中古マンションを探そうと思うと、まるで新築さながらに豪華な仕様と設備にリノベーションされた住まいか、「お直し」程度のリフォームが施された住まいのどちらかしかないように思います。今回紹介するのは、その中間となるような、「ちょうどいい案配」のリノベーション済み物件。リノベーションを手掛けたツクルバの中村真広さんに話を聞きました。

今回の物件を企画・ディレクションしたツクルバの中村真広さん。

東京メトロ・東西線の西葛西駅まで徒歩11分、隣駅の葛西駅までは徒歩12分。葛西駅前にはスーパーやドラッグストアが並び、生活に必要なものがコンパクトに揃う街です。物件は築17年とわりと新しいのですが、内装はすべて刷新しています。とはいえ、内装はあまりつくり込まず、和室を洋室にするなど最低限の内容に留め、住まい手が壁紙を選べるようにするなど、自分好みでカスタマイズしていける「余白」を残した空間としました。

クラシックな白いドアが印象的。ドアを開けるとリビング・ダイニングが。

間取りは3LDKで専有面積は66.5㎡。玄関を入ると、まっすぐ伸びる廊下の奥に白いアンティークのドアが目に入ります。

部屋のインテリアは基本的にノーマルなテイストにまとめていますが、アクセントとして、リビング・ダイニングのドアに特徴付けしました。もともとは白ではなくて無垢のアンティークドアだったんですが、かすれた感じに塗装して、印象的なドアに仕上げています。アンティークならではの黄色みがかかったガラスはそのまま使い、あたたかみのある雰囲気を演出しました。

南向きの明るいリビング・ダイニング。左手の壁に貼る壁紙が選べます。

白いドアを開けるとリビング・ダイニングが広がります。南向きのバルコニーに面していて、明るさは十分。洋室が2室隣接しており、どちらも引き戸で開閉できるため、1室をリビング・ダイニングの延長として使う、といった空間の使い方もできそうです。

キッチンはセミクローズ型。急な来客にも慌てずに対応できます。


左・白で統一された清潔感のあるバスルームは浴室乾燥機つき。/右・シャワー付洗面台。散らかりがちな洗面所周りも、収納スペースですっきりと。

ちなみに、リビング・ダイニングの照明はスポットライト。ライティングレールに備え付けられているので、照らしたい場所を自在に変えられる上に、お気に入りのペンダントライトを取り付けることも可能です。さりげない部分ですが、お部屋のインテリア選びにも影響するポイントです。

左・白中心の内装で明るい玄関と廊下。/右・玄関を入ってすぐ右手の洋室。全洋室に収納があります。

シェアオフィスや飲食店など、さまざまな場づくりをジャンルレスに展開しているツクルバ。今回の物件は、同社がプロデュースする初のリノベーション済み再販物件なのだそう。

住宅を手掛けることはかつてからの念願でした。今までは事業主さんからオファーがあってから応える空間提案がほとんどでしたが、このリノベーション済み物件再販事業は、僕らが「住んでほしい」と思う空間の提案。特に今回の物件は、自分たちで物件を購入して、リノベーションをして販売する初めての物件です。繰り返しになるかもしれませんが、ツクルバのリノベーション済み再販物件のコンセプトは「半仕上げ」。つまり、住み手に一部分を委ねるということ。ただ、敷居の高い委ね方をするのではなくて、壁一面の壁紙を選べるというくらいがちょうどいいのかなと。施工は職人さんが行うので、手間の掛かるセルフリノベーションとは異なり、手軽にカスタマイズが楽しめると思うんです。

左上・西葛西駅前のロータリー。/右上・スーパーやドラッグストアなどがコンパクトに揃う。/左下・西葛西駅から物件までの道のりの途中にある葛西親水緑道。/右下・物件は築17年。外観もキレイです。

物件の周辺には緑道や親水公園などの緑地が点在し、葛西臨海公園も自転車圏内。緑豊かな住環境で、自分らしく住まいを彩りながら暮らす。そんな豊かさが手に入る住まいで、あなたらしさを見つけてみませんか?



取材・文:増村江利子/撮影:cowcamo