中古マンションを購入し、楽しくリノベ暮らしをしているお宅へ訪問インタビューさせていただく「リノベ暮らしの先輩に聞く!」。今回は、cowcamo(カウカモ)を通して、現在築37年の中古マンションを購入された、杉並区在住の小川さんご夫婦(望さん:会社員/37歳、友紀さん:建築家/36歳)を訪ねました。


小川さんご夫妻が暮らすのは、緑豊かな杉並区内に建つ “団地風マンション”。3階建ての1階角部屋、専用庭付き。近くには川が流れ、その川沿いは公園として整備されているなど、抜群の住環境です。

通勤できる距離での自然に囲まれた暮らしを求めたというおふたりに、中古マンションを購入し、リノベーションをするに至った経緯や現在の住まいへの思いを伺いました。

空や土を感じられる場所で暮らしたくなった

夫婦共に仕事が忙しく、これまではアクセスの良い都心のタワーマンションで暮らしていたというおふたり。しかし、働くためだけの住処ではなく、仕事以外の時間を充実させられる家に住みたいと考えるようになったと言います。

おふたりは共に長野県のご出身。将来的には長野に移り住むことも選択肢のひとつだという。

望さん:マンションの更新のタイミングが近付いていて、「どうしようかなぁ」と考えていた時に、ある雑誌で平屋に住んでいる方の事例を見たんです。それがめちゃめちゃカッコよくて。ふたりとも長野県出身ということが大きいと思うんですが、緑や土、空なんかを肌で感じられる暮らしがしたいなぁってふと思ったんですよね。今までは利便性のことばかり考えて住む場所を選んでいたんですけど、それはもうそろそろ卒業してもいいんじゃないかなって。

大手事業会社で新規事業の開発を手がけている望さん。

望さん:僕は以前にも自宅をリノベーションした経験があるので、リノベーションの面白さは知っていました。それに、妻が建築家なので、家を持つなら自分たちの好きなように自由に設計・デザインした家に住みたいなって。だから、リノベを選んだのはすごく自然な流れ。戸建てを買ってリノベすることも検討はしましたが、予算を考えるとマンションの方が選択肢が多い。今の僕らには「中古マンションを買って、リノベする」というのがベストだと判断しました。

2015年の暮れもさし迫った頃、小川さん夫婦はcowcamoで現在の住まいを見つけました。すでに何件か物件を見ていたものの、緑や土の匂いが感じられる1階の物件にこだわっていたため、条件に合う物件を見つけられずにいたというご夫妻。しかし、今住んでいるマンションの物件情報を見た時は、「これだ!」と強く感じたそうです。

やっと見つけた! 空が近い、庭付きの家

望さん:この辺りは低層の建物しか建てられない地域だそうで、高い建物がない。だから、空がとても広く見えるんですよ。高層ビル群の中で暮らしていた僕らにとっては、すごく新鮮に感じられました。それから、なんと言っても庭が付いていることが大きな決め手に。バルコニーから直接出られるようになっていて、日当たりも良好。友人を呼んで庭で食事をしたり、夫婦で野菜を育てたりできたら楽しいだろうなぁって思ったんです。

友紀さん:この家は、北側も南側も大きな窓があるんです。どちらもマンションの敷地内の通路に面していて、遊んでいる子どもたちの声が聞こえたり、周りの生活の活気がなんとなく感じられる。外の世界とゆるやかにつながっているところがいいなぁと思いました。広い敷地内に低層の建物が4棟だけゆったりと並んでいる感じもなんだか落ち着くんです。団地風の懐かしい雰囲気の外観にも、惹かれました。

寝室側から見た開放感のあるLDK。家の両側の窓を開けると心地よい風が吹き抜ける。

では、実際に設計を担当された奥さまに詳しくお話を伺っていきます。

家のテーマは、ニュートラルな家

奥さまの友紀さんは一級建築士。moyadesignという事務所を共同主宰している。

友紀さん:主人は以前にもリノベをしたことがあるので、その時の経験をもとに「ここはこうした方がいい」とか「あれはしないほうがいい」というふうにいろいろと意見やアイデアを出してくれて。たしかに設計は私がしましたが、ふたりで何度も何度も相談しながら間取りやデザイン、素材のトーンを決めていったという感じです。

