日々お客さまの家探しをサポートするカウカモエージェントにフィーチャー! 不動産のプロがオススメする、萌える街やマンションって? 実際に街を歩きながら、編集部がインタビューする企画です。


こんにちは! カウカモ編集部の清水です。秋晴れに恵まれたこの日、私が降り立ったのは「麻布十番」駅。

麻布十番といえば、高級住宅が建ち並ぶ、余裕のある大人が住む、落ち着きのある街というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

実は、かつて鉄道駅がなかった頃は目的がある人しか立ち寄らないような場所でしたが、2000年に東京メトロ南北線が開通。もともと買い物環境などが整っていたため、駅ができたことでファミリーやシングル、DINKSなど、幅広い層に求められる街になったといいます。駅が街の流れを変えるとはよく聞きますが、この街はその好例でしょう。

私も何度か物件取材で訪れましたが、今日はこのエリアに精通するあるエージェントが、ハイソ “だけじゃない” 、多面的な魅力を教えてくれるとのこと。   

??:清水くーん!

お、この声は!

《プロフィール》村島 智美(むらしま ともみ)
エージェントチーム・マネージャー。旅行代理店で個人営業を経験したのち、ツクルバにジョイン。現在はマネージャーとしてメンバーのマネジメント業務に従事。趣味は旅行で、週末を利用した欲張り弾丸ツアーやまったりおこもり旅、どちらのプランニングもお手のもの。国内外を旅して得た情報は多岐に渡り、旅行に行くときは村島に聞けと言われるほど。同じように東京の街も、お気に入りのお店やスポットを訪れては、その土地ならではの魅力を発掘しているんだとか。

村島:お疲れさま! 今日は麻布十番の街の魅力を、私のお気に入りのマンションと一緒に紹介していくね。

南北に走る麻布通り。渋谷・新橋・田町・品川・五反田方面へのバスが発着していて、都内主要地におよそ30分以内でアクセスできます

村島:今、私たちが立っているこの麻布通りを境に、東側と西側で雰囲気が変わるのがこの街の大きな特徴なの。

まずは東側、“三田・綱町エリア” を紹介するね。ついてきて!

歴史的な表情を色濃く残す、東側 “三田・綱町エリア”

このあたりは、坂が多いのが特徴。なんと港区にある89箇所の坂のうち、半数近くの42箇所がこのエリアに集中しています。写真に映っているのは、日向坂(ひゅうがざか)

やってきたのは、地下鉄の出口から3分ほど歩いた場所にある日向坂。交通量の多い大通りとは一変、坂を登るにつれて落ち着いた雰囲気に変わっていきます。

村島:“三田・綱町エリア” は、地形が周辺よりも高くなっているの。江戸時代には数多くの大名屋敷や寺院があったんだ。

明治時代以降、この日向坂沿いや周辺にあった広大な屋敷などの敷地が、富裕層向けの住宅地やいくつかの国の大使館として利用されているんだよ。

通り沿いには木々が程よい距離感で並び、涼しげな木陰を作っています。紅葉の時期も木々ごとにつける色が異なり、目にも鮮やかなのだとか

地図アプリの航空写真を見ると、多くの建物が敷地に庭園を設けているため緑が豊富。たしかに歩いてみても、通り沿いに並ぶ木々のやわらかなグリーンと重厚な建物のコントラストが印象的でした。

前職は旅行代理店の海外エリア担当だったという村島。プライベートでも大の旅行好きで、ゆったりとした街並みに異国情緒を感じるこの通りがお気に入りだといいます。

村島:江戸時代と比べれば大きく風景は変わったみたいだけど、石垣や門柱など、目を凝らすととその名残もあって。

これはなんだろう? って、街の今と昔に想いを馳せながら歩いてみてほしいな。

左上・坂の名称を表した看板の側面には、その坂にまつわる逸話が。街歩きでは、こうした逸話巡りを楽しむのもおすすめ。/右上・厳かな雰囲気が漂う「綱町三井倶楽部」。三井グループの会員制クラブで、一般の方は立ち入ることができません。/左下、右下・通りの異国的な雰囲気は、大使館があることも理由。「オーストラリア大使館」はかつての蜂須賀(はちすか)侯爵邸跡に建築されていて、門扉に往年の面影が残る

清水:歴史的な美しさをしっかりと残しながら、時代に合わせてアップデートをしているんですね。古さと新しさ、和と洋が共存した街並みがこのエリアの特徴ということか!

