売主さまのご紹介

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Mさま

IT企業に勤める30代のMさま。中古物件を購入後、リノベーションを行いました。細部までこだわり抜いて造り、2年間お住まいになったお部屋ですが、結婚を機に手放すことに。しっかり考えられたプランには、個性も愛情もたっぷりです。

商店街にオシャレなお店 多面性のある麻布十番

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左上・今回の舞台は、東京メトロ南北線・大江戸線が乗り入れる「麻布十番」駅。7番出口のお隣には「十番稲荷神社」があり、「かえるさん」と親しまれる石像は「無事帰る」「若返る」「家得る(かえる)」など、さまざまな幸徳があると言われています。/右上・イートインできるベーカリー「pointage(ポワンタージュ)」。バケットからお食事パン、キッシュなど種類が豊富! 品数は減りますが、23時までオープンしていますよ。/左下・2016年秋にオープンしたばかりの「DUMBO Doughnuts and Coffee(ダンボドーナツアンドコーヒー)」。ボリューミーなドーナツと「アラビカ京都」から仕入れたオリジナルブレンドのコーヒーを楽しめるお店です。/右下・麻布十番ってなんだか生活感なさそう・・・と思っている方も多いのでは?  近くには「ダイエー」「成城石井」「リンコス」といったスーパーがあるので、日々のお買い物にも困りません!

売主さま

麻布十番はオシャレなレストランもあれば、「麻布十番商店街」もある、バランスのとれた街です。夜遅くに飲める店もありますが、六本木ほど賑やかではないですし、休日には若いファミリーも多く見かけるような落ちついた雰囲気を持っています。

「麻布通り」から脇道に入った先 静かに佇むマンション

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レンガのタイル貼りで重厚感のある外観。上階部分に斜めに設置された窓が特徴的です。2013年には大規模修繕工事を行い、昨年には玄関扉も新規交換されています。

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左上・大きな鏡の付いたマンションエントランス。スロープと段差の低い階段がありますよ。/右上・このあたりに住まう方なら確認したい、宅配ボックスもしっかり設置されています。オートロックもあり、セキュリティ面◎ 。/左下・エントランスホールから共用廊下まで、赤で統一されています。ふかふかのカーペットも趣がありますよ。左手の管理人室には、月〜土曜日まで常駐の管理人さんがいらっしゃいます。/右下・ご紹介する物件は4階。エレベーターを降りてすぐですよ。

売主さま

ちょっとレトロだからこそ実現している、デザインのユニークさや真っ赤な内装が気に入りました。立地柄、人の出入りが多いマンションではありません。管理は行き届いていますし、何かに困った時も管理人さんが融通を利かせてくれることがありましたよ。

さてさて さっそく住戸を見てみましょう

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えっ・・・? もう好き。なんでしょう、この解放感。玄関扉を開けると、広ーい墨色のモルタル土間が出迎えてくれ、約60㎡の空間を一瞬で認識できます。ちなみに左手のフックには、自転車を置けますよ!

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お部屋に入った時の “解け” にこだわって設計をお願いしました。特徴的な窓を強調できるように、梁に沿ってあった壁は取りはらっています。玄関の正面にある白い可動棚も、あえて真ん中を開けて見通せるようにしました。

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玄関スペースには、コートなどを掛けられるバーとシューズボックスがあります。観葉植物などを置くのもよさそう。

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シューズボックスは、暮らし始めてから設置しました。靴好きで、持っている靴を収納しきれず・・・。ボルトで留めているだけなので、外せば白い可動棚を壁付けすることができますよ。

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左・玄関扉の隣にあるのが、トイレスペース。吊戸棚の木目や手洗いにセンスが溢れています。/右・「すごく細かいんですけど・・・」と教えてくれたのは、オレンジの配線部分。電球が同じ配線でつながっているように見えますが、実はそう見せているだけなんだそう。この芸の細かさに感動・・・!

