春到来。部屋をスッキリ片付けて、気持ちを切り替えたい季節です。とは言え「収納が足りなくて、すぐ散らかっちゃう」という人も多いのでは?

収納が多い部屋に引っ越すのもアリですが、ちょっと待って! 部屋の片隅やクローゼットの奥に押しやられたあの荷物がなくなれば、スペースは広くなるしお気に入りの家具も増やせるかも。

「でもまだ使うかもしれないし、思い出もあって捨てられない……」。うんうん、分かります。

そんな時に便利なのが「一箱200円から預けられる保管サービス・minikura(ミニクラ)」です。サービスを展開するのは創業65年の保管業のプロフェッショナル、寺田倉庫。一体どのようなサービスなのか、minikuraグループの今成真之介さんに聞きました。

預けた後も、いつでもどこでも箱の中身をチェック

Web系の広告代理店勤務を経て、現在はminikura事業部でWeb広告やマーケティング、他社とのアライアンス事業開拓などを担当している今成さん。最近家族が増え、これから自宅でも荷物が増えていきそう、と笑顔で話してくれました。

「誰でも自分の倉庫が持てる」が、minikuraのコンセプトです。空間を借りるトランクルームと違って、段ボール箱一つから預けることができ、申し込みや取り出しもWeb上で完結するのでとても手軽です。

まずはWeb上で、専用ボックスを必要な分だけ購入してください。ボックスが自宅に届いたら、預けたい物を入れて宅配便で送るだけ。荷物は温度や湿度を管理した倉庫で保管され、取り出したい時にWebで申し込めば、自宅に宅配される仕組みです。

minikuraの使い方はシンプルな3ステップ。支払いはWeb上でクレジットカード決済し、ボックスの送料はすべて無料。

箱単位で預けられるサービスは2種類あります。中でも新しい試みが「minikura MONO(モノ)」。ユーザーが預けた中身を一品一品こちらで撮影し、Web上にアップするサービスが付いています。ユーザーはWeb上の「マイページ」で写真を確認できるので、何を預けたか忘れても大丈夫。「預かった箱を開け、中身を取り出す」のは保管業界の常識を打ち破る試みですが、好評をいただいています。

IDとパスワードで守られた自分だけが閲覧できる「マイページ」。いつでも預けた中身を確認できて、一品単位でヤフオク! に出品したりクリーニングに出すことも可能。

なるほど! 見えないクローゼットが一つ増えて、しかもデータ化してWeb上で管理できるわけですね。一度荷物をしまいこんでしまうと、存在自体を忘れがちですが(同じような服を買ってしまったり)、綺麗に撮影してもらってWeb上で見られるなら、大切な物も安心して預けられます。パソコンはもちろんスマホでも確認でき、必要になった際は一点だけの取り出しもできます。

ー気になる保管費用はおいくらですか?

一箱250円・月額250円(MONOの場合)です。例えばトランクルームを借りるとなれば、現地を内覧したり契約書を書面で交わしたりとハードルが高い。minikuraは、「物を預ける」ということを身近に感じてもらうため仕組みをシンプルに、価格も抑えて、気軽に申し込めるようにしました。

や、安い! その値段なら、実家に送る感覚で気軽に預けられます。

ボックスのサイズは「レギュラー」「アパレル」「ブック」の3種類で、それぞれ内容物に合ったサイズが用意されています。

大切なものだからこそ、預けてほしい

「保管のプロ」だから、ウールや革も安心して預けられます。

2012年のスタート以来、これまでminikuraに預けられたアイテムはなんと1300万点を数えるそう。どんな人が、どんな物を預けているのでしょうか?

一番多いのは、洋服や靴などアパレル品ですね。シーズンオフになったら預けて、季節がきたらまた取り出すなど半年単位での利用が多いです。2番目は本。3番目はフィギュアやミニカーなど趣味の物ですね。

ユーザーのプロフィールを見ると、ほとんど集合住宅にお住まいの方なんです。やはり収納スペースが足りなくなるようですね。全体を通して、一回につき2~3箱と少しずつ預けるケースが多いです。

確かに、マンションやアパート住まいの人にとっては便利です。意外な使い方もありましたか?

意外というほどではないですが、コレクターの方にはお薦めです。たとえば旦那さんが趣味でフィギュアを集めていて、飾っておきたいけれど奥様に「場所とりすぎ!」と怒られること、ありますよね。そんな時にminikura MONOを利用すれば物は片付くし、一点ずつ撮影された画像をWebでいつでも見ることができる。クラウド上に自分のコレクションケースを持っているようで楽しいですよ。

提案したいのは「邪魔だから」ではなく「大切だから預ける」という考え方。たとえば子どもの絵や卒業アルバムは、頻繁に見直すわけではないけれども捨てたくはない。安全な場所に預けて、いつでもWebで見て楽しめる。新しい保管方法です。

一度読んでしまった、いつかまた読み返したい本などを預けるのもいいですね。

「気になっていたもの」を預けることで、気持ちも落ち着きますよね。

「断捨離」が定着してきましたが、そうは言っても簡単に捨てられない物もたくさんありますよね。そんな時にminikuraに預けてもらえれば、スペースが生まれるだけでなく「片付けなきゃ」というモヤモヤもなくなる。心にも空間にも余裕が生まれるんです。タイムリミットを決めて預けて、その間に使わなかったら捨てる、というルールにしてもいい。断捨離の「準備段階」というような使い方もあるのかな、と。