渋谷区千駄ヶ谷(北参道駅)
和する美
アピカ原宿sedu
日本の伝統美とモダニズムが和する場所。余計なものを徹底的に削ぎ落としたストイックな空間は、緊張感を持って、自らの美しさを語りかけてくる。琴線のように張りつめる澄んだ空気のなかに、あなたの暮らしを融け合わし、新たなる “和” を生んで欲しい。
現在ご紹介可能な物件は、中古・リノベーション住宅のオンラインマーケット「cowcamo(カウカモ) 」よりご覧いただけます。
代々木公園
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売主さまのご紹介
売主さま
グラフィックデザイナー、そして “漆繕い” の繕工としてご活躍されている売主さまと愛猫・ふくちゃんの、おひとり+1匹暮らし。ご自宅兼アトリエとして利用していましたが、拠点を移し活動していくため、手放すことに決めたそうです。
個性が溢れる街 “ダガヤサンドウ”
左上・今回ご紹介する物件は、東京メトロ副都心線「北参道」駅2番出口より徒歩3分、3番出口がある「日本コープ共済生活協同組合連合会ビル」より徒歩2分の場所に建っています。/右上・ロサンゼルス発の人気セレクトショップ「Ron Herman(ロンハーマン)」の日本第一号店がこちら。敏腕バイヤーがセレクトした洋服や雑貨を取り揃え、併設するカフェも人気です。(650m 徒歩9分)/左下・カジュアルにいただけるイタリアンレストラン「trattoria Tanta Bocca(トラットリア タンタ ポッカ)」。まるで実際にイタリアに訪れたかのような店内で、美味しい料理をいただけますよ。(290m 徒歩4分)/右下・建築専門のギャラリー「GA gallery」。併設のブックショップでも建築関係の書籍を多く取り揃えています。建築にご興味がある方でもない方でも楽しめると思いますよ。(60m 徒歩1分)
さすがな おしゃれさん
「北参道」駅を出て、交差点を渡った先の住宅街に現れるタイル貼りのマンションが今回の目的地。ベージュ色の端整な顔立ちに、淡いブルーの窓枠がアクセントになっています。さすが、このエリアらしいおしゃれさんですね。
cowcamo
左上・メインエントランスへは階段を下ってアクセスします。まわりは外壁に囲まれており、プライベート感のあるアプローチです。夜は足元灯がエントランスへと導いてくれますよ。/右上・中に入ると、宅配ボックスと集合ポストが。/左下・オートロックの先にあるエントランスホールへときました。坪庭が都会の喧騒を忘れさせてくれますね。右奥にあるエレベーターを使い、3階へと向かいましょう!/右下・左手にあるのがご紹介する住戸の玄関ドア。共用廊下はホテルライクな雰囲気が漂っていました。
売主さま
エントランスにあるエレベーター横のドアから、駐輪場に出ることができます。駐輪場からは直接マンション裏手に出ることができるので、駅方面へ行く場合は、メインエントランスよりこちらを利用した方が近いので便利ですよ。
ごめんください
左・おお、玄関ドアを開けた瞬間に、背筋が伸びるような気持ちのよい緊張感が体を伝います。奥のリビングダイニング(LD)に置いてある骨董品や絵画が見えるようデザインしているそう。/右・廊下から大理石が敷かれている土間を振り返ったカット。廊下の壁は両面とも収納でしす。右手の収納は、分譲時から備わっていたものを活かし、取手を丸い木製のものに付け替えています。随所に “和” を感じるデザインが背筋を伸ばしてくれるのでしょう。
売主さま
設計を依頼したのは、インテリアデザイナー・小泉 誠さんが運営するデザイン事務所「Koizumi Studio」です。リノベーション工事は分譲時から実施し、1999年に完成しました。
cowcamo
小泉 誠さんと言えば、建築から箸置きまで手がける、生活に関わるデザインのスペシャリスト。デザインを伝える場としてオープンした「こいずみ道具店」のオーナーでもあります。ファンが多く、最初にお名前を聞いたときはカウカモ編集部もどよめきました(笑)
張り詰める 美しいジャパニズム
廊下からそのままつながるLDは、左手の通路経由して奥までつながっています。
cowcamo
本当に無駄がなく、日本の伝統的な畳部屋のような美しい空間ですね。
売主さま
出来るだけ物を表に出さずに生活がしたかったので、室内の壁面のほとんどが収納になっているんです。
