
毎日を過ごす家だからこそ、居心地のよい空間にしたいものです。おしゃれな内装は、そんな願いを叶えてくれるだけでなく、毎日の生活の質を高め、心身のリフレッシュにも貢献します。
しかし、内装は一度決めてしまうと変更が難しく、もし変更する場合は費用も時間もかかってしまうので、慎重に検討する必要があります。
本記事では、実例を交えながら、おしゃれな内装をつくるためのポイントや手順、内装材の種類まで詳しく解説します。
内装がおしゃれな家の実例

おしゃれな内装を実現するためには、まず実例を参考にするのがおすすめです。ここでは、さまざまなスタイルの内装実例を紹介します。それぞれのスタイルには向いている間取りや生活スタイルがありますので、自分に合ったものを選びましょう。
アパレルショップ風の内装
アパレルショップをイメージした内装は、クールで個性的な空間を演出したい方におすすめです。洗練された雰囲気と、生活感を抑えたスタイリッシュな空間が特徴です。
洋服やポスター、お気に入りの雑誌などをインテリアとして活用することで、ショップのような雰囲気を手軽に作り出せます。照明の使い方もポイントのひとつで、スポットライトやペンダントライトを効果的に配置することで、ショップらしい空間を演出できるでしょう。
このスタイルを成功させるためのコツは、装飾に使うアイテムを厳選することです。たくさんの物を置くのではなく、センス良く少数の物を配置することで、洗練された印象を保てます。また、収納は可能な限り隠すようにし、見せる収納には厳選したアイテムだけを置くのがおすすめです。
ヴィンテージ風の内装
温かみのあるヴィンテージな内装は、落ち着いた雰囲気と独特の味わいが魅力です。素材の組み合わせがポイントで、以下のような要素を取り入れるとより本格的な空間になります。
アンティーク家具や、年月を感じさせる小物を取り入れることで、より本格的なヴィンテージ空間に生まれ変わります。古い木製の椅子や味わいのある照明器具、アンティークな雑貨などを効果的に配置することで、空間全体に深みが生まれるでしょう。
ヴィンテージスタイルを取り入れる際の注意点として、“やりすぎないこと”が挙げられます。古いものばかりを詰め込むと、かえって雑然とした印象になってしまいます。新しいものと古いもののバランスを考えながら、空間づくりを進めていくことが大切です。
ホテルライクな内装
日常生活に特別感をプラスしたい方には、ホテルライクな内装がおすすめです。高級感のある壁紙や、こだわりの照明器具を取り付けることで、上質な空間を演出できます。
ホテルライクな内装を目指すにあたって心がけたいのが、徹底的に生活感を排除した設計です。収納は可能な限り壁面に隠し、必要最低限の家具だけを厳選して配置するようにしましょう。照明計画も大切で、間接照明を効果的に使用することで、よりラグジュアリーな空間を作り出せます。
特に寝室やバスルームは、ホテルライクな雰囲気を演出しやすい空間です。ベッドまわりには高級感のあるファブリックを使用し、バスルームには大きな鏡やホテル仕様のアメニティ収納を設けることで、まるで上質なホテルのような空気感を作り出すことができます。
ナチュラルモダンな内装
白やベージュを基調としたナチュラルモダンな内装は、清潔感があり、落ち着いた暮らしを実現できます。シンプルな空間だからこそ、アクセントとなる家具やファブリックが映え、季節に応じた模様替えも楽しめるのが魅力です。
ナチュラルモダンな内装は、窓から差し込む自然光を活かした明るい空間づくりがポイントです。壁や床には自然素材を用い、さらに観葉植物を取り入れることで、より自然な雰囲気を演出できます。
ナチュラルモダンな内装にするなら、素材の質感を活かすことも欠かせません。木目の美しい無垢材や、手触りのよい珪藻土、優しい風合いのリネンなど、自然素材本来の魅力を引き出すことで、より豊かな空間を演出できます。経年変化による味わいも楽しめるでしょう。
遊び心のある内装
室内窓やアクセントクロス、カラフルなドアなど、遊び心のある要素を取り入れた内装も人気です。派手すぎない程度のアクセントを加えることで、個性的でありながら住みやすい空間を実現できるでしょう。
特に室内窓は、空間に抜け感を生み出し、光を通すことで開放的な雰囲気を演出できます。また、一部の壁にアクセントクロスを採用したり、建具にこだわりのデザインを選んだりすることで、さりげない個性を表現できます。
遊び心のある内装を取り入れる際は、家族それぞれの好みや生活スタイルを考慮することが大切です。子ども部屋では可愛らしい要素を、リビングではシックな遊び心を、というように空間ごとに表現方法を変えることで、住む人全員が心地よく感じられる空間になります。
おしゃれな内装をつくるための手順