ロフト感のあるやわらかな空間

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斜めに設置された窓から、やさしい光の入るリビングダイニング。奥のバルコニーまで空間が広がっているように見え、よりゆとりを感じます。

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コンクリート剥き出しの空間に、白い壁が貼り付いているようにしました。照明はダクトレールで柔軟性を持たせ、向きを変えたり、お好きな照明に付け替えたりすることができます。

正面にあるバルコニーへ

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おぉ〜、右奥には「六本木ヒルズ」が! 住宅が密集している中でも、高層の建物がないので空が広く感じます。手前の緑は、マンション外観に写っていた植栽ですよ。

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約28㎡もあるルーフバルコニーにウッドデッキを敷いています。気候のいい時期には友人を呼んで、セカンドリビング的に過ごすことも多かったそう。

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机としても使える木棚は、ウッドデッキと同じ素材で造作。中は防水加工してあり、倉庫的に荷物をしまうことができます。バルコニーで使うものや、普段は使わないアウトドア用品などの収納に便利です。

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バルコニー側からLDKを見てみると広々しているのに、漂う秘密基地感。ああ、もう本当に素敵だし、居心地いいし、かっこいいし・・・序盤でもう虜になっています。気持ちを抑えつつ、右奥にある小上がりを見てみましょう。

太陽ぽかぽかなベッドスペース

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天窓っぽくもなっているおかげで、とても明るいスペース。こちらにはベッドを置いていたそうです。奥にあるサイドテーブルの窓側には、コンセントが隠れているんですよ。

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左・小上がりの下は、収納になっています。床を持ち上げて開けるタイプと引き出しタイプなので、使い勝手に合わせて収納できますね。/右・真ん中がくり抜かれた可動棚。奥行きたっぷりで扉を開くと、ネクタイ掛けや全身鏡も付いていて機能性も◎ 。

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割と荷物は多い方ですが、しっかり収納スペースを確保したので収まっていました。このまま家具は買い足さなくても、暮らせる人の方が多いんじゃないかと思います。

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ベッドを入れている時はこんな感じでした。ブラインドから、うっすら入ってくる日差しもいいですね。

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大きな窓と間仕切りのない空間で解放感がありつつも、斜めの壁による “こもり感” がいい塩梅。正面の間接照明もよい雰囲気ですし、左手の飾り棚は本を置いたり、ディスプレイを楽しんだりできそう。

売主さま

海外、しいてはニューヨークにあるような屋根裏部屋をイメージしました。ブティックホテルのパーツやデザインを参考にすることが多く、実物するもので具体的なイメージを設計者さんに伝えていきましたよ。

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家具が入っていた時のLDK。アンティーク調のインテリアとの相性◎ 。

斜めに設置された窓から 外を見てみます

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左・正面は低層の建物なので、圧迫感なし。ふと左側を覗くと・・・/右・なんと「東京タワー」が! しかも建物の間に入る感じで、ちょうど見える!! 前の通りはマンションのエントランスなので、お出かけする際にも見えますよ。

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窓側からLDKを見ると、対面式のキッチンが。ステンレスのミニマルな雰囲気がシュッと空間を引き締め、無垢フローリングの温かみといいバランス。

気になるバススペース

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大胆なバススペース! 置き型のバスタブに、ガラス壁のシャワールーム・・・これはもう圧巻です。左手にはバルコニーにつながる扉があるので、ちょっとした露天風呂気分も味わえそう。

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国内外のホテルを巡っていた際、あるブティックホテルで水まわりをオープンに見せていたのが印象的でした。そうすることで解放感も増し、セクシーな空間にできるので具体的に設計をお願いしたひとつです。

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左・このスペースの床には防水加工を施しているので、シャワーを使ってからバスタブに入ることができます。そして左手に映るシルバーの天板を覚えておいてくださいね。/右・反対側から見るとこんな感じ。ぐるっとカーテンを引けば、プライバシーも守れますよ。

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バスタブを洗う時は、洗面台にある水栓からシャワーホースを延ばしていました。シャワールームに付いているものとは別に用意していますよ。

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左・バススペースの横には洗面台。すっきりとシンプルながら、拡大鏡が付いていたり、その拡大鏡のまわりも照明があったりと使い勝手◎ 。/右・先ほどバスタブの横にあったシルバーの天板、実はこの間に設置することができるんです! 長いカウンターとなり、お家でパーティーする時なんかに便利なのです。

つながるキッチンスペース

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左・スチールフレームにガラスの棚が付いたキッチン。ガラス部分に食器を置くとなんだか浮いているみたいにも見えます。奥の柱にあるナイフラックは、包丁がマグネットで貼り付くタイプ。/右・4ツ口コンロに食洗機完備、ステンレスだからお手入れも楽チン。カウンターを拡張すれば調理スペースもワイドになりますね。お料理好きの方にもうれしい広さ。

売主さま

上部の棚にアルコールを並べ、ホルダーにグラスを置けば、バーのような空間に。この部屋で暮らすようになってから、人を招くのが楽しくなりました。空間を見て欲しいのもありますし、勤務地から近かったので二次会的に使うことも多かったです。

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こちらは、実際に使っていた時の様子。まるでお店のような空間になりますね。

