなどの居住スペースを常にきれいに保てます。
2. 「見せる収納」でショップのような空間に
「外で使うけれど、外には置きたくないもの」って、意外と多いですよね。 キャンプ用品、ゴルフバッグ、子どもの三輪車……。これらをまとめて受け止めてくれるのが土間です。
壁に棚をつけてスニーカーを並べたり、有孔ボードを使って工具をディスプレイしたりすれば、まるでセレクトショップのようなおしゃれな空間に早変わり。「隠す」のではなく「見せる」収納を楽しめるのも、土間ならではの魅力です。
3. 天気を気にせず「趣味」に没頭できる
土間は室内なので、雨風や夏の暑さ、冬の寒さの影響を直接受けません。 外の物置だと、台風のたびに中の荷物が心配になりますが、土間なら安心です。
さらに、休日には「作業場」としても大活躍。雨の日でも愛車のメンテナンスをしたり、土汚れを気にせずガーデニングの植え替えをしたり、DIYで木材を塗装したり。 「汚れても掃除がラク」という安心感があるからこそ、天候を気にせず、思う存分趣味の時間に没頭できますよ。
知っておきたい「土間の弱点」と対策

「土間ってカッコいい!」という憧れだけで突っ走ってしまうと、住んでみてから「あれ、意外と寒い……」なんて後悔することになりかねません。ここでは、土間特有の3つのデメリットと、その対策についてお伝えします。
1.冬場の「足元の冷え」には要注意
土間は外気が入りやすく、床材に使われるコンクリートや石などの素材は熱を奪いやすい性質を持っています。そのため、冬場はどうしても底冷えしやすくなります。 「ここで長時間作業をしたい」「趣味の部屋として使いたい」と考えているなら、寒さ対策は必須です。リノベーションの設計段階で、足元にヒーターを置くスペースを確保したり、予算が許せば床暖房を導入したりと、快適に過ごすための工夫を相談してみてください。
2.「見せる場所」だからこそ、整理整頓がカギ
土足で入れるということは、当然ながら外からの砂やホコリも一緒に入ってきます。一般的なフローリングよりも汚れやすいので、ほうきでサッと掃くなどのこまめな掃除が必要です。 また、玄関は家の第一印象を決める「顔」でもあります。便利な収納場所だからといって物を置きすぎると、散らかった印象を与えてしまいます。あらかじめ棚やボックスを用意して、「隠すもの」と「見せるもの」の定位置を決めておくと、スッキリした空間をキープしやすくなりますよ。
3.リビングとの「陣取り合戦」
マンションなどの限られた面積の中で広い土間を作ろうとすると、その分だけリビングや寝室などの居住スペースが削られてしまいます。 「土間を広くしすぎて、肝心のリビングが狭くなってしまった」なんてことにならないよう、今の暮らしだけでなく、将来の使い方もイメージしながら、広さのバランスを慎重に決めることが大切です。
リノベで叶える! 土間のある暮らしアイデア
.jpg?width=640&quality=75&auto=webp)
デメリットを理解したうえで、やっぱり土間が欲しい! という方へ。 実際にリノベーションで土間を取り入れた人たちが、どのように活用しているのか、人気のスタイルをいくつかご紹介します。
「ウォークインクローゼット」とつなげて動線革命
最近とても人気なのが、土間と大型収納(ウォークインクローゼット)を直結させるプランです。 帰宅してすぐにコートや帽子を掛けられるので、花粉やホコリをリビングに持ち込まずに済みますし、重い荷物やストック品もそのまま棚へポンと置けます。 「ただいま」から「着替え・収納」までの流れがスムーズになり、家の中が散らかりにくくなるという、魔法のような動線が生まれます。
「車輪つきの相棒」をそのままイン
自転車やベビーカーなど、車輪がついたアイテムの置き場に困っていませんか? 土間があれば、タイヤを拭いたり畳んだりする手間なく、そのまま室内に乗り入れられます。雨の日でも濡れずに済みますし、大切なロードバイクを盗難から守りつつ、愛車を眺めながらメンテナンスをする……なんて贅沢な時間も手に入ります。
まるでギャラリー。「好き」を飾る空間に
お気に入りのスニーカーを並べたり、自慢のアウトドアギアを壁に掛けたり。 ただ収納するだけでなく、あえて「見せる収納」にすることで、玄関があなたらしい個性を表現するギャラリーになります。観葉植物をたくさん置いて、ボタニカルな空間にするのも素敵ですね。 来客があったとき、最初に目に入る場所だからこそ、こだわりのインテリアで迎えてみてはいかがでしょうか。
失敗しないために。リノベ前のチェックポイント

最後に、土間リノベーションで失敗しないための注意点を2つお伝えします。
将来の「段差」をイメージしておく
土間を作るということは、一般的に廊下やリビングとの間に「段差(上がり框)」が生まれることになります。 若いころは気にならなくても、年齢を重ねたときや、小さなお子さんがいる家庭では、その段差が負担になる可能性もゼロではありません。 「10年後、20年後も快適に使えるか?」という視点を持ちつつ、段差の高さや手すりの設置なども含めて検討しておくと安心です。
マンションの「ルール」を確認する
マンションの場合、玄関ドアの外側は「共用部分」ですが、内側の床材変更にも管理規約の制限がある場合があります。 「コンクリート剥き出しにしたかったのに、遮音規定でNGだった」なんてことにならないよう、事前に管理規約をしっかり確認しておきましょう。また、土間工事は解体時に大きな音や振動が出やすいので、近隣への配慮や事前の挨拶も忘れずに行うことが大切です。
まとめ

土間は、単なる「広い玄関」ではありません。 外と中をつなぐ緩衝地帯であり、収納、趣味、そして家族のコミュニケーションの場としても機能する、可能性に満ちたスペースです。
寒さやメンテナンスといったデメリットもありますが、それ以上に「暮らしの自由度」が広がるのが土間の大きな魅力。 あなたのライフスタイルに合った土間を取り入れて、毎日がもっと楽しくなる住まいを作ってみませんか?
「カウカモ」では、こだわりの土間リノベーションを実現した一点ものの住まいを数多くご紹介しています。「実際にどんな使い心地なんだろう?」と気になった方は、ぜひカウカモで理想の事例を探してみてください。


中古・リノベーションマンションの流通プラットフォームに関する知識をわかりやすく提供するため、カウカモ(cowcamo)で日々勉強中。築古マンションの魅力とリノベーションのメリット・デメリットについて深く学び、読者の皆様が最適な選択をできるようサポートしたいと考えています。最新の住宅トレンドや資産価値の維持に関する情報も発信していくので、ご期待ください。

琉球大学大学院理工学部卒。環境建設工学を専攻し、大学院卒業書、建築設計事務所に勤務し、住宅や公共施設など様々な建物の設計に携わる。現在は建築デザイナーとして不動産開発の企画・設計から運営まで行うコンサル会社にて、オフィス設計やリノベーションなどを中心に手がける。趣味は街歩きと珈琲焙煎。空き家を活用して設計事務所と珈琲屋さんを開くことが目標。
















