"飾る"を楽しめる仕掛けが各所に施されていることも、女性にはうれしいポイント。通路の壁に備え付けのピクチャーレールには、アートやファッション小物を飾って。陽当たりの良いキッチンの窓台ではハーブを育てて。洗面脱衣室のオープン棚は、色とりどりの小物で見せる収納を楽しんで。「ここにこんなものを置いて、こんな風に飾って…」と妄想が膨らみます。

空間づくりの際、チーム内でいつも議論になるのが、「どこまでつくり込むのか」ということ。住み手に委ねる「余白」をどれだけ残すことができるかが、その後の暮らしの楽しみを左右しますから。この部屋では、窓台やカウンター、オープン棚など、住み手が彩っていける「余白」を各所に生み出すことができました。

ワンルームで使っても、パブリックゾーンとプライベートゾーンに分けて使っても良い。さて、あなたはどう使う?


そう聞くと、一風変わったこの間取りも、「工夫する余地がある間取り」に思えてきます。約10 畳のLDKは、ダイニングセットとソファを置くにはちょっと狭いのですが、ソファ&テーブルでカフェスタイルなLDKにしてみたり、大きなダイニングテーブルを置いて食事もパソコンも読書もそこで、なんてスタイルにしてみるのも良いかもしれません。ベッドを置いてもスペースにゆとりがある7畳弱の洋室にソファを置いて、パブリックとプライベートを引き戸で仕切るといった在宅ワーカー向きの使い方もできそうです。ひとつの暮らし方しか想像できない部屋よりも、たくさんの暮らし方が想像できる部屋の方が、住んでいて楽しいに違いありません。

マニアックな目線ですが、この斜めの柱がペントハウスっぽくて良いんです。この窓辺にハンモックを吊るしてくつろぎたい…。

中古物件を買ってリノベーションする方は増えていますが、この物件のように既存内装がボロボロすぎる場合、購入の判断はなかなかできないと思います。でも、中古物件を再生して販売するのが仕事である僕らだからこそ、既存内装にとらわれずにこの物件の価値を見極め、魅力を引き出すことができたと思います。将来住み替えることになっても、賃貸に出しやすい立地とスケール。「新築物件で好みの部屋がない」「今の自分にちょうどいい賃貸がない」という人に、ぜひ検討して頂きたい物件です。

左上・スーパーやドラッグストアなどが集まる駅前。/右上・駅前の緑道そばには飲食店が並ぶ。/左下・駅から物件までは線路沿いを歩いて3 分。車通りの少ない穏やかな道。/右下・近所には以前は森だったという緑豊かな「中根公園」も。


九品仏の「D&DEPARTMENT」や目黒の「CLASKA」も自転車圏内。自由が丘以外にも休日の楽しみが多いこの街で、住まいを彩りながら暮らしていく。そんな贅沢な日常が手に入るこちらの住まい、あなたらしく住みこなしてみませんか?


取材・文:佐藤可奈子/撮影:cowcamo