徹底してシンプルを突き詰めた空間は、まるで骨董品を展示している美術館のよう。腰高収納の裏側に間接照明を付けることで、置物がより綺麗に見える工夫もなされています。
cowcamo
今回は、室内の照明をより美しく見せるため、ブラインドを閉めて撮影いたしました。窓の外は建物の吹き抜け部分になりますので、後ほどお見せいたしますね。
通路側から室内を見たカット。大中小さまざまな大きさの収納のおかげで、室内に収納家具を置く必要はほとんどありません。
cowcamo
不要な生活感を排除することができるので、ミニマルで美しい空間になっているんですね。
こちらのテーブルも、小泉誠さんがデザインされた物なんだとか。
売主さま
テーブルは小さい木材を組み合わせた集成材で出来ており、しっかりとした重厚感があります。また、片側を腰高収納に置くようにして立っているので、お好きな位置に動かすことが可能です。1年に一回蜜蝋を塗ってメンテナンスをしているので、経年変化で増した味も楽しんでいただけると思いますよ。
奥からのカット。天井にはライティングレールが備わっているので、レール上のお好きな位置にお好きな照明を付けることが可能ですよ。続いて、正面の引き戸からキッチンをチェックしましょう!
右手に作業台、左手に収納スペースがあるキッチン。LDと引き戸で仕切ることで、生活感を隠す工夫がされています。
細部まで美しく
左・ブラインドを開けて入る光も美しいですね。骨董品や絵画の配置もさすがデザイナーさんといった感じ。シンプルな空間に置かれたものは、向こうから魅力を語りかけてくれます。/右・照明スイッチは骨董市で手に入れたそう。日本的でありながら、海外製の物もすっと馴染んでくれるのがこの空間の不思議なところ。
気持ちを切り替えてくれる 渡り廊下のような存在
通路を通ってお隣の空間に行こうとすると、売主さまの愛猫・ふくちゃんがお出迎えしてくれました。ふくちゃんがまどろんでいる場所も、腰高収納です。
売主さま
通路の先のスペースは作業場にしています。渡り廊下のような感覚で歩けるこの通路が、気持ちの切り替えをしてくれるので作業がはかどるんです。
cowcamo
空間のゾーニングもしてくれるので、雰囲気を壊さずに作業場を設けることができますね。
左・通路の窓の先は、マンション内側の吹き抜け部分なので、視界に抜けはありません。とはいえ開口が大きい上に南向きなので、室内までしっかりと光を届けてくれます。/右・奥に並んだドアは手前からバスルーム、トイレにつながっています。手前にはなにやら気になる四角形が……。
売主さま
この四角形の部分は和紙になっています。和紙の裏側にはバスルームに付いている腰窓があるので、バスルームの照明を付けると、ぼんやり明るくなるんです。
cowcamo
お、おしゃれ……。
通路を通り 作業場へ
東向きの掃き出し窓、南と西向きの腰窓がある三面採光の作業場。パソコンが置かれているデスクは造り付けだそう。居心地がいいのか、ふくちゃんもまったり。
売主さま
デスクを取り外す場合は、追加工事を実施する必要がありますので、事前にご留意ください。中央の本棚は、ご希望であればお付けいたします。
角度を変えて。先ほどのダイニングスペースとは打って変わって、雰囲気は仕事場感が強くなっています。空間の住み分けができるのも、この住戸の魅力です。
cowcamo
南と西側にある腰窓は先ほど同様、マンションの吹き抜け部分に面しています。
東向きの掃き出し窓から バルコニーへ
バルコニーからの景色はこんな感じ。正面にほか建物が建っているので抜けはありません。とはいえ距離はしっかりと取れていますよ。
売主さま
土地柄もありますが、窓からの景色が楽しめないので、室内をより快適で理想の空間にしたかったんです。美しい家の中での暮らしを、存分に楽しんでいただきたいですね。
cowcamo
バルコニーに物があり撮影ができなかったため、今回は文章で説明いたします。バルコニーには室外機が設置されていることもあり、コンパクトサイズです。また、マンション管理規約上で洗濯物を干すことが禁止されています。バスルームに浴室乾燥機が備わっているのでそちらをご利用くださいね。
室内に戻りましょう
右奥の通路から壁を伝うように、収納が続いているのがわかりますね。
売主さま
先ほどのLDと作業部屋の床には、それぞれガス管が埋め込まれているので、ガスファンヒーターが使用可能ですよ。
角度を変えて、デスクの前からのカット。お向かいの引き戸を開けてみましょう!
