港区赤坂(赤坂駅)
暗がり赤坂ダンディズム
氷川アネックス2号館
白状します。この部屋に一歩足を踏み入れた瞬間、ワタクシ思わずよろめきました。「ああ、私は、この部屋に住んでいる男性と恋に落ちるに違いない!!!」そんな妄想にとらわれてしまうほどの、圧倒的なダンディズム。これをモテ部屋と呼ばずして、いったい何をモテ部屋と言うのでしょうか。こじ...
現在ご紹介可能な物件は、中古・リノベーション住宅のオンラインマーケット「cowcamo(カウカモ) 」よりご覧いただけます。
白状します。
この部屋に一歩足を踏み入れた瞬間、ワタクシ思わずよろめきました。
「ああ、私は、この部屋に住んでいる男性と恋に落ちるに違いない!!!」
そんな妄想にとらわれてしまうほどの、圧倒的なダンディズム。
これをモテ部屋と呼ばずして、いったい何をモテ部屋と言うのでしょうか。
こじゃれたバーのような木製のドア、奥へと誘う一面のオープンシェルフ、モザイクタイル張りの長いキッチンカウンター・・・。ダークにまとめられた空間は、赤坂という立地も相まって、「ザ・男の隠れ家」的な色気がムンムンと漂ってきます。
営業担当の僕と、設計担当の社員と、ふたりのおっさんでつくっているので、つい男っぽい部屋になっちゃうんですよね(笑)。
と話すのは、「新宿と夜景とバーボン」のタイトルで紹介している初台のお部屋も手掛けた、株式会社GLIPの北上賢太郎さん。万人受けするプレーンな空間ではなく、あえてコンセプトを強く出してつくり込むことで"他にはない部屋"を生み出したいというのが、自身のポリシーだと語ります。
そんな北上さんが今回設定したコンセプトは、「バーのような部屋」。
廊下からLDKにつながるドアをクリアガラス入りにしたのは、ガラスの先の光景を見せたかったから。
この部屋は、タイル張りの長いキッチンや、壁代わりに設置したオープンシェルフがつくる、"縦の光景"がかっこいいんですね。それをクリアガラス越しにちらっと見せることで、雰囲気のいいバーのような、非日常感を味わってもらいたかったんです。
赤坂って、昔は高級料亭のイメージだったけれど、今はこじゃれたビストロからリーズナブルな韓国料理、中華料理店まで、飲食店がものすごく充実してますよね。
デートで、まずはそんなお店のどこかで食事をしたあとに、バーをうろうろ探すより、"近くにいいところがあるんだけど、行ってみる?"って誘える部屋かなって(笑)。
たしかに、このドアからのぞく光景を目にしたら、「隠れ家バー」だと言われても一瞬信じてしまうかもしれません。私はきっとコロっとだまされますね。というか、だまされたい!!
という妄想はさておいて。
この部屋、かっこよさポイントは他にもてんこもりなのです。そのひとつひとつを順にチェックしていきましょう。
まずは、空間が漆黒にまとめられているということ。
壁も床も天井も、ひたすらダーク。その中に、艶のあるモザイクタイルのカウンターと、サブウェイタイルの白がなんともよく映えるのです。
ここは南東の角部屋なんですけど、隣に建つ教会に 日差しが遮られるので、それほど日当たりがよくはないんですね。
一般的には、部屋はひたすら明るいのがいいと思われがちなんですけど、僕らは、何が何でも部屋全体を明るくする必要はないという考え。逆に暗さがリラックスできる空間をつくり出すと思うんです。
また、白はよく膨張色と言われますが、これぐらいの広さの部屋で天井が白いと、角がどこにあるかがわかってしまうんですね。だから黒くすることで、隅っこをわからなくして奥行きを出しました。黒だとスポットライトの光もよく映えて、より雰囲気ある空間になりますしね。
赤坂という場所に似合い過ぎる、このオトナな陰影。しかもこの物件、赤坂駅からわずか徒歩4分なのに、おどろくほど静かなのです。マスコミ系を中心に、眠らないお仕事をされている方が闊歩する街だからこそ、この静けさとくつろぎの空間に、一層の価値が感じられます。
続いては、ベッドルームとLDKを仕切る大型のオープンシェルフ。
空間を圧迫感なくゆるやかに区切り、どちらの側からも"先にのぞく光景"を楽しめるようになっています。しかも工夫次第でいろいろ使い方が広がりそう。
このオープンシェルフは造作したもので、色も空間に合わせて仕上げました。趣味の品々を飾ってもいいし、キッチン側にはショップやバーのように、食材やお酒の瓶をずらりと並べるのもいい。視線を切りたい場合は、棚のサイズに合うボックスをはめ込んでもいいと思います。
オープンシェルフがつくり出す抜けのある空間は、シングルだけでなく、DINKSの暮らしにも似合いそう。キッチンに立つ相方に、ベッド側から「ねえねえ、お昼ごはん何食べに行く?」なんて声をかけているスタイリッシュなカップルが目に浮かびます。
さらに、空間を狭苦しく見せないために、居室部分とリビングの間には扉を設けず、壁をついたてのように立てて区切っているところも絶妙です。
壁は、目隠しになるぎりぎりの幅にするのにかなりこだわりました。リビングスペースの一角に来ると、ベッドスペースがまったく見えなくなるようになっています。今は展示用にシングルベッドを置いてますけど、セミダブルまで置けますよ。
ちなみに、床は手入れのしやすいシートフローリングを使っています。色はスモークオーク。メーカーのカタログでは"釜でいぶすことで生まれる深い色調"と謳っていて、この部屋にぴったりだな、と思って。
最後に、モテ部屋たるもの、サニタリーのかっこよさも抜かりありません。
トイレの横がガラス扉になっているのには一瞬ぎょっとしますが、ご安心ください、ロールスクリーンが設置されるそうです。
この部屋は浴室などの水まわりはありましたが、もともと事務所として使われていました。
住居としてリノベーションするにあたって、狭苦しい3点ユニットだった水まわりはある程度ゆったりさせたかったので、バルコニーに続くガラスドアのところまでサニタリーを広げました。もちろん、トイレやお風呂を使うときはロールスクリーンを下ろして使うけれども、洗面台を使うときは自然光が入ってくるほうが気持ちいい。ドアを開ければ湿気も逃がせるし、洗面台もカウンターを広く取っているので、スツールを置いて読書したりするのにもいい。
トイレって考え事をするのに適していると言いますよね。この空間はすごく居心地がいいし、つい長居してしまう場所だと思いますよ。
どこもかしこもほれぼれしてしまう、とことんダンディな部屋。
男っぽさを極めた空間のようですが、意外に女性からも反響があるのだとか。
実はこのエリア、徒歩5分圏内に24時間営業のスーパーが3軒もあり、さらにディスカウントショップもあって暮らしやすさはピカイチ。食材を買い込んでダイニングバーのような大きなキッチンで料理三昧したり、ホームパーティをするのにもぴったりです。
と、果てしなく妄想がふくらむ赤坂ライフ。かっこよくて便利で、最高のアクセス環境で、しかも意外に庶民的なお店がいっぱい。
赤坂って実はこんなにも暮らしやすい場所だったなんて驚きです。
さあ、この部屋でぜひ、広がる妄想をあなたの現実にしてください!
取材・文:吉田タカコ/撮影:cowcamo、吉田タカコ