おしゃれなバスタブや洗面台などの水まわりに憧れの方必見の記事です。今回は、デザイン性・機能性に富んだ輸入製品を取り扱う「セラトレーディング」さんにお話を伺いました。ここではアイテムを自由に選んで組み合わられるのが嬉しいポイント。海外ものというと高価格なイメージですが、最近は手頃な価格の製品も多くあるようです。また日本でしっかりと認証されている安全なものを選ぶためにも、専門のお店に相談することをおすすめします。ショールームで素敵なコーディネートを見に行くだけでも楽しそうですね。


家づくりをする際、水まわりにこだわりたいという方は多いのではないでしょうか。特に輸入ものの水まわり機器は、デザイン性の高さはもちろん、機能的なものが多く、使い心地もよさそう。水まわりをブラッシュアップすると、家全体がぐんと素敵になるだけでなく、日々の暮らしも豊かなものになります。

そんな憧れの輸入水まわり機器を扱っているのが、セラトレーディング株式会社。今回は、乃木坂にあるショールームにおじゃまして、水まわり空間づくりのヒントやアイデア、機器選びのポイントを伺いました。

ご案内いただいたのは、左から、営業マーケティング部の髙橋寛典さん、広報担当の村上真梨さん、そしてショールーム館長の坂本充さんです。

市場開発グループの営業マンとして多くの導入事例を手がけている高橋さん(左)、前職では最新インテリアの分析やコンサルティングを行ってきたという村上さん(中央)、そしてマーケティンググループのグループリーダーを経て、この春からショールーム館長に就任した坂本さん(右)。ショールームで知りたいことがあったら、お気軽に声を掛けてみてください!

ショールームでスタイリッシュな水まわり製品にうっとり

セラトレーディングは、TOTO株式会社の子会社として、約30年前に設立した海外水まわり製品の輸入販売会社。欧米23カ国の製品を取り扱うほか、オリジナル商品も企画・販売しています。

ショールームには、コンセプチュアルなデザインのバスタブや、さまざまな色や大きさ、形がそろう洗面ボウル、水の出方を実際に確かめられる水栓やシャワーヘッドなどがずらりと展示されています。特にバスルームや洗面台など、トータルにコーディネートされたコーナーは、素敵過ぎて思わずため息が出てしまいそう。

インテリアと溶け込む水まわりの展示。木材と組み合わせたナチュラルなコーディネートや、収納をあえて付けず、小物を飾るように置く"見せる洗面台"が最近のトレンドとのこと。

これまで、海外の水まわり製品というと高額というイメージがありましたが、最近は手頃な価格の商品が充実し、比較的若い世代のお客様が増えています。
また、ひと昔前は設計者が選んだものをそのまま受け入れたり、"このシリーズで全部そろえて"とおっしゃるお客様が多かったのですが、特に若い世代の方は、ひとつひとつご自身で選んで組み合わせる方が増えてきました。
セラトレーディングの商品は、洗面ボウルや水栓金具をすべて単体で組み合わせて選べるというのが大きな特徴なんです。(村上さん)

お客様自身がひとつひとつのアイテムを自由に選んで組み合わられることが、セラトレーディングのコンセプト。同じアイテムでも組み合わせ方でまったく異なる表情になると言います。

海外製品に憧れはありつつも、かなりお値段が張るんじゃないか、とか、すべてをコテコテの海外製品にそろえるのもちょっと・・・という不安もあったのですが、意外に敷居は低そうです。

水まわりは"隠すもの"から"見せるインテリア"へ

実際に水まわりをリノベーションされるお客様は、セラトレーディングの水まわり製品をどんなふうに取り入れているのでしょうか。

これまで、洗面コーナーやキッチンは、お客様が来られたらなるべく隠したい場所と考えられていました。でも最近は、むしろ積極的に見せることを意識したデザインが多くなってきています。
たとえばこちら。洗面コーナーが居室のカウンターに組み込まれているという、かなり大胆な設計ですが、木のカウンターとモザイクタイルというナチュラルなコーディネートで、違和感なく室内に溶け込んでいます。デザイン性に優れた海外製品は、このようなコーディネートととても相性がいいんです。(坂本さん)

東京都【ナチュラルで心地よい空間】設計/nu(エヌ・ユー)リノベーション

お施主さんの希望は「洗面所をもっと解放的にしたい」というもの。そこで洗面室はつくらずに、広い玄関の向かい側の壁面に広いカウンターを設け、洗面ボウルを組み込んだそう。洗面コーナーとオープンなスペースが一体になっているユニークな事例。

