「一点もの」の住まいに出会おう。 カウカモでまさに一点ものの住まいに出会い、新生活を始められた皆さまを撮影させていただく「カウカモグラフ」。
今回は、2年間の家探しの末、思い描く間取りを叶える “フルリノベーション” という方法と出逢い、晴れて理想の住まいを手に入れたおふたりのもとを訪ねました。
《プロフィール》
名前:Tさま / Sさま
年齢:30代 / 30代
職業:会社員(IT系)/ 会社員(マスコミ系)
趣味:植物、料理
《この住まいについて》
場所:世田谷区
間取り:2LDK
面積:73.3m²
築年数:築23年(取材時)
工事内容:フルリノベーション
支払い額(以前と比べて):約10㎡広くなって、支払額は8万円アップ
家を探し始めたきっかけ:家が手狭になったこと、コロナ禍で住環境への意識が高まったこと
家探し期間:2年くらい
内見数:6軒
Q1:以前の住まいは?
Sさま:以前はふたりで62㎡の賃貸物件に住んでいました。そこはリノベ済みの物件で、お互い気に入って3年ほど住んでいたんです。ただ、コロナ禍で在宅勤務が増えてから住まいに対して考えることが増えて。
Tさま:もう少し広い方がいいなとか、賃貸ではなく資産として家を持ちたいなとか、もっと人を招きやすい家にしたいなとか、いろいろ考えたよね。
Sさま:そうだね。
Tさま:コロナ前までの家に対する認識って、単純に寝るための場所だったというか。そこから在宅勤務が増えたことで、食生活を含めた “暮らし” 全体に意識が向くようになりました。
人との付き合い方も変わったし、これから自分たちはどんな暮らしを送りたいんだろう? そのための理想的な家って? って、いろいろと見つめ直す期間でしたね。
Sさま:そこから次の家探しを始めて、カウカモに掲載されていたコーポラティブハウス(※)を見つけたんです。
いざその家の内見に行ったら、内装は素敵だったけどどうしても間取りが好きになれなくて。うーんって悩んでいたら、エージェントの佐藤さんが『未改装の物件を購入して、ご自身でフルリノベーションをする方法もありますよ』と教えてくれたんです。
すぐフルリノベーション向きの物件を調べてくれて、2軒紹介していただいたうちの1軒がこちらでした。
※入居希望の数世帯が集まって、共同で建設する集合住宅のこと。通常の分譲マンションと異なり、オリジナリティある間取りを実現できるのが魅力
Q2:この家に決めた理由は?
Tさま:リノベがしやすい形だったことですね。この物件は真四角に近い形なので、制約が少ない方だったらしくて。
Sさま:自分は海外セレブの自宅を訪問する番組が好きなんですけど、観ているとキッチンが空間の中心にある家が多かったんです。みんな、自然とキッチンに集まっていて。
“それはアメリカの話で、ここは日本だし……” と思ったものの、一度理想を描いたらなかなか諦められなくて。リノベーション済みの物件だとどうしても見つからなかったんですよね。
内見の翌日に、リノベーションプランニングチームの伴さんからラフの設計案を送っていただいて。それが自分たちが想像していた以上に魅力的なものだったんです。
『ここは全部壊せる壁なので、キッチンをドーンと真ん中に置いて、こういった間取りにするのはどうでしょう?』とご説明いただいて、妄想したらワクワクが止まらなくなっちゃって(笑)。
あの提案が自分たちの背中を強く押してくれました。そこから大きく間取りは変えていないんです。
Q3:リノベーションでこだわったポイントは?
Tさま:一面採光なので暗い印象にならないように、全体を白基調にしました。床もフローリングだとありきたりなので思いきって白タイルに。空間の色使いを絞ることで、平米数以上に広く感じられるようにしました。
Sさま:あとはもともと話していた、真ん中にキッチンを造って人が集まれる空間にしたこともポイントですね。
Tさま:リノベーションのビジュアルイメージは建築家の向坂(むこうざか)さんと共有しました。初回の打ち合わせ前に、自分たちそれぞれがいいなと思う内装写真をインスタグラムやピンタレストで集めたんです。
30〜40枚ぐらい、ただ画像を貼りつけた資料を持ち込んだだけなんですけど、そこから向坂さんは『分かりました!』とイメージを掴んでくれて。
Q4:この街《世田谷区》にした理由は?
Tさま:物件ありきで決めました。正直、このあたりには全く土地勘がなくて……。
Sさま:ただ、もともと悪いイメージはない街でした。調べてみたら、徒歩圏内に素敵な街が点在していたりと「意外といいじゃん」って思うポイントが多かったんです。
Q5:《中古を買ってリノベーション》以外の選択肢は検討した?
