日々お客さまの家探しをサポートするカウカモエージェントにフィーチャー! 不動産のプロがオススメする、萌える街やマンションって? 実際に街を歩きながら、編集部がインタビューする企画です。


こんにちは、カウカモ編集部の酒井です。ポツポツと雨が降り出しそうな梅雨空の中、やってきたのは……。

このエネルギッシュなカオス感……そう、「中野」駅です! サブカルのメッカというイメージが強い街ですが、本日のナビゲーターいわく “ファミリーにおすすめしたい街” なんだそう。それでは、待ち合わせ場所に向かいましょう!

中野駅北口から西に進み、中野通りを超えてやってきたのは「中野四季の森公園」。駅前とはガラリと雰囲気が変わり、落ち着いた緑が広がっています。さて、ナビゲーターはどこでしょうか?

??:おーい!

あ、いたいた!

《プロフィール》近藤 由紀(こんどう ゆき)
物件の仕入れや売却をサポートする “SELLチーム” に所属するカウカモエージェント。某大手メーカーでの営業経験を活かし、安全に、そして安心して住み替えができるようお客さまをサポートしている。現在はチームマネジメントも行う、頼れるリーダー。社内での愛称は “ユッキー”。

朝の一杯から始めましょう

広〜い園内で無事合流できたことにひと安心。常設されているベンチで朝イチのコーヒーをいただきながら、中野をチョイスした理由を聞いてみました。

近藤:実は6歳〜11歳まで中野に住んでいたの。今はサブカルのイメージが強いけど、ファミリーでもとっても住みやすい街だからぜひ紹介したくて。思い出の場所も久しぶりに行きたいし!

父の仕事の都合で、日本各地を転々としていたという近藤。その中でも、多感な時期を過ごした中野はとくに思い出深いそう。再開発が進む現在の中野と、近藤が暮らしていた頃を比較しながら見ていくのも面白そうですね。

上・芝生だけでなく、園内には各所にベンチとテーブルがあるのでピクニックにぴったり。この日はテイクアウトしたコーヒーをいただきました。/左下・ランチタイムになるとフードトラックが続々とオープン。/右下・近所に住むファミリーから、近くに勤める会社員や学生たちが思い思いの時間を楽しむ憩いの場になっています。

2012年に誕生した「中野四季の森公園」は、かつてあった広大な警察大学校の再開発プロジェクト「中野四季の都市(まち)」の一部。広大な敷地内に飲食店やショップが入居する2つのオフィスビル「中野セントラルパーク」や警察署、病院、大学キャンパスなどがあり、今では老若男女に愛される憩いのスポットとなっています。

さて、朝の一杯で目も覚めてきたので、中野散策スターティン!

もうすぐ姿を消す、中野のシンボル

紹介したいマンションがあるということで、公園を後にし再び中野駅方面へ。道中には、あの中野のシンボルが。

「大三角形」と呼ばれる特徴的な外観は、何度見ても壮観です。

そう「中野サンプラザ」です。

コンサート会場・レストラン・結婚式場・会議室などを備えたこの複合施設は、街の再開発に伴い2024年前後に取り壊されることが決まっています。

左・エントランス前の広場にあるカリヨン時計台。中野サンプラザの由来でもある “太陽=SUN(サン)”が描かれています。/右上・以前カウカモ編集部の集合写真を撮ったエントランス。この文字も見ることができなくなると思うと、なんだか寂しい気持ちになりますね。/右下・後ろ姿も豪快。

近藤:やっぱりかっこいいよね。私が住んでいた頃から街の象徴的存在だったから、なくなってしまうと思うと寂しいな。

中野サンプラザは設立当初、「全国勤労青少年会館」という名称だったそう。 しかし、若い方に親しまれる名前を一般から募り、若さ満ちあふれるエネルギーの象徴「太陽=SUN」と、人々が集う場所「ひろば=PLAZA」という言葉が結びついた「SUNPLAZA(サンプラザ)」という愛称になったのだとか。

