マンション売却で発生する固定資産税の仕組みや計算方法を解説

お金の話

マンション・戸建て・土地を所有している方が毎年納税する必要があるのが固定資産税です。マンション売却の際、固定資産税が売主・買主のどちらが負担するのか気になっている方もいるのでしょう。

今回は固定資産税の概要やマンション売却時に発生する固定資産税の仕組み、計算方法、清算について紹介します。

この記事は、不動産売買&リノベのサービス「cowcamo(カウカモ)」が提供しています。カウカモでは、中古マンションやリノベーションマンションの売却・購入をお手伝いしています。

固定資産税とは?

そもそも固定資産税とは、固定資産である土地や家屋、償却資産の資産価値に応じて課税する税金のことを指します。固定資産にあたる不動産は、賃貸用・居住用・商業用・投資用のマンション・戸建て・土地です。

その年の1月1日の段階で保有している不動産の所有者に対して固定資産税が課税されます。課税主体は全市町村、東京23区内は東京都です。

なお、対象区域内に土地や家屋を所有している場合は、固定資産税のほかに都市計画税が課税されます。この都市計画税は固定資産税とあわせて納税します。

マンション売却時の固定資産税の仕組み

前述したように、固定資産税は1月1日の段階で保有している不動産の所有者に納税義務が生じます。

しかし、実際のマンション売却など不動産の売却時には、売主・買主が固定資産税の負担割合を協議するのが一般的です。その場合、引き渡し日を基準として日割り計算した固定資産税を買主に負担してもらいます。

買主にも負担してもらう固定資産税・都市計画税を「固定資産税等清算金」と呼びます。

固定資産税等清算金は、税法ではマンションなどの取引価額に含まれると解釈されます。建物の売買には消費税が課税されますが、土地の売買には非課税です。

そのため、建物部分に相当する額の固定資産税等清算金については消費税が課税されますが、土地部分に相当する額の固定資産税等清算金には消費税は課税されません。

なお、マンション売却を不動産会社に頼んだ際の仲介手数料や、建物のリフォーム費用などには消費税が課税されます。
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マンション売却時の固定資産税の計算方法

次は、マンション売却時の固定資産税の計算方法や、固定資産税が軽減される特例などを紹介します。

固定資産税の計算方法

固定資産税の税額は、「固定資産税評価額×標準税率1.4%-軽減額」で算出します。

固定資産税評価額とは、市町村・都が不動産を評価して算定したもので、固定資産税の基準とされます。固定資産税評価額は税務署から納税通知書と共に送られてくる課税明細書で確認が可能です。

その他、固定資産評価証明書でも確認できます。固定資産評価証明書は各市町村の役所、東京23区内の場合は都税事務所にて400円、2件目以降1件100円ほどで取得可能です。

なお、土地や家屋の評価額は3年ごとに見直され、それにともない固定資産税も変動します。

固定資産税が軽減される特例がある

固定資産税の税額の計算方法は「固定資産税評価額×標準税率1.4%-軽減額」と紹介しましたが、ここでは軽減額について解説します。

固定資産税には以下のように、税金が軽減される特例があります。

1つ目は住宅用地の特例です。住宅やアパート等の敷地で200平方メートル以下の小規模住宅用地は、固定資産税を1/6、都市計画税を1/3に軽減されます。

200平方メートルを超える一般住宅用地は、固定資産税を1/3、都市計画税を2/3に軽減されます。

2つ目に、新築住宅の固定資産税を戸建てで3年間、マンション等で5年間、1/2とする減額措置があります。

耐震性・耐久性・可変性などに優れ、適切な維持保全が確保される認定長期優良住宅として一定の基準を満たした住宅の新築または取得を行った場合、戸建ては5年間、マンション等は7年間、固定資産税について特例措置を受けられます。

3つ目は、リフォームに伴う特例です。一定の耐震改修工事や省エネ改修工事、バリアフリー改修工事などの性能向上リフォームを行った場合に所得税額が一定額控除される特例措置があります。

