カルチャーが渦巻く街「原宿」

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左上・今回ご紹介する物件はJR山手線「原宿」駅(徒歩1分)の目の前にある、あのマンション。原宿駅構内からは、東京メトロ副都心線・千代田線が乗り入れる「明治神宮前」駅にもアクセス可能ですよ。/右上・原宿といえば竹下通り。いつの時代もおしゃれに敏感なティーンエイジャーが愛してやまない、若者カルチャーのメッカです。(260m 徒歩4分)/左下・原宿駅裏の広大な敷地内に鎮座するはご存知「明治神宮」。初詣に訪れる参拝者数は日本一なんだとか。竹下通りを卒業した大人にとっての原宿はこっちですね。物件から敷地への入り口まではわずか徒歩2分。(130m)/右下・この流れなら「代々木公園」も忘れては行けません。ピクニックに訪れて忘れ物をしても、すぐに取りに行ける距離ですよ。(280m 徒歩4分)

元祖 “億ション” 誇り高きキングオブヴィンテージ

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原宿駅に訪れたことがある人は目にしたことがあるであろう、鋭利な存在感を放つ建物。1965年、前東京オリンピックの翌年に誕生したこのマンションは、その建設規模から当時東洋一の不動産と言われ、日本初の “億ション” としても知られています。表参道のケヤキ並木に沿って雁行するように延びるグレーカラーの建物は、原宿のランドマークと言っても過言ではないでしょう。

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日本におけるハイグレードマンションの先駆けであるこのマンション。不動産業に携わるものなら誰もが憧れる存在です。カウカモとしても初潜入ということで、身震いが止まりません!

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マンションのメインエントランスは、ケヤキ並木から一本横道に入った場所に位置しています。こちらから見ると建物がVの字になっているのがわかります。

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か、かっこよすぎる……大きな鳥が羽を広げているかのようですね。正面の通路から入り口の前まで降ってましょう!

これぞレジェンドの迫力

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メインエントランスの前から建物を見上げたカット。これ以上、フォトジェニックな建物なんてあるのでしょうか。鋭く美しいそのフォルムは、1965年に竣工したとは思えないほど現代的で強烈なインパクトがあります。

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残念ながら、共用部内は撮影NG。ただ、それだけセキュリティ面への意識が高いということ。広々としたロビーにはフロントがあり、地下階にはコインランドリー室があります。駐車場はエントランス前にあるので、車寄せのように使用できます。どこを取ってもホテルライクですね。

売主さま

こちらのマンションでは自主管理体制が採られています。マンション維持のための総会が定期的に開かれており、現在大規模修繕工事の実施が検討されているそうです。

映画の世界に迷い込む

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エレベーターで住戸が所在する4階へとくると、外観とは対照的な赤絨毯敷きの共用廊下が。アメリカ映画に登場するホテルのような高級感のある雰囲気に身を預けつつ、手前の玄関ドアから住戸へとお邪魔しましょう。

お邪魔します

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左・玄関ドアを開けると廊下はなく、広いタイル貼りの土間がお出迎え。正面のドアはLDKにつながっています。/右・LDKにつながるドアの前から。右手には姿見とニッチカウンター付きの下足入れが備わっています。

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廊下がないのがなんだか不思議な感覚。まるで土足で室内に上がれる、海外の家にきたかのようです。

それではLDKへ

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約18.5帖のLDK。白とブラウンを基調とした温もりのある空間に仕上がっています。

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角度を変えて。右手にはキッチン、右奥には洋室や水まわりにつながるドアが並んでいます。

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正面の壁には石材が貼られています。石ひとつひとつの大きさや、表面の凹凸に個体差があるので、壁に陰影が生まれ表情豊か◎

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さらに角度を変えて。天井にはライティングレールが備わっています。レールのお好きな位置に、お好きな照明を設置することができますよ。

トレンドを受信する窓辺

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北向きの腰窓前のスペースには、造り付けのカウンターがあります。カウンターの中央部分には、セントラル方式の冷暖房機が備わっていますよ。

売主さま

こちらのマンションの空調はセントラル方式が採用されています。そのため月々の管理費には空調料金が含まれています。また、管理費とは別に給水基本料として月額880円に加えて、給水費が1㎥毎に150円、給湯費が1㎥に毎880円がかかります。事前にご留意ください。

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窓の外には原宿駅前を行き交う若者の姿が。活気のある光景ですが、二重サッシになっているため室内が静かでした。おや、窓際に何か置いてありますね……?

