
住宅市場動向調査報告書から調べる、中古マンションを選んだ理由

国土交通省が毎年発表している「住宅市場動向調査報告書」をご存じでしょうか? これは、実際に家を買った人たちが「なぜその物件を選んだのか」「どこを妥協したのか」といったリアルな声をまとめたデータです。
今回は、最新の「令和6年度 住宅市場動向調査」の結果をもとに、多くの中古マンション購入者が何を重視して決断したのか、その傾向を紐解いていきます。さらに、物件選びで失敗しないための重要なチェックポイントもあわせてご紹介します。
データで見る!中古マンションを選んだ「リアルな理由」

実際に中古マンション(既存集合住宅)を購入した人たちは、どんな理由でその物件を選んだのでしょうか。最新の調査結果から、選択理由の上位を見てみましょう。
1. 中古マンションを購入した理由トップ5
多くの人が挙げた理由は、やはり「価格」と「立地」でした。順位の傾向は例年大きく変わらず、以下の要素が重視されています。
価格が適切だったから
住宅の立地環境が良かったから
最初からマンション(集合住宅)を希望していたから
交通の利便性が良かったから
住宅のデザイン・広さ・設備等が良かったから
半数以上の人が「価格の適切さ」を挙げており、無理のない予算内で、希望するエリアや環境を手に入れられる点が中古マンションの大きな魅力となっているようです。
設備や広さで気に入ったポイントは?
「物件そのもの」のどんなところが気に入ったのか、という質問(設備等に関する選択理由)では、以下の回答が上位を占めました。
- 間取り・部屋数がちょうどよかった
- 住宅の広さが十分だった
- デザインが気に入った
半数以上の人が「価格の適切さ」を挙げており、無理のない予算内で、希望するエリアや環境を手に入れられる点が中古マンションの大きな魅力となっているようです。
逆に「妥協したこと」は?
100点満点の物件に出会うのは難しいもの。購入者が何かしら妥協した点として最も多かったのは「価格(予定より高くなった)」でした。 次いで「間取り・部屋数」「生活利便性」「交通利便性」などが挙がっています。「多少予算オーバーしても、立地や広さを優先した」という決断の背景が見えてきますね。
- 価格(予定より高くなった)
- 間取り、部屋数
- 生活利便性の高い立地
- 交通の利便性
- 職場からの距離
なぜ「新築」ではなく「中古」を選んだの?
新築ではなく中古住宅を選んだ理由については、以下のような回答が目立ちました。
- 予算的に中古住宅が手頃だったから
- 新築にこだわっていなかったから
- リフォームされていてきれいだったから
- リフォームで快適に住めると思ったから
「予算重視」が圧倒的ですが、最近では「リフォーム・リノベーション前提」で中古物件を選ぶ人が増えているのも特徴的です。「自分好みの空間を作れるなら、新築でなくてもいい」と考える人が多いのですね。
失敗しない!中古マンション購入の決め手になる4つのポイント

データからもわかる通り、価格や立地はとても大切です。しかし、実際に物件を選ぶ際には、もう少し踏み込んでチェックしておきたいポイントがあります。
① 築年数|古くても「新耐震基準」なら安心材料に
築年数は物件の状態を知る目安になりますが、「古い=悪い」とは限りません。築年数が経っている物件は、新築や築浅に比べて価格が抑えられていることが多く、同じ予算でもより広い部屋や好立地を狙えるチャンスがあります。
チェックしておきたいのは、1981年(昭和56年)6月1日以降に建築確認を受けた「新耐震基準」の物件かどうかです。これを目安にすることで、耐震性能に関する一定の安心感を得られます。
② 立地|変えられない価値を見極める
内装はリフォームで変えられますが、立地だけは変えられません。 「駅から歩いて疲れないか」「夜道の雰囲気はどうか」「近くにスーパーや病院はあるか」など、毎日の生活を具体的にイメージしながら確認しましょう。利便性の高いエリアの物件は、将来的に売却したり貸したりする場合にも有利にはたらくことが多いですよ。
③ 耐震性|命を守るための基本
先ほど触れた「新耐震基準」に加えて、管理組合が独自に「耐震診断」や「耐震補強工事」を行っているかも確認できるとベストです。 しっかりと対策されているマンションは、建物としての安全性はもちろん、住民の防災意識が高いことの裏返しでもあります。
④ 管理体制|住み心地は「管理」で決まる
「マンションは管理を買え」と言われるほど、管理体制は重要です。 エントランスやゴミ置き場はきれいに掃除されているか、共用部分の電球は切れていないかなど、現地でチェックできるポイントはたくさんあります。また、購入前には不動産会社を通じて「長期修繕計画」や「修繕積立金の状況」を確認してもらうとよいでしょう。しっかりと手入れされているマンションなら、長く安心して暮らせます。
最終的には「実物」を見て判断を
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いかがでしたか?今回は、実際に中古マンションを購入した先輩たちの「選んだ理由」や「妥協点」をデータから読み解いてみました。
データや資料でのチェックも大切ですが、最後はやはり現地に足を運んで、実物を見ることが何より大切です。部屋に入った瞬間の明るさ、風通しの良さ、窓から聞こえる音、ご近所の雰囲気など、図面だけではわからない情報がたくさんあります。「ここで毎日暮らす自分」を想像して、違和感がないかどうか、自分の感覚を信じて判断してみてくださいね。
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中古・リノベーションマンションの流通プラットフォームに関する知識をわかりやすく提供するため、カウカモ(cowcamo)で日々勉強中。築古マンションの魅力とリノベーションのメリット・デメリットについて深く学び、読者の皆様が最適な選択をできるようサポートしたいと考えています。最新の住宅トレンドや資産価値の維持に関する情報も発信していくので、ご期待ください。

中古・リノベーション住宅の専門エージェントチームとして顧客の理想の暮らしを実現するため、物件選びからリノベーション、インテリアまで幅広く提案。ITツールを活用しつつ、一人ひとりに寄り添ったコンサルティングで、住まい探しから購入後までを一貫してサポートします。顧客志向と専門性を重視し、理想の住まいとの出会いをプロデュースします。














