麻布十番の中古マンションを購入、リノベーションし、一人暮らしをしている男性にお話を伺いました。「中古マンションを買って自由にリノベーションし、気に入った空間に住みたいと言う気持ち」と同時に、「僕の年齢だと今後、勤務先の変化とか家族ができるとか、どのように生活が変化していくか分からない。」という不安を抱いていたMさん。しかも、決して安い買い物ではない不動産を、独身にして購入するに至った経緯に注目です!Mさんがリノーベーションを依頼した「スマサガ不動産株式会社」が言う、「家を資産として考える」、「リノベーションは価値を生み出すことがゴール」とはどういうことなのでしょうか。


東京の都心、麻布十番の駅から徒歩5分、大通りから少し入った静かな場所。エントランスに鮮やかな赤いじゅうたんを敷いたレトロな築37年のマンションに、そのお住まいはありました。

ほの暗い中廊下を通って家のドアを開けた瞬間に雰囲気が一転、エッジィなアパレルショップの店舗にも似た個性的な空間が目の前に。住まい手は、33歳の男性Mさん。IT企業にお勤めで、現在、ひとり暮らしです。

キッチンから見たリビングの様子。斜めになった窓が屋根裏部屋のロフトのような雰囲気を醸し出しています。また、窓の面積が広く、部屋には59㎡とは思えない広がりを感じさせます。

資産と考えれば、"ひとり暮らしでもモチイエ"の価値あり

イメージは、ロフトスタイルのブティックホテル。59㎡というコンパクトさと傾斜した壁や窓を活かして、リノベーションを依頼したスマサガ不動産の城戸輝哉さんと、G architects studio の田中亮平さんがデザインを考えてくれました。

数年前から中古マンションを買ってリノベーションすることに興味を持っていたものの、なかなか踏み切れないでいたというMさん。

建築やインテリアは好きですし、以前、自分のオフィスをリノベーションしたとき、それがとても楽しかったんです。
そろそろ賃貸のお仕着せの空間に我慢しながら住むのではなく、中古マンションを買って自由にリノベーションし、気に入った空間に住みたいと言う気持ちは強くなっていきました。
でも、僕の年齢だと今後、勤務先の変化とか家族ができるとか、どのように生活が変化していくか分からない。しかも、不動産は安い買い物じゃないし、気楽に買おうという気持ちにはなれませんでした。

IT関連企業に勤めるMさんは現在33歳。麻布十番でシングルライフを謳歌中です。

そんなMさんの不安や疑問を一気に解消したのが、とある日に偶然SNSで見つけたスマサガ不動産株式会社。中古マンションリノベーションのプロデュースを展開している同社では、物件購入と空間づくりを総合的に考え、資産としての住まいの運用についてもアドバイスしています。

スマサガ不動産のウェブサイトには「家を資産として考える」「リノベーションは価値を生み出すことがゴール」と書いてありました。
その時初めて、僕が求めていたのはそれなんだと気づいたんです。
やってみたいのは、自分の好きな空間をかなえることと、資産運用を両立することなんだと。
ただ中古を買ってリノベーションして好みの部屋を手に入れて、「それでその後はどうするの?」というイメージができていなかったことが、不安につながっていたんでしょうね。

左/キッチンから土間、寝室スペースを見たところ。土間と寝室スペースを仕切っているのは可動式の収納。これを動かして、それぞれのスペースの広さを自由に調整できます。右/玄関付近からリビング方向を見たところ。アンティークの風情を持つ革張りのソファが、空間にくつろぎ感とほどよい重厚感を添えています。

Mさんはスマサガ不動産に中古マンションリノベーションのプロデュースを依頼。物件探しをスタートしますが、まず、着目したのはエリア。

購入後も物件価値が下がりにくく、将来住み替えの必要が出たときに、売却しても賃貸として運用しても成立するエリアを絞り込みました。
都心で交通アクセスのいい一等地で、広尾、代官山、青山、赤坂などの候補がありましたが、最終的にはオフィスに徒歩で通勤できることから麻布十番を選択しました。

玄関は周囲から1段下がった土間にして、視覚的にゾーニング。モルタルの土間、打放しの壁という重厚な背景に、シャンデリアを合わせたインパクトのある空間です。

エリアを絞り込んだら次は物件選び・・・ですが、Mさんが選んだのはなんと賃貸物件! すぐに物件を購入するのではなく、しばらく麻布十番に住み、購入したいと思える物件を探しながら、街を知りたいという理由からでした。

麻布十番というと高級なレストランやおしゃれなバーの印象が強かったのですが、住み始めてみると庶民的なお店もすごく多いことがわかりました。
それでいて、昔ながらの商店街も健在で、日常生活に必要なものはすぐ手に入る。都心で、六本木のすぐそばなのに、住んでいる人たちに落ち着きがあるのも麻布十番のいいところ。
すっかり気に入って、この街に暮らしたいという想いは強まりました。

こうして条件やイメージに合う物件が見つかるまでの1年半、麻布十番に暮らすうちに、Mさんにはこのエリアで一緒に遊んだり、仕事の情報交換をしたりする仲間が徐々に増えていき、さらにこの街を離れがたくなったと言います。

マンションのエントランスには赤いじゅうたんが。建てられた高度経済成長期、1970年代の華やかなこの周辺の雰囲気を今に伝えるようです。手入れや管理が行き届き、マンションの暮らしやすさを感じさせます。

30もの物件を内覧した後、最終的に現在の物件を選んだ理由は、建物の造りがしっかりしていて安全性を感じられたことと、建物全体のレトロな雰囲気。

この物件は築37年ですが、僕は築30年を超えるような古いマンションのほうが、デザインがユニークで好きなんです。麻布十番で物件探しを始めてこのマンションを見つけて以降、ずっと狙いを付けていて、売り物件が出たらすぐに連絡がもらえるようにしていました。
購入したこの部屋は、同じマンション内でふたつ目に内見した部屋。
決め手は、斜めになった窓と28㎡の広々としたバルコニー。都心にもかかわらず近隣には高層ビルがなく、バルコニーに出たら、空が広がっていたんですよ。
また、場所がビジネスエリアの六本木にも近く、後に売却するにしても賃貸するにしても心配ないと考えました。リノベーションのプランや内装は、近辺で働くシングルやDINKSも意識しました。