不動産売却の税金シミュレーション!計算方法と具体例を解説

お金の話

不動産売却では譲渡所得税や印紙税、登録免許税などの税負担が発生します。
中でも譲渡所得税は、翌年の3月15日までに確定申告しての納税となるため、売却から税金の支払いまでに時間が空くこともあるでしょう。
譲渡所得税を忘れて突然の出費に慌てることがないよう、税金がいくらかかるかシミュレーションしてみましょう。

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不動産売却でかかる税金の基礎知識

土地や建物といった不動産の売却で得たお金は、譲渡所得税の対象となり、売却した年の翌年3月15日までに確定申告して収めます。
確定申告は会社勤めの人には馴染みの手続きですが、自宅を売却した場合には特別控除が適用されるなど、税金対策になるので忘れずに行いましょう。
ほかにも不動産売却の際は、印紙税や登録免許税などの税金の負担があります。
関連記事:「不動産売却でかかる税金は?計算方法・税金対策を解説!

税金シミュレーションは譲渡所得税に注目

不動産売却による譲渡所得税は、売却によって得た利益(譲渡所得)から控除額を差し引き、所定の税率をかけて計算します。
譲渡所得税の内訳は所得税と住民税になっており、所得税分は売却した年の翌年3月15日までに確定申告をして収めますが、住民税は翌年6月からの支払いです。

不動産売却でかかるそのほかの税金

不動産売却でかかるそのほかの税金としては、次のものがあります。

不動産売却でかかるそのほかの税金
  • 売買契約書の印紙税
  • 抵当権抹消のための登録免許税
  • 固定資産税
  • 仲介手数料にかかる消費税

なお、電子契約を利用すると印紙税の対象外となり、印紙税は不要です。

不動産売却による譲渡所得税の計算方法


不動産売却による譲渡所得税の計算式は以下の通りです。

譲渡所得税の計算

譲渡所得税=譲渡所得×税率
譲渡所得=売却価格-(取得費+譲渡費用)-特別控除額

つまり不動産が売れた金額から各種費用と特別控除を引いた金額が譲渡所得となり、譲渡所得税の対象となります。

取得費を計算

譲渡所得を求める際の取得費用は、売却した不動産を購入したときにかかった金額です。これには土地・建物の代金だけでなく、仲介手数料などの費用も含まれます。
代々住んでいる家などで、土地・建物の購入金額がわからない場合は、売却金額の5%を取得費としてかまいません。
ただし、不動産の建物部分は構造・所有期間に応じた減価償却相当を控除が必要です。

減価償却費の計算

減価償却費=建物購入代金×0.9×償却率×経過年数

償却率は建物の構造によって決められています。

譲渡費用を計算

譲渡費用は不動産売却でかかった金額を指し、不動産会社に支払う仲介手数料や印紙税などが該当します。

譲渡費用にできるもの
  • 売却のために支払った仲介手数料
  • 売主負担分の印紙税
  • 賃貸物件を売るため、居住者に支払った立ち退き料
  • 売却のため建物を壊した場合、解体費用と建物の損失額
  • より有利な条件で売却するために支払った違約金
  • 借地権を売るために地主の承諾をもらうため支払った名義書換料

売却のために不動産の修繕やリフォームをした場合の費用やハウスクリーニング代は、譲渡費用にならないので注意しましょう。

特別控除額を引く

取得費と譲渡費用を売却価格から引いたのち、さらに特別控除額を引いた残りが譲渡所得です。
特別控除額は「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」が適用されるなら、最高3,000万円の控除が可能です。取得費や譲渡費用がどれだけかかったかにもよりますが、不動産売却で得た利益が3,000万円までなら、課税対象となる所得がなくなり、支払う税金がありません。
この特例を適用するには、以下の要件が必要です。

3000万円の特別控除を受けるための要件
  • 自宅として住んでいる不動産を売る、または住まなくなった年から3年が経過する年の属する12月31日までに売る
  • 売った年の前年・前々年にこの特例を受けていない、またはマイホームの譲渡損失の損益通算・繰越控除の特例を受けていない
  • 売却した不動産について収容などの場合の特別控除などほかの特例を適用していない
  • 災害によって消失した家屋のあった土地を売る場合も、住まなくなった年から3年が経過する年の属する12月31日までに売る
  • 売り手と買い手が親子や夫婦などの特別な関係でない

つまり、自宅として使っていた不動産を住まなくなってから3年以内に売却し、直近数年間に同様の特例を受けておらず、取引相手が親族でなければ適用を受けられます。

譲渡所得税を計算

売却価格から取得費、譲渡費用、特別控除を引いた残りが譲渡所得となるので、所定の税率をかけて税金を計算します。
譲渡所得税は、保有期間によって税率が変化し、表にすると下記の通りです。

短期譲渡所得と長期譲渡所得の税率(※)

税金 短期譲渡所得 (所有期間5年以下) 長期譲渡所得 (所有期間5年超)
所得税 (2.1%の復興特別所得税含む)
30.63% 15.315%
住民税 9% 5%
合計 39.63% 20.315%
(※)2022年2月現在

