都心の勤務先にアクセスのよいところで、のびのびと子育てをしたい。

江戸川区の静かな住宅地にある4LDKのマンションは、まさにそんなご夫婦の願いを叶える住まいです。

最寄りの「新小岩」駅は、JR総武線快速で東京駅まで10分強、総武線で秋葉原駅まで15分弱というアクセス。都心からほど近い場所にありながら、下町風情のある街並みと暮らしやすさが人気の街です。

新小岩ルミエール商店街の一角。魚屋さんや八百屋さん、肉屋さんなどの生鮮食品店からドラッグストアなどの生活用品店など、暮らしまわりのものは大体ここで揃います。裏路地には居酒屋や小料理屋も。


下車してすぐ目に飛び込むアーケードは、新小岩ルミエール商店街。全長約420mの範囲に、食材、生活用品のほとんどが揃い、ふらっと寄って帰りたい喫茶店なども点在。活きのいい鮮魚や直送野菜、レトロな文房具屋や雑貨屋もひしめき、どことなく昭和の匂いがする"安心感"が漂う商店街は、忙しい毎日の仕事帰りになんともホッとする場所になりそうです。

アーケードを抜けると静かな住宅地。江戸川区には公園が多く、学校帰りの子どもたちが公園に集まって遊ぶ元気な街。


江戸川区は育児や教育体制にも力を入れている地域で、所得制限があるものの、1歳未満の乳児がいる家庭に毎月13000円が支給される「乳児養育手当」や、昭和44年から続いている江戸川区独自の「保育ママ制度」など、ファミリー層の心をつかむさまざまな取り組みに、このあたりを子育ての場所として選ぶご家庭は多いよう。

今回ご紹介するのは、そんな若い子育てファミリーにぴったりのリノベーション済み販売物件です。

このお部屋のリノベーションを担当したのは、笑顔の素敵な田中建設リノベーションスタジオの吉田昇平さん。

ヤンチャな兄弟が行ったり来たり駆けまわるような、明るい家族の似合う家をイメージしました。

このお部屋への想いをそう語ってくださったのは、物件の仕入れからお部屋のプロデュース、販売までを手掛けた、田中建設リノベーションスタジオの吉田昇平さんです。

以前は住宅建材メーカーにお勤めだったという吉田さん。お仕事を通して得られた床材や建具などの豊富な知識を活かし、万人に愛されるお部屋を目指しつつも、素材やデザインにとことんこだわったとのこと。そのこだわりが、いたるところに散りばめられたお部屋をご紹介します。

左・玄関を入ると、マットな無垢の廊下が広がります。その廊下を清潔感のある白い壁があたたかく引き立てています。/右・天井までめいっぱいに使える、収納力がたっぷりの靴収納。収納棚は取り外しが一部可能なので、入れるものによって高さを変えて使うことができます。

ここに住むことになるご家族が暮らしをリアルに想像しやすいよう、余計なデザインはせず、どんなテイストの家具を置いてもしっくりくるような空間を目指しました。だから、家の中のドアもすべて、主張の少ない"白"で統一しています。

つくりこまない雰囲気がコンセプトのお部屋。とはいえ、無垢のフローリングには特にこだわったといいます。思わず寝転がりたくなるような、気持ちのよい無垢の床に吸い込まれるように奥に進んでいくと・・・。

直進すると11畳のリビングダイニング。フローリングのLDKと和室は段差なくフラットに続いています。ゴロンと転がりたくなるような開放的な空間です。

床には、人気のオーク材の中でも、節などの風合いを残した"ワイルド"を採用。あえて木っぽい色むらを出すことで、シンプルな空間の中にさりげなく主張を盛り込みました。
水に強いウレタン塗装済みの材ですが、ツヤ消し加工が施されているので、嫌なツヤ感のないマットな仕上がりになっています。

ピカピカの床は、"汚すのが怖い"のが人の心理。でも、ウレタン塗装は汚れに強いので、せっかくの無垢の床を子ども達が万が一汚しても、お手入れしやすいのがうれしい。カジュアルな色むらのある木目なら、家具のコーディネートも自由に楽しめそうです。肩肘を張らずに生活できるポイントですね。

キッチンは、人気のオープンスタイル。カウンターは床と同じ無垢で、床との切り替えし部分に黒をのぞかせて、空間にメリハリが生まれるように。


女性なら絶対にこだわりたいキッチンには、機能とデザイン性がたっぷりと詰まっています。

もともとあったカウンターを取り、キッチンの前の空間を広く使えるようにしました。また、作業している手元が見えない高さまで壁を立ち上げました。もうひとつのこだわりは、たっぷりのキッチン収納。調理器具や食材ストックまで入りそうなキッチン収納は、女性にとってうれしいポイントではないでしょうか。