売主さま
正面の引き戸は、3枚とも左手にある収納の脇に格納することができます。
“和”
引き戸開けると、文机とアンティークランプだけがポツンと置かれた和室が。LDとは違う、静寂とも言える感覚が体を包みます。
売主さま
和室は琉球畳の下に床板を張っているので、床から20cmほど高くなっています。そのため、引き戸を開け放って作業部屋と一体化しても、程よく空間が分かれるようになっているんです。また、琉球畳は2年ほど前に交換しております。
右手には和紙が貼られており、裏側にある窓から入る光が透けるようになっています。
cowcamo
正面の壁の中もすべて収納になっています。奥行きはあまり深くありませんが、伸縮可能なハンガーバーが備わっていたりと、スペースをうまく活かす工夫がなされています。
売主さま
ちなみに、右上の縦格子の裏には、エアコンが設置されているんです。
cowcamo
おお〜。生活感を隠すためのアイデアが随所にあるんですね。
角度を変えて。左手の壁の中もすべて収納。縦長の場所にはコートや布団などをしまっているそうですよ。中央下部にはテレビ台と、縦格子の中にはビデオデッキを収納するスペースが造られています。
売主さま
テレビは40インチまでのものしか入りませんので、事前にご留意ください。
最後にトイレと水まわりをチェック
左・足元にゆとりのあるトイレ。/右・左手の飾り台は収納も兼用。手元がパカっと開き、トイレットペーパーが納まるようになっています。匠の技に惚れ惚れしてしまいますね。
cowcamo
住戸内の収納スペースは、どこを見ても心理的な圧迫感を感じさせずに確保されています。まさに “匠の技”。
左・洗面脱衣室は分譲時の既存活かし。丸い手洗いボウルと、ふたつ付いた照明が可愛らしいですよ。/中央・広々としたバスルームには浴室乾燥機が備わっています。使用感などは、現地で実際にお確かめくださいね。/右・バスルームに備わっている室内窓。向こう側は通路の和紙部分なので、ぼんやり自然光が入ってきていい雰囲気です。
思い出の設計モデル
最後に、売主さまが見せてくれたのは当時の設計モデル。とても大切に保管されており、この住戸への想いが伝わってきます。
売主さま
この設計モデルの段階では、少し間取りが違ったんです。和室の部分に壁があって、完全に個室になっているんですよ。
帰るのが名残惜しい
左・ふくちゃんがあまりにも美人さんだったので、最後にご挨拶。ふくちゃん、お邪魔しました!/右・帰り際、お気に入りの窓際までお見送りしてくれました。
cowcamo
またね、ふくちゃん!
