これから迎える冬本番。うんと寒いからこそ、家の中は暖かくゆったりと過ごせるように冬支度をしたいものです。
冬を冬らしく演出して、家で過ごす時間をより豊かなものにする暖房器具の代表と言えば「暖炉」! 薪をくべて燃え上がる炎を眺めながら本を読んだり、コーヒーやワインを楽しんだり・・・なんて生活、憧れますよね。
でも、マンション住まいではそもそも設置が難しく、戸建てであっても煙を逃がす煙突が必要だったり、薪を燃やしたらススが出たりとハードルが高く、設置を諦めている方も多いのではないでしょうか。
そんな諸条件をすべてクリアにして火のある生活を楽しめるのが、エタノール暖炉「ecosmartfire(以下、エコスマートファイヤー)」です!
今回、南青山にあるショールームにおじゃまして、株式会社メルクマールの佐野文俊さんにお話をうかがいました。
環境に優しい、エコでおしゃれな暖炉!「エコスマートファイヤー」
ーではさっそく、「エコスマートファイヤー」とはどのような暖炉なのか教えてください。
「エコスマートファイヤー」とは、植物資源であるサトウキビやトウモロコシなどを原料としてつくられた燃料「バイオエタノール」を燃焼させる新しいタイプの暖炉です。
バイオエタノールは植物資源を蒸留し発酵させた発酵アルコールという部類に入り、純度の高いアルコールを燃焼させるエタノール暖炉は、従来の薪の暖炉のように一酸化炭素などの有害な物質や煙が出ないというのが特徴と言えます。そのため煙突や配管も必要なく、着火・消火も手動で専用の器具を使って行い、コンセントも必要ないんです。
ー暖炉であっても、燃料は薪ではないんですね!
そして煙突や配管が必要ないということですが、どんな家庭でも設置できるんでしょうか?
どんなお住まいでも手軽に設置いただけます! 家具のようにお部屋に置けばすぐに使える製品もありますし、家具の中や、壁や床に埋め込むなどのすごく簡単な工事で設置ができるように設計されているものもあります。
住宅で導入いただいている割合としましては、戸建て6割、マンション4割くらいですね。賃貸にお住まいの方もいらっしゃいますよ。ほかにも、商業施設やアパレルショップ、結婚式場、旅館やホテルなどでの演出にもご使用いただいています。
ーそんなに手軽に暖炉のある生活が手に入るんですね・・・とても魅力的!
そして気になるのが、ブランド名にもある “エコ" なのですが、どのような点でエコなのでしょう?
暖炉に火をつけてバイオエタノールが燃焼すると二酸化炭素が排出されます。そのバイオエタノールの原料となるサトウキビやトウモロコシは生長するために、光合成をして二酸化炭素を吸収する仕組みを持っているんですね。バイオエタノールを燃焼したときに排出される二酸化炭素量と、植物が生長のために吸収する二酸化炭素量がまったく同等の量をなしているんです。
植物を刈り取って原料にしてバイオエタノールを作って、バイオエタノールを燃焼したら二酸化炭素が排出されて、その二酸化炭素を植物資源が吸収して生長をして・・・という循環サイクルを「カーボンニュートラル」と呼んでいるんですが、このような仕組みによって地球上に余分な二酸化炭素や有害物質を排出しないという点でエコであり、将来的に枯渇してしまうと言われている石油資源を使わずに、循環して再生可能な植物資源を燃料にしているというところは、従来の暖房器具と異なる点と言えると思います。
火をインテリアにする、暖かく豊かな暮らし
佐野さんにお話をうかがいながら、設置の手軽さや、環境への配慮を知って、ぐっと身近なものとして感じられた暖炉のある暮らし。さらに暖炉には、電気ストーブやヒーターでは得られない効果があるのだそう!
