
自分の理想の部屋をつくるために、リフォームやリノベーションを検討している方は多いでしょう。理想の部屋づくりを検討するにあたって、豊富に種類がある床材をどう選べばいいかと迷っている人もいると思います。
この記事では、床材の種類や各素材のメリット、デメリットを紹介します。理想の部屋をつくるためにどういった床材を選べばいいか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
床材の種類と特徴

住宅の床材にはさまざまな種類があり、素材やカラーによって異なる特徴を持っています。室内で大きな面積を占めるため、用途や好みに合わせて選ぶことで、空間の雰囲気や機能性を高め、より快適な住まいを実現できます。
近年は新素材の開発が進んでおり、従来の床材の特徴を組み合わせたハイブリッド型の製品も登場しています。以下では、フローリング、クッションフロア、タイル、畳、カーペットの5種類の床材について、メリットとデメリットと共に解説していきます。
フローリング

フローリングは、木材を使用した床材で、大きく無垢フローリング と 複合フローリング の2種類に分けられます。
無垢フローリング は、天然木の一枚板を加工して作られた床材です。木の質感や風合いを楽しめるだけでなく、経年変化によって深みのある味わいが生まれるのが魅力です。
一方、複合フローリング は、ベニヤを重ねた合板の表面に天然木の薄板を貼り付けた構造になっていて、天然木を活かしながら、コストを抑えられるのが特徴です。また、撥水性を高めたり、湿度による膨張・収縮を抑えたりする機能を持つものもあります。さらに、硬化剤を注入して耐久性や耐火性を向上させた 高機能フローリング も登場しており、用途に応じた選択肢が広がっています。
フローリングのメリット・デメリット
■メリット
フローリングは、木の自然な質感や木目が魅力の床材です。デザインの選択肢が豊富で、空間の雰囲気を自由にしやすいです。また、カーペットと比べてホコリやダニが発生しにくく、掃除がしやすいため、清潔さを保ちやすいのもメリットです。耐久性に優れた複合フローリングを選べば、傷や水への耐性を高めることができ、長く使用することが可能です。

■デメリット
フローリングは硬いため、長時間立っていると足腰に負担がかかり、転倒時の衝撃も大きくなります。また、水に弱いものが多く、無垢フローリングは特に水分を吸収すると膨張や変形のリスクがあります。傷もつきやすく、ペットの爪や家具の移動でダメージを受けることもあります。さらに、足音が響きやすいものもあるため、マンションでは遮音フローリングを選ぶ必要があります。定期的なメンテナンスも必要で、長く快適に使うには適切なケアが求められます。

クッションフロア

クッションフロアは、塩化ビニル樹脂を主原料としたシート状の床材です。一般的な厚みは1.8~2.3mm程度で、既存の床に重ねて施工することも可能です。表面にクッション性を持たせた構造になっており、踏むと若干の沈み込みを感じます。
木目や石目など多彩な柄が表面プリントされており、インテリアに合わせやすいものもあります。種類によっては凹凸も再現されており、本物の素材に近い質感を手軽に実現できます。濡れても染み込まない素材であるため、キッチンや洗面所など水回りに使われることも多いです。
クッションフロアのメリット・デメリット
■メリット
クッションフロアはフローリングと比較して安価な傾向にあり、住宅で多く利用される床材です。木目調や石目調など豊富なデザインバリエーションがあり、さまざまなインテリアスタイルに合わせやすいです。
表面が塩化ビニル樹脂でコーティングされているため、水や汚れがついてもサッと拭き取ることができます。消臭や遮音など高い機能性を持つものもある上に、クッション性も持ち合わせているため足ざわりが柔らかく、立ち仕事が長いキッチンや、小さな子どもや高齢者のいる部屋でも安心して使用できます。
■デメリット
タイルやフローリングに比べて傷がつきやすく、重い家具の跡が残りやすいため、耐久性が劣ります。また、畳やカーペットと比べるとクッション性が低く、足元が冷たく感じることもあります。さらに、安価なタイプでは質感がチープに見えやすく、本物の木や石の風合いには劣るため、高級感を求める場合には向きません。
タイル

床用のフロアタイルは、主にポリ塩化ビニル製とセラミック製に分かれます。どちらも水に強く、意匠性も兼ね備えた床材であるため、水回りや玄関などの湿気の多い場所での使用に適しています。また、メンテナンス性にも優れています。
ポリ塩化ビニル製フロアタイルは、デザイン性とコストのバランスに優れており、広く使われています。
タイルのメリット・デメリット
■メリット
タイルは耐水性・耐久性に優れ、汚れに強く掃除がしやすいため、キッチンや水回りにも適しています。特に陶器・磁器タイルは傷や摩耗に強く、ペットの爪などによるダメージも少ないです。ポリ塩化ビニル製フロアタイルは柔軟性があり、木目調や石目調などデザインの自由度が高いのが魅力です。
■デメリット
タイルは硬く、クッション性がないため、畳やカーペットに比べると転倒時のケガのリスクが高いです。特に陶器・磁器タイルは冬場に冷たく感じやすく、床暖房がないと寒さ対策が必要になります。また、施工には専門技術が必要で、張り替えや部分補修が難しいのもデメリットです。セラミック製フロアタイルは比較的施工が容易ですが、重い家具の跡が残りやすく、耐久性は陶器製に劣る傾向があります。
畳

