世田谷区北沢(下北沢駅)
まるみエッジィ
東急ドエルアルス下北沢サウスウインド
なぜなんだろう。こんなの珍しい、変わっている、とがっている。それなのに……天井が描く上昇気流に乗って、ふうっと呼吸が舞い上がる、その高さ約4.6m。見上げたロフトに光が降る。この家はこの街に負けないほどエッジが立っているのに、どうしてこんなに、おおらかな気持ちになるのだろう。
現在ご紹介可能な物件は、中古・リノベーション住宅のオンラインマーケット「cowcamo(カウカモ) 」よりご覧いただけます。
下北沢・三軒茶屋
現在販売中のおすすめ中古マンション
左がOdakyu 右がKEIO
ご紹介するマンションは、小田急線・京王井の頭線「下北沢」駅から徒歩5分の場所に。「下北沢」から新宿までは約11分、渋谷までは約4分でアクセス可能◎ 2013年に小田急線の地下化が完了し、駅舎は新しく生まれ変わったばかりです。大きな案内表示があちこちに掲げられ、まだまだ慣れていない利用者の方が多いことがうかがえて初々しいですね……なんて言っていたら私もちょっと迷いました!
cowcamo
個性が乱反射
左上・駅の出口の目の前にそびえるスーパー「オオゼキ 下北沢店」は、新鮮な食材とリーズナブルなプライスで、地元の方に愛される存在です。(300m 徒歩4分)/右上・こちらは、小田急線線路跡地を利用して期間限定でオープンしたイベントスペース「下北沢ケージ」。アジア屋台酒場も併設していて、夜はひときわ盛り上がります。(290m 徒歩4分)/左下・シモキタに暮らすなら、小劇場演劇の存在を無視するわけにはいきません! 無数に点在する劇場の中で、個人的イチ押しは「ザ・スズナリ」です。小さいながら長い歴史があり、劇場に面白いと認められなければ公演できないため、演劇人のちょっとしたステイタスにもなっています。迷ったらココへ。(240m 徒歩3分)/右下・実はカレー激戦区の下北沢。スープカレーブームの草分け的存在の「マジックスパイス 下北沢店」はマンションのすぐご近所にあります。(190m 徒歩3分)
青空をバックに……
さて、駅から歩くこと5分。京王線井の頭線の線路沿いに佇む、品のいいマンションが見えてきました。ベージュの外壁に、おうち風の三角屋根が可愛いですね。
cowcamo
マンションは道の突き当たりに位置しているため、車の往来はほとんど無く、人の行き来も少ない様子。商業エリアからちょっと離れただけで、ずいぶん穏やかな環境になるのでびっくりです!
売主さま
こちらは1998年築、総戸数22戸のマンションです。2014年に大規模改修工事を完了しており、きれいな状態で気持ちよく住み始められますよ。
ホウホウ
左上・ゆったりとしたアプローチの先に、スロープ付きのエントランスがのぞいています。左手奥に見える機械式駐車場は、月額40,000円で利用可能です(2019年6月現在)。最新の空き状況はお問い合わせください。/右上・ツツジの茂みの隣に、マンション館銘板を守るように立つフクロウの彫刻を発見。マンションのマスコットキャラクターなのでしょうか。/左下・エントランスの脇には、宅配ボックスが並ぶスペースがあります。さらに、ぐるりとカーブしながら下階へ続く道が。/右下・降りた先は駐輪場でした! こちらは月額300円で利用可能です。
ホーウ
左上・エントランスホールにも、オートロックを守るようにフクロウが。そして左手には管理人室があります。管理人さんは毎日いらっしゃるわけではなく、巡回形式で勤務されているそうです。/右上・オートロックを抜けると、吹き抜けになっている中庭が出迎えてくれます。/左下・ちなみに奥には、植栽に囲まれた共用のベンチスペースも。写真左端に写っている彫刻は、もちろんフクロウです。ちょっと小首を傾げているのが可愛い。/右下・エレベーターで、最上階である4階へやって来ました。ご紹介する住戸の玄関扉は、左手のもの。エレベーターのすぐ傍にあるので、素早くアクセスできますよ。
それでは 行ってみましょう!
ガチャッと扉を開けると、室内は白を基調としたシンプルな雰囲気。廊下の左右には、トイレや水まわり、洋室へのドアがあります。そちらは後ほど見ていくことにして、まずは突き当たりのドアを開けてLDKへ。
おおっ
LDKは約19.8帖のゆとりある空間です。ギャラリーのような白い空間に、南向きの窓からたっぷり光が入っています。もう一歩、奥へ進んでみましょう……
天井が!
