気になるあの街はどんな街だろう。その街で活動するからこそ知り得る、街の変化の兆しや、行き交う人々の違いを「街の先輩」に聞いてみました!「街の先輩に聞く!」、 第40弾は「笹塚」です。
新宿から電車で約5分、車や自転車で代々木上原や富ヶ谷にも近く、渋谷へも出やすい笹塚。駅の改札を出ると地下道、両出口には商店街とお店がひしめき、街には活気があふれています。そんな笹塚駅近くに、45年前からあるボウリング場「笹塚ボウル」をご存知でしょうか。ボウリング場なのに、水曜日のカンパネラのPV撮影をはじめ多くのメディアに登場、トークショーなどのイベントも数多く開催している笹塚ボウル。笹塚の若者や地域住民が集まる人気スポットを訪ねました。
■笹塚ボウルはボウリング場ではなく、コミニュケーションスペースである
ボウリングって、初対面の人同士でも盛り上がれるコミュニケーションエンターテイメントでもあるんですよ。僕たちはこの場所を、人が集まって会話を楽しむ「コミュニケーションスペース」にしていきたいと思っているんです。
そう話してくれたのは、笹塚ボウルの広報担当・大城裕介さん。
笹塚ボウルは約45年前、ボウリングブームの真っ只中にオープン。10年前に、「レストランの中にあるボウリング場」をテーマにオープンキッチンやスピーカー、DJブースなどを新たに導入し、現在は結婚式やDJイベント、トークショーなどあらゆるイベントを開催しています。
ボウリング場を大きな箱に見立てると、ボウリングに限らず、結構いろんなことができるんですよね。「なんか笹塚ボウルってイベントできるらしいよ」みたいな噂が口コミで広がって、「こんなことやりたいんですけどできないですよね・・・」と相談してくるお客さんが増えて。その声に応えようと頑張っていたら、いろんな催しができたって感じです。
■多様な店と人の集まる街・笹塚
そんな笹塚ボウルでは、自らが主催して地域の人を招くイベントも多く開催しているそうです。
「ササボリズム」っていう、子どもが行きやすくて親御さんも一緒に楽しめる、というのをテーマにしたイベントをやっています。他にも近所のお店の周年イベントを任せてもらうことが多いですね。この近所で大勢が集まるならどこがいいかな、となった時に、うちでやろうと思ってもらえているみたいです。
そんなイベントを通じて見えてきた笹塚の魅力は「多様性」にあると、大城さんは感じています。
渋谷区だし、渋谷文化の中にはあると思うんですけど、ギスギスした都会っぽさはないんですよね。下町っぽい雰囲気もあって、都会的な要素もあるし、交通の便がいいから、多種多様な人が住んでいます。都会だと年上の人やちっちゃい子と会う機会ってあまりないと思うんですけど、そういうふれあいもあるし、ご近所同士の会話もありますね。僕は下町育ちなので笹塚のそういうところが好きです。
多様性は住んでいる人にはもちろん、お店にも表れています。笹塚には駅の改札を出たところに地下街があり、両出口には商店街があり、昔ながらの魚屋さんや八百屋さんから食べ歩きにぴったりの唐揚げ屋さんや焼き鳥屋さん、ちょっとおしゃれなカフェまでさまざまなお店が軒を連ねています。
一昨年、駅前に新しい商業ビルができたこともあり、住んでいる人が増えているから、お店も増えているんですよね。6年前ぐらいに作った笹塚のお店を紹介する「BAR MAP」をきっかけにお店同士の繋がり広がっていって、とても良い雰囲気になってきていると聞いています。
最近だと「渋谷のラジオ」っていうのがあるんですけど、そこで笹塚幡ヶ谷地域の情報を発信しているんです。お店も増えているし、情報を発信する場所も増えているので、お店同士の横のつながりもできて、それが街の発展につながっているところも大きいと思います。
2013年には “街のアイコン的なプロダクトを作りたい” という思いから飲食店店主の方たちと協力してオリジナルビール『笹塚ビール』を作りました。
■「今アツい街」をこれからも外に発信していきたい
例えば原宿って、昔は行ってくるとその街でヒーローになれた。笹塚も笹塚ボウルも、今、昔の原宿みたいに自然となっていっている気がするんです。「笹塚行ったことある? 笹塚ボウル行ったことある?」「あ、最近アツいところね」みたいな。これからオリンピックに向けて、外国人観光客も増えると思うんですけど、浅草とかスカイツリーとかの選択肢と並ぶ街になっていきたいですね。
コミュニケーションスペースとして着実に進化を遂げている笹塚ボウル。その場所から生まれた、地域住民やお店同士の活発なコミュニケーションが、笹塚をいっそう “アツい街” にしているようです。
<笹塚ボウル>
住所:東京都渋谷区笹塚 1-57-10 〈3F・4F〉
電話番号:03-3374-1300
営業時間:7:00-25:00(金・土は朝5:00までオールナイト営業)
定休日:年中無休
ウェブサイト:http://sasazukabowl.com/
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取材・文:笹川智香/撮影:笹川智香・cowcamo編集部/編集:THE EAST TIMES・cowcamo編集部