マンションのリノベーションで間取り変更はできる?費用相場と進め方のポイント 【カウカモジャーナル】
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マンションのリノベーションで間取り変更はできる?費用相場と進め方のポイント

2025/10/10

 

 

マンションのリノベーションでは、構造形式や共用部との境界、配管・ダクトの経路によって、撤去できる壁や移動できる設備が限られます。加えて、管理規約や工事申請(工事時間帯・騒音・養生・搬出入経路など)が定められているため、事前準備なども必要です。

 

本記事では、間取り変更の可否を左右する要素・概算費用の目安・管理規約上の手続きを整理し、現地調査から見積比較までのポイントをご紹介します。

 

 

リノベーションに影響するマンション構造

 

 

マンションで間取り変更が可能かどうかは、建物の構造によって左右されます。代表的な構造には「ラーメン構造」と「壁式構造」があり、それぞれに特徴と制約があります。構造の違いを理解しておくと、リノベーション計画を立てやすくなります。

 

 

 

ラーメン構造

 

ラーメン構造は、柱と梁で建物を支える方式です。室内の多くの壁は非耐力壁となるため、間仕切りの撤去や移動がしやすく、間取りの自由度が高いのが特徴です。

 

例えば、子ども部屋をリビングと一体化して広い空間にしたり、間仕切りを追加して新しい部屋を作ったりと、ライフスタイルの変化に合わせた調整がしやすくなります。壁を減らすことで採光や通風を取り入れやすくなる点もメリットです。

 

一方で、天井から梁が張り出すケースが多く、空間デザインに工夫が必要になることがあります。また、壁式構造に比べて耐震性はやや劣るとされるため、梁や柱に集中する荷重を考慮した設計や補強が求められます。さらに、広い空間を確保した場合は冷暖房効率が下がりやすいため、断熱や空調計画をあわせて検討することが推奨されます。

 

 

 

壁式構造

 

壁式構造は、壁自体で建物を支える方式です。耐力壁の撤去や移動は原則できないため、間取り変更の自由度は低くなります。特に、広い空間をつくる目的で壁を取り払うといった工事は難しいため、既存のレイアウトを生かした設計が基本になります。

 

耐震性に優れている反面、窓や扉などの開口部を大きくとれないこともあり、採光や風通しの確保に工夫が必要です。例えば、間仕切り壁を半透明の素材に変えたり、通風を考慮した開口位置を工夫したりすると、快適な住環境につながります。

 

 

マンションの間取り変更にかかる費用

 

 

マンションのリノベーションで間取りを変更する際は、工事規模や素材選びによって費用が大きく変わります。事前に内訳を把握しておくと、予算計画を立てやすくなります。

 

費用内訳

 

間取り変更のリノベーションでかかる主な費用項目は以下の4つです。

 

1:設計費

 

間取り変更には専門家による設計が必要です。

 

費用はプランの複雑さや依頼先によって変わり、デザイン事務所に依頼する場合は提案力やデザイン料が上乗せされやすく、施工会社に直接依頼する場合は比較的抑えやすい傾向があります。複数社から見積を取り、作業範囲と内容を確認して比較すると判断しやすくなります。

 

2:工事費

 

工事費は解体・撤去、間仕切りの変更、配管・電気の移設、仕上げ工事が中心です。特にキッチンや浴室など水回りを移動する場合は配管工事が加わり、コストが上がりやすくなります。

 

また、天然木フローリングやタイル壁などは加工や施工手間が増えるため、合板フローリングやクロスよりも工事費が高額になりがちです。タイル貼りなどは専門の職人に依頼する事も多いため、人件費も追加になるケースがあります。防音・断熱工事なども、通常に比べ費用が増えやすいポイントです。

 

3:建材費

 

フローリング・壁材・ドア・収納などの素材によって金額は大きく変動します。

無垢材や高品質タイルは一般的な合板やビニールクロスの数倍の費用になることもあるため、妥協部分を考えておくのもポイントです。

 

オーダーメイドの建具や家具を加えるとさらに費用が膨らむため、優先順位を検討しておきましょう。最近は円安や原材料高騰の影響で建材費が上昇傾向にあります。予算内に抑えたい場合、価格動向なども見ておきましょう。

 

4:諸経費

 

申請関連(行政手数料や管理組合への工事申請費)、業者の管理費、職人の交通費、仮住まい・引っ越し費用など、直接工事に関わらない費用がここに該当します。マンションは工事可能時間や搬入経路の制限があるケースが多いです。それに対応するため思ったよりも費用が膨らむ、ということもあるので、事前に条件を確認しておくと安心です。

 

 

施工ケース

 

 

case 1:14畳のLDKを4畳+10畳に分割する

 

前提:

  • 14畳=約23㎡(1畳=約1.62㎡)を想定
  • 間仕切り壁は部屋の短辺3.6m相当に新設、片開き室内ドアを1枚新設
  • 床は14畳すべてを張り替え、壁クロスは既存壁+新設壁分を貼り替え(天井は含まず)
  • 材料は量産グレード相当、東京都心部相場に近いレンジで試算

 

概算内訳

  • 間仕切り壁(軽鉄+石膏ボード)3.6m:約10.8万~12.6万円
  • 室内ドア(本体+枠+取付):約10万~20万円
  • フローリング張り替え(約23㎡):約27.6万~34.5万円(撤去張替えベース)
  • 壁クロス貼り替え(既存周長想定+新設壁両面で約65㎡):約6.5万~9.8万円
  • 養生・廃材処分・諸経費:約5万~8万円(現場条件による)