生活感の出るものはクローズドに

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左・キッチンの背面、白い引き戸の左側は洗濯機置き場。給湯器のスイッチなども隠されていてスマート! /右・右側は冷蔵庫置き場。高さに合わせて、棚の配置を決められるので大きなサイズのものまで入りますよ。

売主さま

引き戸の取っ手に穴を開けているんですが、このサイズにもこだわっています。一般的には6cmらしいのですが、かっこいいのは4cmという設計者さんの言葉を聞いて4cmにしました。

最後はキッチンから リビングダイニングを覗いて

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右手奥の壁にテレビを取り付け、その向かいにソファを置いて暮らしていたそうです。お気に入りの過ごし方は、このスペースで夜にゆっくりお酒を飲みながらの、映画鑑賞。ひとりもいいし、誰かがいてもいいし。自由で、解放的なんだけど、ちゃんと自分の基地感のある空間って憧れます。

売主さま

見せたくないものは徹底的に隠し、メリハリのある暮らしができました。シンプルな生活を望む人にぴったりですし、ライフスタイルにこだわりのある人にも楽しく住みこなしてもらえるんじゃないかと。都心にも近いので交通アクセスもよく、このあたりで働く方の嗜好性にも合っているのではないかと思います。

こだわりのディティールたち

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左上・壁や天井の一部には、蔦のような柄を吹き付けで施しています。この柄、バススペースのカーテンにもデジタルプリントされているんです! /右上・ウォールナット無垢フローリングの床は、使い込むほどに味が出ます。木目の表情がいい雰囲気なのは、ブラシ掛けでユーズド加工しているから。/左下・木材の温かみに反して、無機質な打放しコンクリート。グラフィティのようなペイントもツボ。/右下・アクセントカラーはポップに。このシャワー水栓やキッチンの水栓、配線などはオレンジ色に統一されています。

やっぱり住むなら 美味しいお店の集まる街がいい

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左上・駅からの通り道にあるダイニングバー「CRAFT HANDS(クラフト ハンズ)」。美味しいお料理と、日替わりで常時12種類のクラフトビールや世界中のボトルビールを楽しめます。/右上・麻布十番名物のやきとんを食べられる「あべちゃん」は、いつも大人気! 混んでいる時は、テイクアウトでどうぞ。/左下・「麻布十番パティオ」に面する「bistro あわ」は、立ち飲みビストロ。表面張力ギリギリの「こぼれスパークリング」は大満足の一杯♪ /右下・リーズナブルにガッツリ食べたい時は「大連餃子基地 DALIAN(ダリアン)」へ。横浜中華街にもお店を構え、網目状の羽根付き餃子は一見の価値あり。

cowcamo

カウカモ編集部より

麻布十番と聞いてイメージしていたのは、敷居の高そうなバーやレストランの多い “大人な街” 。しかし、訪れてみると活気のある商店街には昔ながらのお店や立ち飲み屋さんなんかもたくさんあり、近くには六本木もあるのにとっても落ち着いている。美味しいお店が多くて、スーパーもあれば、薬局もあるし、オシャレなカフェやお菓子屋さんも。勝手なイメージを持っていたけれど、行ってみたら寛容で生活感があって、 “あれ? なんかこの街で暮らすの楽しそうじゃない? ” って。“成熟した大人” たちが楽しく過ごす街なんだろうなあ、なんて感じました。

今回ご紹介するマンションは、「麻布十番」駅から徒歩3分ほどの立地。“六本木エリア” にも歩いていけます。都心にあるので、交通アクセスもよし。1977年竣工ですが、丁寧に管理されていて安心して住まえそうです。ホテルライクなホールや廊下は時を重ねても美しく、レトロモダンなデザインにキュンとくる方もいるんじゃないでしょうか。

室内はたっぷり紹介したつもりですが、書ききれない美点がまだまだあるんです。斜めの窓に付くブラインドコードがだらんと垂れてしまわないよう磁石で留められていたり、玄関扉の横のトグルスイッチで住戸すべての電気が消せたり、各所スイッチは空間に馴染むようにしてあったり・・・非常に気が利いています。かっこいいだけじゃなく、細かいところまで手が込んでいて、住み心地のよさがヒシヒシと伝わってきました。室内にはいくつかアンカーボルトを打ってあるので、ハンモックを吊るすこともできるそうです。設計者さんとタッグを組んで、愛情込めて造られたお部屋を住み継ぎたい! と思った方、ぜひ現地で魅力に触れてくださいね。一目惚れ、してもいいですよ♡

取材・文・撮影:cowcamo