江東区牡丹(門前仲町駅)
デザインの話
牡丹町住宅
“デザイン” とはなにか。好みの要素を足し算するうちに、引き算が難しくなる。あれもこれもと詰め込むうちに、本来のポテンシャルが影を潜めることもある。これから始まるのは、「なるべく何もないこと」をデザインした、とある住まいのお話。
現在ご紹介可能な物件は、中古・リノベーション住宅のオンラインマーケット「cowcamo(カウカモ) 」よりご覧いただけます。
売主さまのご紹介
売主さま
ご夫婦とお子さま、ワンちゃんと暮らす売主さま。こちらの物件を購入し、“なるべく何もないこと” をコンセプトにリノベーションを施しました。このたびは、新たなご家族の誕生に伴いお住み替えです。
紅葉も桜も
暮らしの舞台は、下町情緒が漂う「門前仲町」(徒歩5分)。駅からマンションまでの道のりは、大横川を渡るルートです。
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見上げたくなる ビッグコミュニティ
川を背に堂々と建つ、1972年竣工・総戸数126戸の大規模マンションが今回のお目当て。
お邪魔します
左・長く延びる玄関スペース。左手に洋室A、右手には水まわりと洋室Bが並びます。/右・玄関を進んでいくと、アーチを描いた段差(スキ!)の先にLDKが。
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広めの玄関スペースには靴だけでなく、キャンプギアなどを見せながら収納するとよりカッコよく仕上がりそう! ドアマットのデザインにもこだわりたいですね。
約18.2帖のLDK
サンサンと日が差し込むLDK。気になるディテールが視界いっぱいに広がりますが、まずは右奥の掃き出し窓からバルコニーへ。
南西向きのバルコニー
左・バルコニーは小さめ。ここはくつろぎの場と割り切って、乾燥機などを活用してもよさそうです。/右・真下にエントランスアプローチが見える住戸位置。大きな空を望む眺めがgood!
室内に戻って
正面の壁は、DIYできる仕様。クリエイティブにいきましょう!
売主さま
レイアウトや暮らし方に余白を与えたかったので、「なるべく何もない」をコンセプトにリノベーションを施しました。子どもが生まれて間仕切りを追加した箇所もありますが、それでもかなり自由度の高い住まいだと思います。
インナーバルコニーの下部は、なんと大容量の収納スペース◎ 換気口が4つ付いているので、衣類や寝具の収納にもオススメです。そして上部にはアイアンのハンガーパイプが。日当たりがいいので、室内干しでもカラリと乾きそう!
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このL字型をどう攻略するか、ワクワクしませんか? 右手の棚にはテレビを置いてもまだまだ余白が。インナーバルコニーは、グリーンを育ててもいいですし、クッションなどでふかふかにしてお昼寝コーナーをつくっても……♡
続いて、タイル貼りの壁付けキッチンを紐解いていきましょう!
ロングロングキッチン
白いタイルが清潔感のある、長〜いキッチン。右手に食洗機、シンクの両サイドに作業スペースが確保され、とっても使いやすそうです!
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下部に調理ワゴンやダストボックスを “イン” できる余白もいいですね! おや、奥の方に……
左・奥にはキッチンとひと続きになった洗面スペースが。洗面ボウルが可愛い♡/右・対面には収納と冷蔵庫置き場が。
売主さま
日当たりがいいので、冷蔵庫が焼けないように囲いを付けました。
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背中合わせになったふたつの収納は可動棚付きなので、しまう物によってアレンジできますよ。
ぐるぐるり
洋室Aは約5.4帖。キッチンとの間に扉はなく、カーテンレールが設置されています。ワイドなハンガーパイプに衣装をズラリと並べましょう。
対角から見ると、玄関からもアクセスできる造り。こちらも側もカーテンレール仕様で、回遊性と開放感があります。
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お好みのカーテンを追加してもいいですし、何も付けずオープンに暮らしても!
玄関続きの洋室B
土間仕様の洋室Bは約3.3帖。デスクを置いて、一角をワークスペースにしてもよさそう。アールにくり抜かれた開口がイイ!
廊下沿いの選手たち
左・LDKを背に廊下を見ると、カラフルな配色が目を惹きます。ミント&イエローの先は……/右・脱衣スペースと洗濯機置き場でした。正面にトイレ、右手に浴室があります。
左・ペーパーホルダーなど、細部までディテールにこだわったトイレ。/右・浴室にはオートバス機能付きです。
cowcamo
こちらは2018年10月にリノベーションした住戸です。設備などの使用感については現地でご確認くださいね。
お邪魔しました
左・可動棚が備わった玄関スペースは、赤がアクセントカラー。/右・玄関扉は2019年に交換したばかりでピカピカです!
売主さま
夫婦ともに出身が広島県なので、カープカラーの赤を玄関に取り入れました。
cowcamo
居室を出て、共用廊下から視線を外に向けると……
澄み切った川が目の前に! 手前は桜の木。ピンクに染まる季節が待ち遠しいですね。
左上・スロープ付きのエントランス。/右上・左手には敷地内の公園があります。/左下・共用ホールは風通し良好。正面のサブエントランスからは、大横川沿いの遊歩道に出られます。/右下・3階のエレベーターホール。共用部分が清々しく気持ちいいのは、本当にうれしいことです。
ご近所をぶらり
左上・行列ができる人気洋食店「3匹の子ぶた」。まずは炭火焼きハンバーグをご賞味あれ♡(徒歩5分)/右上・築地から仕入れた食材で作る地中海風料理が人気の「NAGISA-TEI(ナギサテイ)」。ひとりでも入りやすいカジュアルさが◎(徒歩2分)/左下・昭和の香りを感じる大衆居酒屋「魚三酒場 富岡店」は行列必至の人気店。リーズナブルなのにどの料理も美味しい!(徒歩4分)/右下・ビール専門店「宮澤商店」では、クラフトビールをぐいっと一杯。信州産のおつまみも絶品!(徒歩3分)
カウカモ編集部より
橋を渡り、どっしりと佇む清々しいマンションに到着し、眩しく開放的な住まいを撮影させていただき、明るい共用廊下から澄み切った川を眺め、住戸をあとにする……終始気持ちよく取材させていただきました。
たくさんの装飾をプラスすることだけが “デザイン” ではありません。実は、引き算のほうが難しい。そしてそれが大事なキーポイントだったりします。
今回訪れた住まいは、隅々までリノベーションされています。こだわりのディテールもたくさん詰まっています。その上で、暮らす人が軽やかに、自由にこの空間を味わうための “無いデザイン” が共存しています。ひとりでもふたりでも、3人でも。家族構成を想定させない間取りは、幅広い方にフィットしそうだと感じました。
ご近所に魅力を秘めつつ、“清澄エリア” も散策圏内。街とマンションと住まいと。すべての要素をかけあわせると、より鮮やかなパターンのデザインが完成する、この物件はそういう仕組みです。
writer/editor : 守田 可愛
橋の上から紅葉や桜を楽しめます。四季の移ろいを感じられる立地、いいですよね。