
「マンションの買主様が決まって、無事に引き渡しも完了!これで一安心…」
でも大切な「火災保険の解約」を忘れていませんか?
マンションを手放したからといって、火災保険は自動的には解約されません。数年分の保険料を一括で支払っている場合、解約手続きを忘れると数万円~十数万円もの返金(未経過保険料)を受け取り損ねてしまう可能性があります。
この記事では、マンション売却における火災保険の解約手続きの流れや、返金で損をしないための「ベストな解約タイミング」、質権設定などの注意点について、不動産のプロがわかりやすく解説します!
目次
マンションを売却したら「火災保険」の解約手続きを忘れずに!

マンションの売却において、住宅ローンの完済手続きなどは銀行が主導してくれますが、火災保険の解約手続きは「売主様ご自身」で行う必要があります。
保険会社は、あなたがマンションを売却した事実を知る手段がありません。そのため、自ら解約を申し出ない限り、すでに住んでいないマンションのために無駄な保険料を掛け続けることになってしまいます。
手続き自体は、必要書類を書いて郵送するだけのシンプルなものです。売却時には忘れずにスケジュールに組み込んでおきましょう。
火災保険を次の所有者へ譲渡するのはトラブルの元!
「自分が掛けていた火災保険を、そのまま次の買主様へ引き継ぐ(譲渡する)ことはできないの?」と考える方もいるかもしれません。
一昔前はそのようなケースもありましたが、現在では、火災保険の譲渡はおすすめしません。理由は以下の3点です。
保険会社によっては認められていない場合がある
そもそも、昨今の損害保険会社は名義変更による譲渡を認めていないケースが多いため、現実的に難しい場合が多いです。
買主様とのやり取りが煩雑になる
譲渡の手続きを行う場合、買主様の個人情報を聞き出して保険会社へ申請しなければならず、非常に手間がかかります。また、「残りの保険期間分の保険料」を買主様と直接現金で日割り精算する必要があり、ただでさえ忙しい引き渡し時期に無用な労力を使うことになります。
万が一の事故の際に大きなリスクを背負う
これが最大の理由です。もし引き渡し日よりも前に保険の譲渡が完了してしまっていた場合、引き渡し直前にボヤ騒ぎや水漏れが起きても、売主様は自分の保険を使うことができず、実費で修復して引き渡す義務を負ってしまいます。
売却時にはスッパリと解約し、買主様にはご自身で新たな火災保険に加入していただくのが一番安全です。
火災保険解約時の返金額は、残りの期間で決まる
マンション購入時に、10年などの長期一括払いで火災保険に加入している方は多いと思います。この場合、解約をすると「残っている期間」に応じた未経過保険料が返金されます(※月払いの場合は基本的に返金はなく、年払いの場合は契約内容によって異なります)。
返金される割合(未経過料率係数)は、保険に加入した際の契約書や約款に記載されています。
たとえば、保険料30,000円を一括で支払っていて、解約時の未経過料率が「52%」だった場合は、以下のような計算になります。
【返金額の計算イメージ】
一括保険料 30,000円 × 未経過料率 52% = 15,600円(返金額)
このように、保険会社の規定に従って簡単に概算を知ることができます。数万円戻ってくることも珍しくないため、忘れずに手続きを行いましょう。
マンション売却時の火災保険解約における返金手続き

実際の手続きはとてもシンプルです。スムーズに返金を受け取るための流れを見ていきましょう。
火災保険解約手続きの流れ
1. 保険会社へ連絡(電話・Web)
まずはご自身で保険会社に連絡し、「マンションを売却したので解約したい」と伝えます。手元に『保険証券』を用意しておくと話がスムーズです。
2. 解約書類が届く
新居(引っ越し先)の住所に解約のための書類を送ってもらいます。
3. 必要事項を記入して返送
書類に必要事項と返金用の口座情報を記入して返送すれば、手続きは完了です。
解約申し込みから返金までにかかる期間
書類に不備がなく、保険会社が正式に受理してから「約1~2週間程度」で指定口座に振り込まれるのが一般的です。
※書類の記入ミスなどがあると差し戻されて時間がかかってしまうため、提出前によく確認しましょう。
マンション売却における火災保険のベストな解約タイミング
解約の手続きで一番気をつけるべきなのが「いつ解約するか(解約日)」です。
タイミングを間違えると、万が一のトラブル時に多額の自己負担が発生する危険があるため、ここは必ず押さえておいてください。
所有権が完全に移転してから(引き渡し後に)解約する
解約日は、決済・引き渡しが完了し、所有権が買主様へ移った日以降に設定するのが基本です。
引き渡し前に解約してしまうと、その間に火災や水漏れが起きても補償を受けられません。売買契約では、引き渡しまでに建物が損傷した場合の負担を売主様が負うと定められていることが一般的なため、補償がない期間をつくるのはとても危険です。
返金額は月単位で計算されることが多く、解約日が数日違っても大きくは変わらないため、「少しでも多く返金を受けたい」と早めに解約するのは避けましょう。
無事に引き渡しを終えた後に書類を郵送する
保険会社への連絡は引き渡し前に済ませておいても構いませんが、解約書類の提出(郵送)は、引き渡しが完了してから行うと安心です。解約日を引き渡し日以降に指定して手続きすれば、補償が途切れる期間をつくらずに済みます。
解約日の指定方法や受付のルールは保険会社によって異なるため、事前に確認しておきましょう。また、地震保険を火災保険とセットで契約している場合は、あわせて解約されるのが一般的です。
マンション売却時に火災保険について知っておきたい注意点
最後に、火災保険の解約で見落としがちな2つの注意点をご紹介します。
火災保険の解約は「自分」で行う
住宅ローンを組んだ際に、金融機関や不動産会社の案内で加入した火災保険であっても、契約者は売主様ご自身です。ローンを完済しても、金融機関や不動産会社が代わりに解約してくれることは基本的にありません。
保険証券や加入時の書類で保険会社と契約内容を確認し、ご自身で連絡しましょう。保険証券が見つからない場合も、保険会社に契約者の氏名や物件の住所を伝えれば、契約を確認してもらえることが多いです。
保険に「質権」が設定されている場合は金融機関に連絡を
住宅ローンを借りる際に、金融機関が火災保険の保険金を受け取る権利(質権)を設定している場合があります。質権が設定されたままでは、売主様だけで解約手続きを進められないことがあります。
住宅ローンを完済すれば質権も解除されますが、解除のための書類が必要になる場合もあります。保険証券などで質権の有無を確認し、設定されている場合は、ローンを組んでいる金融機関にあらかじめ手続きを確認しておきましょう。
まとめ:火災保険の解約手続きも忘れずに!
マンションを売却しても、火災保険は自動的には解約されません。長期一括払いで加入している場合は、解約することで残りの期間に応じた保険料が返金されます。
解約日は引き渡し日以降に設定し、補償が途切れる期間をつくらないことが大切です。質権が設定されている場合は、金融機関への確認も忘れずに行いましょう。
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