日本の伝統的な床材である畳は、表面にイグサを織って作った畳表を用い、中材には稲わらや建材が使用されています。近年では和モダンなデザインの畳や、イグサを染めたり和紙を使ったりしてカラフルな畳表を使用した製品、畳の縁に使われる布である畳縁がなく、インテリアに合わせやすい畳など、現代のインテリアに合わせた新しい形も登場しています。
畳は防音性や調湿性、クッション性に優れ、イグサの独特の香りと肌触りを持つ快適な床材として評価されています。
畳のメリット・デメリット
■メリット
畳はクッション性があり、転倒時の衝撃を和らげるため、安全性が高いのが特徴です。適度な弾力があるため、長時間座ったり寝転んだりしても快適。湿度調整機能を持ち、夏は涼しく冬は暖かいという特性もあります。また、和の雰囲気を演出しやすく、リラックス効果も期待できます。最近では、フローリングと組み合わせた「置き畳」もあり、洋室でも取り入れやすくなっています。

■デメリット
畳は水や汚れに弱く、こまめな手入れが必要です。カーペットやフローリングに比べると、ダニやカビが発生しやすく、定期的な乾燥や掃除が不可欠 です。また、重い家具を置くと跡がつきやすく、経年劣化でささくれが発生することもあるため、耐久性は他の床材に比べてやや低めです。張り替えには専門業者の施工が必要で、部分的な補修や交換の手間とコストがかかるのもデメリットです。
カーペット

カーペットは繊維を編み込んで作られた床材です。柔らかな質感で安心感を与える素材です。繊維の素材によって天然繊維系と化学繊維系に大別されます。
天然繊維にはウールやコットン、麻(リネン)などがあり、化学繊維にはナイロンやポリエステル、アクリルなどが使用されます。表面の繊維(パイル)の形状で、カットパイル、ループパイル、カット&ループパイルの3種類に分けられます。
カーペットのメリット・デメリット
■メリット
カーペットはクッション性が高く、転倒時の衝撃を和らげるため安全性が高いのが特徴です。特に冬場は保温性に優れ、他の床材と比べ足元が冷えにくいです。防音効果もあり、足音や生活音を吸収するため、集合住宅や子ども部屋にも適しています。また、素材やデザインが豊富で、インテリアの雰囲気に合わせて選べる点もメリットです。

■デメリット
カーペットはホコリやダニがたまりやすいので、清潔感を保つためには定期的な掃除が必要です。特に飲み物をこぼすとシミになりやすく、水拭きもしにくいため、クリーニングが必要な場合もあります。また、長期間使用するとへたりやすく、汚れが蓄積しやすいため、タイルやフローリングよりも耐久性は低めです。

床材の選び方

床材はそれぞれ特徴があるので、使用する部屋の用途やライフスタイルに合わせて選ぶことが大切です。例えば、掃除のしやすさを重視するならタイルやクッションフロア、デザイン性や高級感を求めるならフローリングやポリ塩化ビニル製フロアタイルが適しています。また、クッション性を重視する場合は畳やカーペットが安心で、転倒のリスクを軽減できます。寒さ対策が必要な部屋では、保温性のあるカーペットや畳、床暖房対応のフローリングなどが選択肢に上がります。
耐久性・コスト・メンテナンス性をバランスよく考慮し、長く快適に使える床材を選びましょう。
まとめ

室内で大きな面積を占め、直接、接触することも多い床材は、住み心地に直結する建材です。さまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なるため、違いを理解し、部屋の用途に応じて適切な材質、機能のものを選ぶようにしましょう。
理想の部屋をつくるには、今の住まいをリノベーションする方法だけでなく、中古物件を購入してリノベーションする方法もあります。しかし、リノベーションには、施工業者選びや設計、工程管理など、多くの時間と手間がかかってしまいます。不動産を扱うリノベーション会社で物件を購入すると、物件探しから設計、施工、アフターサービスまで、すべてワンストップで対応してくれるので、安心してリノベーションを進めることが可能です。
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琉球大学大学院理工学部卒。環境建設工学を専攻し、大学院卒業書、建築設計事務所に勤務し、住宅や公共施設など様々な建物の設計に携わる。現在は建築デザイナーとして不動産開発の企画・設計から運営まで行うコンサル会社にて、オフィス設計やリノベーションなどを中心に手がける。趣味は街歩きと珈琲焙煎。空き家を活用して設計事務所と珈琲屋さんを開くことが目標。