 

小計(税別):約60万~85万円

 

※予備費(10~15%)を見ると:約66万~98万円のレンジ

 

 

case 2:4畳+10畳の2室を14畳のLDKに統合するケース

 

前提:

  • 14畳=約23㎡(1畳=約1.62㎡)を想定
  • 仕切り壁(約3.6m)を撤去し、既存ドア1枚と枠を撤去
  • 撤去部の床・壁・天井を補修し、床は14畳すべて張り替え、壁クロスは必要範囲+補修部を貼り替え(天井は部分補修)
  • 材料は量産グレード相当、都市部の一般的なレンジで試算(設備移設なし)

 

概算内訳

  • 仕切り壁撤去・下地復旧(3.6m想定):約7万~12万円
  • 既存ドア撤去・開口部ふさぎ(軽量下地+ボード+仕上げ):約6万~10万円
  • 電気・スイッチ類の移設/回路整理(壁撤去に伴う最小限):約5万~10万円
  • フローリング全面張り替え(約23㎡):約27.6万~34.5万円(撤去張替え)
  • 壁クロス貼り替え(撤去回り+既存面の継ぎ目調整・合計約45~55㎡想定):約4.5万~8万円
  • 養生・廃材処分・諸経費:約5万~8万円

 

小計(税別):約55万~83万円

 

※予備費(10~15%)を見ると:約61万~96万円のレンジ

 

 

 

費用の考え方

 

マンションで間取り変更を行う際の費用は、目安として1㎡あたり10~20万円程度で見積もられることが多いです。工事範囲や仕様によって増減するため、複数社からの見積と仕様書の突き合わせを行うと、予算のブレを抑えやすくなります。

 

工事の範囲・難易度

 

壁の一部撤去など小規模な工事は比較的抑えやすい一方、間取りを大きく再構成する場合は解体・下地・造作・設備移設が重なり、単価が上振れしやすくなります。工程表と数量根拠を確認すると、費用の妥当性を判断しやすくなります。

 

資材・設備の選択

 

無垢フローリングや大判タイル、特注建具・造作家具は加工手間が増えやすく、一般的な合板やビニールクロスより高額になりがちです。意匠性とメンテ性をセットで比較すると、過不足のない仕様選定につながります。

 

水回り・配管の変更有無

 

キッチンや浴室のレイアウト変更は、配管移設や床下勾配の確保、壁内の給排水調整が発生しやすく、追加費用につながります。マンションは配管スペースや縦管位置に制約があるため、移設が難しい場合の代替案(同一ライン上での位置調整、配管が短い範囲での機器入替)も検討しておくと、計画を進めやすくなります。

 

 

マンションの間取り変更をするときの注意点

 

 

マンションで間取りを変える際は、事前の確認と段取りで可否や費用が大きく変わります。以下を押さえておくと、希望を反映しやすくなります。

 

 

管理規約・申請フローを確認する

 

専有部分でも、工事時間帯・搬入経路・養生方法・騒音基準などのルールが設けられていることが殆どです。申請から承認まで1ヶ月近く時間を要する場合もあるため、計画初期段階で規約・細則・申請書式・審査期間を確認しておくと安心です。

 

できる範囲(構造・設備の制約)を把握する

 

構造形式(ラーメン/壁式)や耐力壁・梁・柱・スラブの位置、給排水・ガス・電気配線・ダクトの経路によって、撤去や移設の可否が変わります。壁式構造では耐力壁の撤去が原則できず、配管の縦管位置や床下勾配で水回りの移動が難しくなることがあります。

 

現地調査(構造・設備)+図面確認を設計者と行うと、実現できるプランに絞り込みやすくなります。

 

工期と生活への影響を見込む

 

解体・復旧に伴い、騒音・振動・粉じんが発生し、作業時間が管理規約で制限される場合があります。仮住まい・荷物移動・在宅時間帯の調整を先に検討し、近隣へ工事案内を行うと、トラブルを防ぎやすくなります。工程表と作業内容を共有しておくと、生活動線の確保につながります。

 

 

まとめ

 

 

マンションの間取り変更は、管理規約・構造・設備の確認次第で選択肢が変わります。設計者の現地調査と管理組合への事前相談、同条件での見積比較をセットで進めると、費用のブレを抑えつつ計画を固めやすくなります。注意点を整理しながら段取りを整えることで、希望に沿ったリノベーションにつながります。

 

 

カウカモ」では、マンション購入に加えてリノベーション施工のお手伝いも致します。気になる物件や、実現したいリノベーションがある方は、ぜひ一度相談してくださいね。

初回投稿日
2025/10/10
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執筆者
カウカモジャーナル編集部

中古・リノベーションマンションの流通プラットフォームに関する知識をわかりやすく提供するため、カウカモ(cowcamo)で日々勉強中。築古マンションの魅力とリノベーションのメリット・デメリットについて深く学び、読者の皆様が最適な選択をできるようサポートしたいと考えています。最新の住宅トレンドや資産価値の維持に関する情報も発信していくので、ご期待ください。

監修者
1級建築士、宅建士、FP2級Yang

琉球大学大学院理工学部卒。環境建設工学を専攻し、大学院卒業書、建築設計事務所に勤務し、住宅や公共施設など様々な建物の設計に携わる。現在は建築デザイナーとして不動産開発の企画・設計から運営まで行うコンサル会社にて、オフィス設計やリノベーションなどを中心に手がける。趣味は街歩きと珈琲焙煎。空き家を活用して設計事務所と珈琲屋さんを開くことが目標。

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