Tさま:最初はコーポラティブハウスも含めて新築マンションを検討していました。いくつか内見して『やっぱり違うな』というのを2年間近く繰り返していたんですよね。
賃貸の更新があったので、『すぐに住み替えたい!』というよりは、いいのがあったら買おうかなくらいの気持ちで。
Q6: 購入にあたって不安に感じたことや乗り越えたことは?
Sさま:ローンの不安はありました。自分たちは婚姻関係にないパートナーという関係なので、ペアローンを組むことが難しかったんです。
結局ここは自分の個人ローンで購入したので、やっぱりまだ自分たちには選択肢が少ない状況なんだ、不動産を買うにもそういう壁があるんだなって実感しました。
Tさま:でも、担当してくれた佐藤さんと吉川さんがとても丁寧にサポートしてくれてありがたかったです。
自分たちのことをよく知ったうえで『おふたりであれば、どちらかおひとりでもローンが組めますよ』とアドバイスをくださって。
Sさま:あと不安要素と言えば、リノベーションの完成形がイメージし辛かったことかな。
本当はテーブルに石を使いたかったんですけど、予算オーバーで向坂さんから『メラミン素材を使いましょう』とご提案をいただいたんです。それがいかにも偽物っぽく見えたらどうしようとか、完成するまで分からないことも多くて。
ただ、向坂さんの作例はどれも素敵な仕上がりでしたし、自分たちが安心できるようイメージCGを用意していただいたり、丁寧にサポートしてもらえたことが印象に残っています。
Q7:カウカモで家を買ってみてどうだった?
Tさま:人がまず最高(笑)。感じの悪い方が誰ひとりいなくてびっくりしました。
Sさま:いや、本当にそうだね(笑)。この家を購入するまでに、ラフ案を出してくれた方、 ショールームで案内してくれた方、ローンの決済時にお手伝いしてくださった方。多くの方に関わっていただいたんですけど、皆さん親身に対応してくれて、とてもいい体験でした。
Tさま:そういった意味で、カウカモのサービスに対する不安はまったくなかったです。全部初めての経験だったけど、手取り足取りひとつずつ丁寧に教えてくださったので。物件購入を検討している友人にはどんどん宣伝していますよ(笑)。
Q8:この家のお気に入りの場所やこれから楽しみにしていることは?
Sさま:自分はリビングですね。朝起きてリビングに出ると、朝陽に照らされて植物が輝いているのが好きで。植物に光を浴びせたいから、いつもブラインドは開けたまま(笑)。
Tさま:もうちょっと世の中が落ち着いたら、友人を招いて団欒できる時間が楽しみです。ゲストにはゆったりしてもらいたいので、この家にしては大きめのソファーを入れているんですよ。
Sさま:玄関の手洗い場もお気に入りかな。思い切って、向坂さんにこちらから提案したんです。
もともとのプランではキッチンの裏側に計画されていましたが、玄関前に移動した方がすっきり見えるし、コロナ禍の今、家に帰ってすぐに手が洗えるのはいいかなって。
Q9:これから家探しをする人にアドバイスがあれば
Tさま:まずは内見に行って、話を聞くことですかね。エージェントさんと話をしてみると、案外すぐ話が具体的になっていくと思います。
Sさま:そう思う。餅は餅屋じゃないですけど、自分たちでは気付けなかったメリットやデメリットを教えてくれるので、やっぱりプロに頼るのが一番です。
Sさま:あとフルリノベをするなら、『こうしたい!』というイメージを持っておくことが大事だと思います。遠慮すると着地点がぶれるし、設計の方も住む人に満足してほしいと思っているはずなので。
Tさま:逆を言うようだけど、いい意味で妥協も必要かなと思います。『これじゃなきゃダメ!』を貫き通しすぎないバランス感が肝心というか。
自分たちの場合、テーブルの素材もそうですし、キッチンのグレードを含めてそれぞれ理想のイメージを持っていたんですよね。だけど予算にハマらないことが分かって、代替案に着地していきました。
それって妥協とはいえ、ひとつひとつ納得した結果なんですよね。『これはできないけど、ここまでならいける』みたいな、理想と現実の折衷案を選んでいったというか。
Sさま:妥協という言葉が正しいかは分からないですけど、やりたいことと、設計の方からの提案を受け入れる姿勢のバランスを大切にしてほしいと思いますね。
担当エージェント:吉川 琴子、佐藤 諒/撮影・取材:沢崎 友希/編集:清水 駿