変貌の前夜を迎える街

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左上・山手線「品川」駅と「田町」駅の中間あたりは、2020年に山手線新駅の開業予定地とされている場所。大規模な駅前開発も進行しています。/右上・最寄りの駅は都営浅草線・京浜急行線「泉岳寺」駅。「羽田空港」まで、京浜急行線で直通! 出張多め・旅行好きの方にはうれしいですね(徒歩3分)。/左下・マンションのアドレスは “高輪” 。高級住宅街のイメージがありますが、歴史を感じられるお寺が多いのも特徴。駅名の由来にもなった、忠臣蔵で有名な「泉岳寺」もすぐそばです(徒歩3分)。/右下・泉岳寺の門前にある「紋屋」。お水にまでこだわった、懐石料理がいただけますよ(徒歩3分)。

並木道を歩いて

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ヴィンテージマンションとして人気の “秀和シリーズ”。こちらはその中でも、個性のあるマンションです。だって見て下さい、この余裕あるアプローチ!

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左上・スロープ仕様でバリアフリーのエントランス。海外のホテルみたいなオーニング(庇)が、建物自体の雰囲気にぴったり。/右上・いよいよロビーへ。なんだか、ただならぬオーラが漂います・・・。/左下・きれいに磨き上げられた、パターン貼りのタイル床。これまでの歴史を感じさせつつも、整然と保たれたその様。まさに “ヴィンテージマンション” といった風情があります。/右下・ロビーには階段があるのですが、ご覧の通り “らせん階段“ なんです。ここだけ見るとホテルと錯覚しそうですよね。管理人さんは住み込みで、夜の10時から朝まではオートロックとなります。

それではお部屋へ

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左・玄関ドアを開けると、左手にズラッと並んだカウンター収納。右手には多目的に使える背の高い収納が備えられています。お出かけ用のコートを掛けたり、はたまた背の高い掃除用具をしまったり。様々にお使いいただけます。/右・玄関を振り返った様子。幅はさほどありませんが、奥行きは長めにとられています。これだけカウンターに余裕があれば、鍵などのお出かけ必須アイテムも楽々並べて置けますね。

約20帖の長方形

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玄関側から全体を見渡した様子。こちらのお部屋、バルコニーに向かって細長い長方形の空間なんですね。今回のリノベーションでは、その形を出来るだけ生かせるよう工夫しています。床の張り分けは、その工夫のうちのひとつ。お部屋の端からバルコニーまで、滑走路のようにヘリンボーン・フローリングを張り、奥行き感の強調を狙っています。

まずはダイニングキッチンから

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左・オールステンレスのスッキリとしたキッチン、絵になりますね! 窓があって明るく、気持ちよくお料理していただけそう。キッチン左手のくぼみが、冷蔵庫スペースとなります。/右・ダイニングキッチンの奥から振り返ったところ。床から少し浮いた高さのドアが見えますが、こちらが水まわりへの出入り口です。

水まわりをチェック

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左・先ほどのドアを開けた様子。写真には写っていませんが、入ってすぐ右手に洗濯機置場があります。/右・カウンタータイプの洗面台。楕円形の洗面ボウルは、ちょっと珍しいマットな質感の人工大理石製。縁が薄くモダンな印象です。

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左・小さな窓がうれしい、独立式のトイレ。上部には棚を取り付け予定です。/右・浴室換気乾燥機付きのユニットバス。こちらにも窓があり、明るい浴室です。

水まわりを見終えたら・・・

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水まわりエリアから出て、バルコニー方向を見た様子。“ヘリンボーン滑走路” が、バルコニーとの窓まで一直線に延びています。天井いっぱいまである、背の高いガラス入りの引き戸。そして壁上部の明り取り窓が、外からの光を届けます。それでは、奥に進んでみましょうか。

リビングエリアへ移動

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リビングエリアから、洋室側を振り返った様子。フローリングは表面に無垢材を用いたものですが、やっぱり表情が豊かですね。

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ちょっと囲まれていて、落ち着けそうな凹んだスペース。ソファを置くのに、ちょうどよさそうな “スポット” です。空間全体の統一感を出すために、壁面にはカウンター収納と同じような意匠を施しています。

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“ソファスポット” から見返した様子。統一されたデザインのカウンター収納が、ずらっと整列しています。収納上部のグレーグリーンの壁は、穴の空いた “有孔ボード”。フックなどを思い思いに、取り付けることが出来ます。時計や写真、アートや小ぶりの鉢植えを飾ったり。お住まいになる方の思いつくままに、お使いいただきたいですね!

