ファッションを楽しむように、暮らしも楽しもう。日本を代表するセレクトショップとしてファッションやカルチャーを牽引する「BEAMS」で働くスタッフのライフスタイルや住まいをご紹介します。


好きなアイテムやこだわりのインテリアがぎゅっと詰まった “自分らしい” 暮らしを送るBEAMSスタッフの皆さん。「BEAMS living style」は、そのライフスタイルや住まいをご紹介する連載企画です。第13弾の今回は、ご夫婦でBEAMSに勤めているファミリーの住まいを訪れ、ご主人の村口良さんにお話を伺いました。

《プロフィール》
名前:村口良さん / 恭子さん / 華糸ちゃん
年齢:40代 / 40代 / 1歳
職業:ビームス ライツ ディレクター / ビーミング by ビームス
場所:神奈川県鎌倉市

ーー 趣味や好きなものは何ですか?

妻とお酒を片手に鎌倉を散歩することです。季節に限らず海岸を歩いたり、街並みを眺めたり。健康のために逗子の方までランニングをすることも多いですね。

この辺りは、ただ身体を動かすだけで楽しめる風景があるのが魅力的なんですよ。    

週末は少し身体を動かした後に、朝市で地元の野菜を買ってくるというのもひとつの習慣に    

ーー おふたりの住まいづくりのルールは?

この住まいのモチーフは、ニューヨーク出張で出会ったアパートメントなんです。そこで触れたモルタルや黒い鉄冊子、白壁を住まいづくりのキーパーツとしました。

インダストリアルなテイストに仕上げつつも、ほっこりしすぎない程度に要所要所で木を使って暖かみも加えています。

室内が広く感じられるよう、キッチンは壁で仕切るのではなく、天井にルーバーを組んでリビングと緩やかに分節した

こちらは8帖ほどの寝室とクローゼット。室内窓で仕切ることで奥行きを出し、圧迫感を抑えた        

ーー では、インテリアのテーマは?

この住まいのイメージに合わせた硬質感のあるものを揃えました。家具が好きで昔から使っている北欧家具も多いのですが、木のほっこりした印象が強いので、暗い色合いのカバーにしています。

リビングのチェアは黒のカバーで統一されていた

照明は鉄製、ベランダのテーブルやベンチはステンレス製というように新しく加えたものは金属製のものが多いですね。

庭と室内のプランターはモルタル製の同じ規格で統一している

ーー 『マイ収納ルール』を教えて下さい!

日用品はなるべく隠したくなくて、お店のような “見せる収納” を意識しています。食器棚は、ネットオークションで手に入れた学校の靴箱を活用しました。

もはや購入費より輸送費が高くついているくらいなんですが、前の住まいから大切に使い続けている、“見せる収納” のキーインテリアです。

収納方法については、しまう物をカテゴリー別に分けています。たとえばキッチンの収納ラックは段ごとにステンレスのもの、瓶ものと分けて、置いたときにすっきり見えるよう気を付けています。

使用頻度やシーンにも合わせてカテゴリー別に物を配置している

“見せる収納” は、まず「もの選び」から。買おうか悩んでいるものがあれば、一番よいものを選ぶようにしています。妥協をすると、結局納得できるまで購入を繰り返して物が増えてしまいますよね。だから最初に時間やお金をかけてでも妥協はしないと決めています。

梅酒やコーヒー、焼酎など、頻繁に取り出さないものは収納ラックの一番下に配置されていた

それに、こだわって選んだものだからこそ見せた方がよいと思っています。アクセサリー類も2年前までは箱にしまっていたのですが、使いやすさも含めて今の収納方法に変更しました。

室内階段下のショーケースにはドイツやデンマーク、アメリカなど世界各国で手に入れたアクセサリーをディスプレイ

あとは、仕事で店舗のマネージャーをしていた経験も活かされていますね。玄関横のウォークインクローゼット(WIC)はお客さんがきた時一番最初に目に入るスペースですが、動線と空間に余白を残しておけば隠す必要はないと思い、オープンにしています。

玄関横のWIC。ご夫婦こだわりの衣類がセレクトショップのように収納されていた

ーー 家の中で一番好きな場所と過ごし方は?

