ファッションを楽しむように、暮らしも楽しもう。日本を代表するセレクトショップとしてファッションやカルチャーを牽引する「BEAMS」で働くスタッフのライフスタイルや住まいをご紹介します。


好きなアイテムやこだわりのインテリアがぎゅっと詰まった "自分らしい" 暮らしを送るBEAMSスタッフの皆さん。「BEAMS living style」は、その住まいをご紹介する連載企画です。

今回は、昨年中古マンションを購入しリノベーションで住まいを造り上げた、経営企画部の東谷弥生さんの住まいを訪れました。

東谷さん(右)は、旦那さん、娘さんとの3人暮らし。

《プロフィール》
名前:東谷 弥生(ひがしたに やよい)さん
年齢:39歳
職業:経営企画部
趣味:旅行、家具屋巡り、娘の服をつくる
Instagram:https://www.instagram.com/yayoi_higashitani/

■リノベーション・インテリアのテーマは?

「パーマネント」です。というのもバイヤーやディレクターをやっていたときに出張で訪れた、デンマークのコペンハーゲンの影響が大きくて。

北欧のデザインって奇抜すぎないというか、暮らしに寄り添いながらずーっと使えるような、シンプルでモダンなものだと感じて、自分の家もそういう場所にしたいと思ったんです。

モダンさを演出するためには特に壁の雰囲気が重要だと思っていて、クロスは使わず全体的にモルタルで仕上げてもらっています。キッチンはオールステンレスのものを選んだり、テイストに統一感を持たせることを意識しましたね。

モルタル仕上げの壁がクールな廊下。

この家は普通と比べたらちょっと暗めなんですけど、それも北欧をベースにするなら、間接照明をメインにした方がいいと建築士の方からアドバイスをいただいたからで。

日本では煌々と明かりをつけるのが当たり前ですけど、向こうの国は夜でも温かみのある淡い光の中で生活されているんですよね。確かにそんなふうにギラギラせず、ゆったり過ごすのもいいなと、ダウンライトなんかも付けていないんです。

開放的なコーナーサッシがあるため、日中は電気を点けずとも明るく過ごせるLDK。ダイニングのペンダントライトは、デンマーク生まれの照明ブランド「louis poulsen(ルイスポールセン)」のもの。ぼんやりとした柔らかい光が特徴的。

■住まいづくりのルールは?

自分たちが最期を迎えるまで使えるものを、すこしずつゆっくり探していこうと考えています。世の中的にも “サステナブル” が重要視されている中で、間に合わせでものを買うのは丁寧じゃないなと。

リビングにはL字の大きなソファを置きたいなって考えているんですけど、それこそ一生ものなので、まだまだじっくり選んでいる途中です。

ダイニングテーブルは1960年代のデンマーク製。新品ではなくヴィンテージのものを選ぶことも多いという東谷さん。

あとは家具に限らず食事なんかにも言えますけど、なるべくケミカルなものより自然素材のものを買うように心がけたり。

例えば、リビングにある猫のおうちは「猫ちぐら」っていう新潟県関川村の伝統工芸品なんです。おじいちゃんおばあちゃんが藁を手作業で編んだもので質感がいいから、きっと猫ちゃんも居心地よく過ごせるんじゃないかと思って。

左・猫ちぐら。/右・リビングの照明は、alvar aalto(アルヴァ・アアルト)によってデザインされたヴィンテージのルーフランプ。

インテリアの置き方に関して特にルールはないんですけど、色使いは意識していますね。基本的に色の目立つものは置かずに、ラグや植物で色を足すイメージです。

キッチンの窓辺にディスプレイされた植物たち。

■お気に入りのブランドやショップは?

地元の香川に「maroc」さんっていう予約制のモロッコラグ専門店があって、コロナ前は帰省の度に訪れていたくらい好きです。「イサム・ノグチ庭園美術館」のすぐそばにある古民家を改装したお店で、オーナーさんのセンスが本当に素敵なんです。

家具屋さんで言えば、白金にある「BUILDING」さんが珍しいものをセレクトされているのでおすすめですよ。

あとはやっぱり他のBEAMSスタッフもよく挙げている「talo」さんですね。ダイニングテーブルやリビングの照明もそこで購入したものです。

リビングダイニングのラグは「maroc」で購入したもの。

■家のなかでのお気に入りの場所や過ごし方

やっぱり一番はこのリビングですね。デンマークには居心地のいい空間や、そこから得られる幸福感なんかを意味する“ヒュッゲ”(Hygge)って言葉があって、まさにそれを感じられる場所になったなって。

東谷さんが住むこちらのマンションは神奈川県川崎市の小高い丘の上に建っている。

そもそもこの家を選んだ決め手は、視界が開けたコーナーサッシがあることなんですけど、それも向こうの国の方々がカーテンを閉め切らずに開放的に暮らされている様子を見たからなんです。

この窓から日の出や日の入りをぼーっとみていたり、ウグイスの鳴き声に耳を傾けたり、東京で暮らしていたときには考えられなかった非日常体験を日々の暮らしで楽しめているのがめちゃくちゃ贅沢だなって感じています。

『リノベーションに関しては妻に任せていたんですが、リビングが広々していて本当に居心地がいいですね』と旦那さん。

■インテリアとファッションの関係性

さっき話した住まいづくりのルールにも繋がりますけど、一過性のものに飛び乗るのではなくて、長く付き合っていけるものを選ぶようにしていますね。

それはトレンドに合わせてお洋服を提案していたBEAMSも考えなきゃいけないことで、今年から会社として「つづく服。」をキーワードに「洋服を永く着る、永く愉しむこと」を打ち出し始めました。

他にもスタッフ個人がおすすめしたいプロダクトを紹介する「個人商店」という取り組みがスタートしていて、私自身そこに参加して感じたのが、トレンドに左右されず愛でられるものの価値です。

『とりあえず、今季はこれ』と買ったものにはすぐ飽きがきてしまったり、そんな買い方に対しての後悔を感じる一方で、やっぱり自分の琴線に触れて買ったものは何年経ってもデイリーに使える実感があるんですよね。

そういう観点でインテリアもファッションも自分のペースでゆっくり選んでいきたいです。ずっと大切にできるものがあるって、自分たちにとっても地球にとっても、ハッピーなことですよね。

《住まいについて》
所在地:神奈川県川崎市
間取り:2LDK
面積:79.1㎡
築年数:19年(取材時)

《BEAMS infomation》
▼東谷さんのファッションスタイル
BEAMS スタッフページ

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