中古マンションを購入し、楽しくリノベ暮らしをしているお宅へ訪問インタビューさせていただく「リノベ暮らしの先輩に聞く!」。今回は少し視点を変えて、「フルリノベーションを2度経験した“リノベの先輩”」にお話を伺いました。

■プロフィール
お名前:長谷川 莉実 / たかしさん / みーちゃん / しーちゃん / すずちゃん
年齢:30代後半 / 40代前半 / 6歳 / 6歳 / 1歳
場所: 赤塚
間取り: 3LDK
面積: 約90㎡
築年数: 築43年(取材時)
工事内容: フルリノベーション
Instagram:@zz_home__

実はこちらの住まい手である莉実さんは、カウカモの社員。約3年前、双子のお子さんとの暮らしに合わせて中古マンションを購入・フルリノベーションした様子を【こちらの記事】でご紹介していました。
当初は「5〜10年住む予定」だったという莉実さんご家族ですが、なんと約3年で2度目の住み替えとフルリノベーションを決断! 一度リノベーションを経験した先輩は、なぜ再び家づくりに挑んだのか。そして、2回目のリノベにはどんな知見が活かされているのでしょうか?

ライフスタイルの変化に合わせて、いざ2度目の住み替えへ
― 前のフルリノベから約3年。こだわりの詰まったお家でしたが、なぜこのタイミングで住み替えることになったのですか?
一番のきっかけは、3人目の妊娠でした。前回の家は75㎡の2LDKで、当時は夫と双子の4人家族だったんです。2LDKのうち1部屋を子ども部屋にしようと思ってリノベしたのですが、さすがに「3人で1部屋はきついだろう」と(笑)。
― 確かに、お子さん3人となるとお部屋の使い方も変わってきますよね。
そうなんです。もちろん今すぐじゃなくても良かったのですが、ちょうど上の双子たちが小学校に上がるタイミングだったんですよね。途中で学区が変わるのも大変なので、「今、いい物件が見つかれば住み替えてもいいかもね」と、私の育休中に探し始めました。

― 愛着のある前のお家を手放すことに、寂しさや迷いはありませんでしたか?
それが、全然なかったんです(笑)。前の家は自分でプランニングしたこともあって思い入れはありましたが、「もうちょっとこうしておけばよかった」という反省点も少しずつ見えてきていて。なにより1回目のフルリノベがすごく楽しかったので、「次やるならこうしよう!」とワクワクする気持ちの方が大きかったです。
手紙で伝えた思い。物件との出会いとスムーズな資金計画
― 住み替えは「買い先行(新居を先に決めてから、今の家を売却する)」で進められたそうですね。
はい。急いで引っ越す必要はなかったので、条件に合ういい家が見つかったら動こうと思っていました。理想は「前の家からエリアをあまり変えない」「100㎡くらい」「3LDK以上」でしたが、私たちが住んでいたエリアには、そもそも75㎡以上の物件がほとんどなくて……。

なので、エリアを隣駅に広げて探すことにしました。それでもなかなか条件に合うものが出なかったのですが、探し始めて1、2ヶ月でこの90㎡の物件に出会いました。 価格も良心的で、今回も内見1件目で即決しました。
― 1件目で即決されたのですね!
はい。実は、買い取り業者さんも購入を検討している動きがあったようなのですが、どうしてもこの家で暮らしたいという思いから、売主の方へ手紙を書きました。私たちが家を探している理由や、このエリアで子育てをしていきたい事情をお伝えしたところ、売主様が「私もずっとここで子育てをしてきたから、これから子育てをする家族に譲りたい」と言ってくださり、無事に購入することができました。
― 熱意が伝わった結果ですね。
エリア限定で探しているファミリー層は、そもそも選択肢が少ないんです。致命的な欠点がない限り、条件に合う物件が出たら決断するしかありません。

それと、「前の家がいくらで売れそうか」を見据えていたのも大きかったです。前回の家づくりで、キッチンやリビングなどの分かりやすい場所に造作を入れるなど、売却時に他の物件と差別化できるような“価値”を意識してリノベに予算をかけていたのが、今回のスムーズな資金計画にも繋がりました。
1回目の反省を活かして。プロとつくる「隠せる」収納と快適な空間
― 1回目のリノベーションの経験は、今回の家づくりにどう活かされましたか?
今回は10年ほど長く住むことも想定して、プロの設計士さんにお願いしました。
間取りで一番改善したかったのが「収納」です。前の家はドアを減らしてオープン収納にしていたのですが、玄関周りに子どもの荷物が溢れちゃって……。来客のたびに片付けるのが本当にストレスだったんです。

― すごく分かります。見せる収納は、綺麗に保つハードルが高いですよね。
そうなんです。だから今回は、家族しか使わない空間とお客さんが入る空間をパキッと分けるために、「ウォークスルークローゼット」を作りました。ここにとりあえず荷物を全部押し込めば、お客さんからは見えない隠し部屋みたいになるんです。これが大正解でした!
― なるほど、実体験からのリアルな改善ですね。ほかに前回の反省を活かしたところはありますか?
「リビングドア」をつけたことですね。前回も今回も最上階の角部屋なのですが、夏は暑くて冬は寒いんです。前回はドアなしの開放感を重視したら、空調の効きがあまり良くなくて。なので今回はしっかりドアをつけて、容量の大きいエアコンも入れたので、本当に快適になりました。マンション側でサッシ交換をしてくれていたのも大きかったですね。

― デザイン面でのこだわりはいかがですか? 前回はホワイト×グリーンのクリーンな印象でしたが。
今回はもう少し色を入れたり、密度を濃くしたいなというテーマがありました。設計士さんの提案で取り入れたのが、床の切り替えなどに使われている「アール(曲線)」のデザインです。対面キッチンの前に楕円型のテーブルを置いて、そのテーブルの曲線に合わせて空間のあちこちにアールのデザインを散りばめてもらいました。


リノベーションは、家族と自分の「人生の棚卸し」
― 実際に暮らし始めてみて、いかがですか?
もう、大満足です。もちろん、こだわった結果予算が300万円オーバーしたり、開けてみたら「思ったより高さがなくて小さな冷蔵庫しか入らない!」なんてハプニングもありましたが(笑)。それを差し引いても、やっぱりフルリノベはいいなと思います。

― 2度のフルリノベと住み替えを経験して、莉実さんが感じる「自分らしい住まい」の魅力ってなんでしょうか?
デザインを自由にできることも楽しいですが、一番は「間取りを自分の暮らしに細かくフィットさせられること」だと思います。
家族の形が変わったり、自分の働き方や趣味が変わったり。そういう変化を踏まえて、今の自分たちに一番合う空間を調整して作れるのが、リノベーションの最大の魅力です。家づくりって、今後の自分と家族の人生を考える「人生の棚卸し」みたいな作業なんですよね。

賃貸みたいに「用意された箱に自分を合わせる」のではなくて、「自分に合わせて箱を選んで、調整していく」。すべて自分で選択して、納得して作っている家に住めていることが、毎日の暮らしの満足度に繋がっているなと強く感じています。
取材・文・撮影:cowcamo