中古マンションを購入し、楽しくリノベ暮らしをしているお宅へ訪問インタビューさせていただく「リノベ暮らしの先輩に聞く!」。


リノベーションの醍醐味のひとつは、自分たちのライフスタイルに合わせて、住まいの形を自在に変えられること。たとえば、愛するペットとの暮らしに特化した家をつくることだって可能だ。

今回は猫好きなら見逃せない、愛猫4匹と暮らすご夫婦がつくりあげたリノベーション住まいを訪ねた。

迎えてくれたのは、Fさん(左) Yさん(右)、4匹の猫たちと暮らすご夫婦だ。

■賃貸じゃ限界、猫仕様の家に住みたくて

取材中は4匹のうち最も人馴れしている、るびちゃんが活発に写真に写り込んでくれた。

カウカモを使って、住まい探しをされたおふたり。まずはその経緯を伺ってみた。

Fさん:以前は「二子新地」の賃貸に6、7年ふたりで住んでいました。猫が4匹もいるから、DIYでなんとか猫仕様の家にしようと頑張ってはみたんですけど、やれることも限られる上、壁や畳についてしまった爪研ぎ跡を自分たちで治すこともできませんし……やっぱり賃貸じゃ限界があるなと。

Yさん:もともと強い意志で「マンションを買おう!」と思っていたわけじゃないんですが、中古マンションをリノベーションしてる友人が増えてきて、自分たちもやってみてもいいかなと考え始めたんです。

リノベーション済みの個人住宅に手を加えて

希望のエリアは馴染みの 「二子玉川」 周辺。ひと駅お隣の「上野毛」で、条件に合ったこの物件に出会った。それは丁度おふたりと年齢の近い方が2016年にご自身でリノベーションをされた物件。状態もよく、活かせるところは活かして、部分的につくりかえることに。

Fさん:綺麗に仕上がってる再販物件を壊すのはもったいない、かといってスケルトン状態の物件は完成形のイメージが湧きづらい……そんなふうに思っていたところ、この物件なら少し手を加えるだけでおしゃれに住めそうだと思えたんです。

飛び石のある玄関土間は、前所有者がリノベーションでつくりあげたもの。ドアを変更・追加するなど、既存を活かしながら改修した。

猫と暮らすための工夫とは?

リノベーションは建築設計事務所のSUNN.(スン)さんに依頼。カウカモが提案したリノベーション会社のなかから、好みのデザイン提案をしてくれそうな会社をセレクトしたそうだ。

コンセプトは“猫仕様” 。はたしてどんな工夫を凝らしたのだろうか。

◼︎整いすぎず、味が出る雰囲気に

まず重視したのは、猫が傷をつけても気にならないこと。爪痕がついても塗り直せるように、壁は全面塗装に。元々の仕様であるコンクリート現しの天井には手をつけず、ラフな雰囲気に仕上げた。

Fさん:ホテルライクだったり、あまりにぴっちりした内装だと細かい傷や汚れが気になってしまうと思ったんですよね。

質感のあるコンクリートや塗り壁なら、長く住んでも味が出て、多少の傷や汚れは誤魔化せそうかなと(笑)

アクセントカラーにはビビットなイエローを入れて、好みのレトロポップな雰囲気に仕上げてもらいました。

イエローを選んだのは、フローリングの色合いに馴染み、寒色系よりも油汚れなどが目立ちにくいと考えたからだそう。

◼︎特製キャットウォーク付きカウンター

“猫仕様” といえば、やっぱりキャットウォークが欲しい。この住まいでは、LDKの中心に据えたカウンターテーブルと一体的にキャットウォークをつくった。

Fさん:リビングとキッチンの境目をつくりたくて、もともとあったカウンターキッチンを壁付けにして、このテーブルを造作してもらいました。

私は在宅勤務で、いつもこのカウンターテーブルで仕事をしています。あちこちにいる猫たちの様子が、ここにいればすぐにわかって安心なんです。

テーブル内部には猫たちが通り抜けられる穴が!

◼︎キッチンは “見せない収納” に

Fさん:前の家はスチールラックにお鍋をディスプレイしていたんですが、猫の毛が乗ってしまうのが地味にストレスで……“見せる収納” はやっぱり猫向きじゃないので、今回は思い切って全部隠すことにしました。

意識したのは収納力。キッチン・カウンター側両面に、キッチン用品を余すことなく収められるように収納をたっぷりと確保した。天板や面材はフラットなデザインなものを選んだため、汚れがつきにくく拭き取りやすい。

キッチンはサンワカンパニー(現ミラタップ)製。内装全体のイエローは、このキッチンの色味をベースにしたんだそう。

タイルの目地もアクセントカラーのイエローで合わせた。

◼︎扉にもひと工夫

一般的なレバーハンドル式の扉は、猫たちに開けられてしまう。扉は猫が開けにくいプッシュプルハンドル付きのものか引き戸を設置。リビングドアにはペットドア付きのものを選んだ。

住まいづくりを終えて

満足度の高いリノベーションができたと語ってくれたおふたり。最後に住まいづくりの成功の秘訣を伺ってみた。

Fさん:フルリノベの想像が難しい人は、ある程度条件の揃った物件を見つけて、自分好みに部分リノベをするのがおすすめです。やっぱり0から考えるよりも完成形のイメージがしやすいくて、カジュアルに住まいづくりができたと思います。

ベッドは既存の小上がりを活用した。季節ものの衣類は、小上がり下にまとめて収納。

Yさん:前提としてマンション選びも大事ですね。このマンションは築約50年と古めなんですが、サッシが改修されたばかりで快適に過ごせますし、修繕積立金もしっかりと貯まっているから、これからのメンテナンス面にも安心感が持てます。

Yさんの書斎。もともとロフトベッドが造作されていた子ども部屋を書斎兼WICとしてつくりかえた。

―――――物件概要―――――
〈所在地〉上野毛
〈居住者構成〉2人+猫4匹
〈間取り〉2LDK+WIC
〈面積〉54㎡
〈築年〉築52年(取材時)
――――――設計――――――
〈会社名〉SUNN.
〈WEBサイト〉https://sunn.tokyo/home


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