
ヘリンボーンとは?

ヘリンボーンとは、長方形の木材や石材をジグザグに組み合わせて作られる独特の模様のことです。名前の通り、魚の骨を連想させる形が特徴で、古代ローマ時代から装飾として使われていたとも言われています。伝統的なデザインでありながら、空間に視覚的な動きを生み出すことから、近年ではおしゃれなフローリングデザインとして注目されています。
ヘリンボーンの模様は床だけでなく、壁や家具にも応用され、多様な素材や色でアレンジが可能です。マンションやアパートでも、このデザインをうまく取り入れることで、個性的で洗練された雰囲気を演出できます。リノベーションの際に採用されることも多く、好みや予算に応じてさまざまな選択肢がある点も魅力のひとつです。
ヘリンボーンフローリングの種類とデザインの違い
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ヘリンボーンとフレンチヘリンボーンの違い
ヘリンボーンには、一般的な「ヘリンボーン」と「フレンチヘリンボーン」の2種類があります。それぞれの違いは模様の作り方にあります。

ヘリンボーンは、長方形の板材を交互に90度の角度で配置する方法です。一方、フレンチヘリンボーンは、板材の端を45度にカットし、V字型に組み合わせていく方法となります。

どちらもジグザグの模様が特徴で、部屋の広がりや奥行きを強調するデザインとして人気です。フレンチヘリンボーンは施工に手間がかかるため、施工費用が高くなる場合がある点も考慮しておきましょう。
素材別の特徴とおすすめポイント
次に、ヘリンボーンフローリングに使用される代表的な素材についてご紹介します。素材の種類によって、質感や見た目だけでなく、メンテナンスの頻度にも違いが出てくることがあります。
オーク

オーク材はフローリング素材としてよく使われており、堅さと耐久性に優れている点が特徴です。ナチュラルな色合いからダークな色合いまで、幅広いバリエーションがあるため、さまざまなインテリアスタイルに合わせやすい素材といえます。また、傷がつきにくい特性から、長く状態を保ちたいと考える方に適しています。
ウォールナット

ウォールナットは深みのある色合いと落ち着いた木目が特徴で、その濃い色合いは、シックで落ち着いた空間作りに適しており、高級感や重厚感のあるインテリアを好む方に適しています。
チーク

チーク材は、湿度や温度の変化に強く、特に耐久性が重視されるフローリングに適した素材とされています。明るい色味が特徴で、経年変化によって徐々に色が濃くなるため、木の自然な風合いを長く楽しみたいと考える方に適しています。
アカシア

アカシアは、独特の木目と濃淡のある色合いが特徴で、個性的な雰囲気を演出したい場合に適している素材です。耐久性が高いことから、リゾート風やボヘミアンなインテリアとの相性も良く、そうしたスタイルを好む方に選ばれることが多いです。
マホガニー

マホガニーは、耐久性に優れた丈夫な木材で、使い込むほどに色合いが深まる特徴があります。赤みがかった独特の色味を持ち、クラシックなインテリアスタイルによく調和する素材として選ばれることが多いです。
ヘリンボーンを選ぶメリット
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ヘリンボーンフローリングはうまく取り入れることで空間により魅力的な要素を加えることができます。
デザイン性
ヘリンボーンの特徴のひとつは、その視覚的なデザイン性にあります。床にジグザグの模様が広がることで、部屋に動きが加わり、広がりや奥行きを感じやすくなる点が魅力です。例えば、リビングのような広い空間にうまく取り入れると、床が目を引くインテリア要素となり、空間の魅力を一層引き立てる効果が期待できます。
高級感の演出
ヘリンボーンは、クラシカルな雰囲気を持ちながら、モダンなデザインとの調和も良く、高級感を演出しやすい点が特徴です。特に、シンプルな家具と組み合わせると、ヘリンボーンの模様がより引き立ちます。
ヘリンボーンのデメリットと注意点

ヘリンボーンフローリングを取り入れる際には、いくつかの注意点も把握しておきましょう。
コスト面での注意点
ヘリンボーンフローリングは、一般的なフローリングと比較すると、材料費や施工費用が高くなる傾向があります。特に、フレンチヘリンボーンのような複雑なパターンを選択すると、さらに費用が増加する可能性があります。
6畳(約9.72㎡)の部屋をヘリンボーンフローリングにリフォームする場合、以下の費用が目安となります。
これに対し、一般的なフローリングの場合、材料費と施工費を合わせて1㎡あたり約10,000円と仮定すると、6畳の部屋で総額約97,200円となり、ヘリンボーンフローリングよりも費用を抑えることができます。
維持管理のポイント
素材によってメンテナンスの方法が異なるため、使用する木材に合った手入れ方法を把握しておきましょう。例えば、オイルフィニッシュのフローリングの場合、年に一度程度のオイル塗布が推奨されることが多いようです。このケアによって木の風合いを保ちながら、長く愛用することが期待できます。
共通の基本メンテナンス
材質別の注意点
ヘリンボーンが合うインテリアスタイル

ヘリンボーンフローリングは、多様なインテリアスタイルに調和しやすく、組み合わせ次第でさまざまな空間を演出できる可能性を持ってます。さらに、照明や家具の選び方を工夫することで、ヘリンボーンフローリングの模様がより際立ち、空間に個性を加えることが出来ます。
ナチュラルスタイル
オークやチークなど、ナチュラルな木目と優しい色合いの素材を使用したヘリンボーンは、自然な雰囲気を引き出しやすいのが特徴です。観葉植物や白を基調としたインテリアとも相性が良く、空間に柔らかさや温かみを加えることができます。
モダンスタイル
ウォールナットやマホガニーなどのダークトーンの素材を使用すると、シンプルながらも上質な印象を演出しやすくなります。グレーや黒のインテリアと組み合わせることで、スタイリッシュで洗練された空間を作り出せます。
ヴィンテージスタイル
ヘリンボーンのクラシックなデザインは、ヴィンテージやアンティーク調のインテリアともよく調和します。チークやアカシアを用いたヘリンボーンフローリングに、レザーソファや木製家具を合わせることで、温かみがあり落ち着いた雰囲気の空間を演出できます。
ヘリンボーンでおしゃれな空間を手に入れる

ヘリンボーンは、その特徴的な模様と高いデザイン性により、部屋の雰囲気を大きく変えるフローリングのひとつです。一般的なフローリングと比べると、視覚的な奥行きや高級感が感じられやすく、空間に動きを加えたい方にとって魅力的な選択肢といえます。素材やデザイン、仕上げの違いによって、さまざまなスタイルや用途に合わせて取り入れることが可能です。自分らしい空間を演出するための参考として、検討してみるのも良いでしょう。

中古・リノベーションマンションの流通プラットフォームに関する知識をわかりやすく提供するため、カウカモ(cowcamo)で日々勉強中。築古マンションの魅力とリノベーションのメリット・デメリットについて深く学び、読者の皆様が最適な選択をできるようサポートしたいと考えています。最新の住宅トレンドや資産価値の維持に関する情報も発信していくので、ご期待ください。

琉球大学大学院理工学部卒。環境建設工学を専攻し、大学院卒業書、建築設計事務所に勤務し、住宅や公共施設など様々な建物の設計に携わる。現在は建築デザイナーとして不動産開発の企画・設計から運営まで行うコンサル会社にて、オフィス設計やリノベーションなどを中心に手がける。趣味は街歩きと珈琲焙煎。空き家を活用して設計事務所と珈琲屋さんを開くことが目標。