確かに最近、木と組み合わせた水まわりは増えている気がします。少し前までは、木製のカウンターは水はねによって傷むから、と敬遠されていたそうですが、以前に比べて防水塗料の性能が上がってきていることや、シミや傷も"風合い"と考えられるようになってきたために、抵抗を感じる方が少なくなってきているのだとか。

神奈川県【温もりが心地よい暮らし】設計/むくむくはうす

「以前から所有していた古家具や古道具となじむ空間を」というお施主さんの希望でリノベーションされたという築46年の団地のキッチン。やわらかな風合いのタモ材のカウンターに、鋳物のホーローシンクの組み合わせが、まるでオーガニックカフェのような雰囲気。

また、陶器のキッチンシンクも、国産品ではなかなか見られないもの。ただ、フライパンなどを落として割れてしまったらどうしよう、なんて心配もしてしまいそうですが・・・?

上から硬いものを落としても非常に割れにくい、特殊な陶器でつくられたものが出ています。これまで、陶器のシンクは一度ヒビが入ったらまるごと交換しなければならなかったのですが、こういった商品ならその心配はありません。(坂本さん)

陶器をベースに耐衝撃性を高めた特別な素材を使い、フィリップ・スタルクがデザインした「Starck K キッチンシンク(Rタイプ)DV751010」。食器の洗浄以外に、まな板を乗せて食材をカットすることもできるそう。

木を活かしたナチュラルなキッチンに、こういったステンレスにはないあたたかみを備えた質感を持つシンクを入れると、さながらカフェの気分! 真っ白なシンクは清潔感があって、毎日気持ちよくお料理ができそうです。

日本と規格が異なるから、信頼性の高い販売会社のものを

では海外製品をリノベーションで取り入れる場合、どんなことに気をつけたらよいのでしょう?

海外の水まわり製品を取り入れる際にもっとも大切なのは、日本できちんと認証されているものかどうかを確認すること。
日本の水道に直結される水栓金具はすべて、「JWWA」や「JIS」などといった認証を得ている必要がありますが、海外の製品がこの認証を得るには、非常に厳しい検査をクリアしなければならないのです。それは、海外の水栓はその国の水質に合った材質が使われているため、水質の違いによって、日本の規格に合わない化学物質が検出されたり、劣化が起こったりする可能性があるからです。
弊社はもちろんすべてJWWAまたはJISの認証を得た商品のみを取り扱っていますが、中には、デザインが素敵だからと、認証外の海外商品がそのまま市場に出回っているケースもあるようです。(坂本さん)

各アイテムはシンプル、スタイリッシュ、クラシック、モダン、とさまざまなバリエーションがあり、眺めていると時間を忘れてしまいそう。取扱商品はもちろんすべてJWWAまたはJISの認証済。高いデザイン性はもちろんのこと、安全性もしっかりと担保されています。

なるほど! これは盲点でした。配管の規格の違いで水漏れが起こったりするのではないか、といった想像はできますが、水質の違いで、想定していない化学反応が起こる場合があるとは。水質の違いというのは、とても微妙で繊細なものなのですね。

そのためセラトレーディングでは、ひとつの製品の取り扱いを決定するまでに多くのサンプルを取り寄せ、試験をくり返して独自評価をすると言います。

飲料水に関わる水栓金具は特に安全性が気になるもの。導入する前にしっかりチェックしておきましょう。

また、住まいによっては、海外の水まわり製品を導入することがちょっと難しいケースもあります。

例えば、海外の映画に出てくるような優雅なバスルーム。ああいったバスルームにしたいと希望した場合、そもそも海外の水まわり製品はユニットバスではなく、在来工法による施工を前提としているので、全面的な防水処理や左官工事などが必要となる場合があります。
また、ユニットバスに海外の水まわり製品を組み合わせたいという場合も、補強や取り付け方法の面で制約があることもあります。
そういった意味では、要望や予算に合わせて工事の範囲をアレンジしやすい、洗面や手洗いコーナーから取り入れてみるのがおすすめですね。(坂本さん)

東京都【余白を丁寧に活かした住宅】設計/株式会社ブルースタジオ

もともと社宅だったというマンションのバスルームの施工例。ハーフユニットバスを導入したことで、オーバーヘッドシャワーの設置が可能に。大掛かりな改修が難しい場合は、右写真のように手洗いコーナーや洗面コーナーを変えるだけでも、住まい全体の印象が大幅にグレードアップします。