リビングと庭ですね。平日の仕事終わりはいつも家族とリビングで過ごしています。休日には家族はもちろん、よく友人を招いて庭で食事やお酒を楽しんでいます。鎌倉は春先の気候が特に心地よいので、庭で過ごすひとときがとても贅沢に感じますね。

ーーお気に入りのインテリアブランドやショップは?

厚木の「talo」という北欧家具のヴィンテージショップです。店主自らコンテナでデンマークから買い付けているので、品数が豊富なんですよ。家具のアフターケアまで教えてもらえますし、直接店主とお話しをして目当てのものを仕入れてもらうこともありますね。

日本各地の民芸店を訪れるのも好きです。鎌倉では「もやい工芸」へ陶器を目当てに二週に一度のペースで訪れています。このお店では鎌倉に居ながら私の好きな沖縄をはじめとした各地の陶器に触れられて、その窯元のお話まで伺えるんですよ。

ーー住まいやインテリアにこだわり始めたきっかけは?

BEAMS入社時に配属された店舗の店長の影響が大きいですね。入社3日目に店長の自宅へ招待された際、洋服に留まらないライフスタイルへの考え方に衝撃を受けました。

当時の私は稼いだお金のほとんどを衣服に費やしていましたが、店長はインテリアから電化製品まで、住まいや暮らし全体が洗練されていたんです。

それ以降、椅子やお皿など、生活の中で長く使うものにお金をかけるようになりました。そうした積み重ねが今の住まいにつながっています。    

こだわりの器類は、その愛が感じられる “見せる収納” スペースで大切に保管されていた

ーー住まいづくりで一番こだわったポイントは?

まず第一に、仕事と休日のオンオフの切り替えが出来る場所選びですね。前に住んでいた横浜では、その切り替えがうまくできずに体調を崩してしまったので、職場へのアクセスと住環境のバランスが取れた場所選びを大事にしました。『鎌倉を選んでよかったな』と日々の生活の中で実感しています。

インテリアへのこだわりは、毎日使うものや家の顔になるものを自ら海外で選んできたことですね。設計の際に、それまで持っていた家具を図面に入れてもらいつつ、新たにこの家のイメージにあった品々を海外へ探しに行ったんです。

庭にあるルイスポールセンの街灯はデンマークから。現地を訪れた際の街並みが印象的で特注したもの

郵便ポストは、イメージに合うものが国内で見つからず、ドイツを歩き回って探し出したのだとか

海外でもメジャーな場所ばかりでなく、名の知られていない場所を自分たちで探していくのが楽しかったですね。そうやって見つけたものは、ストーリーを感じられて面白いんですよね。

水まわりは各フロアに。2階は両面採光で明るい空間が印象的

1階水まわり。浴室はモルタルで硬質に仕上げている

この家の設計は、地元密着の工務店にお願いしました。昔訪れたニューヨークのアパートメントを意識した、L字型の生活空間と鉄階段をベースに設計を進めてもらい、鉄階段は自分でメーカーを調べてあげて、新潟でコストに見合った鉄工所を見つけたんですよ。

各フロアをつなぐ鉄階段。落ち着いた黒のアイアンと温もりある木の床板は他のインテリア同様に、住まいを象徴する色の組み合わせ

ーー家を買って、よかったことは?

賃貸から持ち家に変わることで住まいづくりの自由度が高まって、理想の住空間を表現できたことですね。賃貸でも、DIYで備え付けのものをどう使いやすくするかをよく考えていましたが、持ち家の場合は1からつくっていく分、より理想の空間に近づけることができたと思います。これからライフスタイルに合わせて、住まいを変化させることも楽しみですね。

以前は洋服メインのWICだった寝室横の空間は子供部屋に変身

《住まいについて》
間取り:3LDK
面積:100㎡
築年数:4年(新築)

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