中古を買って好みに合わせてリノベーション? それとも、リノベーション済み中古を買う? 「中古の家を買おう」と考えたときに思い浮かぶこれらのふたつの方法。それぞれに魅力があることは、コラム『 中古住宅の賢い買い方②どれを選ぶ?中古の種類』でも解説しましたが、今回ご紹介する酒井さんご家族のお宅は、それぞれの方法の"イイトコ取り"をしたケース。「リノベーション済み物件を購入」+「予算200万円のリノベーション」で実現した、理想のマイホームにお邪魔してきました。

「見れる安心」から中古を選択。買い手主体の家探し

以前は広めのワンルーム賃貸に住んでいたという酒井さんご夫妻。そこでの暮らしが快適だったことから、新居にもワンルーム的空間であることを求めたそう。

酒井さんご家族は、商業施設のプロモーションを仕事とする29歳のご主人とIT系企業にお勤めの38歳の奥様、1歳3ヶ月のお子さんの3人暮らし。

結婚3年目で手に入れたマイホームは、世田谷区の静かな住宅街にある、築41年、約75㎡、2LDKのマンションです。家を買おうと思い始めたきっかけは、酒井さんご夫妻の共通の趣味である「散歩」でした。

以前は東急大井町線の尾山台にある30㎡ほどの賃貸に住んでいました。近所でやっていたオープンハウスを興味本位でのぞいて見るようになったのが、住宅購入を考えるきっかけでした。
最初は見ているだけで楽しかったんですが、オープンハウスに行くと、営業の人に年収を聞かれたり、ローン返済のシミュレーションをされたりするんです。そうするうちに、「自分たちは購入した方がいいのか?賃貸の方がいいのか?」と考え始めて、賃貸はオーナーの得にしかならない感じがして嫌だなと。(酒井さん)

真っ白な壁天井に、ナラの無垢フローリング、スタイリッシュなオープンキッチンが印象的な酒井邸のLDK。フルリノベーション済みで販売されていた物件でした。

そうして住宅購入へと動き出した酒井さんご夫妻。当初は、学生時代から馴染みのある東急線沿線をターゲットに、物件を探したそう。

インターネットで物件を探してよさそうな物件があったら、まずはストリートビューで外観や近隣をチェック。そこをクリアーしたら、実際に現地を見に行く。共用部の清潔度や、出会った際の挨拶への住人のリアクションも検討材料にしました。それもクリアーしたら内見、という風に、絞り込みながら物件探しを進めました。(酒井さん)

1年に及んだ物件探しの間に、50以上もの物件を見たという酒井さんご夫妻。見学を重ねるうちに希望条件も整理され、東急線沿線としていたエリアを、価格面の課題から世田谷区全域に広げ、エレベーターなしでも負担の少ない低層階の物件を狙うことに。

新築物件も検討したそうですが、モデルルームや工事途中の現場を見学してもイメージがなかなか湧かず、検討対象は中古に絞られていったと言います。

左・モルタル土間仕上げの玄関もすっきりしたデザイン。木枠のガラスドアの先にLDKがのぞきます。/右・ゆったりとした玄関ホール。正面のドアの先は現在、納戸として使っている個室。木製のドアは販売時にリノベーションされていたもの。

中古物件の場合、外観や環境、近隣住人や街の雰囲気も、実際に見て確認してから検討できるのがいい。
それから、新築は「買える条件」が決まってしまっていて買い手が受け身になりがちだけど、中古は「買う条件」を買う側が決めることができるのも魅力。実物を見ながらだから、新築に比べて値下げ交渉もしやすいと思います。(酒井さん)