もう少し周辺をご紹介
左上・物件から徒歩8分の距離にある「明治神宮(北参道口)」。由緒あるこの場所は、なんだか、今回ご紹介した物件と親和性があるように感じてしまいます。(600m)/右上・デザイン集団・ランドスケーププロダクツが手掛けるカフェ「Tas Yard(タスヤード)」。こだわりのコーヒーだけでなく、鹿児島県産の食材を使ったフードも人気で、お店の前を通るとカレーのいい香りに食欲をそそられます。(350m 徒歩5分)/左下・日本が世界に誇るファッションデザイナー・NIGOがプロデュースしたカレー屋さん「CURRY UP」。開店前から列ができる事もある人気店です。実はこの辺り、カレーの激戦区でもあるんですよ。(600m 徒歩8分)/右下・日々のお買い物は、駅の真裏にある「OKストア 千駄ヶ谷店」でどうぞ。(300m 徒歩4分)
カウカモ編集部より
若いカルチャーが渦巻く「原宿」エリアのお隣、「北参道」が今回の舞台。いわゆる “ダガヤサンドウ” と言われるエリアで、渋谷や原宿よりも、おしゃれな大人が好むようなこなれた雰囲気が漂っています。また、至近に2020年に開催される東京五輪のメイン会場「新国立競技場」が建設中で、街の注目度も高まってきているんです。
そんなエネルギッシュな街が “動” なら、今回ご紹介する物件は “静” と言えるでしょう。マンションは、交通量が多い明治通りから一本入った住宅街に建っていますが、その喧騒はほとんど届いておらず、閑静な環境が広がっています。
マンションの外観は土地柄にふさわしく、ベージュのタイル貼りにブルーの窓枠が映えるおしゃれさん。また、1998年竣工で新耐震基準に適応しているだけでなく、オートロックや宅配ボックスを完備するなど機能面も兼ね備えるしっかり者です。
住戸は3階に所在する1LDKです。玄関ドアを開けた瞬間に背筋が伸びるような、美しい空間を手がけたのは、インテリアデザイナー・小泉 誠さんが運営するデザイン事務所「Koizumi Studio」。取材前にカウカモ編集部のミーティングで、そのお名前を聞いた時はメンバー全員がどよめいたほど、その筋では著名なデザイン事務所です。
グラフィックデザイナー、そして “漆繕い” の繕工としてご活躍されている売主さまの『日本的で、生活感のないところで暮らしたい』という希望を形にした住戸は、ストイックなまでに余計なものを感じません。まるでギャラリーのような空間の秘密は、随所に備わっている収納にあります。
室内の壁面のほとんどを収納にすることで、物が表に出ないようになっているんです。また、収納家具を設置する必要がなく、室内に無駄な凹凸が生まれないというのも、その美しさの理由でもあります。
内装は、伝統的な日本のデザインとモダニズムが調和したような雰囲気。直線的でシンプルを突き詰めた緊張感のなかに、和やかな空気が漂っているおかげで、しっかりとリラックスできるんです。
また、住戸の形も特徴的。LDKがコの字型になっており、作業場とダイニングスペースがうまくゾーニングされているんです。売主さまいわく、通路が渡り廊下のような存在になってくれるので、気持ちの切り替えができるんだとか。
そして、忘れてはいけないのが、作業場のお隣に造られた和室。壁面収納の下を床の間にしていたり、暗くならないように窓の前は和紙貼りにしていたりと、デザイナーさんと売主さまの遊び心がうかがえます。また、床からの高さを20cm上げることで、ひとつづき空間でありながら独立性が保たれているんです。
一点、事前にご留意いただきたいのは、管理規約上バルコニーに洗濯物が干せないということ。バスルームに浴室乾燥機が付いているので、そちらを使用することは可能ですが、こちらの規約も含めてご検討くださいね。
ほかにも、細いところを上げればキリがないほど、美しいディティールとギミックが詰まった住戸。すべてお伝えしたいのですが、非常に長くなってしまいそうですので、ぜひ写真と取材記事をご覧になってください。そして、現地で実際にこの空気を味わっていただきたい。
シンプルで生活感を取り除いた空間ですが、決してヒリヒリとした雰囲気はなく、売主さまの人柄や愛猫・ふくちゃんの可愛さも合間って、ずっとここにいたいと思えるようなお住まいです。ぜひ、売主さまの想いやお話を聞きつつ、この美しい空間を住み継ぐ想像をしてみてくださいね。
writer / editor:酒井 大作
ちょっぴりマリンな雰囲気を持つマンション。1998年竣工で新耐震基準に適合しています。また、駐車場は2019年8月現在1台分の空きがあります。空き状況は変動いたしますので、随時お問い合わせください。