村島:そう! そしてこれから紹介するのが、街の象徴とも言える私のお気に入りのマンション。さっそく行ってみよっか!

“空に住まう” という画期的な発想

やってきたのは、「三田綱町パークマンション」。

こちらもかつて大名庭園だった土地に建てられた超高層マンションの先駆け的な建物で、純白のツインタワーは周囲とは一線を画す雰囲気を放っています。

先ほどご紹介した「綱町三井倶楽部」の坂の下にそびえ立つ、1971年竣工、地上19階建ての建物。高さは地上52m

村島:今ではタワーマンションは当たり前の存在になっているけど、このマンションが計画された1970年代当時にそんな住まいはなかったし、誰も考え付いていなかった。

そこに当時の三井不動産社長である江戸英雄氏が、東京タワー、霞が関ビルに次ぐ、日本における第3の高層建築物としてこのマンションの建築計画を発表したの。

そこで掲げられていた “空に住まう” という発想はものすごく画期的なことで、当時マスコミがこぞって取材するなど、大きな話題となったんだよね。

左・近くで見ると、空まで届くように美しく佇む建物に、迫力を感じます……!/右上・ゆったりとした広さのあるエントランス。車回しがあり、お隣には屋内に100台、屋外に50台を収容できる駐車場が。/右下・敷地内には、大名屋敷の頃の面影を残す庭園もあります

村島:建物としての洗練された佇まいもさることながら、住まいとして見ても、近代建築と比べてまったく見劣りしないのがこのマンションの大きな魅力。

たとえば1フロアには4つの住戸しかなくて、全室が角部屋。採光・通風上不利な中住戸がひとつもないように作られている。

他にも眺望の観点で言えば、北側の住戸はさっき紹介した綱町三井倶楽部の広大な庭園、南側の住戸は高台の緑を一望できて。

高度経済成長期の日本において、次なる暮らしの豊かさとはなにかを考え抜いた、新たなライフスタイルの提案だったんだと思うな。

各部屋の専有面積も、115.71~128.70㎡とゆとりのある広さ。なかなか中古市場にも出てこないそうで。

村島:一度住んだら離れられないほどの魅力がきっとあるんだろうね。

ここまで各住戸にゆとりを持った広さのマンションは、売買市場でもなかなか見かけることがないし、共用部の24時間有人管理のコンシェルジュカウンターなど、住環境に対する総合的な満足度も高いんだと思う。

築45年以上とは到底思えない、現代でも新鮮に映るその住環境がこのヴィンテージマンションの魅力なんですね。他にも「三田綱町パークマンション」のような魅力のあるマンションがいくつかあるんだとか。歩きながら見ていきましょう。

左上・右上/カウカモでもおなじみ “秀和レジデンスシリーズ” のひとつ「秀和三田綱町レジデンス」。イタリア大使館のお隣にあり、敷地を囲う塀には他ではあまり見られない赤レンガが使われています。/左下・三井不動産レジデンシャルによる「パークマンション」シリーズのひとつ「パークマンション三田綱町ザ・フォレスト」。広大な敷地面積の大部分を緑豊かな共用部とした贅沢な構成が、このエリアらしさを物語ります。/右下・昼間は管理人さん、夜間は警備員さんが入場者ひとりひとりをチェックして解錠操作をしてくれる手厚い管理体制の「三田マンション」。