おしゃれな内装を作るための手順を以下に紹介します。これらの手順は一例であり、必ずしも従う必要はありませんが、どこから手をつければよいかわからない方はぜひ参考にしてみてください。
1.内装のテイスト・素材を決める
おしゃれな内装づくりの第一歩は、テイストと素材の選定です。ナチュラル、モダン、北欧、ホテルライク、ヴィンテージ、インダストリアルなど、さまざまなテイストの中から自分好みのものを見つけましょう。
テイストを決める際は、雑誌やインターネットで建築実例を見たり、モデルハウスやこだわりのカフェを訪れたりして、イメージを具体化することをおすすめします。あわせて、木や石、モルタル、レンガ、アイアンなど、使用する素材も検討します。
2.配色を決める
内装の配色を決める際は、まず基調となる色を決めましょう。基調色は天井や壁、床などの広い範囲で用いられます。
次に、基調色以外に使いたい色を決め、全体の配色を考えます。配色は3色までにおさえると統一感が出るほか、照明や日光の明るさによって色味が変わるため、実際の光環境での確認が必要です。
【組み合わせ例】
スタイル | 基調色 | アクセントカラー | おすすめの組み合わせ |
モダン | 白/グレー | 黒/ネイビー | 白壁+グレー床+黒の建具 |
ナチュラル | ベージュ/アイボリー | グリーン/ブラウン | ベージュ壁+木目床+グリーンの椅子 |
北欧 | 白 | イエロー/ブルー | 白壁+淡い木目床+カラフルな家具 |
インダストリアル | グレー | 錆び色/黒 | コンクリート壁+無垢床+アイアン家具 |
3.照明を決める
照明は内装の印象を大きく変えるアイテムです。用途や空間の雰囲気に合わせて、以下のような照明を選びましょう。
おしゃれな内装にするために気をつけるポイント

おしゃれな内装を実現するためには、以下のポイントに気をつけることが重要です。
収納
おしゃれな内装を維持するためには、適切な収納計画が欠かせません。収納は「隠す収納」と「見せる収納」に分けられます。
収納を計画する際は、物をしまいやすい動線も重要な検討ポイントです。たとえば、玄関から洗濯機、クローゼットまでの動線を考慮することで、洗濯物の片付けがスムーズになります。また、リビングの収納は、ソファに座ったままでも手が届く位置に配置すると便利です。
建具
ドアや窓などの建具は内装の印象を大きく左右するため、素材やデザイン、色は内装全体のテイストに合わせて選ぶことが大切です。開放感のある空間を演出したい場合は天井まで届くハイドアを、空間にアクセントが欲しい場合は、ドアそのものをアクセントカラーにすることで、個性的な空間を作り出せるでしょう。
室内窓の設置も効果的です。廊下と居室の間に室内窓を設けることで、空間に抜け感が生まれ、光を取り入れやすくなります。また、外部に面した窓には、スリムなサッシを選ぶことで、すっきりとした印象になります。
コンセント・スイッチの配置やデザイン
コンセントやスイッチの配置やデザインにもこだわることで、より洗練された内装になります。生活感を軽減するために、コンセントは家電の後ろに隠れるように配置するのがおすすめです。
デザイン面では、木製や金属製など素材感のあるプレートを選ぶことで、上質な雰囲気を演出できます。また、内装のテイストに合わせてカラーやデザインを選べば、統一感のある空間を作り出せるでしょう。
内装材の種類

内装材は、部屋の印象を大きく左右します。ここでは床、壁、天井それぞれの選び方について、解説します。
床材
床材にはさまざまな選択肢があります。温かみのある空間を目指すなら、木の質感を活かしたフローリングがおすすめです。メンテナンス性を重視する場合は、クッション性があり維持管理の容易なクッションフロアが適しているでしょう。水回りにはデザイン性が高く、耐水性にも優れたフロアタイルが最適です。
また、くつろぎの空間を演出したい場合は、柔らかく温かみのあるカーペットが適しています。和モダンな雰囲気を取り入れたい場合には、畳を採用することで、日本らしい落ち着いた空間を作ることができます。
壁材
壁材の選択も、内装の印象を決める重要なポイントです。最も一般的なのは、豊富な種類から選べるクロスです。デザインや色、質感が豊富で、どんなテイストの内装にも対応できます。水回りには耐久性に優れたタイルが適しており、デザイン性と機能性を両立できます。
また、より個性的な空間を目指すなら漆喰などの塗り壁材を選ぶことで、温かみのある味わい深い仕上がりを実現できるでしょう。
天井材
天井材も空間の印象を大きく左右します。一般的で施工のしやすいクロスは、どんな空間にも調和しやすい特徴があります。
木材を使用すれば、温かみのある落ち着いた空間を演出できるほか、自然素材の漆喰は、独特の味わいと調湿効果を兼ね備えており、健康的な住空間を作り出せます。防火性や遮音性を重視する場合は、石膏ボードを使用するとよいでしょう。
おしゃれな内装の家にするならリノベーションがおすすめ

リノベーションは家族ひとりひとりの好みや生活スタイルに合わせて自由にアレンジできるほか、新築と比べて費用を抑えられるのが利点です。既存の構造を活かしつつ改装することで、新しく家を建てるよりも経済的であるだけでなく、環境への配慮にもつながるでしょう。
リノベーションでは全てを壊して作り直すわけではないため、排出される廃材と必要な材料が少なくて済むという点でもエコフレンドリーです。自分自身の「好き」を詰め込みながらも持続可能性を考慮した空間づくりが可能になるため、おしゃれな内装を目指す方に特におすすめです。
まとめ

おしゃれな内装づくりは、単に見た目を整えるだけではありません。快適に過ごせる生活空間を作り出す大切な過程です。理想の空間を実現するために、いくつか押さえておきたいポイントがあります。
まず、自分のライフスタイルに合った内装のスタイルを選びましょう。その上で、配色や照明、建具などの細部にまでこだわることで、統一感のある空間が生まれます。収納や設備も内装の印象を大きく左右するため、一貫したデザインで整えることで、より洗練された空間になるはずです。
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琉球大学大学院理工学部卒。環境建設工学を専攻し、大学院卒業書、建築設計事務所に勤務し、住宅や公共施設など様々な建物の設計に携わる。現在は建築デザイナーとして不動産開発の企画・設計から運営まで行うコンサル会社にて、オフィス設計やリノベーションなどを中心に手がける。趣味は街歩きと珈琲焙煎。空き家を活用して設計事務所と珈琲屋さんを開くことが目標。