こちらは固定資産税には直接関係ありませんが、税額が優遇される制度のため、覚えておくとよいでしょう。

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マンション売却時の固定資産税の清算


次に、マンション売却時の固定資産税の清算を紹介します。

引き渡した時点を基準に日割り計算をする

マンション売却をした年の固定資産税は、マンションの引き渡し日を基準とし、日割り計算した額を売主と買主で負担して清算するのが一般的です。

例えば、固定資産税額が20万円、都市計画税額が10万円、マンションの引き渡し日が2021年7月20日だった場合の負担額をシミュレーションします。

起算日が1月1日なら売主の負担分は1月1日~7月19日までの200日分です。一方の買主の負担分は7月20日~12月31日までの165日分になります。

固定資産税を清算する際のそれぞれの負担額は、売主が16万4,384円、買主が13万5,616円です。

固定資産税を清算する際のそれぞれの負担額

売主負担分:30万円×200日÷365日=16万4,384円
買主負担分:30万円×165日÷365日=13万5,616円

起算日が4月1日なら売主の負担分は4月1日~7月19日までの110日分です。一方、買主の負担分は7月20日~3月31日までの255日分になります。

固定資産税を清算する際のそれぞれの負担額は、売主が9万411円、買主が20万9,589円です。

固定資産税を清算する際のそれぞれの負担額

売主負担分:30万円×110日÷365日=9万411円
買主負担分:30万円×255日÷365日=20万9,589円

このように、起算日を1月1日とするか4月1日とするかで売主・買主の負担額は大きく変わるため、固定資産税を清算する際は双方で共通認識を持つことが大切です。

清算した固定資産税

売主が買主から受け取った固定資産税等清算金は、個々で行われた取引とみなされます。固定資産税等は1月1日時点の所有者を納税義務者として課すもので、買主には翌年まで納税義務がありません。

売主が受け取った固定資産税等清算金は譲渡所得の収入額に算入されるため、マンション売却を行い固定資産税等清算金が発生した場合は翌年に確定申告を行う必要があります。

一方、買主が支払った固定資産税等清算金は、購入した年分の不動産所得の必要経費として算入できません。こちらも、固定資産税等は1月1日時点の所有者を納税義務者として課すもので、買主には翌年まで納税義務がありません。

買主が支払った固定資産税等清算金は、購入価額の一部としてマンションの取得価額に算入し、減価償却費の金額を必要経費として計上します。

関連記事:不動産売却に消費税はかかる?課税対象となるケースや注意点を解説
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マンション売却時に固定資産税の支払い分を受け取った際の注意点

マンション売却時に売主が固定資産税等清算金を受け取った際の注意点をおさらいしましょう。

売主が買主から受け取った固定資産税等清算金は個々で行われた取引と見なされ、いわゆる「利益」扱いとなります。具体的には譲渡所得となるため、マンション売却をした翌年には確定申告が必要です。

固定資産税等清算金は税法上、マンションなどの取引価額に含まれると見なされます。マンションなどの不動産は土地と建物で分け、土地には消費税が課税されませんが建物部分には消費税が課税されます。

固定資産税等清算金についても土地部分に相当する額は消費税が非課税となりますが、建物部分に相当する額は消費税が課税されるため注意しましょう。

マンションの売却に関わる疑問は不動産会社へ相談しよう

固定資産税について検索している皆さんのなかにはマンションの売却を検討している方もいるでしょう。

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関連記事:不動産売却の相談はどこにするべき?お悩み別に詳しく解説!

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固定資産税をしっかり理解してマンションを売却しましょう

固定資産税は1月1日の段階で保有している固定資産の所有者に納税義務が生じます。

しかし、実際のマンション売却など不動産の売却時には、売主・買主が固定資産税の負担割合を協議するのが一般的です。その場合、引き渡し日を基準として日割り計算した固定資産税を買主に負担してもらいます。

日割り計算の起算日は一般的に関東では1月1日、関西では4月1日とする傾向です。起算日を1月1日とするか4月1日とするかで売主・買主双方の負担額は大きく変わるため、あらかじめ双方で共通認識を持っておきましょう。

売主が買主から受け取った固定資産税等清算金は個々で行われた取引と見なされ、いわゆる「利益」扱いとなります。具体的には譲渡所得となるため、マンション売却をした翌年には確定申告が必要です。

固定資産税等清算金は土地部分に相当する額は消費税非課税ですが、建物部分に相当する額は消費税の課税対象となるため注意してください。

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