
自宅に特別な時間をプラス。ホームバーのある暮らし

「部屋を少しおしゃれにしたい」「バーやカフェみたいな雰囲気を楽しみたい」「家でおいしいお酒をゆっくり飲みたい」といった人には、ホームバーは試しやすいアイデアのひとつです。お気に入りのお酒やグラスをまとめて置ける棚や、小さなカウンターをつくっておくだけでも、いつもの部屋の一角にちょっと気分の変わる場所をつくりやすくなります。
リラックスできる空間をつくる
ホームバーは、自宅の中に「一息つける場所」をつくりやすいのがいいところです。仕事終わりにカウンターに腰掛けてカクテルやワインをゆっくり飲むと、家の中でもオンとオフの切り替えがしやすいと感じる人もいます。友人を招いたときには、自然と人が集まる場所になり、会話のきっかけにもなります。
ライフスタイルに合わせた多彩な使い方
ホームバーは、お酒専用のスペースにかぎらなくてもかまいません。たとえば朝は、カウンターにコーヒーマシンを置いて「コーヒーバー」として使うこともできます。お気に入りの豆をそろえて、そこで一杯淹れてからメールをチェックする、というような流れができると、朝の時間の過ごし方も少し整ってきます。
リモートワークのときには、ノートPCを広げて軽い作業をする場所として使うのも一案です。ダイニングテーブルとは別の“セカンドデスク”のような位置づけにすると、気分を変えながら作業に向き合えます。
家族がいる場合は、ジュースやお茶、ちょっとしたおつまみを並べておくカウンターとしても便利です。来客の際にも、ここからドリンクや軽食をさっと出せると、もてなしの動線がわかりやすくなります。
暮らし方や家族構成が変わっても、コーヒースタンドになったり、ワークスペース寄りになったりと、役割を変えながら使えるのがホームバーの良さです。
自宅にバーカウンターを導入する:リノベーション・購入
キッチンまわりにリノベーションで設置する
リノベーションをするなら、対面式キッチンのダイニング側にバーカウンターをつくる方法があります。料理をしながら家族や友人とやり取りしやすく、空間全体の雰囲気も少し柔らかくまとまります。取り入れるときは、たとえば次のような工夫が考えられます。
- 天板を広げる
既存のキッチンカウンターに奥行きを足すと、食事やドリンクを楽しめるスペースになります。軽食をとったり、ちょっとした作業をする場所としても扱いやすくなります。
- 収納を追加する
カウンター下に棚や引き出しをつくると、グラスやお酒の置き場所が確保できます。手元が片づきやすく、見た目もすっきり整います。
- 素材にこだわる
無垢材ならあたたかい印象に、ステンレスやタイルならすっきりとしたモダンな雰囲気に寄せられます。選ぶ素材で印象が変わるため、室内のテイストに合わせて選びやすくなります。
水まわりや照明を組み込む場合は、専門家に相談しながら計画を立てたほうが安心です。動線や給排水の位置によって設置できる範囲が変わるため、図面を見ながら無理のない形にまとめるほうがスムーズです。
市販のバーカウンターを購入する
リノベーションまでは踏み切れない場合、市販のバーカウンターを置く方法もあります。
コンパクトタイプ
幅100~120cmほどのものなら、リビングの一角やダイニング横にも置きやすい大きさです。
収納付きタイプ
グラスホルダーやワインラック付きの製品を選ぶと、バーらしい雰囲気が出しやすくなります。
可動式タイプ
キャスター付きなら移動させやすく、使わないときに片づけられるため、賃貸やコンパクトな住まいでも扱いやすいです。
価格は製品によって幅はありますが、数万円ほどで購入できるものが多く見つかります。「まずは気軽に試したい」という場合は、この方法が取り入れやすいかもしれません。
バーカウンターやミニバーを取り入れる際に考えるべきこと

ホームバーをつくるときは、暮らし方や部屋の広さに合わせてスタイルを選ぶと扱いやすくなります。大きく分けると「バーカウンタータイプ」と「ミニバータイプ」があり、それぞれで向いている使い方が少し違います。
バーカウンタータイプで本格的な雰囲気を楽しむ
対面キッチンのダイニング側にカウンターテーブルを合わせる方法は、バーのような雰囲気を自宅に持ち込みたい人に向いています。ハイスツールを置けば、腰掛けて会話しながらお酒を楽しむ時間がつくりやすくなります。
キッチンカウンターをリノベーションして天板を広げたり、下部に収納を足したりすると、グラスやボトルを手元にまとめやすくなります。料理や飲み物をすぐ渡せるため、日常の動線も整ってきます。
ミニバータイプで気軽に取り入れる
「ミニバータイプ」は、リビングやダイニングの一角を使ってつくる小さめのホームバーです。壁に棚を取り付けて、よく使うグラスやお気に入りのボトルを並べるだけでも雰囲気が出ます。小型の冷蔵庫を置けば、冷たいドリンクをすぐ用意できて便利です。
キャスター付きのバーカートを使う方法もあります。必要なときに移動でき、来客がある日にゲストの近くに置いてドリンクを出したりと、柔軟に使えるところが魅力です。広いスペースがなくても、工夫しながら特別な時間をつくりやすくなります。
おしゃれに仕上げるポイントとホームバーの活用例