天井が、ぐいーん、と上昇カーブを描いてます!
売主さま
こちらの物件は、リビングの天井高が最大で約4.6mあるんです。梁などの凸凹は無くし、壁は白の塗装仕上げです。美術館の展示空間で暮らしているような、シンプルな空間を目指しました。
cowcamo
天井高、約4.6m! すごい!
反対側から見たカット。こちら側は、もともと個室として独立していた部分です。今回のリノベーションで壁を取り払い、ゆったりしたLDKに生まれ変わったのだとか。将来的に2LDKへと変更することもできるように、壁には間仕切り用の下地材が施されています。
売主さま
天井高が異なるふたつの空間を、一枚布のような勾配天井でおおらかに繋げました。居場所によって、様々な心地よさを感じていただけると思いますよ。
cowcamo
なるほど〜。この天井、本当に一枚布みたいですね!
バルコニーへ 出てみましょう
目の前には建物がありますが、視界にはしっかり “抜け感” があります。うーん、空が大きい! なんと、よく晴れた日には富士山も望めるのだとか。
ご覧の通りの、日当たり優等生◎ バルコニーに出ると、眼下を走る電車の音が比較的大きく聞こえました。室内ではそんなに気になりませんでしたが、感じ方はそれぞれですので、この点は現地にてしっかりご確認くださいね。
室内に戻って
右手に広がる収納たちも気になります……が、もっと気になるのは、左奥にあるハシゴです!
勾配天井の下に、誘うようにやわらかい光を放っている空間が。
上ってみました
ハシゴを上った先は、約2.5帖のロフトになっていました。間接照明が掘り込まれていて、じんわりと温かみを感じる空間です。
下をのぞくと、こんな景色です。垂直に伸びるハシゴを上り下りするのはちょっと大変ですが、遊びゴコロがくすぐられますね! ひとりになって籠りたい時や集中したい時にもいいかも。
cowcamo
ハシゴを降りたら、続いてキッチンを拝見♪
オープンキッチン お好きですか?
左・しっかり3口コンロがあるので、お料理好きな方も安心です。窓の向こうの空を眺めながら、上機嫌で手を動かせそう。キッチン天板はステンレスでお手入れしやすいのがgood。/右・背面には冷蔵庫や食器棚を配置するスペースが取られています。
改めて LDKを眺め
やっぱり、不思議な形です。上方向にも開放感があるLDKって、なかなか珍しいのではないでしょうか。それでいて、やさしい丸みの天井と間接照明のおかげで、自然と心が落ち着きます。
売主さま
空間のデザインで大切にしたのは、約4.6mの高さのある空間をいかに気持ちよく感じられるか、という……建築的な心地よさ、面白さですね。
cowcamo
確かに面白いし、心地いいです(笑)!
売主さま
ロフトはこの空間の中の “行灯(あんどん)” として、それ自体を照明のように使っていただくのもいいかもしれません。
収納も 開けてみましょうね
左・掃き出し窓の正面にある収納をオープン。奥行きがたっぷりあって頼もしい!/右・キッチン横にも収納棚が備わっています。生活感はこの奥へしまって、スタイリッシュにお住まいください。
廊下へ戻って 水まわりをチェック
左・廊下に出て左手には、小ぶりな収納付きのトイレが。/中央・右手の引き戸の先には、洗面脱衣室があります。鏡の奥にあしらわれた細やかなグレーのタイルが、甘すぎずイイ感じです!/右・バスルームは1216サイズ。浴室乾燥機を完備しています。
北側にある 洋室へ
洋室は約4.9帖と、ややコンパクト。共用廊下向きの腰高窓があり、閉塞感はありません◎ 直射日光は射さないので、ベッドルームにしたらよく眠れそうですね。窓の反対側には、クローゼットやオープンラックも用意されています。
最後に ディティールに注目!
左上・こちらは、LDK東側の天井に掘り込まれた折り上げ照明。なんだか現代アートみたいです♡/右上・LDKの壁には、ライティングレールが埋め込まれていました。白い壁にスッと馴染んでいて、これがまたギャラリーのような雰囲気。/左下・ロフトの折り上げ照明をクローズアップ。下から見ると、まるで天窓から光が入っているように見えるんです。うーん確かに、ここを納戸にするにはもったいないカモ……/右下・洗面化粧台の蛇口はオールホワイトでまとめられていて、後ろのグレーのタイルとベストマッチ。細かいですが、センスを感じるポイントです。
シモキタの名店に ダイブ!