この保有期間は売却した年の1月1日時点で5年を超えているかで判断されます。

不動産売却時の税金シミュレーション

それでは実際にどれくらいの税金がかかるのかイメージしやすいよう、例を挙げてシミュレーションしてみましょう。

2,500万円(建物2,000万円・土地500万円)で購入したマンションが、4,500万円で売れたものとして計算します。
そのほかのシミュレーション条件は以下の通りです。

シミュレーション条件
  • 減価償却は定額法(毎年一定の費用が減額)
  • 仲介手数料は法律で定める上限額
  • 登録免許税は土地と建物で1不動産ずつ
  • 住宅ローンの一括返済手数料は1万円を想定
  • そのほかの手数料や費用は考えない

この条件の場合、譲渡費用は下記のようになります。

4,500万円で売却した場合の譲渡費用の計算

仲介手数料:4,500万円×3%+6万円=141万円(税込1,551,000円)
印紙税:2万円
登録免許税:2,000円
住宅ローン繰上返済手数料:1万円
譲渡費用合計:1,583,000円

売却価格から、譲渡費用と取得費、特別控除額を引いた残りが課税対象となる譲渡所得です。

鉄骨(骨格材の肉厚が3mm超4mm以下)構造のマンション35年の例

鉄骨(骨格材の肉厚が3mm超4mm以下)構造の場合、償却率は0.025で取得費用を計算します。

建物部分の減価償却

減価償却費 = 取得価額 × 0.9 × 償却率 × 経過年数
建物部分の原価償却額:2,000万円×0.9×0.025(償却率)×35(築年数)=1,350万円
償却後の建物価格:2,000万円-1,350万円=650万円

建物部分の減価償却額では土地を除いた建物のみの計算をしました。
建物部分の償却後の金額650万円に、土地部分の500万円を合わせた1,150万円が取得費です。
取得費と譲渡費用がわかったので、譲渡所得を求めます。

譲渡所得の計算

売却価格-(取得費+譲渡費用)-特別控除額=譲渡所得
売却価格45,000,000円-(11,500,000円+1,583,000円)=31,917,000円
31,917,000円-特別控除30,000,000円=1,917,000円

譲渡所得1,917,000円に長期譲渡所得の税率20%(所得税15%、住民税5%)を掛けたものが譲渡所得税です。

譲渡所得税の計算

譲渡所得税=譲渡所得×税率
譲渡所得1,917,000円×20%=譲渡所得税383,400円
(所得税287,550円・住民税95,850円)

この例では譲渡所得税が383,400円となりました。

鉄筋コンクリート構造のマンションの20年の例

つづいて、鉄筋コンクリート構造の場合、償却率0.015で計算します。

建物部分の減価償却

減価償却費 = 取得価額 × 0.9 × 償却率 × 経過年数
建物部分の原価償却額:2,000万円×0.9×0.015(償却率)×20(築年数)=540万円
償却後の建物価格:2,000万円-540万円=1,460万円

建物部分の償却後の金額1,460万円に、土地部分の500万円を合せた1,960万円が取得費です。
取得費と譲渡費用がわかったので、譲渡所得を求めます。

譲渡所得の計算

売却価格-(取得費+譲渡費用)-特別控除額=譲渡所得
売却価格45,000,000円-(19,600,000円+1,583,000円)=23,817,000円

この例では3,000万円の特別控除を差し引く前に、金額が3,000万円以下となったので、課税対象となる譲渡所得はありません。

税金シミュレーションのQ&A

税金シミュレーションをする場合の疑問についてまとめておきます。

減価償却って何?

減価償却は、金額が大きく何年にもわたって使用する固定資産に対して、使用年数に応じた価値を減少させていく考え方です。
譲渡所得税の計算では、売却した不動産の取得費を求める際、取得時から売却時までの年数で消費された建物の価値を控除します。
マンションを含め、不動産なら土地をのぞいた建物部分が減価償却の対象です。建物は経年劣化によって価値が変化するのに対し、土地は地価の変動はあっても経年劣化しないと考えればよいでしょう。

不動産売却をしたときに使える特例や控除はある?

マイホームを売ったとき最大3,000万円控除される特例や、保有期間が10年以上であった場合の軽減税率の特例、買い換えで損失があった場合の損益通算と繰越控除の特例などがあります。
これらを利用することで、納めるべき税金を減額できるので、不動産売却時には適用されるようにしたいものです。
どちらの特例も、売却した年の翌年3月15日までに確定申告が必要なので、忘れずに手続きしましょう。

不動産売却時には税金のシミュレーションを

不動産売却によって得たお金は、譲渡所得税の課税対象ですが、マイホームとして使っていた不動産であれば、要件を満たすと特例による節税が可能です。
確定申告は忘れずに行い、税金の負担を減らしましょう。
また、あらかじめ税金がいくらかかるのかをシミュレーションしておけば、お金を準備しておけます。
確定申告の知識を身につけ、節税対策するのもよい方法ですが、これからの売却を検討している方は、不動産全般の知識の豊富な不動産会社へ相談するのも一案です。

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