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ずらっと並ぶカウンター収納を、すべて開いてみました・・・笑 これだけの幅全部が収納というのも珍しいですが、かなりの収納量。収納内部の棚板は可動式で、お好きな高さに調整出来ます

滑走路の先には

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それでは、いよいよ “ヘリンボーン滑走路” の先をお見せいたしましょう。ガラス戸越しのベッドが素敵な感じなので、こちらは家具ありのカットでお届けします。

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ガラス入り引き戸、フルオープン! 着陸態勢に入ります。

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ご搭乗のみなさま、当機はただ今より “ベッドルーム空港” に着陸いたします・・・!

約10.8帖の洋室

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・・・ということで、バルコニー側正面から見返した様子です。引き戸を開けて見ると “ヘリンボーン滑走路” が、全体を縦断している様がよくわかりますね。洋室には滑走路を挟むように、クローゼットを2つご用意しました。

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実はこの洋室。中心に間仕切り壁を追加して、もう一部屋追加することも可能なんです。間取り変更後も見越して、クローゼットやスイッチの位置も設計してあるんですよ。

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角度を変えて、もうワンカット。この窓の多さは角部屋ならではですね。

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引き戸を閉め切った様子。視界が抜けているため、帖数以上に広く感じられます。

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幅の広い南東向きの窓から、陽がそそいでいます。気持ちのよい朝を迎えられそう。

バルコニーに出てみましょう

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周辺の建物とは距離が取れており、開けた空と緑が◎ お部屋のある7階まで育った樹々は、マンションの歴史を感じさせます。

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日当たりがよく、気持ちのよいバルコニーです。幅・奥行きは標準的でしょうか。

屋上にも出てみました

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“高輪エリア”が見渡せる眺望。広さがあって爽快! ここで散歩している住人の方もいらっしゃるようですが、ちょっとした気分転換によさそうですもんね。洗濯物干しスペースもあります。

帰りは「白金高輪」駅から

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左上・緑が多い街っていいですよね。「亀塚公園」はマンションのすぐ近くです。ちょっとした遊具もあり、ファミリーにもうれしい(徒歩7分)。/右上・一番近くのスーパーは「ピーコック 三田伊皿田店」。営業時間は9時から23時ですが、買い忘れの際はマンションからすぐの場所にローソンもあります(徒歩3分)。/左下・都営三田線・東京メトロ南北線「白金高輪」駅。隣接している「白金アエルシティ」にはカフェや花屋、クリニックも入っています。地下1階には「クイーンズ伊勢丹」も(徒歩7分)。/右下・「白金高輪」駅は桜田通り沿いにあります。品川方面や渋谷方面へのバスも走っていて便利ですね。


カウカモマガジン「泉岳寺」特集記事もチェック!

新駅が誕生しても、老舗和菓子屋と下町情緒は今のまま -泉岳寺-

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カウカモ編集部より

40年ぶりのJR山手線・新駅開業予定地にほど近い、都営浅草線「泉岳寺」駅。「羽田空港」まで、京浜急行線での直通アクセスOK。出張多め・旅行好きの方にはうれしい立地ですね。駅名の由来となっている「泉岳寺」はもちろん、それ以外にも立派な寺院が点在しており、歴史を感じる場所柄でもあります。


住所としては “港区高輪” アドレスで、近隣には俗にいう “受験幼稚園” として有名な園もある環境です。東京メトロ南北線「白金高輪」駅も利用可能で、徒歩7分ほどの距離。途中、魚籃坂(ぎょらんざか)という坂がありますが、街路樹などが綺麗に整備されているおかげで、気持ちよく歩くことができました。


建物自体は記事でご覧いただいた通り、ヴィンテージマンションの好例というべきもの。人気のヴィンテージマンション「秀和レジデンス」シリーズの中でも、そのエントランスまでのゆとりであったり、共用部のデザイン&コンディション。管理人さんは住込みで、困った時にはすぐ対応してくれると定評があるそうです。


今回のリノベーション設計にあたって、やはり一番ポイントに置いたのは「長方形の空間」に対し、どう間取りを取るか・・・という点です。以前の間取りは、小さなお部屋が長い廊下につながっている形。私たちはこれに対し、『無駄が多く、何より角部屋の採光・眺望のよさを生かせていないのでは?』と考えました。


そこで、居室に廊下が吸収されたような空間を設定し、間仕切り部分には光を通すしかけを用意。もうひと部屋欲しくなった場合に備え、洋室は将来的に2部屋へと変更できるよう計画。そしてまた、出張や旅に便利な立地であるという場所のストーリーをデザインに込め、奥行き感を増す仕掛けとして、“ヘリンボーン滑走路” をアクセントとして盛り込みました。


出張多め・旅行好きの方には、ぴったりの立地にあるヴィンテージマンションの一室。“ここから旅立ち、ここへ帰る” そんなイメージをふくらませた、滑走路のあるお部屋。さあ、デパーチャーの時間は、もうすぐです。

取材・文・撮影:cowcamo