ちょっと昔に話題になった、「1/f揺らぎ」ってご存知ですかね。まさにあれなんですよね。炎を見ていると、自然と人間の波長というかリズムが整って、リラックスできるという効果があります。特にバイオエタノール暖炉の炎って、自然な炎の揺らめきなんですね。ガスコンロのようにガスを噴出して燃やしている炎とはまったく異なり、色もオレンジ色で見ていて飽きません。
以前、介護施設の待ち合いスペースにバイオエタノール暖炉を導入いただいたことがあったんですが、導入する前は全然人が集まることのなかった空間に、ご老人の方々が集まるようになったんです。ぼーっと炎を眺めながらくつろぐ方や、炎の近くで会話をはずませる様子が見られるようになったり。火のある空間が人に及ぼす影響って大きいのだなと感じましたね。
ー確かに火って人を惹きつける力がある気がします。
リビングやダイニングなど家族が集まる空間に設置すれば、暖炉を囲みながらゆったりとしたくつろぎの時間が過ごせそうですね。
ーほかにも、エコスマートファイヤーならではの特徴はありますか?
そうですね、エコスマートファイヤーは、2002年に世界で初めてバイオエタノール暖炉を商品化したオーストラリアのブランドなのですが、オーストラリアでは暖房用の暖房器具と、観賞用の暖房器具とでカテゴリーが分かれるんですね。このエコスマートファイヤーは暖房用の器具としてではなく、どちらかと言うと観賞用の暖炉として開発・販売されていまして、お部屋のインテリアとして、空間の演出として製品を使っていただきたいというコンセプトから、このオレンジ色の炎をきれいに見せることにも、こだわりを持ってつくっています。
ーえ!? そうなんですか?
確かにデザインも素敵ですし、炎も美しく観賞用というのも頷けるのですが、いまこちらのショールーム、とても暖かいんですけど・・・。暖房用としては適さないということでしょうか!?
いえ、観賞用と言っても、薪の暖炉と遜色ないくらいの暖かさを得ることはできるので、暖房器具として使っていただくことは可能です。小さい製品だと15帖程度のお部屋から、大きい製品だと35帖程度のお部屋まで暖めることができます。それ以上の広さのお部屋を暖めたい場合は、2台設置することも可能です。
暖かさを示す単位として、kwという熱出力の単位があるんですが、バイオエタノール暖炉の熱出力って、基本的に3.5kwで一番大きくても4.4kwくらいの数字なんです。薪の暖炉だと、だいたい10kwを超えるんですが、薪の暖炉って煙突を付けて煙を逃がすじゃないですか。それと同時に熱も5〜6割逃げていってしまうんですよ。それを換算すると、薪の暖炉とバイオエタノール暖炉は同等の暖かさと言えます。エタノール暖炉は煙突や排気も必要ないので、温められた空気は90%以上お部屋の中に還元できるんです。ただ、バイオエタノール暖炉も燃焼をさせると酸素濃度が多少は薄くなるため、1〜2時間に一回の換気は必要です!
ーなるほど! 観賞用としてつくられたから、インテリアとしてのデザイン性にも優れているんですね!
そして、海外ではバイオエタノール暖炉のブランドがほかにもいくつか出てきてはいますが、世界標準機関による安全基準の認証を取得しているのは、エコスマートファイヤーだけです。業界をリードするパイオニアだからこそ、安心してご使用いただけます。
どんなお部屋にも設置可能! ニーズに合わせたラインナップ
では最後に、エコスマートファイヤーの人気ラインナップをご紹介しましょう!
・BIOETHANOL BURNERS/XL900
・DESIGNER FIREPLACES/Ghost
・DESIGNER FIREPLACES/Vision
・OUTDOOR FIREPLACES/Stix
・FIREPLACE GRATES/Scope
もともと人間と火って近い存在で、昔は火を焚いて生活をしてしていましたし、本能的に火を好む部分が残っていると思うんですよね。最近は電化製品の普及によって火を見る生活が途絶えてきていますが、お部屋の中で火を囲んでもらいたい。そして豊かな生活を送っていただきたいと思っています。
これまで暖炉に憧れていたけれど、マンション住まいだから・・・と諦めていた方や、リフォームまでは考えられないなんて方も、暖炉のある暮らしを始めてみてはいかがでしょう。
暖房器具としてだけではない深い魅力に包まれて、ぜひ暖かな冬をお過ごしください!
※バイオエタノール暖炉「エコスマートファイヤー」はこちらのディーラーでも取り扱っています。
取材・文・撮影:cowcamo編集部(申 梨恵)/写真提供:株式会社メルクマール