村島:格調高い外観に充実の共用部、オンリーワンの立地、良好な管理体制、魅力的な周辺環境など、この地域で愛されているヴィンテージマンションは、どれをとってもレベルが高い。

ここまで優秀なマンションが集まっている場所も珍しいと思うよ。美しい街並みも、住民の方々や管理会社の “この地に住む” ということに対しての並々ならない誇りがあるから保たれているんじゃないかな。

言い換えれば、街のイメージはそこに住む1人ひとりが創りあげるもの、ということかもしれません。ただ、このエリアの魅力はそれだけじゃないと村島は続けます。

村島:私自身も最初は "三田・綱町エリア" の印象が強かったから、麻布十番の街には高級感とか、ハイソなイメージを持っていたんだ。だけど以前、このエリアのマンションを仲介する機会があって、契約後、数ヶ月経ってからお客様に住み心地をうかがったことがあったの。

そしたら老舗からトレンドまでたくさんのお店が揃っていて、値段もリーズナブルからハイエンドまでいろんな選択肢があるからとても暮らしやすい街だって仰って。

スーパーも豊富で海外の珍しい食材も買えたりするから、料理好きの人にも楽しい暮らしが送れるよ、なんてお話をしてくれたんだ。

清水:たしかに東側のエリアだけに目を向けると、そういったイメージは湧きにくいですよね。

村島:そうだよね! じゃあ今度は、麻布通りを挟んだ "西側エリア" を実際に見に行ってみよう!

庶民的な雰囲気が漂う、“西側エリア”

麻布通りを渡って、一行は “西側エリア” にやってきました。

駅前の「麻布十番商店街」には、トレンドのグルメスポットから老舗の名店まで、新旧の魅力あるお店が点在している

村島:西側エリアには麻布十番商店街があって、庶民的で親しみやすい雰囲気。年に一度の納涼祭りもこの商店街を中心に盛り上がったり、老若男女を問わず、日々多くの人で賑わっているんだ。

清水:さきほどの “三田・綱町エリア” とは雰囲気が全然違いますね。会社員の方もいれば、カップル、ご老人の姿も見かけます。多くの人が行き交っていて、賑やかな印象ですね!

商店街の中ほどにある広場には、童謡「赤い靴」のモデルになった「きみちゃん像」が。ベンチに腰掛けてくつろぐ地元の方々の様子が見かけられます。

左上・おひとりさまの会社員でいつも賑わう老舗のとんかつ店「むら中」。/右上・麻布十番で魚料理なら「旬の味 たき下」がおすすめ。ランチタイムは行列必至です。/左下・レストラン併設のパン屋「pointage(ポワンタージュ)」。2種類あるミルクフランスは、1日500本売り上げることもあるという人気ぶり。/右下・商店街の中にあるスーパー「ダイエー 麻布十番店」。日々の生活の心強い味方です。近くには「成城石井」や「日進ワールドデリカテッセン」など、個性のあるスーパーも。

清水:老舗の飲食店もあるし、いまどきなトレンド感のあるカフェも。ランチのバラエティには困らなそうです(笑)

村島:そうなの。先ほどの “三田・綱町エリア” とはまた雰囲気が異なるから、ちょっと歩いてみるだけでも面白いと思う。

じゃあ、こちらのエリアでおすすめのマンションをいくつか見に行ってみよう!

左上・勾配のある暗闇坂の中腹に建つ「秀和元麻布レジデンス」。ベージュのタイル貼りの外観は、街の雰囲気とも相まって品のいい印象です。/右上・商店街の賑わいを抜け、一本松坂という坂道を登った先にある「ゾンネンハイム元麻布」。赤茶色のレンガタイル貼りの外観が渋い。/左下・地上11階建て・総戸数80戸の堂々とした風貌で構える「麻布東町マンション」。/右下・麻布十番の有名なスポット「パティオ広場」に隣接する「麻布十番中央マンション」。テナント部分にスーパーや飲食店が入居するなど、生活利便性の高さが人気です。