ママ感激のスペックが勢揃いのキッチン。/左上・食器を飾る? ハーブを飾りながら育てる? 使い方を考えるのが楽しい吊り棚。/右上・洗い物やシンクの掃除もしやすいシャワーヘッド付き蛇口。/左下・料理も楽々、グリル付きの3口コンロ。コンロ上の換気扇も存在感を最小限にし、広く見せています。/右下・ママの家事効率がぐっと上がる、うれしい食洗機付き。


すっきりとしていてオシャレなキッチン収納に加えて、食洗機までさりげなく取り入れられた充実の設備は、主婦の心をがっちりつかみます。

キッチンの吊り棚もこだわったポイントです。オープン棚なので、お好みの収納ボックスを使ったり、お店のように道具を並べてみたり、アレンジを楽しんでいただきたいですね。
一番下の棚の下にも物を掛けることができるようになっていて、ここにバーのようにワイングラスハンガーを吊るしてみるのもいいかもしれません。

左上・和室には、和紙の畳を取り入れて、日焼けやダニの心配がないように配慮。小さなお子様や年配のご両親などとの同居も考えやすいものに。/右上・たっぷりと光が入る約6.1畳の洋室。「ご夫婦の寝室に使っていただきたいですね」と吉田さん。/左下・約5.7畳の洋室。育ち盛りのお子様の部屋にぴったりの大きさです。/右下・5.5畳の洋室。日が当たらない時間帯も白壁がお部屋を明るく感じさせてくれます。


終始、心地よさを感じてやまないのは、お部屋全体に広がる"無垢のフローリング"と清潔感いっぱいの"白い壁"。洋室も、あえて主張しない"白"のドアで、どんな家具を入れても合うように考えられています。

そしてこの家の大きな特徴は、中央に位置するウォークスルークローゼット。

左・洋室と廊下の両側から出入りができるウォークスルークローゼット。/右・洋室のクローゼット。4つの洋室すべてにクローゼットがあるのも、なかなか出会うことができないポイントのひとつでしょう。

リノベーション前のお部屋には、とにかく収納がありませんでした。以前の住人は一体どこに物を置いていたんだろうってくらい(笑)。そこで、思い切ってウォークスルーのクローゼットをつくり、さまざまな用途に使ってもらえる場所にしました。

洋室と廊下に挟まれたウォークスルークローゼットの使い方は十人十色。チェストを置いても通れるほどの幅があるので、お部屋に置いていた収納家具をあえてここに隠してお部屋を広く使ってもいいですね。

また、この空間の真ん中に収納棚を置いて間仕切りにし、洋室側と廊下側の双方向から使うこともできるので、住まい手の好みに応じて自由に使うことができます。

左・水をはじき、汚れにくい洗面台は、やはりマットな黒。シンク下は、好きな収納アイテムを置いて、自分らしく使うことができる場所です。オープンシェルフにすることで、脱衣所の圧迫感を消したそう。/右・出入りがしやすい幅広のドアを開けると、クリーンな白のバスルームが。飾らないシンプルなつくりで、お仕事疲れをホッと癒せる空間です。

水まわりも、リノベーション前は収納が少なかったので、新たに棚を取り付けるなどしています。実は廊下にも、掃除機などをしまうのに便利な収納を設けていて、適材適所に物がしまえるように工夫しています。

派手さはありませんが、さまざまなインテリアの好みに合うよう配慮された高いデザイン性と、生活を豊かにするためのポイントが丁寧に盛り込まれたお部屋に、すっかり心を奪われてしまいました。

マンションは築20年。新耐震の建物で、管理状態はとっても良好。日勤の管理人さんがいつもきれいにお掃除をしてくれているそう。


そばに高い建物がないために開放的な周辺環境。3階であることを忘れるくらいの眺めでした。スカイツリーも窓から絵のように見える距離感が、"東京"に住んでいることを実感させてくれます。風景も生活のひとつですね。

どこを見ても、顔がほころぶうれしいポイントばかり。吉田さん渾身の"暮らしをリアルに想像しやすい"室内に、気付くとどんな家具を合わせようか妄想していた自分がいます。

駅前を中心にお買い物エリアが集中しており、必要なものは遠出をせずして手に入ります。/左上・南口ロータリー。/右上・雨の心配も一切ないアーケード街。/左下・駅隣には西友。/右下・ドン・キホーテやコンビニも駅からすぐ。


いつも帰りたくなるホッとする街で、子どもは元気に家を駆け回り、親は無垢床のリビングでごろりとくつろぐ暮らし。最高の幸せですね。


取材・文:本田里奈子/撮影:cowcamo