ちまたの猫グッズはなぜファンシーテイストオンリーなのか
拝見したモデルルームは "いかにも猫部屋" 的な感じはまったくなく、シンプルで使い勝手がよさそう。この普通さがとても新鮮に感じます。
ちまたで売られている猫グッズって、なぜかファンシーなものばかり。もちろんそういうのもあっていいですけど、もっとシックなものもあっていいと思うんです。今は選択肢がない状態ですよね。僕自身、猫の飼育が可能な物件自体を増やしていきたいのはもちろんですけど、将来的には猫家具を自社ブランドで作ってうまく量産できるようにしたいなとも思っているんです。そうすればリノベーション費用ももっと安くできますから。
「シックな猫家具」はインテリアにこだわる多くの猫好きさんが切望しているのではないでしょうか。これは大いに期待したいところです!
猫の性格はさまざま。個体に合ったリノベーションを
ペット可物件を見極めてきた伊藤さん。最後に、猫と人が快適に暮らせる住空間を作るにあたって心がけるべき点についてアドバイスをいただきました。
基本的に、猫の性格にもよるし、飼い方にもよるので、一概に「こういうリノベーションがいいですよ」とは言えないと思うんですね。たとえば、吊り橋のようにゆらゆら揺れるキャットウォークがありますが、猫が不安定な足場を怖がって、使ってくれない、という例も聞きます。キャットウォークの一部をガラス張りにして、肉球が見えるようにするものもありますが、これも下が見えるのを怖がる猫もいます。ですから、すでに猫を飼っているなら、その猫の性格に合うリノベーションを考える。もしもこれから猫を飼いたいけれど、家を先に購入して猫仕様にしたい、というのであれば、一般的な猫の特徴や習性を考慮した最大公約数で考えることになると思います。
ただ、たとえば天井にキャットウォークを取り付けたいという希望があったとしても、ある程度の天高がなかったら作りづらいんです。無理に取り付けても圧迫感が出てしまいますし、実際に頭をぶつけちゃったりもする。物件によってできることとできないことがありますから、猫仕様の住まいを考えるなら、物件を選ぶところからスタートしていただくのがいいですね。もちろんサノスケ不動産でも、物件選びからご相談いただけますよ。
猫の性格はまさに十猫十色。人間の理想を押し付けることなく、猫とじっくり向き合って、お互いが快適に暮らせる住まいのかたちを見極めたいですね。
伊藤さん、ありがとうございました!
■取材協力:ジユウラボ株式会社
WEBサイト:http://sanosuke-cat.com/
取材・文:吉田タカコ/撮影:cowcamo/写真提供:ジユウラボ株式会社