いずれなくなるであろう景色を目に焼き付けつつ、我々はあの “カオス地帯” へ……。

いざ、サブカルの聖地へ

あいにくの天気だというのに、この賑わい。中野駅北口から続く商店街「中野サンモール」にやってきました。

飲食店から老舗の文房具店、お馴染みのハンバーガショップにファストファッションブランドまで、さまざまなジャンルの店舗が並んでいます。

軒を連ねるお店には目もくれず、ズンズン商店街を突き進む近藤。その先にあるのは……

商店街の突き当たりにある入り口。

ドン。

そう、サブカルの聖地「中野ブロードウェイ」です。『中野といえばここ!』という方も多いはず。実は近藤もそのひとり。

左・フィギュアや古本を販売する「まんだらけ」ですぐさま立ち読み。/右上・昭和レトロな看板や玩具を販売するお店も。/右下・大ファンだと言うボーカロイドフィギュアの前で、真剣な眼差しで彼女の凄さを熱弁。

なにを隠そう、近藤は生粋のサブカル傾倒者。彼女が中野で暮らしていた頃見ていたアニメのフィギュアを見つけては、『やばーい♡』の連発! 取材続行不可能かと思うほどに大興奮していました(笑)

ちなみに「中野ブロードウェイ」が誕生したのは1966年。開業当初は、かつてこの地にあった商店街の個人商店がテナントとして入居していましたが、時代とともに集客力が落ち込み、その多くがシャッターを下ろすことに。そんな矢先、漫画雑誌専門の古書店「まんだらけ」がオープン。それが好循環を生み若者の利用者が増加しました。その後、まんだらけの勢いに続くように次々とサブカル系のショップが入居し、いつしか街のイメージを象徴する存在にまでなったそうです。

さて、近藤の興奮が落ち着いたところで、我々は「中野ブロードウェイ」の北側へ。

カオスと暮らしが同居するマンション「ブロードウェイ」

中野ブロードウェイの北側には、交通量の多い早稲田通りこそ通っているものの、カオス感は薄れている印象。あれ、そう言えば今回お目当てのマンションは……?

近藤:これこれ!

と近藤が指差す上空を見ると、「中野ブロードウェイ」の上部に白い外観の建物が。

一見わかりづらいですが、マンションのメインエントランスは、一般客も利用する駐車場入口の真横に位置しています。

そう、今回近藤が訪れたかったマンションはその名も「ブロードウェイ」。このエリアに詳しくない方は、まさか商業区画の上部に居住区があるとは思わないのではないでしょうか。

エントランスのシャンデリアに赤絨毯が敷かれた廊下など、共用部内は昭和レトロな雰囲気。好きな人にはたまらないでしょう。

本当に居住区があるの? と疑いたくなりますが、一歩中に入ればそこはマンションそのもの。オートロックや監視カメラも各所に設置されており、セキュリティ面への配慮もしっかりとされていることがうかがえます。

近藤:このマンションは商業区画と同時に、1966年に高級マンションとして建てられたんだけど、その特徴が随所に見られるんだよ。

開発を手掛けたのは、日本における高級マンションの草分け的存在である「コープオリンピア」(渋谷区神宮前)を成功させたディベロッパー。近藤の言う通り、当時の高級マンションらしい共用設備が見受けられます。

知られざる中野、ここにあり
中野の空に浮かぶ秘密の庭園

とっておきの場所があると言うことで、近藤が案内してくれたのはマンションの屋上。そこには、なんと天空の庭園が広がっていました……!

地上10階建ての建物の屋上に造られた広大な庭園。

これはたまげた……まさか中野にこんな場所があったなんて!

左上・アーチのように並ぶ巨大な排気塔はインパクト大。/右上・噴水や日本庭園、ジャングルジムや菜園もあり、当時のグレード感を伺わせてくれる一方、住民たちにとって身近な憩いの場であることがわかります。/左下・極め付きは居住者専用プール! 東京のはるか遠くまでを一望しながら泳げます。/右下・無料で使用できる居住者用の駐輪スペースも。