村島:麻布十番商店街のある西側に建つマンションは比較的親しみやすい物件が多くて、価格的にも東側と比べると手が出しやすいイメージかな。

似たようなイメージの街でいうと六本木や表参道があるけど、麻布十番の方がスーパーやドラッグストアなどが多くて、生活利便性が高い印象。街全体としては高級感がありながらも、毎日の生活がしやすいというのが街の特徴なんだ。

『よそ行きな格好をしてご飯を食べに行く街』と思われる方は多いけど、それだけでこの街の魅力を語ってしまうのはもったいない!

清水:“肩肘張らずに” 自分らしく過ごせる場所、それがこの街の魅力ということですね。

今まで麻布十番にハイソなイメージが強くあった方も、検討してもらえたらうれしいですね!

麻布十番の魅力を確認したところで、のんびり広尾方面に散策。一行は「有栖川宮記念公園」にさしかかりました。

左・周辺住民の癒しのオアシスとなっている「有栖川宮記念公園」。周辺に各国の大使館が多いためか、さまざまな人種の方々が昼下がりを楽しんでいました。/右上・公園の敷地内には池が点在。流れる水の音を聴きながらリラックスするひとときを楽しめます。記念にぱしゃり。/右下・他にも、約170万もの蔵書を扱う「東京都立中央図書館」があります。

村島:やっぱり大使館が多いこともあって、このエリアには外国の方が多く住まわれている。特にこの公園では、昼下がりからピクニックを楽しむ親子を多く見かけるかな。

こうやって多様性のある雰囲気を身近に感じられるのも、このエリアの魅力だと思う。

清水:飲食店や街の景観、歩いている人々など、街を少し歩くだけでさまざまな刺激を受けますね。感度高く過ごしながら、こういった公園で落ち着いて過ごす。そんな暮らし方もできるのか!

ゆとりを持ちハイソな雰囲気の “三田・綱町エリア”。親しみやすく、庶民的な雰囲気の “西側エリア”。その日の気分や共に過ごす人次第でいかようにも印象を変える、この街が持つ多面的な魅力がお分かりいただけましたでしょうか?

今まであまり住むイメージを持っていなかった方にこそ、ぜひ検討していただきたい。ハイソ “だけじゃない” 麻布十番は、そんな風に素直に思える、マジカルな魅力のある街でした。

取材後記

取材も終わり、お昼がてらカフェへ入ることに。街を練り歩いて、足はパンパン……(笑) 最近のことなどさまざまな話をしていると、自然と仕事の話になりました。

村島は、お客さまが “一点もの” の住まいと出会うお手伝いをするにあたって、大切にしている考え方があるといいます。

村島:理想の住まいを見つけるヒントは、いつもお客様の心の中にあると思っていて。好きなもの・こと、心地が良いと感じるとき、ありたい姿…とか。

だからこそ、叶えたい暮らしについてのイメージを膨らませながら、掘り下げて、その他の条件とすり合わせていくところを特に大事にしてる。

内装が素敵だったり、条件が魅力的な物件もたくさんあるけれど、『お客様にとっての理想の暮らしを叶えるために、何を大切にしていくか』を軸にして一緒に考え抜くことで、"一点もの" の住まいに出会っていただけると思うから。

お客さまが叶えたい “理想の暮らし” という問いにベストな回答をするためには、街のことを深く知り、より多くの選択肢を知っている必要があります。

その点、明るい表情で話す彼女から語られた今日の話は、その土地を歩き、細かい機微を感じ取っているからこそ紡がれる言葉。それこそが彼女の提案力につながっているのでしょう。

みなさんも家を買おうと思った時には知らない街にも目を向けて、一度足を運んでみることをおすすめします。また、困ったときには、村島のような頼れる街のプロにも相談してみてください。

引き続き、カウカモ編集部では街とマンションの魅力をお伝えしてまいりますので、次回もお楽しみに!

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