憧れのハンモックは屋外だけでなく、室内にも設置できるんです!今回は、ハンモックに関することならなんでも行っている「里山ハンモック」のみちやまさんにお話を伺いました。ここでは手撚りの19色の糸の中から、好きな色を組み合わせてハンモックをオーダーすることができます。そして、100軒以上の設置実績を持つみちやまさんに、室内でのハンモックの設置パターンを教えてもらいました。賃貸でも使えるスタンドを使う方法などをご紹介します。
「ハンモックが家にあったらいいなぁ・・・」。そんな風に想像したことはありませんか? ハンモックで、子どもと一緒に遊んだり、ちょっと腰掛けて本を読んだり、すっぽり包まれてお昼寝したり・・・憧れますよね!
でも、本気でハンモックを暮らしに取り入れようと思うと、「どこなら取り付けられるかな?」「狭い部屋でも大丈夫?」と次々と疑問が湧いてきます。
そこで今回は、ハンモックのプロフェッショナル・「 里山ハンモック」代表のみちやまさんに、ハンモックのある暮らしの魅力や、シーン別ハンモックの使い方について教えていただきました!
カラフルなハンモックから、木糸や木布のハンモックまで!?「里山ハンモック」の個性豊かなハンモック
みちやまさんがハンモックに出会ったのは、高尾山で行われたツリークライミングのイベントがきっかけでした。そこでは参加者がみんなリラックスして笑顔になり、初めて会った人同士も自然と仲良くなっていたといいます。
みちやまさんが今までにつくったハンモックの数は、小さいものも含めると500以上!たとえばどんなハンモックがあるのか、紹介しましょう。
●国産カラーオーダーハンモック(30,000円〜)
また、紐はみちやまさんが糸撚り機で撚りあげたもの。強度がしっかりしていて、長年使っても壊れないと評判です。
●国産木糸ハンモック(30,000円〜)
国産のスギ・ヒノキの間伐材から生まれた木糸を撚り上げた糸を使ったハンモック。ほのかに甘い香りがして、まるで森の中にいるかのよう。木の家にぴったり!
普通の糸に比べて少し硬めで、乗ったときに安定感があるのも特徴。しっかりした乗り心地が男性に好まれるそうです。
●国産木布ハンモック(30,000円〜)
こちらは、木糸を斜めに伸びる織り方で布にしたハンモック。障子紙を作る技法のため、夏は涼しく冬は暖かい優れものです。糸と違って隙間がないので、小さな子どもでも指を引っ掛ける心配がありません。
ちなみに、イベントなどでさまざまなハンモックを展示すると、子どもたちは最初のうちは行ったり来たりするものの、最終的には木糸や木布のハンモックに落ち着くそう。「カラフルなもののほうが好きかと思いきや、子どもは天然素材に心地よさを感じるんですね」とみちやまさん。泣いている赤ちゃんと一緒に乗ってゆらゆらすれば、いつの間にか泣き止んでいるかも!?
また、八王子にあるみちやまさんの工房で、マイ・ハンモックを手作りすることも可能。小さめのブランコハンモックなら所要時間50〜90分、価格は4,000〜5,000円で編むことができます。よく見る大きめのソファーベッドハンモックは所要時間6〜12時間ほどで、価格は25,000円〜30,000円。
友人が家に遊びに来た時、「これ、自分で編んだんだ!」なんて自慢したくなっちゃいそう。手先が器用な方は挑戦してみては?
シーン別ハンモックの使い方アドバイス
お気に入りのハンモックが手に入ったら、次の問題はどこに取り付けるか。一番いいのは、むき出しの木や梁にロープをひっかけて設置する方法。これなら穴を開けなくて済むし、簡単なロープワークさえ学べば自分でできそうです。
でも、ちょうどいい木や梁が部屋の中で見つからなかったら、その時はみちやまさんの出番。設置費・備品・出張費込みで、27,000円から設置サービスを行っています(エリアや方法によって価格は変動します)。壁の中に隠れている梁や柱を見つけ出して金具を取り付けたり、コンクリートの壁や天井に設置したり、設置機材を置いたり・・・。工夫次第で、どんな家でもハンモックを導入することができるとのこと。
そこで、100軒以上の設置実績を持つみちやまさんに、「シーン別ハンモックの使い方アドバイス」を教えていただきました。
●どんな条件の場所が最適?