歴史の音がする黒電話

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窓際に置いてあったのは分譲当時から変わらず使用されている黒電話。今も現役で可動し、受話器を持ち上げるとエントランスのフロントにつながります。

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試しに受話器を持ち上げみると、聞こえてきたのは『はい、フロントです』という声。決してクリアではないのですが、分譲当時と同じ音を聞いていると思うと感慨深いものがありました。住戸をリノベーションをしてもこの黒電話だけは残されているあたりに、このマンションへの愛を感じます。

過去と現在が入り混じる

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黒電話の受話器をそっと戻し頭を上げると、腰窓からご覧の光景が。歴史の音を聞いたかと思えば、トレンドに敏感で刻一刻と変わり続ける街の景色が広がっているなんて、なんだか不思議ですね。

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腰窓前から室内を振り返ったカット。続いてキッチンを見てみましょう。

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キッチンまわりの壁はグレーのタイル貼り。シルバーのプレートを持ち上げることで、作業スペースを拡張することができる優れものです。

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キッチン側から、洋室や水まわりにつながるドアがある通路を見たカット。通路には収納スペースと洗濯機置き場につながるドアもありますよ。まずは洋室から見てみましょう!

約7.2帖の洋室

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LDKと同じく、北向きの腰窓がある洋室。こちらの窓際にも冷暖房機が備わっています。

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左・腰窓前からのカット。右手の細長いスペースは置ける家具が限られそうですので、グリーンなどを置くといいかもしれませんね。正面の引き戸を開けてみると……/右・ハンガーパイプと枕棚が備わっているクローゼットが! 高さがあるので、ロングコートでもゴルフバックでも楽々しまえそうですよ。

廊下に戻り 水まわりへ

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左・おお、トイレが一体となった洗面脱衣室の壁と床はアートな模様! モノトーンカラーで統一されてるので、模様の割に落ち着いた雰囲気ですよ。/右・こちらの物件にはバスルームはなくシャワールームとなっています。こんなに渋めな場所でシャワーを浴びたら、ついかっこつけて髪をかき上げたりしちゃいそう。外国製のシャンプーやトリートメントなど、置くアイテムもこだわりたくなりそうですね。

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左・洋室につながっているドアの横には、可動棚が備わっている収納があります。/右・キッチンの横には洗濯機置き場がありますよ。

名残惜しいので もう一度LDKをどうぞ

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キッチン側からLDKを見たカット。右手の壁側に大きなサイズのテレビ、中央にソファとオットマンを置いて、優雅にくつろぎたくなるような空間です。歴史が詰まったこの物件で古きよき映画を見れば、より一層没頭できそう。

鋭利なかっこよさ

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帰り際、エントランス側から建物を見上げてみました。刃が雁行しているかのような鋭い存在感を放っていますね。当時だから建てることができた構造にうっとり。

マンションとともに生きるレストラン

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建物1階のケヤキ並木沿いにくると中華料理店「南国酒家 原宿店」が。なんと分譲時からテナントとして入っており、酢豚にパイナップルを初めて取り入れた店としても知られているんだとか。実はこのレストラン、このマンションの分譲主である東京コープ株式会社の社長が創業したんですよ。

表参道方面へ

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左上・マンションの目の前を通るのは、原宿から表参道方面に伸びるあのケヤキ並木! ご存知の通り、今をときめくショップがズラリです。/右上・マンションのお向かいにあるのは「NIKE HARAJUKU」。世界一有名なスポーツブランドのフラッグシップショップが目の前にあるなんて羨ましい。(100m 徒歩2分)/左下・ケヤキ並木と明治通りが交わる交差点を少し過ぎると、渋谷方面まで続く遊歩道「キャットストリート」が。セレクトショップや古着屋、フォトジェニックなカフェなど、さまざまなお店が並んでいます。(400m 徒歩5分)/右下・さらにケヤキ並木を表参道方面に進むと現れるのは複合ショッピング施設「表参道ヒルズ」。ここが徒歩圏内なんて聞いただけでニヤニヤしてしまいます。(450m 徒歩6分)

もうこんな季節

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取材終わりに、見たかった洋服屋さんに寄ってケヤキ通りに戻ると……ああ、もうこんな季節ですね。クリスマスシーズンは、日本有数のイルミネーションスポットが毎日の帰り道になるなんて、もうすごすぎます。「サンタさん、この物件プレゼントしてくれないかな……」なんて思いつつ、帰路につきました。

