気になるあの街はどんな街だろう。その街で活動するからこそ知り得る、街の変化の兆しや、行き交う人々の違いを「街の先輩」に聞いてみました!「街の先輩に聞く!」、 第21弾は「用賀」です。
出版不況の中、新刊を出し続ける元気な出版社があると言います。しかもその出版社、用賀で大盛況のレストランを経営しているというのだから気になります。その名は「枻(エイ)出版社」。
なぜ出版社が? なぜレストランを? なぜ用賀で? そんな疑問を携えて、エイ出版社のレストラン「用賀倶楽部」にて、事業開発本部・フードサービス事業部の岩崎徹さんにお話を伺いました。
■様々なニーズに丁寧に応えてきた「用賀倶楽部」
東急田園都市線、用賀駅から徒歩8分の閑静な住宅街にある「用賀倶楽部」は、オープンから12年、驚くことに飲食サイトやSNSが普及する以前から、クチコミの力で集客をしてきたそうです。
一番のこだわりはお客様のニーズに心を込めてお応えすることでした。用賀倶楽部は、いつでも、誰とでも、どんなシーンでも安心して足を運んで頂けるレストランでありたいと思い続けながら、お客様に育てていただいたお店なのです。
料理はイタリアンをベースにしながらも、ファミリー層を意識して始めたオムライスが看板メニューとなった時期もあったとか。店内やテラスにペット同伴席があるので、愛犬とのお食事を楽しむこともできます。
■違いは・・・紙かテーブルか、ただそれだけ
なぜ、紙媒体で情報を発信する出版社がレストランの経営をしているのでしょうか。
実は・・・我々はそれほど変わったことをやっている意識はありません。皆さまに、豊かになっていただきたい、笑顔になっていただきたい、というゴールを目指し、主には媒体を通じ 、そして飲食業を介して、思いを表現させていただいている次第です。違いは・・・紙かテーブルか、ただそれだけなのです。
と、穏やかにエイ出版社の事業を説明する岩崎さん。
「for tasty life 味わいのある人生のために」をスローガンに、趣味やライフスタイルに関する雑誌やムック本で、様々なニーズに丁寧に応えてきたエイ出版社。紙とテーブル、提供の方法は異なっても、何を提供するか、その本質の部分に違いはないようです。
■「味わいのある」ライフスタイルの発信基地、用賀
レストランだけでなく、本社も用賀に構えるエイ出版社。ニッチなニーズに応える発信基地として用賀を選んだその理由は・・・。
緑豊かで心地よい場所から情報を発信したいというのはもちろんですが、我々のルーツがバイク雑誌にあることも理由に挙げられます。ロケや郊外のサーキットに出向くにも、第三京浜、環八、東名自動車道、首都高と便利で発進基地としても用賀は都内No,1の便利さだと思うんです。
都心へはもちろん、海へも山へもフットワーク軽く動ける用賀。都会生活のオンとオフを自在に行き来できる立地こそが、エイ出版社が謳う「味わいのある」ライフスタイルの発信に欠かせない要素なのかもしれません。
■様々なライフスタイルがつながり、コミュニティーへ発展する街へ
用賀は、日曜日の過ごし方が実に多様なんですよ。
と、用賀の暮らしについて話す岩崎さん。
買い物がしたければ、渋谷や二子玉川はもちろん、 高速に乗れば御殿場のアウトレットも 決して遠くはありません。自然の中で遊ぶには、花いっぱいの砧公園は最適で、川辺で仲間とバーベキューをするにも、多摩川まですぐの距離です。家で過ごし、ちょっと気分転換に模様替えをと思い立ったら、IKEA港北へも1時間とかかりません。
決して派手さは無いけれど、誰もが充実した日曜日を過ごせる豊かな街。そんな用賀ですが、実は日曜日の過ごし方に選択肢がもうひとつ増えました。
3月から用賀倶楽部の隣にブックカフェをオープンしました。「雑誌と読者を立体的につなげる」というと大げさですが、皆さまが、新しい趣味や仲間と出会うコミュニティースペースとしてお役に立てればと思っています。
例えば、ここをマルシェにして地元野菜を中心に新たなコミュニティー作りのお手伝いをしたり、季節を感じるマラソン大会を開催し、走る楽しさとこの街の魅力を広めたり・・・と、 本を売るだけでなく、私たちができることは、この先もたくさんあると思っています。
2020年に向けて、開発や建設といったアプローチではなく、共通の趣味や感性を持った人のつながりがコミュニティーへと発展し、街がより多くの人に開かれる、そんな予感のある街が用賀です。
<用賀倶楽部>
住所:世田谷区玉川台2ー17-16 世田谷マイスターハウス1階
tel:03-3708-8301
営業時間:OPEN 11:30~23:00(土日祝日は8:00~モーニング営業あり)、年中無休/店舗専用駐車場11台有/ペット同伴席有
ウェブサイト:http://food.ei-publishing.co.jp/yoga-club/
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取材・文:國井千穂/撮影:國井千穂・cowcamo編集部/編集:THE EAST TIMES・cowcamo編集部