さらに洗面コーナーや手洗いコーナーは、アイデア次第でさまざまな取り入れ方ができる場所でもあるそう。

洗面所1カ所だけでなく寝室や玄関先、廊下など、複数箇所に取り付ける方も増えています。お子様がいるご家庭などは、外から帰ってきた時に玄関先ですぐ手を洗えると便利ですし、2世帯住宅で夜中に水音をたてたくないというご家庭では、寝室にちょっとした洗面コーナーがあれば、音を気にせず使えます。(高橋さん)

2015年春のイチオシアイテムたち

聞けば聞くほど夢が膨らむ海外の水まわりアイテム。

最後に、この春のおすすめの商品をカテゴリー別に教えていただきました。

●バスタブ

『セラオリジナルコレクション CEY41814』

マットな質感と繭のようなころんとしたフォルムが印象的なバスタブ。同じシリーズで洗面ボウルと手洗いボウルの展開があるので、トータルなコーディネートも可能。

○ここに注目!

一見、ボリュームがありそうですが、丸みを帯びたラインと薄く仕上げられたエッジが繊細な表情をつくっています。弊社のオリジナルなので、海外製品のラグジュアリーな雰囲気をお手頃な価格で実現しているのもポイントですね。(坂本さん)

●洗面ボウル

『SCARABEO FUJI』

世界遺産となった日本の富士山にインスピレーションを得たという洗面ボウル。壁付けにしても、カウンターに置くように組み合わせても絵になります。

○ここに注目!

中央の大きな円形のスリットに向かって流れる水が、とってもエレガントなんです。こちらの洗面ボウルが載せられるスタンドタイプのコンソールの取り扱いも検討しています。(村上さん)

●キッチン水栓

『KWC ZOE』

岩のあいだから湧き出る水をイメージしたという美しい弧を描くデザイン。蛇口にはLEDライトが付いており、ふわっとオン、オフする光の表情が何ともスタイリッシュ。家で飲むお酒がぐっとおいしくなりそうです。

○ここに注目!

ぱっと見では気づかないんですが、シャワー部分は水栓の内部に収納されていて、吐水部の後ろにある突起で引き出すようになっています。流れるようなデザインを大切にした海外製品ならではのこだわりですね。(髙橋さん)

●洗面水栓

『セラオリジナルコレクション C1シリーズ』

シンプルで直線的なデザインながら繊細で気品ある表情を見せる水栓。このシリーズは豊富なサイズバリエーションがあり、さまざまな洗面ボウルや手洗いボウル、バスルームと組み合わせられます。

○ここに注目!

床や壁、天井といった建築の基本となる要素は水平垂直ですよね。こちらの商品は、水平垂直を際立たせたシンプルなフォルムなので、空間に調和しやすく、落ち着きを与えてくれます。(坂本さん)

●シャワー水栓

『セラオリジナルコレクション C1シリーズ』

近年人気沸騰中のオーバーヘッドシャワー。こちらのシャワーヘッドは、空気を含んだ大粒の水滴が膜となって肌に広がるため、湯船に浸かったような高い温浴効果が得られます。

○ここに注目!

ゆっくりお風呂に浸かりたいと思っても、平日はなかなか時間がなくて、という方に特におすすめです。ヘッドは大きな方が体全体により多くの水滴が当たり、温浴効果も高まります。実際に、より大きなヘッドを求められる方が多いですね。(髙橋さん)

以上、駆け足でご紹介しましたが、海外水まわり製品の魅力はまだまだ語り尽くせません。

ぜひショールームに足を運んでみてください。きっとあなただけの素敵な水まわりが見つかるはず!

【取材協力】
セラトレーディング株式会社

■東京ショールーム
東京都港区南青山1-24-3 TOTO乃木坂ビル1F・B1F
TEL/03-3402-7134
開館日/火~土 10:00~17:00
    日 10:00~17:00(予約制)
※日曜日は予約制となります。前日までにお電話(TEL/03-3402-7134)でご予約ください。
休館/月・祝日・夏期休暇・年末年始休暇

■大阪展示スペース
大阪市西区江戸堀1-5-6 肥後橋MIDビル1F
TEL/06-6225-3640
開館日/月〜金 10:00〜12:00、13:00〜17:00
休館日/土・日・祝・夏季休暇・年末年始休暇