左:土間続きの玄関にはふたりの自転車をディスプレイして。/右:洗面室はクールなつくりの中に、和のアイテムが加わることであたたかみある雰囲気に。

友紀さん:ふたりの思いで共通していたのは、特定のスタイルに固執したデザインにはしたくないということ。何かひとつのスタイルを強く意識すると、家に色が付いてしまうんじゃないかなって。趣味や好みは、年齢やライフスタイルによって変化しますよね。その時々に、好きなものを家に合わせられるように余白は残しておいたほうがいい。また、日々デザインを考える仕事をしているので、家に帰ってきた時に思考をリセットできるようなニュートラルな家にしたいと思いました。

TIMBER CREW(ティンバークルー)さんにオーダーしてつくってもらったソファ。なんとテレビまで収納できる!

友紀さん:ミニマリストとまではいかないけれど、なるべくスッキリと暮らしたかったので、収納面には力を入れました。造作したソファは、座面の下も、背もたれの部分も、全部収納スペースになっているんですよ。寝室には大容量のクロゼットをつくったのですが、一段上げて床下収納も設けました。

和室のような感覚で使っているという寝室。空間を仕切るカーテンは、小松精練(株)とのコラボで友紀さんがデザインした。

玄関入って突き当たりには書斎スペースが。リビングと寝室の間のスペースが有効活用されている。

友紀さん:物が少ないように見えるかもしれませんが、キッチンも実は収納が充実しているんです。壁付けのキッチンの向かい側にはオープンカウンターを設置しました。これはステンレス屋さんにオーダーしたもの。ゴミ箱の数や置きたい収納カゴの大きさなどを測って、つくっていただきました。ダイニング側にも食器やグラスを収納できるので、収納力はバツグンです。

ステンレス製の男前なキッチンは、設備は既存利用。天板と面材を変えて雰囲気を一新した。

オープンで使い勝手のいいキッチン。配膳や片付けもしやすそう。

生活スタイルにも大きく変化

望さん:今はオンオフの切り替えが以前よりもしっかりできるようになったなぁと感じています。言ってみれば、地に足の着いたような感覚。まぁ、都心のタワマンから郊外の1階に移ったわけなんでだいぶ違います(笑)。井の頭線沿線は車窓から見える風景がいいので、通勤していてもなんだか楽しいんですよ。吉祥寺も近いのでとても便利。休日はあまり家にいなくて、ふたりで外に出かけることが多いです。吉祥寺周辺はおいしい飲食店やすてきなお店がたくさんあるので、遠くに出かけなくなりました(笑)。

友紀さん:今後はお庭づくりをもっとしていきたいです。庭のレイアウトや植栽を、少しずつイメージに合うものに変えていきたいなって。シンボルツリーをどうしようかとか、どんなハーブを植えようかとか、そんなことを日々考えています。

望さん:そうだね。手前側にはコンクリートタイルを敷いてテラスみたいにして、ほかの部分は菜園みたいにできたらいいよね。そうそう、夏場はいろんな昆虫や鳥が庭で見られました。東京にもこんな虫がいるんだって感動したくらい(笑)。でも、それも望んでいた生活の一部なのでワクワクします。虫たちが動きだす春が来る前に、庭を充実させたいですね。

これだけ広いと、テーブルを出してお外ごはんやBBQも楽しめそう!

リノベーションで生活スタイルを大きく変えたおふたり。今後、この家やお庭、おふたりがどんなふうに変わっていくのか楽しみですね。

ーーーーー物件概要ーーーーー 

〈所在地〉東京都杉並区
〈居住者構成〉ご夫婦
〈面積〉56.96㎡、バルコニー6.71㎡、専用庭付
〈築年〉築37年
〈仲介〉cowcamo
〈設計〉moyadesign


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