まず押さえたいのは、「動線ではないところ」。そして、「家の中で気持ちがいいところ」がおすすめ。このふたつが揃っていないと、せっかく設置したハンモックなのにだんだん使わなくなってしまいがちです。そんなのもったいない! 夏は風通しのいい日陰、冬は日光が少し入り、温かく多少こもっているところがいいでしょう。
●柱や梁を傷つけずに設置することって、できるの?
賃貸の家や、将来売りに出すかもしれない家の場合、あまり穴を開けたくありませんよね。そんな時おすすめなのが、スタンドを使う方法。適正な寸法を測ってカットし、設置します。これを使えば、どんな家でもハンモックの設置が可能です。
●狭い部屋でも、ハンモックって使える?
家があまり広くない場合、「うちでは無理かも・・・」と尻込みしてしまうかもしれません。でも大丈夫。たとえば部屋の角を活用すれば、コンパクトにまとまります。そこに机を置いて、ハンモックを椅子代わりに使ってもいいかも。使わないときは片側に掛ければ簡単に収納できます。写真のように小さなブランコハンモックをぶら下げて、そこに収納するという技も!
●子どものいる家で安全に使うには?
また、ふたり兄弟だけどハンモックはひとつという場合、取り合いになりがちですよね。通常ハンモックは「二点吊り」が基本ですが、「1点吊り」にすると◎。お互いに回しっこしたり、ふたりですっぽり包まれたり・・・兄弟仲がよくなるかも!? 上の写真は、6点吊りでロフトのようにハンモックを設置した例。子どもは大はしゃぎだとか。こんな方法もあるのですね!
●まずは体験してみたい!
料金はハンモック、設置代、出張費を含めて1ヶ月18,000円〜1年30,000円(※サービス終了時には撤去費用が別途かかります)。これなら気軽に「ハンモックのある暮らし」を体験できますね。この期間で経験を積んで、「我が家にぴったりのハンモック」を本設置するのもいいかも!
ちなみにみちやまさんが今まで見てきた失敗例としては、「弱くなっていた木に穴を開けてしまい、割れてしまった」「鴨居に取り付け、外れてしまった」などがあるそう。家の構造がわからない、DIYが不得意といった場合は、プロに任せたほうが安心かもしれません。
ハンモックのある暮らしの魅力
ハンモックを家に取り付けると、暮らしはどう変わるのでしょうか? みちやまさんに、これまで届いたお客様からの感想を教えていただきました。
千差万別ですよ。うれしかったのは、「家に帰るのが楽しくなった」っていう声かな。人を呼びたくなるし、人が集まる家になる、っていう傾向はあるように思います。
ファミリーからは特に喜ばれますね。手が離せないときに子どもが大人しくハンモックで遊んでくれて助かるとか、家事の合間にちょっと休憩するのにちょうどいいとか、親子で一緒に絵本を読むとか。ハンモックは、コミュニケーションの道具でもあるんです。
家で仕事をしている人からは、アイデアに行き詰まったとき、煙草を吸う代わりにハンモックに乗るようになったと聞きました。そのほうがいい閃きが得られるって。クリエイティブな仕事をしている人にはぴったりなんじゃないかな。映画を観るときに乗るっていう人も多いみたいですね。体が緩むからか五感が鋭くなって、映画館みたいな臨場感を味わえるみたいです。
また、ハンモックには気持ちを解放する効果や癒す効果もあるそう。中には、乗った瞬間に泣いてしまう人もいるのだとか。みちやまさんによると、ハンモックは遙か昔、人が野獣から身を守るために生み出したものなのだそう。その記憶がどこかに残っているから、人はハンモックに揺られると安心するのかもしれませんね。
お伝えしたいのは、「ハンモックって予想以上に気持ちいいですよ」っていうこと。みんな、ハンモックに乗るといい顔を見せてくれますから。たくさんの人に、このよさを体験してほしいですね。
「ハンモックを家に取り付けたいけど、うちでも大丈夫?」と尻込みしているみなさん。まずは里山ハンモックに相談してみてはいかがでしょう? みちやまさんは親身に相談に乗ってくれるはずです。
【取材協力】 里山ハンモック
取材・文:飛田恵美子