近藤:当時、最高峰の高級マンションとして造られたことがよくわかるよね。今もこの庭園を利用している人はいるけど、分譲時はもっと盛り上がっていたんだと思う。

屋上から周囲を見渡すと、ほぼ360°遮るものがない絶景が。新宿の高層ビル群も「東京スカイツリー」も一望でき、まさに “天空庭園” という感じです。

左奥には、進化を遂げる “新宿エリア” の街並みが。下を見ると、駅まで延びる中野サンモールのアーケードも。

完成後半世紀を経た「ブロードウェイ」ですが、取材時も散歩をされている方の姿があり、いまだに現役。中野の少し高い場所から、人々の暮らしと街の変化を、長年に渡って見守っていたのでしょう。

サブカルだけじゃない! 暮らしを支える中野ブロードウェイ

しばし屋上庭園を堪能した我々は、南側位置する別のエレベーターで再び1階へ。

降りると、テナントフロアにつながるサブエントランスに出てきました。普通にお買い物をしていると見逃してしまいますが、中野のカルチャーと暮らしが直結しているんです。

左上・テナントフロアの南側にあるサブエントランス。サンモールから直結なので、こちら側から出入りするのも便利。/右上・地下1階にはスーパーや八百屋さんなどが多く入居しています。/左下・上は漫画、地下には鮮魚。/右下・サブカルゾーンは若者、地下はお母さんたちのテリトリー。

テナントフロアを地下1階まで降りてくると、八百屋さんや鮮魚店など生活に密着したお店がずらり。サブカルゾーンとはうってかわって、お客さまの層もマダムの方が目立ちました。実は建物の管理組合は、商業区画と居住区画を一貫して管理しているのだとか。

そんな中、近藤が真っ先に向かったのはここ。

高さ約40センチ、重量は約700グラムにもなるというスーパーヘビー級のソフトクリームに、うれしいのか引いているのかわからない表情。

やりすぎ(笑)! と言いたくなるほど巨大なソフトクリームが名物の「デイリーチコ」。ブロードウェイが完成した1966年から続く超老舗で、近藤も幼少期からその存在は知っていたそうです。憧れの巨大ソフトを “なんとか” いただき、中野ブロードウェイを後にしました。

サンモール東側には、所狭しと飲食店が軒を連ねています。

続いて、我々はブロードウェイの東側へ。中野通りの西側は再開発が進み、洗練された街並みになっているのに対し、東側は昭和の香りが漂ういい意味で雑多な雰囲気。古きよき時代の街並みがしっかりと残されています。

テナントとしてメイド喫茶やスケートボードショップが入っていたりと、サブカル感満載。

散策をしていると、繁華街のど真ん中にサブカル系ショップが入居するマンションを発見。マンション共用部をメイドさんが歩いていて、中野らしさ全開で近藤も興味津々でした。中野通りを境に、街の印象がガラリと変わるのも中野の面白いところかもしれません。

“新井薬師エリア” までお散歩

続いて、我々は中野駅から北上。早稲田通りを越えてやってきたのは “新井薬師エリア” です。

左上・早稲田通りから続く「薬師あいロード商店街」は、穏やかでどこか懐かしい雰囲気。/右上・高い建物のない住宅地広がっているため、行き交う人々も地元民が多い印象。/左下・商店街にはナウなお店も。キューバサンドスタンド「SUNSETBEER FC(サンセットビア エフシー)」の常連は地元のおじいさん。/右下・スパイス料理とインドの紅茶のお店「MAROLOGA Bhavan (マロロガバワン)」。若い人も楽しめそうなお店がたくさんありました。

「薬師あいロード商店街」には新進気鋭のお店もちらほらとあるのですが、若い店主と地元のおじいさんが楽しく世間話をしていたり、お店の前にテーブルセットを出して店員さんがのんびりしていたりと、地元民に愛されるローカルエリアであることがわかります。

そしてこのエリアで忘れてはならないのが、ここ「新井薬師 梅照院」。

西武新宿線「新井薬師」駅の由来にもなっている中野区最大の寺院で、平日にも関わらず、地元の方や観光客で賑わっていました。

せっかくということで、近藤もおみくじを引いていましたが、結果はもちろん秘密! 真面目な近藤はすぐさま『どれどれ、仕事運は〜……』と小声で読んでいました。

この “新井薬師” エリア、個人的にとっても好きでした。ブロードウェイ周辺とは違い、時間の流れがとてもゆったり。早稲田通りを超えるだけで、またひとつ違う雰囲気の変化が楽しめます。