自宅にホームバーを取り入れるなら、素材や照明に少しこだわるだけで雰囲気がぐっと変わります。空間全体の印象が整って、日々の時間が少し心地よく感じられるようになります。
素材選びで空間の印象を変える
あたたかい雰囲気にしたいなら、木目のきれいな無垢材を使ったカウンターが向いています。ナチュラルな印象でリビングやダイニングにも馴染みやすく、落ち着いた空気が出てきます。
反対に、すっきりとしたモダンな空間が好きな人は、ステンレスやコンクリート調の天板が扱いやすいと思います。シャープな見た目になるので、少しクールな雰囲気に寄せたいときに合います。
モザイクタイルをアクセントとして取り入れる方法もあります。色や質感で変化をつけやすく、自分の好みに合わせてデザインを調整できるところが魅力です。
照明で雰囲気を演出する
照明はホームバーの印象を左右する大きな要素です。カウンターの上にペンダントライトやダウンライトをつけると、光が必要な場所だけに落ちて、落ち着いた雰囲気になりやすいです。電球色(あたたかみのある白色)を選ぶと、リラックスした空気が自然と生まれます。
棚の下やカウンターの裏側に間接照明を入れると、やわらかな光が広がって、夜の時間が少し特別に感じられます。照明の位置や種類を少し工夫するだけでも、ホームバーがより過ごしやすい空間に変わっていきます。
ホームバーを作る前に知っておきたい、コストとスペースのリアル

ホームバーを取り入れるときは、理想のイメージだけで進めると後で使いづらく感じることがあります。どれくらい費用がかかるのか、どれくらいのスペースが必要なのかを具体的に考えておくと、導入後のイメージが掴みやすくなります。
ホームバーの費用感
ホームバーにかかる費用は、どの程度の規模でつくるかによってかなり違ってきます。壁に棚を取り付けるだけのミニバーなら、数万円ほどでも始めやすく、DIYを取り入れればコストを抑えやすくなります。
一方で、本格的なバーカウンターを設置する場合は、天板の材質や収納、照明の種類によって30~50万円ほどになるケースが多いです。さらにシンクを追加したり、オーダーメイドのカウンターをつくったりするリノベーションだと、100万円を超えることもあります。どこまで機能を持たせたいか、どれくらい使う場面があるかを考えながら予算を調整していく形が現実的です。
配線と水回りの確認
冷蔵庫や照明を置く場合は、コンセントの位置や数を確認しておくと後から便利です。コードが届かない、容量が足りない、といった問題が起きにくくなります。
シンクを設置する場合は、給排水の取り回しが大きなポイントになります。マンションの構造や既存の配管次第で、できる範囲が限られることもあります。リノベーションを伴う場合は、工事が可能かどうかを早めに確認しつつ、必要に応じてプロに相談したほうが進めやすいです。
ホームバー導入のために押さえておきたい物件選びのポイント

オープンキッチンの物件を選ぶ
ホームバーを取り入れやすい物件を選ぶと、後々の計画が進めやすくなります。まず、オープンタイプのキッチンだと、リビング側にカウンターを伸ばしたり、バックバーの収納をつくったりしやすく、空間に自然と馴染みます。
さらに、キッチン周辺の天井にダクトレール(照明レール)がついている物件だと、ペンダントライトやスポットライトの位置・本数・光の色を柔軟に調整できます。バーのような雰囲気をつくりたい場合には便利で、レールがない場合でも後付けレールや間接照明で代わりに整えやすくなります。
雰囲気のある造作キッチンの物件
見た目の仕上がりを大切にしたい場合は、造作キッチンがすでに入っている物件だと、素材や厚み、棚の寸法などが空間に合うように調整されており、バーのような雰囲気をつくりやすくなります。
既存のシステムキッチンの場合でも、カウンターの縁に無垢材をまわしたり、バックバー側にタイルを貼ったり、ハイスツールを揃えたりと、少し工夫するだけで雰囲気を近づけていけます。
天井高のある物件だと尚良し
空間の感じ方という意味では、天井が高めの方が、ペンダントライトの長さをきれいに見せたり、ボトルのディスプレイを目立たせたりしやすいです。天井が低めの住まいでは、薄めのカウンターを選んだり、ダウンライト中心の照明にしたり、座面の低いスツールを合わせるとバランスが取りやすくなります。
ある程度の広さも必要
広さの目安として、バーカウンターやバックバーをしっかり配置するなら、10畳前後あると通路や座るスペースの余裕が確保しやすくなります。
10畳に満たないコンパクトな住戸では、壁面を使ったミニバーや小型冷蔵庫の組み合わせ、あるいはバーカートのような可動式アイテムを使うと、必要なときだけ展開できて扱いやすくなります。
まとめ:ホームバーで叶えるあなただけの暮らし

ホームバーは、自宅の中にちょっとした“特別な時間”をつくる仕掛けのような存在です。ミニバーのような気軽な形から、本格的なバーカウンターまで幅があり、住まいの広さやライフスタイルに合わせて無理なく取り入れやすくなります。
物件の条件や設置できるスペースを踏まえつつ、どのスタイルにするか、どこに配置するか、どんな照明にするか、といった計画を少しずつ固めていくと、雰囲気と使い勝手のバランスが取りやすくなります。リノベーションで作り込む方法だけでなく、市販のカウンターやバーカートを使う方法なら、賃貸でも気軽に試しやすいです。
段階的に形にしていくと、自分の生活にしっくりくる“バーの時間”が自然と生まれてきます。日々の暮らしに、そんなささやかな楽しみを加えてみるのも良いかもしれません。
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琉球大学大学院理工学部卒。環境建設工学を専攻し、大学院卒業書、建築設計事務所に勤務し、住宅や公共施設など様々な建物の設計に携わる。現在は建築デザイナーとして不動産開発の企画・設計から運営まで行うコンサル会社にて、オフィス設計やリノベーションなどを中心に手がける。趣味は街歩きと珈琲焙煎。空き家を活用して設計事務所と珈琲屋さんを開くことが目標。
