左上・「好奇心の森 DARWIN ROOM(ダーウィンルーム)」は、まるで森の中のような本屋兼カフェ。選りすぐりの古書や標本・美術品などが並ぶ、いつ訪れても楽しさに溢れたスポットです。(600m 徒歩8分)/右上・新刊書店「B&B」は “Book and Beer” の略。店名の通り、ビールを飲みながら本選びができるんです! 作家や編集者を招いたトークイベントは毎日開催。セレクトされた本もイベントも面白いので、ついつい立ち寄ってしまいそう。(300m 徒歩4分)/左下・昭和55年創業の老舗純喫茶「トロワ・シャンブル」には有名人もたびたび訪れるそう。ほの暗い店内、深いコーヒーの香りに心ほぐれること間違いなし。純喫茶への期待を裏切らない名店です。(550m 徒歩7分)/右下・こちらは独自の音楽レーベルを持つ、ライブスペース併設のカフェ「mona records おんがく食堂」。 居心地よさはもちろん、ドリンク・ケーキ付きのランチが1000円以下でいただけるのも魅力です。訪れたら、ランチと一緒に謎解きが楽しめる「Mystery Lunch」なるメニューが追加されていました! サブカルチャーの聖地下北沢は、日々進化を続けているようです。(500m 徒歩7分)
カウカモ編集部より
ほかではなかなか見られないような、独特の空気をまとった物件です。塗装仕上げの白壁で囲まれた空間は、まるでギャラリー! 視線は、まるーくカーブする天井に誘われて、約4.6mの高さへ自然と誘われていきます。ダイナミックな高低差をつなぐ “一枚布” のような勾配天井は、売主さまの言葉の通り、実におおらか。変わっているのに、尖っているのに……その居心地は、丸みを帯びておおらかなのが印象的でした。
舞台は “シモキタ” 、楽しみや刺激に事欠かないエリアです。雑貨や古着、変わらない純喫茶に、流行りのドリンクスタンド。昼は街歩きを楽しむ人が溢れ、夜になれば小劇場やライブハウスに灯りがともり、ディープなファンから一見さんまで、期待に胸を膨らませたお客さまが列を作ります。その後の居酒屋さんにおける深夜の盛り上がりは、言わずもがな。まさに、等身大の文化芸術が熱く脈打っている土地です。
交通利便性が高く、街がサブカルの聖地で楽しいのもわかった……けれど、暮らすにはどうなのだろう? そんな心配は、現地であっさり吹き飛んでしまいました(笑)茶沢通りを越えて、少し坂道を上がるだけで、そこはもう住宅街。商業エリアからくっきり線を引いたかのように、物件周辺は落ち着いた雰囲気でした。マンションは道の突き当たりに位置しているので、特に車の往来が少ないようです。
建物は1998年生まれの端正なルックス。吹き抜けの中庭や、曲線を使ったデザインが、ご紹介の住戸とリンクするようでまたいい感じ! 総戸数は22戸と小規模ですが、これまでこまめに修繕工事が実施されており、長期の修繕計画も立てられているのは好印象ですね◎ そこかしこに現れるフクロウが、マンションへの愛着を深めてくれそう。駐車場や駐輪場も用意されていますので、ご利用の予定がある方は、最新の空き状況をお問い合わせください。
住戸は最上階である4階に位置しており、日当たり良好。南向きのバルコニーからは大きな空を眺めることができます。取材時には残念ながら富士山を拝むことはできませんでしたが、ご内見の際にはぜひ探してみてください!
ただ、眼下に井の頭線の線路があることが、ちょっとハードルになるかもしれません。室内で窓を閉めていても、ある程度は走行音や踏切の音が聞こえてきますので、その点を踏まえてご検討いただくのがいいでしょう。北側の洋室は線路と反対側にあるため、こちらをベッドルームとすればちょうどよさそうです。
1LDKのプランは、“この物件に特徴的な高さを、いかに気持ちよく感じられるか” を追求してデザインされたもの。約54.9㎡の実際の専有面積以上に、開放感が生まれるように造られています。そして、ただ白い空間をタテヨコに押し拡げるだけではなく、そこへ自然光のような間接照明を掘り込むことで、穏やかな居心地のよさを演出しているのがお見事です!
このエッジの効いたおおらかさに惹かれてしまったら、なかなか忘れることなんてできないはず。現地に足をお運びいただき、約4.6mの天井高を見上げてみてください。どなたにでも、オールマイティにハマる物件ではないと思います。けれどきっとそのぶん、ハマった時の求心力も力強いですよ。
writer / editor:小杉 美香
劇場やライブハウス、古着屋さんが点在し、独自のカルチャーを持つ “シモキタ” の街が今回の舞台。道ゆく大荷物の若者は、劇団員かバンドマンの可能性、大です。