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カウカモ編集部より

1965年、前回の東京オリンピックの翌年に誕生したひとつのマンション。刃のように鋭く美しい雁行形状の建物は、「原宿」駅を訪れたことがある人なら一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。近くにある「国立代々木競技場」や「明治神宮」に負けないインパクトを放つこの建物は、その建設規模から当時東洋一の不動産と呼ばれ、日本で初めて分譲時の価格が1億円を超えたマンションでもあるんです。現在価格にすると、なんと約4億円というから驚きです。


“元祖億ション” と言われるだけあって、設備は当時では考えられないほど充実していました。エントランスには居住者用のフロント、セントラル方式を採用した冷暖房、キッチンには生ゴミを切り刻んで流すディスポーザー(こちらの物件にはディスポーザーは付いていません)。どれをとってみても、アメリカの高級ホテルそのもの。今となっては当たり前ですが、当時の日本における住環境の常識を覆すものだったそうです。現在は使用できませんが、屋上にはプールもあるんだとか。


そんなハイグレードマンションの礎を築いた “生きる伝説” の一室に、ついにカウカモが潜入! という訳で取材前からドキドキしていたのですが、実際建物を目の前にすると、改めてその存在感に圧倒されてしまいました。


残念ながら共用部内の撮影は叶わなかったのですが、それだけセキュリティに対しての配慮がなされているということ。外から出入りが見えづらい位置にエントランスがあったり、赤い絨毯が敷かれている共用廊下も、プライバシーに配慮された造りになっていたりと、当時からセレブが住んでいたことが伺えます。


ただ、どれだけすごいレジェンドも時の流れには逆らえないもので、築年数を感じる箇所はところどころに見られます。とはいえ、それもまた味になっているのだからかっこいいところ。往年の映画スターのような渋さです。


こちらのマンションでは自主管理体制が敷かれており、建物を維持するための会議が定期的に開かれているそう。2019年12月現在、大規模修繕工事実施を検討する話し合いが行われているらしく、住民の方たちのマンションへの愛も強そうですね。ただ今後の修繕状況には、しっかり目を配らせたうえでご検討いただくのがベターかと思います。


でも、月々の共益費の金額を見て『アレ?』と思った方もいるかもしれません。それもそのはず。月々の共益費に修繕積立金は発生しないのです。それでいて、2018年12月末時点で建物修繕のための貯金が2億円以上溜まっているのは、管理費の中から修繕費用分も徴収しているからなのだと管理人さんが教えてくれました。


さて、住戸は4階に所在する1LDK。玄関ドアを開けると廊下はなく、広ーい土間から直接LDKにアクセスする造りです。靴を履いてLDKの手前まで入れる感じ、なんだかアメリカの家っぽくて余計に雰囲気が増しています。


約18.5帖のLDKは、ブラウンカラーが主張する温もりのある空間。石材が壁に貼られていたり、フローリングはウォルナット風の色のものが採用されていたり、アメリカンヴィンテージ家具が似合いそうな内装です。リノベーション工事で一新されているとはいえ、建物自体の雰囲気を損ねていないところがいいですね。


腰窓から外を見ると、「原宿」駅を眼下に望むトレンディな景色が広がっています。長きに渡り、流行の移り変わりを見てきた窓なのでしょう。刻一刻と変わる街並みの中で、このマンションだけはずっとここにあることを考えると、なんだかジーンとくるものがありました。


また、窓際にカウンターに備わっている黒電話は、分譲時から住戸に設置されているもの。受話器を持ち上げるとフロントにつながるのですが、「はい、フロントです」と聞こえる音は当時と同じものかもしれません。今となっては使う機会があまりないかもしれませんが、こういった設備が残されているあたりに、マンション自体へのリスペクトを感じますね。


ご注意いただきたいのは、浴槽がなくシャワールームが採用されているという点。どうしても湯船に浸かりたい! という方はちょっと考えた方がいいかもしれません。とはいえ、このマンションならシャワーでも許せるかもって思ってしまうのが不思議。アメリカのワイルドな俳優みたいに、ちょっぴりセクシーにシャワーを浴びてみたいものです。

あ、これまでにないほどレポートが長くなってしまいした(笑) でも、それだけのパワーがこのマンションにはある気がします。中に入れるだけでも貴重な経験なのですが、ここに住めるチャンスはなかなかないと思います。ずっと気になっていた方も、この記事を読んで初めて知った方も、今がチャンスです。全国のヴィンテージマンション・ラバーが狙っていますので、お問い合わせはお早めにどうぞ。

writer / editor:酒井 大作