中古マンションを購入し、楽しくリノベ暮らしをしているお宅へ訪問インタビューさせていただく「リノベ暮らしの先輩に聞く!」。
今回は、DIY好きが高じてフルリノベを実施した、Nさまファミリーの住まいを訪ねました。小さな空間をとびきり豊かにする、大胆な発想とは。
「専有面積50㎡強のワンルームで、家族4人と猫3匹が暮らしている」と書けば、それだけで驚かれる方もいるだろう。ところがこのN邸は、限りある空間にユニークなアイデアを取り入れた、なんとも豊かで発展性のある住まいなのだ。
■DIYも含めて、思い切り “好き” な家に
築46年になる中古マンションの一室を購入し、『フルリノベをしよう!』と家族を牽引したのは、DIYが大得意という奥さまのKNさん。聞けば、賃貸に住んでいた頃は思うように家づくりができず、日増しに “リノベ欲” が募っていったそう。
賃貸マンションに住んでいた頃から、壁に孔を開けないようにインテリアボードをDIYしたりしていたんですが、どうしても限界があって……
いろんなWEBサイトでおしゃれな住まいの記事を見ているうちに、内装をもっと自由に、自分たちの好きなようにしたいという想いが強くなっていったんです。
KNさんは、買うなら戸建てよりも、管理が楽なマンション派。物件探しは、お子さまが保育園を転園しなくてもよい、住み慣れたエリアで探すことにしたそう。
同時に、リノベ会社選びもスタート。説明会に参加して、『家族の成長に合わせて住まいの形は変えられる』というメッセージが刺さった「ゼロリノベ」に決定した。
プランニングの際、すでにKNさんの脳裏には理想の住まいのイメージが浮かんでいたという。
私は部屋にこもってしまいがちなタイプなので、家のどこに居ても、家族がお互いの気配を感じられるような “こもらない家” にしたいと思っていました。
あとは、掃除がしやすくて、猫が運動できて、子どもたちが『帰りたい』と思うような楽しい住まいにしたくて。
「ゼロリノベ」の担当デザイナーは、そんな要望に対してオーソドックスなものから遊び心のある間取りまで、様々なリノベプランを提案。それをベースに、KNさんがWEBで収集した、実現したいリノベの写真も共有しながら具体化していったという。
室内にベッドと収納を兼ねたロフトを設ければ、そこまで広くない室内でも効率よくスペースを使える、というアイデアを盛り込んでもらいました。『子どもたちが自由に落書きできる壁があると絶対楽しい!』と、側面には黒板塗装をしました。
■住んでからが、住まいのはじまり
N邸のリノベのもうひとつの特徴が、一部未完成の状態で引き渡されたこと。『壁には自分たちで珪藻土を塗りたい』というKNさんの希望があったからだ。
引き渡しから引っ越しまでの2週間ほどの間に、仕事終わりにひとりで塗ったり、休日に子どもたちと一緒に塗ったり。子どもたちはそれが楽しかったみたいで、完成した後も『天井も塗りたい』って言ってました(笑)
いま、N邸では子どもたちが回遊できる導線を元気いっぱいに駆け回り、猫たちがロフトの間を飛びまわって、とても賑やか。ママ友がお子さんを連れて遊びに来たときも、常にどこでどんな遊びをしているかがわかるので、安心して会話に花を咲かせられるそうだ。
特にお気に入りのポイントは? と訊くと、KNさんは『全部です!』と即答してくれた。
自分の “好き” をすべて叶えられました。最近は仕事が忙しくてあまりDIYもできていないですが、子どもたちがもう少し育ったら、空いたおもちゃスペースに本棚でも造ろうと思っています。あと、天井を塗るのも楽しみですね。
N邸は、将来子どもたちが巣立った際に追加工事をすることで、さらに間取りを変化させられるよう設計されている。
家族とともに成長する住まいには、「家族だったら◯㎡以上の☓LDKが最適」という方程式は、当てはまらないようだ。
―――――物件概要―――――
〈所在地〉神奈川県川崎市
〈居住者構成〉4人家族+猫3匹
〈間取り〉ワンルーム
〈面積〉53.6㎡
〈築年〉築46年(取材時)
―――――設計・施工―――――
〈会社名〉ゼロリノベ
〈WEBサイト〉https://www.zerorenovation.com/
撮影:沢崎 友希 / 取材・文:中山 宇宴