リノベーション済み物件を+200万円でリノベーション
この時点で、酒井さんご夫妻が考えていたマイホーム獲得の方法は、「中古を買ってリノベーション」という方法。物件探しから相談すべくコンタクトをとったのは、リノベーションの先駆者として知られる ブルースタジオでした。
当時の勤め先の先輩に「設計・施工以外に、物件の仲介もしている」と勧められたのがブルースタジオでした。
仲介の担当者からも物件を紹介してもらいながら物件探しを進めましたが、既存のままで売りに出ている、フルリノベーション向きな中古物件はあまりありませんでした。
いくつか物件を見ているうちに、「リノベーション済み物件でもいい物件があれば」という気持ちに変わってきて、そこにブルースタジオのテイストを盛り込むことができれば、と考えていました。(酒井さん)
そんな中、出会ったのが現在の住まい。床はナラの無垢フローリング、広々としたLDK、スタイリッシュなオープンキッチン、塗装仕上げの壁やライティングレールなど、センスのよいリノベーションが施されていました。
1階住戸でしたが、通りから半階分高い位置に住戸があり、向かいの建物とは距離があるので日当たりは良好。よくある、玄関から縦に空間が伸びる形ではなく、横に空間が広がる形だったことも、気に入った点だったそう。
LDKが22畳もあり、もともと理想としていたワンルーム的な間取りに近かったことに惹かれました。
この物件を販売していた不動産会社が初めて手掛けたデザイナーズリノベーション物件だったらしく、シンプルなデザインでしたが、お金と手間が掛けられていることは、一目見てわかりました。
ただ、収納の追加や、ハンモックを取り付けたいといった希望があったので、200万円の予算でブルースタジオにリノベーションをお願いしました。(酒井さん)
予算の半分は、主に機能面のリノベーションに。ふたつ並んでいた個室には、壁を挟んで背中合わせにクローゼットが付いていましたが、この壁を壊して大きなウォークスルークローゼットに。窓辺にはアイアン製のカーテンレールを取り付け、天井にはハンモック用のフックを取り付けました。
ほかにも、植物が育つスペースをくり抜いたベンチの造作や、既存のドアのフレームにアクセントカラーを加えるなど、酒井さんご夫妻ならではのオリジナリティを空間にプラスしていきました。
ブルースタジオがデザインしたオリジナルのダイニングテーブル。フローリングに使われる無垢のナラ材を使って造作したそう。鉢植えが入っている部分は空洞で、木の幹が通せるようになっています。
リノベーション済みだった玄関やホール、洗面脱衣室、浴室はそのままで、LDKを中心に手を加えました。
本当は、個室のひとつをLDKにつなげてしまいたかったんですが、間の壁が構造壁で壊すことができなかったんです。その分、大容量のクローゼットを造作して、物を置かずにLDKをすっきり広々と使えるようにしてもらいました。(酒井さん)